人喰い植物に翻弄される花屋の店員らが巻き起こす騒動を描く、製作、監督ロジャー・コーマン、主演ジョナサン・ヘイズ、ジャッキー・ジョセフ、メル・ウェルズ、ディック・ミラー、ジャック・ニコルソン他共演のホラー・コメディ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ロジャー・コーマン
製作:ロジャー・コーマン
脚本:チャールズ・B・グリフィス
撮影
アーチー・ダルゼル
ヴィリス・ラペニークス
編集:マーシャル・ネイランJr.
音楽
フレッド・カッツ
ロナルド・ステイン
出演
シーモア・クレルボーン:ジョナサン・ヘイズ
オードリー・フルクアード:ジャッキー・ジョセフ
グラヴィス・マシュニク:メル・ウェルズ
バーソン・ファウチ:ディック・ミラー
ウィニフレッド・クレルボーン:マートル・ヴェイル
シャーリー・プランプ:サンドラ・デ・ベア(タミー・ウィンザー)
バーバラ・フリッドル:トビー・マイケルズ
シディ・シヴァ:レオラ・ヴェンドルフ
ホーテンス・フォイクトワンガー:リン・ストーリ
ジョー・フィンク巡査部長/ナレーター:ウォーリー・カンポ
フランク・スツール巡査:ジャック・ウォーフォード
レオノーラ・クライド:メリ・ウェルス
フィーバス・ファーブ医師:ジョン・ハーマン・シェイナー
ウィルバー・フォース:ジャック・ニコルソン
ウェイトレス:ドディ・ドレイク
オードリーJr.の声/悲鳴を上げる患者/クロイ・ハドック:チャールズ・B・グリフィス
アゴニー・ラッシュ:ジャック・グリフィン
トランプ:ロバート・クーガン
アメリカ 映画
配給 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ
1960年製作 72分
公開
北米:1960年8月5日
日本:未公開
製作費 $27,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス、スキッド・ロウ。
生花店を営むグラヴィス・マシュニク(メル・ウェルズ)は、優しく愛想のいいオードリー・フルクアード(ジャッキー・ジョセフ)と不器用で頼りないシーモア・クレルボーン(ジョナサン・ヘイズ)を雇っていた。
接客するマシュニクは、アーカンソーの甥が亡くなったと言う得意客のシディ・シヴァ(レオラ・ヴェンドルフ)の対応をしながら、間抜けなシーモアの歌声が気になる。
販売が落ちているマシュニクは、苛立ちながら歯科医フィーバス・ファーブ(ジョン・ハーマン・シェイナー)からの電話を受けて、注文の花を配達しようとする。
サディスティックはファーブは、治療を受ける患者の悲鳴を聞いて喜ぶ。
シーモアを呼んだマシュニクは、ファーブ医師から注文を受けた花を届けるよう指示する。
そこにバーソン・ファウチ(ディック・ミラー)という男性が現れ、マシュニクにカーネーション1ダースを注文する。
花を渡そうとしたマシュニクは、ファウチから、それを食べると言われたために驚く。
ファウチは、マシュニクから渡されたカーネーションの味に満足する。 マシュニクは、花をまともに切り揃えられないシーモアを見て憤慨し、彼を解雇する。 何とか仕事を続けたいシーモアは、珍種の花を育てていることをマシュニクに伝えるものの、聞き入れてもらえない。 ファウチから、繁盛している店には必ず珍種があると言えわれたマシュニクは、仕方なくシーモアにチャンスを与えて、その珍種を持ってくるよう指示する。 家に戻ったシーモアは、病気で寝ている母ウィニフレッド(マートル・ヴェイル)に、アルコール度98%の薬を渡す。 シーモアは、珍種の植物を持って店に戻り、マシュニクらに、日本人の庭師に種をもらったことを話す。 元気がない植物の名が”オードリーJr.”だと知ったオードリーは喜ぶが、マシュニクは、こんなものが店の売り上げにつながるとは思えなかった。 その場にいたファウチは、世界に一つの珍種なら客寄せになると言って、オードリーJr.が注目されることを確信しその場を去る。 マシュニクは、シーモアに1週間の猶予を与え、その間にオードリーJr.が元気にならなければクビだと伝える。 オードリーに励まされたシーモアは、彼女が帰った後で、オードリーJr.をどうやって育てればいいか考える。 指を怪我したシーモアは、滴った血を飲んで元気になったオードリーJr.を見て驚く。 それがエサだと分かったシーモアは指をピンで刺し、オードリーJr.に血を与える。 翌朝、店に向かったシーモアは、オードリーJr.の看板が出ていることに気づく。 シーモアは、オードリーとマシュニクから奇跡が起きたと言われ、成長したオードリーJr.を見て驚く。 そこに、オードリーJr.を見に来た高校生シャーリー・プランプ(サンドラ・デ・ベア)とバーバラ・フリッドル(トビー・マイケルズ)が現れ、”ローズボウル”の山車を作るための花を2000ドル分買う予定があることをマシュニクに伝える。 自分の店のことを宣伝したマシュニクは、委員会で話をしてみると言うシャーリーとバーバラを見送る。 態度を一変したマシュニクは、シーモアを息子と呼び、彼とオードリーと共に大成功する夢を語る。 そこにシディが現れ、叔父の兄が亡くなったことをマシュニクらに伝える。 機嫌がいいマシュニクは、シディにカーネーションの束を進呈して喜んでもらえるが、オードリーJr.の元気がなくなったことに気づく。 カーネーションを無駄にしたと言って苛立ち始めたマシュニクは、寝ずに看病するつもりのシーモアに後を任せる。 その後シーモアは、オードリーJr.が”何か食わせろ”と話したために驚き、与える血もないために、散歩に出て考えることにする。 鉄道に向かったシーモアは、置いてあった酒瓶に石を投げる。 その石が酔った鉄道整備士アゴニー・ラッシュ(ジャック・グリフィン)に当たってしまい、ふらつきながら歩き始めた彼は列車に轢かれてしまう。 焦ったシーモアは、バラバラになったアゴニーの死体を袋に詰めて運び、捨てようとする。 捨てる場所がなくて店に戻ったシーモアは、食べ物を欲しがるオードリーJr.に死体を与える。 レストランでオードリーと食事をしていたマシュニクは、財布を忘れたことに気づき、それを知ったウエイトレス(ドディ・ドレイク)に無銭飲食を疑われる。 オードリーを残して店に向かったマシュニクは、シーモアがオードリーJr.に死体を食べさせているのを目撃てしまいし、動揺しながらレストランに戻る。 落ち着こうとしたマシュニクは、ウエイトレスに酒を注文し、オードリーには話す気になれず、警察に通報することも考える。 翌朝マシュニクは、店が大繁盛していたために驚き、オードリーから既に85ドル売れていることを知らされる。 マシュニクは、巨大化したオードリーJr.を見つめながら、ファウチから、手放せない存在になったと言われて動揺する。 シャーリーとバーバラは、オードリーJr.を山車のてっぺんに乗せることをマシュニクに提案する。 マシュニクは、現れたシーモアにオードリーJr.のエサについて尋ねる。 歯が痛いと言うシーモアを歯科医に行かせたマシュニクは、オードリーから、売れすぎて花が足りないことを知らされる。 ファーブ医師の治療を受けたシーモアは、歯を抜かれ、酷い治療をされそうになったために抵抗する。 シーモアはファーブを突き飛ばしてしまい、彼が死んでいることを確認する。 そこに”苦痛”を求める葬儀屋ウィルバー・フォース(ジャック・ニコルソン)が現れ、医師に扮したシーモアは、ファーブを患者に見せかける。 ウィルバーを治療したシーモアは、激痛を与えて歯を抜き、満足してもらう。 ファーブの死体を店に運んだシーモアは、オードリーJr.に食べさせる。 ロサンゼルス市警殺人課のジョー・フィンク巡査部長/ナレーター(ウォーリー・カンポ)は、フランク・スツール巡査(ジャック・ウォーフォード)にスキッド・ロウで起きた鉄道整備士と歯科医の失踪のことを話し、捜査を始める。 店を開けたマシュニクは、オードリーJr.がさらに大きくなったことに気づき、シーモアが”エサ”を与えたと考える。 オードリーもオードリーJr.を見て驚き、シーモアにキスしてデートの約束をする。 シャーリーとバーバラが現れ、山車で使う花のリストをオードリーに見せる。 ファウチとシディも、成長したオードリーJr.を見て驚く。 マシュニクは、現れたフィンクとスツールから質問され、ファーブ医師と鉄道整備士が行方不明だということを知らされる。 何も知らないと言うマシュニクは問題ないと判断したフィンクとスツールは、情報があれば署に電話するようにと言ってその場を去る。 マシュニクは、オードリーJr.の成長が止まったことをシーモアに確認する。 マシュニクは、シーモアとオードリーがデートする間、オードリーJr.を見張ることを2人に伝える。 お金がないシーモアは、オードリーを家に誘い、母の手料理でもてなそうと考える。 南カリフォルニア花鑑賞会の代表ホーテンス・フォイクトワンガー(リン・ストーリ)が来店し、オードリーJr.に興味を持った彼女は、育てたシーモアに記念トロフィーを贈ることを伝る。 その夜シーモアは、オードリーを連れて自宅に向かい、母ウィニフレッドに彼女を紹介して食事をする。 マシュニクは、夕食を持参して店でオードリーJr.を見張る。 その後、うたた寝をしていたマシュニクは、オードリーJr.が話し、食い物を求めたために驚く。 ウィニフレッドは、シーモアがオードリーと結婚したいことを知り戸惑う。 誰かが現れたために身を隠したマシュニクは、強盗のクロイ・ハドック(チャールズ・B・グリフィス)に見つかり銃を向けられる。 レジの金を奪ったクロイは、昼間、繁盛していたことを知っていために、残りの売り上げ金を探そうとする。 脅されたマシュニクは、オードリーJr.の中に金を隠してあるとクロイに伝える。 クロイは、オードリーJr.の中を覗き調べようとするが、食べられてしまう。 翌日シーモアは、夜はオードリーJr.の見張りをして、トロフィーを受け取った後に処分するよう、マシュニクに指示される。 その夜シーモアは、オードリーと共に店でサンドイッチを食べながら、将来のことについて話をして愛を確かめる。 オードリーJr.が食べ物を欲しがる声を出し、シーモアは、オードリーにそのことについてうまく説明ができない。 気分を害したオードリーに非難されたシーモアは戸惑い、苛立つ彼女は帰ってしまう。 シーモアに催眠術をかけたオードリーJr.は、彼に食べ物を探しに行かせる。 娼婦のレオノーラ・クライド(メリ・ウェルス)に迫られたシーモアは、誤って彼女を殺してしまい、店に運びオードリーJr.のエサにする。 翌日、常連客やウィニフレッド、フィンクとスツールも来店し、予定通り現れたフォイクトワンガー夫人は、オードリーJr.のつぼみが開いたために喜ぶ。 ところが、同時に開いた花に失踪者の顔が浮かび上がり、驚いたフォイクトワンガーは気絶してしまい、フィンクとスツールは、シーモアが失踪事件に関わっていると考える。 フィンクとスツール、そしてマシュニクは、逃げたシーモアを追う。 シーモアは、立ち入り禁止区域に逃げ込み、何とか見つからずに済み店に戻る。 オードリーJr.を恨むシーモアは、ナイフを持ってつぼみの中に入る。 ウィニフレッドを連れて店に戻ったオードリー、そしてマシュニクとフィンクとスツールは、開いた花に浮かび上がったシーモアの顔を見て驚く。 シーモアは”そんなつもりではなかったと悲しげに嘆き、花は垂れ下がり、オードリーJr.の命は終わる。
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*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス、スキッド・ロウ。
生花店を経営するマシュニクは、優しく愛想のいいオードリーと不器用で頼りないシーモアを雇っていた。
失敗ばかりするシーモアはクビになってしまうが、珍種の植物で客を集められると考えてマシュニクを説得する。
マシュニクにチャンスを与えてもらったシーモアは、しおれている植物に”オードリーJr.”という名前を付けて、それを何とか元気にしようとする。
その後シーモアは、食べ物を求めるオードリーJr.が血を欲しがることを知り、エサを探すために町に向かうのだが・・・・
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低予算映画にこだわり続けていたロジャー・コーマンが、わずか27000ドルの製作費、たった2日の撮影で完成させて作品。
人喰い植物に翻弄される花屋の店員らが巻き起こす騒動を描くホラー・コメディ。
様々な役柄で登場する愛すべきキャラクターの描写や、ナンセンス・ギャグの連続は実に愉快で、”天才”ロジャー・コーマンによる、見事なユーモアのハーモニーは観客を画面にくぎ付けにする。
1982年にオフ・ブロードウェイでミュージカル化され、1968年にその映画化「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」(1986)が公開された。
見どころ満載の作品の中で、デビュー間もないジャック・ニコルソンの出演シーンが印象に残る。
出番は少ないものの、歯科医での”苦痛”を好むマゾ患者を演ずる、彼の”異常”な演技は注目だ。
気弱で不器用な花屋の店員を愉快に演ずるジョナサン・ヘイズ、そんな彼に優しく接て惹かれる店員のジャッキー・ジョセフ、2人を雇う店主で、トラブル続きで混乱するにメル・ウェルズ、ロジャー・コーマン作品の常連で、花屋が気に入り毎日、来店するディック・ミラー、主人公の母親マートル・ヴェイル、花屋に来店する高校生サンドラ・デ・ベア(タミー・ウィンザー)とトビー・マイケルズ、葬儀の花ばかり買いに来る老婦人レオラ・ヴェンドルフ、主人公を表彰する花鑑賞会の代表リン・ストーリ、失踪事件を捜査する刑事とナレーターのウォーリーカンポ、その同僚ジャック・ウォーフォード、主人公に迫る娼婦メリ・ウェルス、サディスティックな歯科医師ジョン・ハーマン・シェイナー、レストランのウエイトレス役ドディ・ドレイク、オードリーJr.の声/悲鳴を上げる患者/強盗のチャールズ・B・グリフィス、酔っ払いの鉄道整備士ジャック・グリフィン、浮浪者のロバート・クーガンなどが共演している。