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ザ・グラッジ The Grudge (2020)

2002年に公開された日本映画”呪怨/Ju-On: The Grudge”のリメイク「THE JUON/呪怨」(2004)とその続編2作の前後が舞台となっているシリーズ第4作。
呪われた事件を捜査する刑事に襲いかかる恐怖を描く、製作サム・ライミ、監督、脚本ニコラス・ペッシェ、主演アンドレア・ライズボローデミアン・ビチルジョン・チョーベティ・ギルピンリン・シェイジャッキー・ウィーヴァーウィリアム・サドラー他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:ニコラス・ペッシェ
製作
サム・ライミ
ロブ・タパート
一瀬隆重
製作総指揮
ロイ・リー
ダグ・デイヴィソン
ジョン・パワーズ・ミドルトン
スカイラー・ワイス
原作:清水崇呪怨/Ju-On: The Grudge
原案
ニコラス・ペッシェ
ジェフ・ブーラー
脚本:ニコラス・ペッシェ
撮影:ザッカリー・ギャラー
編集
ガードナー・グールド
ケン・ブラックウェル
音楽:ザ・ニュートン・ブラザーズ

出演
マルドゥーン刑事:アンドレア・ライズボロー
グッドマン刑事:デミアン・ビチル
ピーター・スペンサー:ジョン・チョー
ニーナ・スペンサー:ベティ・ギルピン
フェイス・マシスン:リン・シェイ
ローナ・ムーディ:ジャッキー・ウィーヴァー
ウィルソン刑事:ウィリアム・サドラー
ウィリアム・マシスン:フランキー・フェイソン
バーク・マルドゥーン:ジョン・J・ハンセン
フィオナ・ランダーズ:タラ・ウェストウッド
サム・ランダーズ:デヴィッド・ローレンス・ブラウン
メリンダ・ランダーズ:ゾーイ・フィッシュ
コール捜査官:ナンシー・ソレル
看護師:ステファニー・シィ
グレコ刑事:ジョエル・マーシュ・ガーランド
フリードマン医師:ロビン・ルーエル
マイケルズ巡査:ブラッドリー・サワツキー
佐伯伽椰子:ジュンコ・ベイリー

アメリカ 映画
配給 Sony Pictures Releasing
2020年製作 94分
公開
北米:2020年1月3日
日本:2020年10月30日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $11,404,110
世界 $49,511,320


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
2004
年 東京。
住み込み看護師のフィオナ・ランダーズ(タラ・ウェストウッド)は、ウィリアムズ家で目撃した出来事を気にしながら、帰国しようとする。

フィオナは、介護士の関根洋子に電話をして、エマは眠っているので、ケアセンターのアレックス・ベイカーに鍵を返すと伝える。

家族に会いたいと言うフィオナは、家に帰ることを洋子に伝えるものの、電話が切れてしまう。

ゴミ袋が動いているように思えたフィオナは、別の袋から出た手に脚を掴まれる幻覚を見る。

フィオナの背後には佐伯伽椰子(ジュンコ・ベイリー)の霊が現れる。

ペンシルベニア州、クロスリバー、レイバーン・ドライブ44番地。
自宅に戻ったフィオナは、夫のサム(デヴィッド・ローレンス・ブラウン)と幼い娘メリンダ(ゾーイ・フィッシュ)に迎えられる。

2006年
引っ越してきたマルドゥーン刑事(アンドレア・ライズボロー)は、父をガンで亡くして間もない息子バーク(ジョン・J・ハンセン)のことが気になる。

グッドマン刑事(デミアン・ビチル)は、新米の相棒マルドゥーンと共に、郊外の森の遺体発見現場に向かう。
...全てを見る(結末あり)

数か月前から放置された車内から白骨死体で見つかったのは、ローナ・ムーディ(ジャッキー・ウィーヴァー)、65歳で、シーズンオフで道路が閉鎖されていたことが、発見が遅れた原因だった。

FBIが捜査をしてい事件で、グッドマンとマルドゥーンは、ローナが自殺幇助をしていたことや、住所はレイバーン・ドライブ44番地だと知る。

グッドマンは、自分が担当したランダース事件と同じ住所だったために、ローナの車には”何か”が同乗していたようだと考える。

それが気になるマルドゥーンは、2年前にグッドマンが担当した事件だということを知る。

その夜、マルドゥーンは事件のことをネットで調べ、一家全員が自宅で死亡し、別の殺人事件に関連している可能性をがあるということだった。

翌日、署でランダース事件の資料に目を通していたマルドゥーンは、同僚のグレコ刑事(ロビン・ルーエル)から、グッドマンが来る前にしまえと言われ、理由を訊くと、彼が一度もあの家には入らなかったことを知る。

レイバーン・ドライブ44番地のマシスン家に向かったマルドゥーンは、”ここにはいたくない・・・”という声が聴こえたために家の中に入る。

キッチンにいたフェイス・マシスン(リン・シェイ)に話しかけたマルドゥーンは、血だらけの彼女の話を聞き、背後に人の気配を感じる。

左手の指を切断た手で腕を握られたマルドゥーンは、フェイスから助けてと言われ、救援を呼ぼうとする。

マルドゥーンは、居間のテレビの前の椅子に座る白骨死体に気づき、恐ろしくなり家を出る。

車に戻り無線で救急車を呼んだマルドゥーンは、気分が悪くなり嘔吐してしまう。

帰り道にマルドゥーンは、赤ん坊を抱いた女性を目撃し、道路の真ん中に立つ少女を避けようとして車を止める。

グッドマンの家に向かったマルドゥーンは、例の家に遺体があったことを彼に伝える。

マルドゥーンを招き入れたグッドマンは、ランダース家の全員が死んだ凄惨な事件について話し始め、フィオナ・ランダーズが、6歳の娘と夫を殺害して自殺したことを伝える。

車の中の遺体との関連を尋ねたマルドゥーンは、あんな事件には2度と関わりたくないと言うグッドマンが家に入らなかったのは、嫌な感じがて、何かがおかしいと思ったからだということだった。

グッドマンは、前の相棒があの家にこだわり、霊のようなものがいると言っていたとマルドゥーンに伝える。

亡き母親の話をしたグッドマンは、マルドゥーンの夫が3か月前にガンで亡くなったと知り、辛い彼女が気を紛らわせたいと思っている気持ちを察するものの、あの家には関わらない方がいいと伝える。

翌日マルドゥーンは、あの家を2004年にランダースが、2005年にマシスンが購入し、不動産業者がピーター・スペンサー(ジョン・チョー)だったことを知る。

2004年
ピーターと妻ニーナ(ベティ・ギルピン)は、生まれてくる子供が”ALD/副腎白質ジストロフィー”の可能性が高いことをマハー医師から知らされる。

病院の帰りにピーターは、レイバーン・ドライブ44番地に向かい、サムから家の売却に関するサインをもらおうとする。

合鍵で家に入ったピーターは、誰もいないために車に戻り、待っていたニーナに、明日の朝、出直すことを伝える。

家の中ではバスタブからメリンダの霊が顔を出す。

帰宅して食事にしたピーターとニーナは、互いの愛を確認して慰め合う。

子供のことを考えながらシャワーを浴びていたピーターは、何かの気配を感じる。

夜中に時計が誤作動し始め、目覚めたピーターは、人らしきものを目撃して飛び起きる。

翌朝ピーターは、子供部屋にいたニーナを気遣いながら朝食を作る。

ランダース家に向かったピーターは、何かを感じながら家の玄関のベルを鳴らし、向かいの女性に気づき手を振るものの無視される。

振り向くとメリンダが立っていたのだが、彼女の鼻血に気づいたピーターは、家の中に入る。

ピーターは、メリンダが何も話さないために、サムに電話をして留守電にメッセージを残し、彼女の鼻血のことなども伝える。

その様子を見ながら、メリンダは血を噴き出す。

自宅でマルドゥーンは、ランダース家、スペンサー家の写真及びフィオナの映像などをチェックする。

眠ろうとしたマルドゥーンは、洗面台に水を張り顔を洗おうとするが、背後から顔を見ずに押しつけられる。

翌日もマルドゥーンは、スペンサー家とマシスン家の資料を調べる。

2005年 レイバーン・ドライブ44番地。
マシスン家を訪ねた自殺幇助コンサルタントのローナは、ウィリアム(フランキー・フェイソン)と話し、妻フェイスが病気で、ここに来てから進行したことを知らされる。

認知症のフェイスは呪われ、メリンダの姿が見えるようになっていた。

それを確認したローナは、心身ともに正常な状態が条件なので、協力できないことをウィリアムに伝える。

どうすることもできないウィリアムを気の毒に思ったローナは、数日、滞在して彼の力になろうとする。

買い物に行ったローナは、スーパーマーケットで少女(メリンダ)の気配を感じる。

雨の中、家に戻ったローナは、庭に立つ男性ウィルソン(ウィリアム・サドラー)に声をかけるものの、何も答えてもらえない。

そのことを知ったウィリアムは、グッドマンに電話をして、相棒が外に立っていることを伝える。

ウィリアムは、ウィルソンはこの家で起きた事件の担当刑事で、度々、来ることをローナに伝える。

ローナは、それが殺人事件だと知り驚く。

ウィルソンを迎えに行き連れ帰るグッドマンは、彼が銃で顔面を撃ったために車を止める。

2006年
ウィリアムとランダース家の事件のことを調べていたマルドゥーンは、彼の現住所が精神病院であることを知る。

マルドゥーンは、愛犬フランクが脚をなめているように思えたが、気のせいだった。

翌日、病院に向かったマルドゥーンはウィルソンと面会し、テープのことを訊かれるものの意味が分からない。

ウィルソンは、呪われた家に足を踏み入れると逃げられない、彼らが見えていないのなら安心しろ、いずれ現れるが、目をくり抜けば見えなくなるかも知れないとマルドゥーンに伝える。

興奮するウィルソンは、あの家を焼き尽くせ、自分を殺せと言って叫ぶ。

その場を去ったマルドゥーンは、病院内の警報に気づきウィルソンの元に戻る。

ウィルソンは目をくり抜いて暴れ、看護師に取り押さえられていた。

署に戻ったマルドゥーンは、ウィルソンが録音したテープを聴き、あの家に言って以来、彼がおかしなものを見るようになったことを知る。

フィオナが働いていた東京の家では、無関係の者10人以上が死に、担当した中川秀人刑事によると”呪怨”が原因で、彼女が呪いを持ち帰ったために、家族が殺されたということだった。

2005年
ウィルソンから話を聞いたグッドマンは、東京の事件、ランダース家、不動産業者のすべてがつながっていると言う、動揺する彼を落ち着かせて、家族と過ごすようにと伝える。

永遠に終わらない、フィオナのせいだと言うウィルソンは、グッドマンと共に車に乗るが、彼女が見えてしまい取り乱す。

署のトイレで何かを感じたマルドゥーンは、その後で人の気配がしたために、警備室に向かう。

監視カメラの映像をチェックしたマルドゥーンは、自分の後にトイレからサム・ランダースが出てくるのを確認する。

倉庫を調べたマルドゥーンは、サムの霊を見てしまい、拳銃を手にして警戒し、そこにグレコが現れる。

サムがいたことをグレコに伝えたマルドゥーンは、彼に映像を見せるものの、自分以外には誰も映っていなかった。

翌日マルドゥーンは、子守にキャンセルされたてめにバークを署に連れて行く。

バークをビデオルームに連れて行ったグッドマンは、「48時間」のDVDを観せてあげる。

マルドゥーンは、不動産業者ピーター・スペンサーのことを詳しく調べ始める。

2004年
メリンダの様子を見ていたピーターは、ニーナからの電話を受け、生まれてくるこのことは愛していると言う彼女の言葉を嬉しく思い、幸せを実感する。

誰かが来たために電話を切ったピーターは、外に人がいることを確認するが、ドアを開けると誰もいなかった。

姿が見えないメリンダを捜したピーターは、2階の浴室の浴槽の異変に気づく。

中から飛び出した腕に掴まれたピーターはその場から逃げるが、霊(フィオナ)を見て驚く。

クローゼットに隠れたピーターは、ニーナからの着信に気づき、再び霊に襲われる。

ベッドにいたニーナは、ピーターが帰宅したことに気づき、ナイフを手にした彼に襲われる。

翌朝、キッチンでニーナが、ピーターは浴槽で死んでいた。

2005年
夜中に声が聴こえたローナは、フェイスの様子を見に行き、彼女が霊に襲われるのを目撃する。

ローナは、家に霊がいることをウィリアムに話し、それに気づいていた彼が、それが、死後も妻に会えるかもしれない希望を与えてくれると考えていることを知る。

ここは死後の世界とつながれる場所だと言うウィリアムは、それが唯一の希望だとローナに伝える。

翌日、去ろうとするローナは、キッチンにいたフェイスに声をかける。

ウィリアムを殺したフェイスは、自分の左手の指を切り落としていた。

叫びながら逃げ出したローナは、車に乗って街道を進み、閉鎖中の道路に侵入する。

後部座席のサムの霊に気づいたローナは驚き、ハンドルを誤り事故を起こし、森の中で意識を失う。

2006年
グッドマンと話したマルドゥーンは、ローナの遺体の件はFBIが引き継いだことを知り、彼はその件を関わりたくない様子だった。

病院に収容されたいたフェイスは階段を上り、最上階から落下して死亡し、メリンダの霊がその様子を見つめていた。

グッドマンからその件で電話を受けたマルドゥーンは、メッセージを聴いただけだった。

その夜マルドゥーンは、ベッドの中で廊下の人影に気づき、バークの様子を見に行き、居間のテレビのスイッチを消す。

銃を持って警戒するマルドゥーンは、洗面所で何か見たように思える。

ポーチで落ち着こうとするマルドゥーンは、フランクが吠えていることに気づき、サムの霊が近づいたために家に戻る。

バークに呼ばれたマルドゥーンは、霊に姿を変えた彼に襲われる幻覚を見る。

ベッドのバークに落ち着くようにと言われたマルドゥーンは、グッドマンに電話をして呼び寄せる。

目を閉じると、ウィルソンと同じように彼ら(霊)が見えると話すマルドゥーンは、バークを傷つけたくないとグッドマンに伝える。

すべてを終わらせようとしたマルドゥーンは、バークを連れてレイバーン・ドライブ44番地に向かう。

バークを車に残し、家にガソリンを撒くマルドゥーンは、フィオナがサムを殺し、メリンダを浴槽で溺れさせて、自分の首を刺し自殺する幻覚を見る。

現れたバークが本人でないことに気づいたマルドゥーンは、火を点けて家を出る。

バークを抱きしめたマルドゥーンは、燃える家を見つめる。

翌日マルドゥーンは、学校に行くバークに愛を伝えて抱きしめる。

別のバークが家を出て行くことに気づいたマルドゥーンは、抱きしめていた “バーク “がメリンダの霊だったために、叫び声をあげる。

マルドゥーンはフィオナの霊に引きずられ、呪いの犠牲者となる。


解説 評価 感想

参考:
・「THE JUON/呪怨」(2004)
・「呪怨 パンデミック」(2006)
・「呪怨 ザ・グラッジ3」(2009)
・「ザ・グラッジ」(2020)

*(簡略ストーリー)
2004年、ペンシルベニア州、クロスリバー。
東京のウィリアムズ家で看護師をしていたフィオナ・ランダーズは、そこで起きた出来事を気にしながら帰国する。
その後、日本から持ち帰った佐伯伽椰子の呪いにより、フィオナは夫のサムと幼い娘メリンダを殺害して自殺する。
その家を世話した不動産業者のピーターも、呪いにより妻ニーナを殺害して命を絶つ。
次にその家に妻フェイスと共に越したウィリアムは、病気の彼女のことを思い、自殺幇助コンサルタントのローナを呼び寄せる。
夫をガンで亡くし、息子のバークと共に町に越してきた刑事のマルドゥーンは、同僚のグッドマン刑事と、郊外で見つかった変死体の事件現場に向かう。
遺体のローナの所持品から、彼女が、かつてグッドマンが担当したランダース事件の家から来たことが分かる。
動揺するグッドマンから、家には近づかない方がいいと言われながら、マルドゥーンは事件の捜査を始めるのだが・・・。
__________

2002年に公開された日本映画”呪怨/Ju-On: The Grudge”のリメイク「THE JUON/呪怨」(2004)とその続編2作の前後が舞台となっているシリーズ第4作。

東京で起きた怪事件と関係する、呪われた殺人事件を捜査する刑事に襲いかかる恐怖を描くホラー。

1・2作に続きサム・ライミが製作を担当し、弱冠28歳のニコラス・ペッシェが脚本を兼ねて監督した作品。

冒頭は東京のウィルソン家から始まり、呪いの連鎖が始まる序章として描かれ、アメリカに戻った看護師が持ち帰ってしまった”佐伯伽椰子”の霊により、彼女が家族を殺害して自殺し、呪われた家の関係者が次々と犠牲者となる内容となっている。

2004年、2005年、2006年の事件が前後して描かれる展開は複雑ではないが、新鮮味に欠ける内容に加えて、実力派スターが揃った魅力的なキャスティングを活かせない、ニコラス・ペッシェの演出と脚本は酷評されてしまった。

主演のアンドレア・ライズボローは、夫を亡くし、悲しみに堪えながら呪われた家の事件に関わってしまう刑事を好演している。

かつて事件に関わりその恐ろしさを知るために、深入りする主人公を気遣う同僚刑事のデミアン・ビチル、問題の家の不動産業者ジョン・チョー、その妻ベティ・ギルピン、事件後にその家に引っ越し呪われるリン・シェイ、その夫フランキー・フェイソン、彼の相談に乗る自殺幇助カウンセラーのジャッキー・ウィーヴァー、事件を担当したために呪われる刑事のウィリアム・サドラー、主人公の息子ジョン・J・ハンセン、東京から呪いを持ち帰ってしまう看護師タラ・ウェストウッド、その夫で彼女に殺されるデヴィッド・ローレンス・ブラウン、同じく殺される娘ゾーイ・フィッシュ、捜査官のナンシー・ソレル、看護師のステファニー・シィ、主人公の同僚刑事ジョエル・マーシュ・ガーランドなどが共演している。


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