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シンドバッド黄金の航海 The Golden Voyage of Sinbad (1973)

製作、原案、特撮レイ・ハリーハウゼンによる”シンドバッド3部作”の第2作。
奇跡を起こす黄金のタブレットを探し求めるシンドバッドの活躍を描く、監督ゴードン・ヘスラー、主演ジョン・フィリップ・ローキャロライン・マンロートム・ベイカーダグラス・ウィルマー他共演のファンタジー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ファンタジー


スタッフ キャスト
監督:ゴードン・ヘスラー

製作
チャールズ・H・シニア
レイ・ハリーハウゼン
原案
ブライアン・クレメンス
レイ・ハリーハウゼン
脚本:ブライアン・クレメンス
撮影:テッド・ムーア
特撮:レイ・ハリーハウゼン
編集:ロイ・ワッツ
音楽:ミクロス・ローザ

出演
シンドバッド:ジョン・フィリップ・ロー
マルギアナ:キャロライン・マンロー
魔術師クーラ:トム・ベイカー
アクメッド:タキス・エマニュエル
宰相:ダグラス・ウィルマー
ハキム:グレゴワール・アスラン
アブドゥル:デヴィッド・ガーフィールド
ハロウン:カート・クリスチャン
ラシッド:マーティン・ショウ
オマール:アルド・サンブレル
精霊(声):ロバート・ショウ

アメリカ/イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1973年製作 105分
公開
イギリス:1973年12月20日
北米:1974年4月5日
日本:1974年12月21日
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $11,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
航海中のシンドバッド(ジョン・フィリップ・ロー)は、上空を飛ぶのホムンクルスが落としたタブレットを拾おうとするが、船員のラシッド(マーティン・ショウ)は呪われると言って警戒する。

その瞬間、踊る女の幻覚が現れ、シンドバッドは、彼女の手のひらに描かれた目に気づく。

幻覚は消え去り、シンドバッドはタブレットを首にかける。

その夜、悪夢を見て目覚めたシンドバッドは、嵐の中で何とか船を救おうとする。

嵐は収まり、マラビアに到着したシンドバッドは、不思議な力によりこの場に来たと思い、浜辺の人影を確認して海に飛び込む。

上陸したシンドバッドは、現われた黒魔術師クーラ(トム・ベイカー)から、タブレットは自分のものだと言われて脅される。

それを返すように見せかけて、クーラに襲いかかったシンドバッドは、馬を奪って走り去り町に逃げ込む。

シンドバッドを追ったクーラは、兵士が現れたために諦める。
...全てを見る(結末あり)

黄金の仮面を被ったマラビアの宰相(ダグラス・ウィルマー)が現れ、待ち望んでいたと言ってシンドバッドを歓迎する。

部下のアクメッド(タキス・エマニュエル)の元に戻ったクーラは、手が老化していると言われ、シンドバッドと宰相のことを探らせるためにホムンクルスを呼び寄せる。

タブレットを見てシンドバッドを信用した宰相は、それを狙う敵と手を組んで戦うことを提案する。

クーラがマラビアの支配を狙っていることを知ったシンドバッドは、宰相に秘密の部屋に案内される。

”奇跡の秘密”の謎を解く二つのものを授かったと言う宰相は、意味不明な伝説を伝える壁の絵をシンドバッドに見せる。

宰相は、国王が謎を明かさずに亡くなったことをシンドバッドに伝える。

謎を解明しようとした際に火の玉が現れ、顔を焼かれたと言う宰相は、クーラの仕業だと伝えてタブレットを見せる。

それが自分のタブレットと合体できたために驚くシンドバッドは、その場にいるホムンクルスに気づかない。

謎を解くと絶大なるパワーが得られると言う宰相は、それによりクーラの魔力に勝てるとシンドバッドに伝える。

クーラがそのパワーを手に入れれば、マラビアの自由と平和は奪われると言う宰相は、シンドバッドと共に謎を解こうとする。

未完成のタブレットの残りの断片を探す必要があると考えたシンドバッドは、炎にかざしたそれが壁の絵と重なり、海図だったことに気づく。

シンドバッドからの連絡を受けたラシッドは、出航の準備を始める。

絵とタブレットを参考にして航路を決めたシンドバッドは、その場にホムンクルスがいることに気づく。

宰相とシンドバッドは、クーラのスパイであるホムンクルスを捕えるものの消え去る。

話をクーラに聞かれたと考える宰相は、シンドバッドと共に目的地である島を探そうとする。

その頃、宰相とクーラの話を聞いたクーラは、船と船長を見つけて出航することをアクメッドに伝える。

何者かに追われたシンドバッドは、2人をある店に誘い込み叩きのめす。

店主のハキム(グレゴワール・アスラン)に気に入られたシンドバッドは、出来の悪い息子ハロウン(カート・クリスチャン)を船旅に連れて行けば金貨200枚を渡すと言われるものの、それを断る。

金貨300枚でも断ったシンドバッドは、現われた使用人の女マルギアナ(キャロライン・マンロー)の手に目が描かれていたため、そのことを彼女に尋ねる。

子供のころからある印だと言われたシンドバッドは、それがタトゥーだと知る。

マルギアナを譲る条件として、金貨400枚に加えたハロウンを連れて行くことに同意したシンドバッドは、2人を船に届けるようにとハキムに伝えてその場を去る。

その後、マルギアナとハロウンに続き宰相も船に到着し、シンドバッドは出航する。

同じ頃、船を用意したクーラは、シンドバッドの追跡を始める。

該当する島がレムリアであることを、海図でラシッドと確認したシンドバッドは、上陸して戻った者がいない危険な謎の島だと知る。

シンドバッドと宰相は、財宝のある島だと船員に伝え、士気を高める。

ようやく酔いが醒めたハロウンは、長い航海に出ることをシンドバッドから知らされて愕然とする。

シンドバッドは、ハロウンにマストの上での見張りを任せる。

部屋に戻ったシンドバッドは、マルギアナを使用人として扱わず、自由の身だと伝える。

シンドバッドは、ハロウンが水平線に灯りを見つけたとラシッドから知らされ、追跡してくる船を確認する。

翌朝、それがクーラの船だと確信したシンドバッドは、戻って沈めようとするものの、宰相から他の方法を考えるべきだと言われて、危険を承知で浅瀬に誘いこもうとする。

浅瀬に向かうクーラは魔術を使い、シンドバッドの船の船首像を動かし、船員を襲い海図を奪う。

クーラは、シンドバッドらに松明で反撃された船首像に戻るよう指示し、海に落下させる。

海図は記憶していると言うシンドバッドは、それを気にしなかった。

船首像を船に呼び寄せたクーラは力尽き、アクメッドは、彼が急激に老化してしまったことに気づく。

パワーを使うごとに衰弱すると言うクーラは、時間がないとアクメッドに伝える。

船首像を引き上げて海図を手に入れたクーラは、進路を戻させる。

その後、レムリアに着いたシンドバッドは、夜明けに上陸しようとする。

シンドバッドに追いつけないと考えたクーラは、別のホムンクルスを使い、彼らを見つけ出そうとする。

レムリアに上陸したシンドバッドらは、人影を目撃して内陸に向かう。

ホムンクルスはそれを監視し、その報告を受けたクーラも、魔術の箱を持参してアクメッドと共に上陸する。

人影を追ったシンドバッドらは、多面像の寺に到着し、予言者に会うために中に入る。

シンドバッドと宰相は番人にタブレットを見せ、そこに、予言者である精霊(ロバート・ショウ/声)が現われる。

”運命の泉”を見つけるために、異教徒の不毛の地である、北にいる多くの手を持つ女神”カーリー”の元に向かうよう指示されたシンドバッドらは、そこに第3のタブレットがあることを知る。

シンドバッドらは外に出ようとするが、到着していたクーラが入口を塞ぎ、多面像が崩れ落ちる。

無事だったシンドバッドは、弓矢を作り上部の穴に放ち、ターバンと帯でロープを作って垂らし、そこから脱出しようとする。

矢を放ち垂らしたロープをよじ登ったシンドバッドは、ホムンクルスに妨害される。

ラシッドがホムンクルスを矢で射落し、クーラはそれに気づく。

外に出たシンドバッドは、皆を引き上げる。

先を急ぐクーラは、現われた原住民に捕えられる。

それを目撃したシンドバッドらは、その後を追う。

神殿に連れて行かれたクーラとアクメッドは、生贄にされることになる。

魔術を使ったクーラは、女神カーリーの像を魔術で踊らせ、原住民を驚かせる。

アクメッドに去るよう指示したクーラは、一人で残り第3のタブレットを探す。

そこに現れたシンドバッドは、クーラに剣を渡して戦おうとする。

クーラはカーリーに剣を渡し、シンドバッドは動く像と戦う。

ラシッドらも加勢するものの、シンドバッドは追い詰められる。

ハロウンがカーリーを突き落とし、粉々になった像の中から第3のタブレットが見つかる。

原住民と共に戻ったアクメッドが、3つのタブレッドをシンドバッドから奪い、それをクーラに渡す。

クーラは、神が人間に微笑みかけるという運命の泉にタブレットを持参すれば、若返りと暗黒の盾、そして富の王冠が報酬として授けられるとシンドバッドに伝える。

原住民に捕えられたシンドバッドは、殺されそうになる。

船に戻りマラビアに帰る準備をするようアクメッドに指示したクーラは、運命の泉に向かう。

首を刎ねられるシンドバッドを見て叫び声をあげたマルギアナは、彼女の手のひらの目を見た原住民たちに、魔神の仲間だと思われる。

捕えられたマルギアナは地下に下ろされ、現われた一つ目の”ケンタウロス”を見て気を失う。

シンドバッドから仮面を取るようにと言われた宰相は、その指示に従い焼けただれた顔を見せる。

原住民たちが驚いている間に地下に向かったシンドバッドらは、マルギアナを捜す。

運命の泉に近づいたクーラは、魔術の箱を落としてしまう。

泉に着いたクーラは力尽き、倒れながらタブレットの一つを泉の中に落とす。

マルギアナを見つけたシンドバッドは、クーラに王冠を奪われても後悔しないと伝える。

運命の泉に着いたシンドバッドは、祈るクーラの傍にあった2個のタブレットを奪い、彼が若返ったことを知る。

暗黒の楯と富の王冠は渡さないと言うシンドバッドは、現われたケンタウロスと戦う。

そこに”グリフォン”も現れ、ケンタウロスと格闘になる。

クーラがグリフォンの後ろ脚を剣で傷つけ、ケンタウロスが息の根を止める。

ラシッドらと共にケンタウロスと戦ったシンドバッドは剣で首筋を刺し、苦しむケンタウロスは息絶える。

タブレットを奪ったクーラはそれを泉に投げ込み、シンドバッドと戦う。

姿を消したクーラと剣を交えるシンドバッドは、泉の中で彼を倒す。

王冠を被る自分が水面に見えたシンドバッドは、浮き上がった王冠を手にする。

マラビアの後継者に値する人物だと宰相に伝えたシンドバッドは、王冠を彼の仮面に被せる。

焼けただれた顔が元に戻った宰相は、シンドバッドらと共にアラーに感謝する。

マラビアに向かうシンドバッドは、マルギアナから、王国と財宝を放棄した理由を訊かれ、自由を選ぶ自分には必要ないと答える。

結婚も自由にできないというシンドバッドは、マルギアナにキスする。

ハロウンから本当の船乗りにしてほしいと言われたシンドバッドは、マストから落ちそうになり命綱で宙吊りになった彼に対し、宰相と共に油断は禁物だと伝える。


解説 評価 感想

参考:
・「シンバッド七回目の航海」(1958)
・「シンドバッド黄金の航海」(1973)
・「シンドバッド虎の目大冒険」(1977)

*(簡略ストー リー)
航海中のシンドバッドは、黄金のタブレットの一つを手に入れ、マラビアに導かれる。
黒魔術師クーラにタブレットを奪われそうになったシンドバッドは、それを逃れて町に向かい、宰相に歓迎される。
クーラに顔を焼かれ黄金の仮面を被る宰相は、亡くなった王が残した謎の絵と、彼が持つタブレットの話を聞く。
奇跡が起こせるタブレットとその謎を説こうとしたシンドバッドと宰相は、タブレットが示す海図に従い旅立つのだが・・・。
__________

製作、原案、特撮レイ・ハリーハウゼンによる「シンバッド七回目の航海」(1958)から15年を経て公開された、”シンドバッド三部作”の第2作。

奇跡を起こす黄金のタブレットを探し求める、シンドバッドとその仲間たちの活躍を描くファンタジー。

特撮技術で映画史上に残る作品を残したレイ・ハリーハウゼン・ファン待望のシリーズ第二作であり、ホムンクルス、動く船首像、女神カーリーケンタウロスグリフォンなど、多くのクリーチャーが登場し主人公らと戦うシーンは圧巻だ。

ロマンスを含めたファンタジックな内容に加え、アドベンチャー・アクションとして大いに楽しめる作品に仕上がっている。

ベン・ハー」(1959)を思わせる、ミクロス・ローザの勇壮で力強く、且つ軽快な音楽も印象に残る。

主人公であるシンドバッドを熱演するジョン・フィリップ・ロー、彼と惹かれ合うようになる、エキゾチックな美しさが注目のキャロライン・マンロー、タブレットを狙う魔術師トム・ベイカー、その部下タキス・エマニュエル、シンドバッドに協力を求めるマラビアの宰相ダグラス・ウィルマー、シンドバッドに息子(カート・クリスチャン)を任せる商人のグレゴワール・アスラン、船員デヴィッド・ガーフィールド、マーティン・ショウアルド・サンブレル、シンドバッドらにヒントを与える予言者の精霊の声でロバート・ショウが登場する。


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