2005年に発表された、ジャネット・ウォールズのベストセラー回顧録”ガラスの城の約束”を基に製作された作品。 自由奔放な両親に振り回されながら成長したジャーナリスト、ジャネット・ウォールズと家族の人生を描く、監督、脚本デスティン・ダニエル・クレットン、主演ブリー・ラーソン、ウディ・ハレルソン、ナオミ・ワッツ、マックス・グリーンフィールド他共演の実録ドラマ。 |
・ドラマ
・ブリー・ラーソン / Brie Larson / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
製作
ギル・ネッター
ケン・カオ
製作総指揮
マイク・ドレイク
原作:ジャネット・ウォールズ”ガラスの城の約束”
脚本
デスティン・ダニエル・クレットン
アンドリュー・ラナム
マーティ・ノクソン
撮影:ブレット・ポウラク
編集:ナット・サンダーズ
音楽:ジョエル・P・ウェスト
出演
ジャネット・ウォールズ:ブリー・ラーソン
ジャネット・ウォールズ(8歳):チャンドラー・ヘッド
ジャネット・ウォールズ(11歳)エラ・アンダーソン
レックス・ウォールズ:ウディ・ハレルソン
ローズマリー・ウォールズ:ナオミ・ワッツ
ローリ・ウォールズ:サラ・スヌーク
ローリ・ウォールズ(10歳):オリヴィア・ケイト・ライス
ローリ・ウォールズ(13歳):セイディー・シンク
ブライアン・ウォールズ:ジョシュ・カラス
ブライアン・ウォールズ(6歳)イアン・アーミテージ
ブライアン・ウォールズ(9歳)チャーリー・ショットウェル
モーリーン・ウォールズ:ブリジェット・ランディ=ペイ
モーリーン・ウォールズ(3歳):イーデン・グレイス・レッドフィールド
モーリーン・ウォールズ(幼児):シュリー・クルックス
モーリーン・ウォールズ(乳児):チャーリー&エミー・ガイヨン
デヴィッド:マックス・グリーンフィールド
アーマ・ウォールズ:ロビン・バートレット
ウォールズ:A.J.ヘンダーソン
スタンリー・ウォールズ:ジョー・ピングー
ロビー:ドミニク・ボガート
アメリカ 映画
配給 ライオンズゲート
2017年製作 127分
公開
北米:2017年8月11日
日本:2019年6月14日
製作費 $9,000,000
北米興行収入 $17,273,060
世界 $22,088,530
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1989年、ニューヨーク。
雑誌”ニューヨーク”のコラムニストのジャネット・ウォールズ(ブリー・ラーソン)は、婚約者で金融アナリストのデヴィッド(マックス・グリーンフィールド)と共に、彼の顧客である実業家トムソン夫妻と食事をしていた。
トムソンから故郷や両親のことを訊かれたジャネットは、デヴィッドの作り話に合わせて、森に囲まれて育ち、母は画家で父はエンジニアだと答える。
店を出たジャネットは、契約書を作ると言うデヴィッドと別れてタクシーで自宅に向かう。
途中でジャネットは、ホームレス同然の酔った父レックス(ウディ・ハレルソン)とゴミをあさる母ローズマリー(ナオミ・ワッツ)を見かけるものの無視する。
帰宅したジャネットは姉ローリ(サラ・スヌーク)に電話をして、ゴミをあさっていた両親を無視したことを話す。
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ある日、お腹がすいた8歳のジャネット(チャンドラー・ヘッド)は、自分で料理しようとしてガスの火が服に引火し、火傷を負い入院する。 医師とソーシャルワーカーは、ジャネットの家庭環境に疑問を持ち、レックスに質問するものの相手にされない。 その後レックスは、息子ブライアン(イアン・アーミテージ)に騒ぎを起こさせて、その隙に病室からジャネットを連れ出して逃げる。 家族で旅に出たレックスは、理想の場所を見つけて”ガラスの城”を建てる計画を子供たちに話す。 レックスとローズマリーは、子供たちを学校にも通わせず、各地を回りその日暮しを続けていた。 ジャネットは、博学のレックスの話を理解できなかったが、それを聞くのは好きだった。 チャイニーズレストランでローズマリーとランチをしたジャネットは、デヴィッドと結婚することを伝えるものの、レックスに話すことを考えると不安だった。 ジャネットは、生まれたばかりの妹モーリーン(チャーリー&エミー・ガイヨン)を可愛がる。 数年後、家族はユタ州の炭鉱町に引っ越し、荒れ果てた家で暮らすことになる。 ローズマリーは、レックスの故郷であるウェストバージニア州のウェルチに引っ越すことを提案する。 戻りたくないレックスは、ローズマリーから怯えているようだと言われ、それを否定する。 ある日、家族でプールで過ごしていたレックスは、怖がるジャネットを強引に泳がせようとする。 溺れそうになったジャネットは、何とかプールから上がり走り去り、殺そうとしたと言ってレックスを非難する。 レックスは、あのままでは一生泳げないと言いながらジャネットを抱きしめ、頑張った彼女を褒める。 そこに現れたプールの管理人と揉めたレックスは、騒ぎを起こして子供たちに制止される。 これ以上、町にいられないと言うローズマリーはウェルチに向かおうとするが、その気になれないレックスは残ろうとする。 子供たちと出発しようとするローズマリーに呼ばれたレックスは、ジャネットに説得されて家族と共に旅立つ。 両親に会い、レックスに結婚のことを話すつもりのジャネットは、デヴィッドが緊張しているために気になる。 ジャネットとデヴィッドは、空きビルに不法居住しているレックスに迎えられる。 ジャネットは、ローズマリー泊まっていたローリ(サラ・スヌーク)と弟のブライアン(ジョシュ・カラス)、そしてモーリーン(ブリジェット・ランディ=ペイ)との再会を喜び、婚約したことを話す。 そのことをレックスに話そうとしたジャネットは、父がデヴィッドを気に入っていないために何も話せなかった。 ウェルチに着いたレックスは、母アーマ(ロビン・バートレット)と父(A.J.ヘンダーソン)、兄スタンリー(ジョー・ピングー)に迎られる。 食事になり、アーマはレックスの子供時代の悪口を言いながら、食べ物を吐き出したブライアンの頭を叩く。 憤慨したジャネットは、アーマを魔女呼ばわりしてレックスに叱られる。 夜中に目覚めたジャネットは、ガラスの城の設計図を描くレックスから、いよいよ建てることにしたので、基礎が作れる場所を明日から探すと言われ楽しみにする。 ある古い家を見つけたレックスは、家族を連れてその場に向かい、子供たちと共に基礎を作るために庭を掘り、改築を始める。 その後、子供たちは食べるものがないことで両親に不満を訴え、レックスは食料調達のために金を持って町に向かう。 夜になり酔って戻って来たレックスは、腕を怪我していることに気づいたジャネットに、傷口を縫ってもらう。 ジャネットに頼みごとを訊いたレックスは、”食費やガラスの城のためにお金を使い、お酒は飲まないでほしい”と言われ、しばらく1人で考えたいと伝える。 しばらくしてレックスは、数日間2階にこもるので近づくなとジャネットに伝えて、酒を断つ決心をする。 翌日、苦しむレックスは、叫び声をあげて禁断症状に耐えていた。 ベッドに縛り付けられたレックスは、様子を見に来たジャネットを、酒欲しさに罵ってしまう。 数日後、ついに酒を断つことが出来たレックスは、建設作業員の仕事に就き、一家は楽しいクリスマスを過ごす。 ジャネットは、レックスと夜空の星を眺めながら語り合う。 ローズマリーは、亡くなった母の土地を弟のジムが売ろうとしていることをジャネットに話す。 酔ったデヴィッドはレックスと口論になり、腕相撲で勝負する。 デヴィッドが勝ち、負けを認めないレックスは、侮辱されたために彼を殴ってしまう。 レックスから、ボーイフレンドに忠告しろと言われたジャネットは、婚約者だと伝えてその場を去る。 帰宅したデヴィッドは、レックスだけでなく、家族全員が普通ではないと言いながら、今夜のようなことは二度と起きてほしくないとジャネットに伝える。 母親が亡くなったローズマリーは、葬儀のためにレックスと共にテキサスに向かうことになり、子供たちはレックスの実家に預けられる。 その夜ジャネットは、アーマが、嫌がるブライアンのズボンを無理矢理に脱がそうとしていたために、彼を助けてローリを呼ぶ。 ローリに変態と言われたアーマは、彼女の頬をぶったために殴り返される。 アーマはローリらに襲われるものの、スタンリーが制止する。 戻ったレックスは、正当防衛だと言うジャネットの話を聞かずに、男なら自分で解決しろとブライアンに伝える。 家に戻ったレックスは、ジャネットの制止を無視して飲みに出かけてしまう。 翌日、レックスとローズマリーは激しい口論となるが、すぐに仲直りする。 ジャネットは、ローズマリーに父と離婚してほしいと伝えるものの、説得することはできんかった。 自分たちだけで生きる決心をしたジャネットは、自立して学校に通い、貯金をして家を出ることを考える。 ジャネットは、そのために力を合わせることをローリらと約束する。 時は流れ、ジャーナリズムに興味を持つようになったジャネットは、高校の新聞部の編集長になり、ローリはニューヨークに旅立つ。 レックスにその件で責められたジャネットは、自分は出て行かないと伝える。 その頃には、ガラスの城のために掘った穴はゴミ捨て場になっていた。 ニューヨークのローリと電話で話したジャネットは、もう少しで脱出資金が貯まることを伝える。 アーマが亡くなり、葬儀に参列したジャネットは、彼女がレックスにもブライアンと同じことをしていたのではないかと考え、その件をローズマリーに話す。 バーにいるレックスの元に向かったジャネットは、そのことを父に話そうとする。 ビリヤードでロビー(ドミニク・ボガート)をカモにしようとしたレックスは、ジャネットに協力させる。 ロビーに声をかけられたジャネットは、ニューヨークの姉のところに行くつもりだと話す。 レックスに80ドル負けたロビーは、ジャネットのニューヨーク行きのことを話してしまい、彼女を部屋に誘う。 ロビーがその許可を得ようとしたため、レックスはジャネットに嫌味を言ってそれを許す。 その言葉で気分を害したジャネットは、ロビーと部屋に向かう。 ロビーに迫られたジャネットは、腹部の火傷痕を見せて彼を驚かせ部屋を出る。 車で帰る途中ジャネットは、引っ越し代の足しにしろと言うレックスから、ロビーから巻き上げた金を渡される。 アーマにされたことを話題にしたジャネットは、ニューヨーク行きは止められないとレックスに伝える。 帰宅したジャネットは、貯めた現金がなくなっていることに気づき、それを奪ったレックスを恨む。 社でモーリーンからの電話を受けたジャネットは、婚約パーティーを欠席して西海岸に向かうことを知りショックを受ける。 その夜ジャネットは、パーティーの席でローリとブライアンと共にモーリーンのことを話し、招待していない両親が現れたために驚く。 レックスと2人で話したジャネットは、デヴィッドは間抜け呼ばわりされ結婚を反対され、本物の記者になれと言われて戸惑う。 そこに現れたローズマリーは、弟が土地を売ろうとしているために、金を借りたいとジャネットに伝える。 100万ドル弱だと言われたジャネットは、ローズマリーが、弟と分配して相続したはずの土地を所有していたことを知り驚く。 ジャネットは、自分が11歳の時に土地を相続し財産を所有しながら、それを自分たちや生活のために使わなかった両親に呆れてしまう。 憤慨したジャネットは、招待客の前で両親を痛烈に批判して追い出してしまう。 悲しむモーリーン(ブリジェット・ランディ=ペイ)に別れを告げたジャネットは、引き止めるレックスの話を聞かずに旅立つ。 ある朝、ジャネットはローズマリーに呼び出され、病気のレックスの容態が悪化し、先週から話をしなくなったことを知らされる。 レックスが話し過ぎることに意見したため、それ以来、黙り込んでしまったと言うローズマリーは、食事もせずに死にかけているとジャネットに伝える。 ローリとブライアンに会い話し合ったジャネットは、2人から父に会うべきだと言われるものの、その気になれない。 奨学金が足りずに中退を考えたジャネットだったが、そこに現れたレックスは、950ドルの現金と50ドルにはなると言ってミンクのストールを渡す。 レックスは、ローズマリーの許可を得てポーカーで勝ったと、誇らし気にジャネットに語る。 ジャネットは、ローズマリーの電話のメッセージを聴いたデヴィッドから、両親には絶対に関わるなと言われながら、家具デザイナーのリホッキー夫妻との食事に向かう。 食事を楽しんでいたジャネットは、デヴィッドがいつものようにレックスの仕事に関するウソを話し始めたために気になり、リホッキー夫人から父の所在を訊かれる。 言葉に詰まったジャネットは席を外し、化粧室で、レックスと子供時代に話したことを思い出す。 席に戻ったジャネットは勇気を出して、ホームレスだった両親が、空きビルの不法居住者であることなどを正直に話す。 デヴィッドに断り店を出たジャネットは、レックスの元に向かい、ローズマリーと抱き合う。 ローズマリーは散歩に出かけ、ジャネットは、母の絵に囲まれてベッドに横たわるレックスに話しかける。 沈黙を続けていたレックスは口を開き、子供時代の話をしたジャネットは、自分が書き続けていた記事のスクラップを見せてもらう。 苦労をかけたことを謝罪したレックスは、美しく賢く想像力があり強いお前は、今の自分とは違い何も恐れないとジャネットに伝える。 自分は父に似てよかったと言うジャネットは、ガラスの城を建てられなかったことを悔やむレックスに、夢を見れたと伝える。 感謝祭。 涙するジャネットは、自分は恵まれていると皆に伝える。
...全てを見る(結末あり)
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1人暮らしを始めたジャネットは、家族と共に楽しい時間を過ごし、今は亡きレックスの型破りな人生を振り返る。
*(簡略ストーリー)
1989年、ニューヨーク。
雑誌”ニューヨーク”のコラムニスト、ジャネット・ウォールズは、金融アナリストのデヴィッドと婚約し何不自由ない生活をしていた。
ある日ジャネットは、ホームレス寸前の両親レックスとローズマリーを目撃するものの無視してしまう。
1960年代、博学ではあるが停職も持たないレックス・ウォールズと自称画家の妻ローズマリーは、次女ジャネットを含めた子供たちを学校にも行かせず、各地を転々とする自由奔放な暮らしをしていた。
故郷ウェストバージニア州のウェルチに定住することになったレックスだったが、酒浸りの日々は続き、子供たちは食べ物も満足に与えてもらえない。
そんな生活から脱するためにジャネットは、姉ローリや弟ブライアン、妹モーリーンと共に、自立して両親の元を離れることを決意するのだが・・・。
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雑誌”ニューヨーク”のコラムニスト、ジャネット・ウォールズのベストセラー回顧録”ガラスの城の約束”を基に製作された作品。
脚本を兼ねるデスティン・ダニエル・クレットンの監督作品であり、高い評価を得た「ショート・ターム」(2013)でも彼と組んだブリー・ラーソンが、主人公のジャネット・ウォールズを演じたことでも話題になった。
苦難の子供時代が描かれる前に、ジャーナリストとして成功した主人公の何不自由ない生活から物語は始まる。
主人公の希望に満ちた人生に、再び関わってきた両親の問題と並行して、子供時代の苦労と家族の関係が交互して描かれる構成となっている。
主人公と父親との愛情関係や衝突が主なテーマとなっているが、真実とは思えないような家族の生活が、興味深く描かれている。
様々な問題を乗り越え、クライマックスに向けて父娘の関係修復が感動的に描かれ、演ずる実力派スターの確かな演技も見応えあるのだが、押しつけがましい愛情表現や演出などが気になり、批評家の評価もよくなかった。
主演のブリー・ラーソンは、両親の元を離れ自立するためにあらゆる努力をするのだが、結局はそれが父から教えられたことのおかげだったと気づく主人公を見事に演じている。
破天荒な人生を歩む父親を熱演するウディ・ハレルソン、好演はするものの、彼女のイメージが、やや役に合っていない気もする母親役ナオミ・ワッツ、主人公の婚約者マックス・グリーンフィールド、主人公の母親ロビン・バートレット、その夫A.J.ヘンダーソン、その息子ジョー・ピングー、8歳のジャネット役チャンドラー・ヘッド、11歳のエラ・アンダーソン、長女ローリのサラ・スヌーク、10歳のオリヴィア・ケイト・ライス、13歳のセイディー・シンク、長男ブライアンのジョシュ・カラス、6歳のイアン・アーミテージ、9歳のチャーリー・ショットウェル、三女モーリーンのブリジェット・ランディ=ペイ、3歳のイーデン・グレイス・レッドフィールド、幼児のシュリー・クルックス、乳児のチャーリー&エミー・ガイヨン、ジャネットに迫る青年ドミニク・ボガートなどが共演している。