史上最低の映画と言われながらカルト映画として多くのファンの心をつかんだトミー・ウィゾー製作、脚本、主演の”The Room”製作過程を描く、製作、監督、出演ジェームズ・フランコ、主演デイヴ・フランコ、セス・ローゲン、アリ・グレイナー、アリソン・ブリー、ザック・エフロン、ジョシュ・ハッチャーソン他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・フランコ
製作
ジェームズ・フランコ
セス・ローゲン
ヴィンス・ジョリヴェット
エヴァン・ゴールドバーグ
ジェームズ・ウィーヴァー
脚本
スコット・ノイスタッター
マイケル・H・ウェバー
原作
”The Disaster Artist”
グレッグ・セステロ
トム・ビゼル
撮影:ブランドン・トゥロスト
編集:ステイシー・シュローダー
音楽:デイヴ・ポーター
出演
グレッグ・セステロ:デイヴ・フランコ
トミー・ウィゾー:ジェームズ・フランコ
サンディ・シュクレア:セス・ローゲン
ジュリエット・ダニエル:アリ・グレイナー
アンバー:アリソン・ブリー
キャロライン・ミノット:ジャッキー・ウィーヴァー
ラファエル・スマジャ:ポール・シェアー
ダン・ジャンジギアン:ザック・エフロン
フィリップ・ハルディマン:ジョシュ・ハッチャーソン
ロビン・パリス:ジューン・ダイアン・ラファエル
セステロ夫人:メーガン・ムラーリー
ピーター・アンウェイ:ジェイソン・マンツォーカス
スコット・ホームズ:アンドリュー・サンティノ
カイル・ヴォト:ネイサン・フィールダー
アイリス・バートン:シャロン・ストーン
ジーン・シェルトン:メラニー・グリフィス
ビル・モイラー:ハンニバル・ブレス
メソッド演技法の教師:ボブ・オデンカーク
映画プロデューサー:ジャド・アパトー
クリス・スナイダー:ジョン・アーリー
トッド・バロン:ジョー・マンデ
カール:トム・フランコ
ボビ:ゾーイ・ドゥイッチ
ボニータ・ブードロー:シュガー・リン・ビアード
ロブ:ランドール・パーク
俳優の友人:ジェロッド・カーマイケル
キャスティング・ディレクター:ケイシー・ウィルソン
フローリスト:ローレンアッシュ
キャスティング担当者:グレッグ・セステロ
ヘンリー:トミー・ウィゾー
サフォヤ:シャーリン・イー
エイミー・フォン・ブロック:ケリー・オックスフォード
本人
ブライアン・クランストン
ザック・ブラフ
J・J・エイブラムス
デヴィッド・デコトー
リジー・キャプラン
クリステン・ベル
キーガン=マイケル・キー
アダム・スコット
ダニー・マクブライド
アイク・バリンホルツ
ケヴィン・スミス
アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(世界)
A24(北米)
2017年製作 103分
公開
北米:2017年12月1日
日本:未公開
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $21,120,620
世界 $29,820,620
■ アカデミー賞 ■
第90回アカデミー賞
・ノミネート
脚色賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1998年7月13日、サンフランシスコ、シェルトン・スタジオ。
役者を目指す19歳のグレッグ・セステロ(デイヴ・フランコ)は、ジーン・シェルトン(メラニー・グリフィス)のクラスで、彼女に演技を酷評される。
次に名乗り出たトミー・ウィゾー(ジェームズ・フランコ)は、”欲望という名の電車”のワンシーンを奇妙な解釈で演じてみせる。
それを見て驚いたグレッグは、トミーに声をかけて一緒に演じたいことを伝える。
数日後、ベンツで現れたトミーに誘われたグレッグはレストランに向かい、演技について話し始める。
その場でやろうと言いだしたトミーは、グレッグに台本を渡して演技を始める。
周囲を気にしないトミーと演技をしたグレッグは、客に拍手されて快感を味わう。
その後、まともにフットボールを扱えないトミーと楽しい時間を過ごしたグレッグは、彼の高級アパートに案内される。
自分のことは人に話すなとグレッグに指示するトミーは、ヨーロッパ訛りにも拘わらす、ニューオーリンズ出身だと言う謎の多い人物だった。
意気投合したトミーとグレッグは、”理由なき反抗”のビデオを楽しむ。
”ジェームズ・ディーン”を目指せとトミーに言われたグレッグは、彼の死亡事故現場に行くことになる。
現場に着いたトミーは、ジェームズ・ディーンの後に続き有名になる夢をグレッグに語り、2人でそれを誓う。 トミーはロサンゼルスに行くことをグレッグに提案し、自分のアパートに住めばいいと伝える。 グレッグは、高級車に乗りアパートも二軒持つトミーが、どんな人間か詮索するのはやめて夢を叶えようとする。 その後グレッグは、引き止める母(メーガン・ムラーリー)の話を聞こうとせず、トミーと共に旅立つ。 1998年11月9日、ロサンゼルス。 2人は活動を始め、グレッグはタレントエージェントのアイリス・バートン(シャロン・ストーン)と契約し、それをトミーに知らせて喜んでもらう。 グレッグは、クラブのバーテンダーのアンバー(アリソン・ブリー)と知り合い、電話番号を渡される。 3か月後。 オーディションを受け続けるトミーは、メソッド演技法の教師(ボブ・オデンカーク)に演技を批判され、反論しても相手にされない。 グレッグは、役者仲間(ジェロッド・カーマイケル)から、自分の将来を邪魔する存在になりかねない変人のトミーとは別れるべきだと忠告される。 高級レストランで食事をしていたトミーは、有名な映画プロデューサー(ジャド・アパトー)に気づき、彼の席に向かい自分を売り込む。 スタッフが現れるもののトミーは騒ぎを起こし、プロデューサーは、望んでも成功できるわけでなく、才能があっても100万に1人しか成功できない、永遠に待っても無理だと伝える。 謝罪したトミーは、セキュリティに追い出される。 翌日、アパートの屋上で考え込むトミーは、現れたグレッグに、誰にも求められず理解もされない自分は惨めだと話す。 自分も同じで、事務所から連絡もこないまま、オーディションに落ちる日々が辛いと言うグレッグに励まされたトミーは、自ら映画を作ることを考える。 トミーは、自分が主役の銀行員”ジョニー”を演ずる、婚約者のリサと親友のマークの三角関係を描いたメロドラマの脚本を書き始め、苦労しながらそれを完成させる。 2001年5月19日。 読み終わったグレッグは、準主役の”マーク”役を演ずることを勧めるトミーから、金なら心配するなと言われて準備を始める。 機材レンタル会社”Birns & Sawyer”の代表ピーター・アンウェイ(ジェイソン・マンツォーカス)とオーナーのビル・モイラー(ハンニバル・ブレス)に会ったトミーとグレッグは、レンタルではなく買い取ることを伝えて、彼らのスタジオも使うことになる。 トミーとグレッグは出演者を募集し、撮影監督にラファエル・スマジャ(ポール・シェアー)、脚本監修、助監督にサンディ・シュクレア(セス・ローゲン)などクルーも採用して、ジュリエット・ダニエル(アリ・グレイナー)がヒロインの”リサ”役に決まる。 2002年6月12日、撮影日 1日/40日。 最初の演出をするトミーは、”デニー”を演ずるフィリップ・ハルディマン(ジョシュ・ハッチャーソン)と”クリス=R”役のダン・ジャンジギアン(ザック・エフロン)の演技に満足する。 ”マーク”役のグレッグも、”ピーター”役のカイル・ヴォト(ネイサン・フィールダー)を相手に熱演する。 銀行に向かったサンディは、小切手が現金化できるか不安だったが、トミーの口座には大金が預金されて、無限に引き出せることを知る。 撮影日 8日/40日。 何とかしようと考えたグレッグはトミーに助言し、ようやくまともな演技ができる。 撮影日 25日/40日。 現場をカメラマンに撮影させていたトミーは、サンディとラファエルが陰で自分を批判していることを知る。 ある日、食事の席でグレッグは、交際を続けていたアンバーと同居することをトミーに伝える。 席を外したトミーは憤慨して取り乱す。 その後、ジュリエットとのベッドシーンを撮るトミーは、グレッグの制止も聞かずに全裸で演じ、必要以上に体を露出しながら撮影してしまう。 我慢の限界に達したラファエルは、トミーを避難して罵倒するが、陰で変人だと言っていることなどを指摘されても、彼がイカれていると思う。 アパートから引っ越すグレッグは、トミーに声をかけてから出て行こうとするものの、彼はまともに話をしてくれなかった。 撮影日 36日/40日。 暑さのためにキャロラインが倒れてしまい、サンディは撮影を中断する。 誰も台本を受け取っていない状況で撮影は進められ、キャストとスタッフは、意味不明な作品の内容と、トミーの不可解な演出と演技に困惑する。 ある日、アンバーとカフェにいたグレッグは、ピラティスのクラスで彼女と一緒だったスター、ブライアン・クランストンを紹介されて感激する。 グレッグが役者で映画を撮影中だと知ったクランストンは、出演中の”マルコム in the Middle”で木こり役を探していることを話し、ヒゲが生えている彼をその役に誘う。 喜ぶグレッグは、ヒゲのまま来週、来てほしいと言うクランストンに感謝する。 ヒゲを剃るシーンを明日に控えるグレッグは、来週に延長してほしいとトミーに頼むものの聴いてもらえず、”マルコム in the Middle”の端役の話をしても彼を説得できなかった。 映画かテレビ、どちらかを選べと言われたグレッグは、トミーに従うしかなく、アンバーは呆れてしまう。 翌日、ヒゲを剃ったグレッグの出演シーンを撮り終えたトミーは、サンディとラファエルを解雇する。 撮影日 58日/40日。 利己主義なトミーを非難したグレッグは、出身地や金の出所、年齢を問い、答えない彼と喧嘩になり、何もかもぶち壊したと言ってその場を去る。 8か月後。 グレッグは、送られてきたプレミアの招待状を捨ててしまうものの、劇場の外で待っていたトミーと話し、アンバーとは別れたことを伝える。 2003年6月27日、プレミア。 トミーはその場を通り過ぎるようドライバーに指示し、しばらく様子を見てから劇場に戻る。 緊張しながらグレッグらと劇場に入ったトミーは、多くの観客と共に”The Room”の上映を待つ。 紹介されたトミーは、簡単なスピーチをして上映は始まる。 観客は沈黙していたが、トミーの最悪な演技や脚本、製作手法に呆れて笑いだす。 耐えられなくなったトミーは席を立ち、気遣うグレッグの言葉も慰めにならない。 グレッグから、誰にもできないことをやり遂げたと言われたトミーは、客席に戻り、皆が喜び盛り上がっていることを知って満足し、互いの友情を確かめる。 上映終了後、スタンディングオベーションでトミーに喝采を送る観客は、彼がステージに立ったために歓声を上げる。 トミーは、自分の作った”コメディ “が受け入れられたと言いながら観客に感謝する。 夢がかなえられたのは友人のおかげだと言いトミーは、グレッグをステージに上げる。 トミーとグレッグは、自分たちの”The Room”を誇りに思い、再び拍手と喝采を受ける。 ”The Room”は1館で2週間上映され、オスカーの選考基準をクリアした。 非公開の製作費は600万ドルを超えたと言われ、封切り週末の興行収入は1800ドルだった。 それ以後、カルト映画として作品は黒字となり、世界中で定期的に上映され続けている。 トミーの素性は依然、謎のままであり、出身地、財源、年齢は明らかにされていない。 トミーとグレッグは、今も共同で脚本を書き、演じて製作を行っている。 彼らの最も知られている作品は”The Room”である。
...全てを見る(結末あり)
アパートに着いたトミーは、屋上でグレッグに市街を見せながら夢を語る。
グレッグはアンバーと付き合い始め、トミーはそれを良く思わない。
グレッグとレストランで話したトミーは、”The Room”の脚本を渡し、その場で読ませる。
グレッグと共にクルーとキャストを集めたトミーは、皆の前でスピーチをして、35mmフィルムとデジタルカメラを併用して撮影を始める。
初演技の日、トミーは緊張してまともに演ずることができず、数十回もテイクを続ける。
その後は順調に進むものの、支配的なトミーの言動や経験不足により、状況は悪化していく。
キャロライン・ミノット(ジャッキー・ウィーヴァー)の撮影が行われるが、空調を使わせないトミーが水も用意しないために、現場で揉め事が起きる。
グレッグを迎えに行ったトミーは、新しいクルーを連れてサンフランシスコに向かい、追加シーンの撮影をする。
舞台の”セールスマンの死”に出演して活動を続けていたグレッグは、トミーの作品が世に出るとは思っていなかったが、公開間近の”The Room”の巨大な宣伝看板を見て驚く。
リムジンで迎えに来たトミーと共に劇場に向かったグレッグは、入口にサンディとラファエル、ジュリエットらがいることに気づく。
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*(簡略ストー リー)
1998年、サンフランシスコ。
役者を目指す19歳のグレッグ・セステロは、同じ演技クラスで、風変わりなトミー・ウィゾーと出会い意気投合する。
グレッグは、高級車やアパートを持ち、出身地や年齢も分からないトミーと親交を深め、夢を叶えるためにロサンゼルスに向かう。
その後、オーディションを受けても役が付かない2人は挫折しそうになるが、自分たちで映画を作ることを考え、トミーは、自分が主演する”The Room”の脚本を完成させる。
豊富な資金を使い、クルーやキャストを集めて撮影を始めたトミーだったが、身勝手な言動や奇妙な行動が、グレッグや周囲を混乱させる・・・。
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2013年に発表された、グレッグ・セステロとトム・ビゼルの著書”The Disaster Artist”を基に製作された作品。
史上最低の映画と言われながら、カルト映画として多くのファンの心をつかんだ”The Room”の製作過程と、作品を共同で製作したトミー・ウィゾーとグレッグ・セステロの友情を描くコメディ・ドラマ。
現在に至っても謎多き人物として知られる、奇妙な言動が注目されるトミー・ウィゾーの人間性と共に、彼に興味を持ち共に夢を叶えようとしたグレッグ・セステロが、苦悩しながらも自分たちの向かう道を見つけようとする姿が活き活きと描かれている。
*トミー・ウィゾーは1955年にポーランドのポズナンで生まれたと言われている。
その撮影過程を見ているだけでも馬鹿げた行動に思えるのだが、主人公は周囲を気にせずに突き進み、プレミアで、メロドラマとして作った作品が、コメディと思われて喝采を浴びるクライマックスは、大いに盛り上がり感動的でもある。
トミー・ウィゾーが、資金力のある現代の”エド・ウッド”だと思われた方も多いはずで、陳腐な解釈で進む撮影風景や、ラストのプレミア・シーンなどは、ティム・バートンの「エド・ウッド」(1994)を意識しているようにも思える。
ティム・バートン作品に登場しそうなキャラクターの雰囲気があるトミー・ウィゾー自身も、それを意識していたのではないだろうか・・・。
本作は批評家他から絶賛され、第90回アカデミー賞では、脚色賞にノミネートされた。
役者を志し、風変わりなトミー・ウィゾーとの出会いで夢を叶えようとするグレッグ・セステロを好演するデイヴ・フランコ、製作と監督を兼ねた意欲作であり、トミー・ウィゾーになり切ったジェームズ・フランコの熱演は注目だ。
映画の脚本監修、助監督サンディ・シュクレアのセス・ローゲン、ヒロインを演ずるジュリエット・ダニエルのアリ・グレイナー、グレッグの恋人で、実生活でもデイヴ・フランコと結婚するアリソン・ブリー、撮影監督フィリップ・ハルディマンのポール・シェアー、キャストのダン・ジャンジギアン役ザック・エフロン、フィリップ・ハルディマンのジョシュ・ハッチャーソン、キャロライン・ミノットのジャッキー・ウィーヴァー、ロビン・パリスのジューン・ダイアン・ラファエル、スコット・ホームズのアンドリュー・サンティノ、カイル・ヴォトのネイサン・フィールダー、撮影クルーのジョン・アーリー、ジョー・マンデ、トム・フランコ、ゾーイ・ドゥイッチ、オーディションの役者シュガー・リン・ビアード、ケイシー・ウィルソン、シャーリン・イー、ケリー・オックスフォード、グレッグの役者仲間ランドール・パーク、ジェロッド・カーマイケル、フローリスト役のローレンアッシュ、グレッグの母親メーガン・ムラーリー、機材レンタル会社”Birns & Sawyer”の代表ジェイソン・マンツォーカス、オーナーのハンニバル・ブレス、タレントエージェントのアイリス・バートン役シャロン・ストーン、”シェルトン・スタジオ”のジーン・シェルトン役メラニー・グリフィス、メソッド演技法の教師ボブ・オデンカーク、映画プロデューサーのジャド・アパトー、そしてクルーのキャスティング担当でグレッグ・セステロ、エンディングロール後のパーティーのシーンでトミーに話しかける男役でトミー・ウィゾーが出演している。
*その他 本人役
ブライアン・クランストン
ザック・ブラフ
J・J・エイブラムス
デヴィッド・デコトー
リジー・キャプラン
クリステン・ベル
キーガン=マイケル・キー
アダム・スコット
ダニー・マクブライド
アイク・バリンホルツ
ケヴィン・スミス