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ペイド・バック The Debt (2011)

2007年に公開されたイスラエル映画「ザ・デットナチスと女暗殺者」のリメイク。
ナチスの残党を捕える任務で英雄となったモサド工作員の秘められた真実を描く、監督ジョン・マッデン、主演ヘレン・ミレンジェシカ・チャステイントム・ウィルキンソンキーラン・ハインズサム・ワーシントンマートン・チョーカシュ他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ジェシカ・チャステイン / Jessica Chastain / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・マッデン

製作総指揮:タルキン・パック
製作
マシュー・ヴォーン

クリス・サイキエル
エドゥアルド・ロソフ

エイタン・イヴァン
脚本
マシュー・ヴォーン

ジェーン・ゴールドマン
ピーター・ストローハン
撮影:ベン・デイヴィス
編集:アレクサンダー・バーナー
音楽:トーマス・ニューマン

出演
レイチェル・シンガー(1997):ヘレン・ミレン

レイチェル・シンガー(1965,1970):ジェシカ・チャステイン
デヴィッド・ペレツ(1997):キーラン・ハインズ
デヴィッド・ペレツ(1965,1970):サム・ワーシントン
ステファン・ゴールド(1997):トム・ウィルキンソン
ステファン・ゴールド(1965,1970):マートン・チョーカシュ
ディーター・フォーゲル(1965,1997):イェスパー・クリステンセン
サラ・ゴールド:ロミ・アブラフィア

イギリス/アメリカ 映画
配給
ミラマックス
フォーカス・フィーチャーズ
2011年製作 113分
公開
北米:2011年8月31日
日本:未公開
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $31,177,550
世界 $45,636,370


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1965年、イスラエルアタロット軍用空港
モサドの工作員であるレイチェル・シンガー(ジェシカ・チャステイン)、デヴィッド・ペレツ(サム・ワーシントン)、ステファン・ゴールド(マートン・チョーカシュ)の三名は、任務を終えて無事に帰国する。
__________

1997年、テルアビブ
ナチスによる人体実験の実行者”ビルケナウ”の外科医ディーター・フォーゲル(イェスパー・クリステンセン)を倒した任務の英雄、レイチェル・シンガー(ヘレン・ミレン)とステファン・ゴールド(トム・ウィルキンソン)の娘である作家のサラ(ロミ・アブラフィア)は、その任務について書かれた著書の出版レセプションを開く。

それに出席していたレイチェルは、動揺を隠せない。

その頃、デヴィッド・ペレツ(キーラン・ハインズ)は、何者かに呼び出され、彼を見守るステファン・ゴールド(トム・ウィルキンソン)の目の前で、トラックに飛び込み自ら命を絶つ。

モサドの幹部ステファンは、サラと、離婚したレイチェルの出席するパーティーに車いすに乗り姿を現す。

そしてレイチェルは、著書の一部を朗読し始める。

1965年、東ベルリン
フォーゲルを捕え監禁していたレイチェルは、隙を突かれて彼と格闘になる。

レイチェルは右頬を傷つけられながらも、逃亡するフォーゲルを射殺する。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1997年、イスラエルテルアビブ
ナチスによる人体実験を行った、”ビルケナウ”(強制収容所)の外科医フォーゲルを捕えた祖国の英雄、レイチェル・シンガー、デヴィッド・ペレツ、そしてステファン・ゴールドの任務遂行についてを書いた著書が出版される。
その著者は、レイチェルと別れた夫ステファンの娘サラであり、彼女は両親を誇りに思いながら出版レセプションを行う。
しかし、レイチェルは複雑な心境でそれを見守り、モサドの幹部であるステファンは、デヴィッドと接触を試みるが、彼が目の前で自殺してしまう。
1965年、東ベルリン
潜伏していたフォーゲルを確認した三人は、彼の拉致に成功はするものの、西側への脱出に失敗する。
別の脱出ルートを探す間、三人はフォーゲルを監禁するのだが、事態は進展せずに焦り始める・・・。
1997年。
レイチェルはデヴィッドの死を悲しみ、彼が調べていた件が自分達の破滅につながるとステファンから知らせる。
英雄視されていた三人の、任務に秘められた真実とは・・・。
__________

東西冷戦下で実行される、モサドによるナチ残党の拉致計画というストーリーだけでも興味津々だ。

更には、冒頭から漂う、英雄のはずの任務遂行者達の不穏な雰囲気、彼らの隠されえた真実は中盤で明らかになるのだが、その後の終盤にかけてのスリリングな展開は、純粋なスパイ劇を堪能できる一級のサスペンスに仕上がっている。

随所で様々なヒントを見せて、謎解きの過程と結果を巧みな描写で映し出すジョン・マッデンの演出も見応え十分だ。

それらに加え、実力派スター競演のキャスティングも豪華で、このような作品を公開することができないことや意味不明な邦題に、日本の文化意識を疑ってしまう。

ヘレン・ミレンが、モサドの元工作員を演ずるというだけでも注目だが、彼女の重厚な演技と、終盤、元工作員の技量を見せる、体を張った熱演も見ものだ。

真実の重圧に押しつぶされそうになりながら30年前の主人公を好演する、期待のスター、ジェシカ・チャステイン、同じく、嘘をつくことに怯える元工作員キーラン・ハインズ、その若年期を演ずるサム・ワーシントン、主人公の元夫であり任務に参加したトム・ウィルキンソン、その若年期のマートン・チョーカシュナチの残党である恐怖の外科医役イェスパー・クリステンセン、主人公の娘役のロミ・アブラフィアなどが共演している。


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