| 無実の罪で危機に陥る探偵と秘書の絆を描くフィルム・ノワール。 監督ヘンリー・ハサウェイ、主演ルシル・ボール、クリフトン・ウェッブ、ウィリアム・ベンディックス、マーク・スティーヴンス他共演。 |
・ルシル・ボール / Lucille Ball / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ヘンリー・ハサウェイ
製作:フレッド・コールマー
原作:レオ・ロステン”he Dark Corner”
脚本
ジェイ・ドラットラー
バーナード・C・ショーンフェルド
撮影:ジョセフ・マクドナルド
編集:J・ワトソン・ウェッブJr.
音楽:シリル・J・モックリッジ
出演
キャスリーン・スチュワート:ルシル・ボール(ブラッドフォードの秘書)
ハーディ・キャスカート:クリフトン・ウェッブ(裕福な画廊のオーナー)
スタウファー/フレッド・フォス:ウィリアム・ベンディックス(ハーディに雇われる男)
ブラッドフォード・ガルト:マーク・スティーヴンス(元服役囚の私立探偵)
トニー・ジャーディン:カート・クルーガー(ブラッドフォードを裏切った弁護士)
マリー・キャスカート:キャシー・ダウンズ(ハーディの妻)
フランク・リーヴス警部補:リード・ハドリー(ブラッドフォードを監視する刑事)
キングズリー夫人:コンスタンス・コリアー(ハーディの友人)
本人:エディ・ヘイウッド
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1946年製作 99分
公開
北米:1946年5月8日
日本:未公開
製作費 $1,200,000
北米興行収入 $1,000,000
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
私立探偵のブラッドフォード・ガルト(マーク・スティーヴンス)は、仲間に裏切られて服役し、二年後にサンフランシスコから移り事務所を構える。
フランク・リーヴス警部補(リード・ハドリー)は、ブラッドフォードの事務所を訪ね、秘書のキャスリーン・スチュワート(ルシル・ボール)から、ブラッドフォードは不在だと言われれ、彼について尋ねる。
戻ったブラッドフォードはリーヴスと話し、自分を監視する彼に、裏切られたことで今のような状況になり、今はまともな仕事をしたいだけだと伝える。
リーヴスはその場を去り、ブラッドフォードは、キャスリーンを食事に誘い楽しい時間を過ごす。
そんな二人を、ある男(ウィリアム・ベンディックス)が尾行する。
それに気づいていたブラッドフォードは、キャスリーンにその件を話し、事務所の向かいで待つよう指示してタクシーに乗せる。
男を待ち伏せしたブラッドフォードは、彼に銃を向けて事務所に連れて行き、キャスリーンがタクシーで待っているのを窓から確認する。
男の所持品を調べたブラッドフォードは、”フレッド・フォス”という名の探偵だと言う彼が、依頼人のことを話さないために痛めつける。
依頼人がかつて組んでいた弁護士のトニー・ジャーディン(カート・クルーガー)だと知ったブラッドフォードは、フレッドの話を信じて、彼を脅す。
フレッドは隙を見て逃げ出し、ブラッドフォードは、タクシーに乗った彼をキャスリーンが尾行する様子を窓から確認する。
フレッドを見失ったキャスリーンは事務所に戻り、ブラッドフォードが抱える問題を聞き出そうとするが、関わるなと言われ、それでもそばにいて支えると伝える。
裕福な画廊のオーナー、ハーディ・キャスカート(クリフトン・ウェッブ)は、若い妻マリー(キャシー・ダウンズ)と共にパーティーを催し、招待したトニーを歓迎する。
ハーディに電話をしたフレッドは、ブラッドフォードの件はうまくいったことを伝える。
クラブでキャスリーンと過ごし親交を深めたブラッドフォードは、関わらないようにと再び彼女に忠告する。
そこにリーヴスが現れ、彼と話したブラッドフォードは、あくどい弁護士トニーが自分を尾行させて、決着をつけるためにサンフランシスコから来たという考えを伝える。
再びブラッドフォードを尾行したフレッドは、キャスリーンを送った彼を車で轢き殺そうとする。
それをかわしたブラッドフォードは、心配するキャスリーンと共にカフェに向かう。
そこに新聞売りの少年が現れ、車のナンバーを見たことをブラッドフォードに伝える。
フレッドはハーディの屋敷に向かい、その車を置いて立ち去る。
屋敷にいたトニーは、出かけたハーディと別れて自分の車(フレッドが使った車)でその場を去る。
ブラッドフォードは、警察に車のナンバーを知らせて調べてもらう間に、心配するキャスリーンにトニーのことを話し、尾行も事故も彼の仕業だろうと話すのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
“Directed with gritty precision by Henry Hathaway, The Dark Corner is a stylish film noir that plunges a framed private eye into a web of deceit, elevated by Lucille Ball’s charismatic devotion and Clifton Webb’s icy malice.”
(ヘンリー・ハサウェイ監督によって力強く精緻に演出された『闇の曲り角』は、濡れ衣を着せられた私立探偵を欺瞞の網へと突き落とすスタイリッシュなフィルム・ノワールであり、ルシール・ボールの魅力溢れる献身とクリフトン・ウェッブの冷酷な悪意によって高められている。)
1945年に”Good Housekeeping”に掲載された、レオ・ロステンの連載”he Dark Corner”の小説を基に製作された作品。
「永遠に愛せよ」(1935)、「死の接吻」(1947)などのヘンリー・ハサウェイが監督し、主演はルシル・ボール、クリフトン・ウェッブ、ウィリアム・ベンディックス、マーク・スティーヴンス他共演のフィルム・ノワール。
ファーストクレジットは、雇い主の私立探偵を献身的に支えながら惹かれ合うようになる秘書を、芯の強さを印象付けながら、ウィットに富んだ女性を魅力的に演ずるルシル・ボールなのだが、物語の主人公は、追い詰められる私立探偵のマーク・スティーヴンスであり、2人がタッグを組み、窮地に陥っても諦めずに悪に立ち向かう姿を、ヘンリー・ハサウェイが、繊細且つパワフルな演出で描き切っている。
主人公らが生活する空間は闇のシーンが多く、富と権力を利用して主人公を追い詰める裕福な画商が行動する場所は、当然ながら華やかな世界に映し出す対比の演出も見事だ。
同じ20世紀FOXによるサスペンス・ミステリーの傑作「ローラ殺人事件」(1944)でも悪役を演じた、陰謀の黒幕である画商クリフトン・ウェッブが実行する巧みな罠、それに手を貸す小悪党ウィリアム・ベンディックスの味のある演技、彼らに利用される主人公の元パートナーの弁護士カート・クルーガーの女性を惑わす男の魅力、彼との不倫が画商の夫に知られたことで事件となる美しいキャシー・ダウンズの共演も見逃せない。
