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カサンドラ・クロス The Cassandra Crossing (1976)

ヨーロッパのメディア王リュー・グレードイタリアの大プロデューサー、カルロ・ポンティが組んだ国際的オールスター・キャストで製作された。
アメリカの極秘究で細菌に感染したテロリストが大陸縦断列車に乗り込んでしまったことによる”隔離”対策を描く、出演ソフィア・ローレンリチャード・ハリスマーティン・シーンバート・ランカスターエヴァ・ガードナーリー・ストラスバーグO・J・シンプソン、監督ジョルジュ・パン・コスマトスによるサスペンス・パニック大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

エヴァ・ガードナー / Ava Gardner / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョルジュ・パン・コスマトス

製作総指揮:ジャンカルロ・ペティーニ
製作
カルロ・ポンティ

リュー・グレード
原案
ロバート・カッツ

ジョルジュ・パン・コスマトス
脚本
トム・マンキーウィッツ

ロバート・カッツ
ジョルジュ・パン・コスマトス
撮影:エンニオ・グァルニエリ
編集
ロベルト・シルヴィ

フランソワーズ・ボノー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演
ジェニファー・リスポリ・チェンバレン:ソフィア・ローレン

ジョナサン・チェンバレン:リチャード・ハリス
ロビー・ナヴァロ:マーティン・シーン
ハリー:O・J・シンプソン
エレナ・シュトラドナー:イングリッド・チューリン
スティーヴン・マッケンジー大佐:バート・ランカスター
スーザン:アン・ターケル
トム:レイモンド・ラブロック
スターク少佐:ジョン・フィリップ・ロー
ハーマン・カプラン:リー・ストラスバーグ
ニコール・ドレスラー:エヴァ・ガードナー
マックス:ライオネル・スタンダー

イタリア/イギリス 映画
配給 AVCO Embassy Pictures

1976年製作 129分
公開
イタリア:1976年12月18日
イギリス:1977年3月31日
北米:1977年2月9日
日本:1977年3月31日
製作費 $3,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ジュネーブ、IHO/国際保健機構本部。
北欧人らしき3人のテロリストが侵入し、アメリカの生物研究セクションを爆破しようとする。

気づかれた犯人の一人は射殺され、2人は爆破に失敗して危険区域に入り、液体の容器を割ってしまい、それを浴びた一人がビルから脱出する。

報告を受けた、アメリカ陸軍情報部大佐スティーヴン・マッケンジー(バート・ランカスター)は、液体を浴びて、感染症と思われる症状が悪化する犯人を監視する医師エレナ・シュトラドナー(イングリッド・チューリン)から、状況説明を求められる。

その頃、逃亡した犯人は、ストックホルムに向かう大陸縦断列車に乗り込む。

シュトラドナーは、アメリカが、細菌について秘密で研究を進めるていることを批判し、ヨーロッパ中が感染する可能性がある中で、犯人が外部に出ていないことを幸いに思う。

しかし、犯人に仲間がいたことをシュトラドナーに伝えたマッケンジーは、部下のスターク少佐(ジョン・フィリップ・ロー)に徹底的な調査を命ずる。

セールスマンの老紳士ハーマン・カプラン(リー・ストラスバーグ)、新婚のトム(レイモンド・ラブロック)とスーザン(アン・ターケル)、西ドイツの兵器製造業者の妻ニコール・ドレスラー(エヴァ・ガードナー)と、その若い愛人ロビー・ナヴァロ(マーティン・シーン)、彼を気にする神父ハリー(O・J・シンプソン)、そして、著名な精神科医ジョナサン・チェンバレン博士(リチャード・ハリス)とその元妻で作家のジェニファー・リスポリ(ソフィア・ローレン)なども列車に乗り込む。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ジュネーブ
IHO/国際保健機構本部のアメリカ・セクションを爆破しようとした、スウェーデン人テロリストの3人は、それに失敗する。
しかし、極秘研究が進められていた、細菌に感染した犯人の一人は逃亡し、ストックホルム行きの大陸縦断列車に乗り込む。
アメリカ陸軍情報部のマッケンジー大佐は、医師シュトラドナーに協力を求めながら、犯人が列車に乗り込んだことを突き止め、感染拡大を防ごうとする。
1000人もの乗客は、何も知らずに旅を楽しんでいたが、感染者は車両内を移動してしまい乗客と接触する。
著名な精神科医チェンバレンが乗車していることを知ったマッケンジーは、彼と連絡を取り感染者を見つけようとする。
チェンバレンは、乗り合わせた元妻ジェニファーなどの協力で感染者を見つけるが、彼と接触した乗客に症状が出始める。
その後マッケンジーは、列車をポーランドの隔離施設に収容する考えを、チェンバレンらに伝える。
しかしマッケンジーは、感染拡大阻止が不可能であることから、30年前に廃線となり安全性に問題がある、死の鉄橋”カサンドラ・クロス”に列車を向かわせる計画を進める・・・。
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1970年代のパニック・ブームに乗り、ヨーロッパで製作された本作は、その時代を席巻していたハリウッド映画とは一味違い、当時、新鮮味があった。

今観ると、娯楽の要素を網羅した受け狙い的な感じはするが、リアルタイムで観た際は、結構楽しめたことを記憶している。

純然たるヨーロッパ映画なのだが、この時代も精力的に仕事をこなしていた大スターのバート・ランカスターや、NFLの現役スーパースターのO・J・シンプソン、そして名優リー・ストラスバーグらに重要な役を演じさせて、明らかに、北米や世界を意識していることが窺える。

アメリカの傲慢さを皮肉るような仕上げ方も、いかにもヨーロッパ的で、ナチスユダヤ人迫害を絡めた、死の鉄橋”カサンドラ・クロス”を象徴的に描き、クライマックスに向けて盛り上がる。

結局は多くの犠牲者を出すラストには、戦後30年、未だに残る大きな傷跡を、忘れ去ることのできないヨーロッパの人々の思いが感じられる。

主演というよりも、製作者カルロ・ポンティ夫人の名でファースト・クレジットとなった作家のソフィア・ローレン、その元夫で医師らしく対処して行動力もあるリチャード・ハリス、麻薬の密売人ではあるが、乗客を救うために終盤に活躍するマーティン・シーン、彼を追う捜査官O・J・シンプソン、感染拡大を阻止しようとする医師イングリッド・チューリン、サスペンス部分では主役と言える、感染者及び乗客抹殺計画を進める、アメリカ陸軍情報部大佐役のバート・ランカスター、その部下ジョン・フィリップ・ロー、当時のR・ハリス夫人、若妻アン・ターケル、その夫レイモンド・ラブロックナチスの迫害を経験した老セールスマンのリー・ストラスバーグ、世界的兵器企業のオーナー夫人役、随所で存在感を発揮する大女優エヴァ・ガードナー、客室係ライオネル・スタンダーなどが共演している。


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