国の圧政に対し”シャーウッドの森”で反乱を組織したという伝説が伝えられる”ロビン・フッド”とその仲間達の活躍を描く、製作総指揮ハル・B・ウォリス、ジャック・L・ワーナー、監督マイケル・カーティス、ウィリアム・キーリー、主演エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランド、ベイジル・ラスボーン、クロード・レインズ他共演による活劇映画の傑作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督
マイケル・カーティス
ウィリアム・キーリー
製作総指揮
ハル・B・ウォリス
ジャック・L・ワーナー
脚本
ノーマン・ライリー・レイン
シートン・I・ミラー
撮影
トニー・ガウディオ
ソル・ポリート
編集:ラルフ・ドーソン
美術装置:カール・ジュールス・ウェイル
音楽:エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
出演
ロビン・フッド:エロール・フリン
マリアン・フィッツウォルター:オリヴィア・デ・ハヴィランド
ガイ・オブ・ギスボーン:ベイジル・ラスボーン
ジョン王子:クロード・レインズ
ウィル・スカーレット:パトリック・ノウルズ
タック修道士:ユージン・パレット
リトル・ジョン:アラン・ヘイルSr.
ノッティンガムの代官:メルヴィル・クーパー
リチャード1世:イアン・ハンター
ベス:ウナ・オコナー
マッチ:ハーバート・マンディン
ブラック・キャノンの司教:モンタギュー・ラヴ
ディコン:ハリー・コーディング
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1938年製作 102分
公開
北米:1938年5月14日
日本:1940年3月9日
製作費 $1,900,000
北米興行収入 $3,981,000
■ アカデミー賞 ■
第11回アカデミー賞
・受賞
編集・美術・オリジナル音楽賞
・ノミネート
作品賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1191年。
イングランド国王である”獅子心王”リチャード1世は、十字軍遠征に弟ジョンの代わりに出征し、友人のロンシャン卿を摂政に任命した。
激怒したジョンがノルマン人貴族らの助けを借りて王位を狙おうとしたため、サクソン人にとっては不幸の始りとなった。
リチャードが帰路で捕えられたことが知らされ、ジョンと側近のガイ・オブ・ギスボーン卿(ベイジル・ラスボーン)は、国王は戻らないだろうと考えて祝杯を挙げる。
ジョンの圧政に対して国民の不満は高まり、シャーウッドの森で鹿を仕留めたマッチ(ハーバート・マンディン)は、その場に居合わせたガイ卿に罰せられそうになる。
それを見ていたサクソン人貴族のロビン・フッド(エロール・フリン)は、鹿を仕留めたのは自分だと伝えてガイ卿を追い払う。 マッチはロビンに感謝して、彼とウィル・スカーレット(パトリック・ノウルズ)に、行動を共にすることを伝える。 ガイ卿と共に祝宴を開いたジョンは、支持者であるマリアン・フィッツウォルター(オリヴィア・デ・ハヴィランド)などを招待する。 サクソン人に対しての課税に異議ないことを出席者に確認したジョンだったが、反抗する貴族ロビンのことをガイ卿から知らされる。 そこに、鹿を担いだロビンが現れ、ガイ卿の横暴を批判して国王リチャードに忠誠を誓う。 大胆不敵なロビンを気に入ったジョンは、マリアンを紹介して彼の席を用意する。 重税に不満を訴えるロビンは、払わない場合は命がないと話すのだが、マリアンはそれを信じることができない。 リチャードの身代金を要求されていることを知らせたジョンは、今後は税を3倍徴収することをロビンに伝える。 摂政のロンシャンに支払うのが筋だとロビンから言われたジョンは、既に追放したため自分が摂政を兼ねることを知らせる。 それには流石に側近達も驚くが、ジョンに逆らうものはいなかった。 唯一人それに納得できないロビンは、サクソン人の反乱を組織することをジョンに伝えたため、騎士のディコン(ハリー・コーディング)から槍を放たれて殺されそうになる。 抵抗したロビンは、たった一人でガイ卿らに立ち向かい、外で待っていたウィルとマッチと共に馬で走り去る。 追っ手を振り切ったロビンは、仲間達を集結させるようマッチに指示する。 その後ジョンは、ロビンに手を貸すものは死罪とし、身代金を用意するという口実で、ロビンの財産は没収して死刑を宣告する。 頑強そうなリトル・ジョン(アラン・ヘイルSr.)に出会ったロビンは、腕試しをして叩きのめされるものの、彼を気に入り仲間にする。 勇気ある者達はシャーウッドの森に集まり、裏切り者のジョンに抵抗するため、ロビンは反乱を指揮する。 ジョンの支配は残虐さを増して恐怖が広まり、抵抗するサクソン人には死が待ち構えていた。 しかし、黙ってはいないロビンは指揮官達を襲撃し、ガイ卿らは姿を隠す彼を捕えることができなかった。 強そうなタック修道士(ユージン・パレット)を相手に腕試しをしたロビンは、彼を気に入り仲間に加える。 徴収した税金を持ってガイ卿が城に戻ることをウィルから知らされたロビンは、彼を襲う計画を立てて待ち伏せる。 マリアンとノッティンガムの代官(メルヴィル・クーパー)と共に隊列を組んでいたガイ卿は、森に潜んでいたロビンらに捕らえられる。 三人と一団を連行したロビンは、マリアンから盗賊呼ばわりされながら、ガイ卿と代官の身ぐるみを剥ぐ。 ガイ卿らから奪った食料で祝宴を始めたロビンは、財宝があることも仲間に伝える。 徴収した税金などはリチャードの身代金ではなく、ジョンの懐に入る予定だったが、自分達が頂くと言うロビンは仲間達を喜ばせる。 圧政に苦しむ者を見捨てることができず立ち上がったとマリアンに伝えたロビンは、彼女を人々の元に案内し、その実情を知らせる。 圧倒的な支配権を持つジョンに抵抗するロビンが、報奨などを求めていないことを知ったマリアンは、彼の考えを理解する。 ガイ卿と代官を解放したロビンは、互いに惹かれ合うことを感じながら、マリアンと侍女のベス(ウナ・オコナー)を送るよう仲間に指示する。 ガイ卿から報告を受けたジョンは、まともに戦う相手ではないとノッティンガムの代官から言われ、弓試合を開催してロビンを罠にはめることを提案する。 罠であることを承知しながら、変装して競技に参加したロビンは、予想通り優勝するものの、マリアンの前で捕えられてしまう。 ガイ卿の元に連れて行かれたロビンは罪状を言い渡され、絞首刑を宣告される。 投獄されたロビンの身を案ずるマリアンは、マッチと親しくなったベスの協力してもらい、居酒屋にいる仲間達に会おうとする。 ウィルらと話したマリアンは自分の考えを信じてもらい、彼らをロビンの元に案内する。 死刑執行の準備は整い、処刑台に連れて行かれたロビンは、仲間達を確認する。 処刑寸前にロビンは、仲間達の協力によりその場から逃亡する。 その夜、マリアンの元に向かたロビンは、彼女に感謝して愛を確かめる。 その頃、脱出して変装し国内に戻っていた国王リチャードは、ある宿で、現れたジョンの側近ブラック・キャノンの司教(モンタギュー・ラヴ)に自分であることを気づかれる。 それを司教から知らされたジョンは、ガイ卿から、騎士ディコンがリチャードに恨みを持っていると言われ、暗殺を命ずる。 マリアンにその話を聴かれたため、ガイ卿はその件を彼女に追及し、ロビンに渡そうとした手紙を見つける。 ガイ卿はマリアンをジョンの元に連れて行き、その間にベスがマッチに会いに行く。 即、裁かれたマリアンは、後見人である国王しか自分を処刑できないと訴えるが、2日後に自分が国王になり、それを宣告するとジョンから言われる。 マッチに会ったベスは、刺客であるディコンがリチャードの元に向かったことを伝える。 その後、ディコンに襲い掛かったマッチは格闘になる。 シャーウッドの森を通るリチャードは、自分と気づかないロビンらに待ち伏せされるが、気に入られて食事をすることになる。 倒れていたマッチは、通りがかったウィルに助けられて仲間達の元に連れて行かれ、ジョンがリチャードの宿に刺客を送ったことを話す。 刺客は倒したとマッチから言われたロビンは、リチャードは無事だがどこにいるかは分からないため、仲間達に国王を捜すよう指示する。 捜す必要はないと言って身分を明かしたリチャードは、跪くロビンらを忠実なる者達を呼ぶ。 マッチから、ジョンが明日、国王の宣言をすると言われたロビンらは、それを立ち聞きしたマリアンが、反逆罪で捕えられたことも知らされる。 司教に宣言をさせなければいいと考えたロビンは、修道院に向かい彼を説得しようとする。 翌日、司教を脅して修道士に扮し、リチャードを伴い城に向かったロビンらは、計画通りに行動を開始する。 司教からリチャードの退位の件を問われたジョンは、兄はいないと伝えて自分が国王だと言い張る。 リチャードがその場にいることを知ったジョンは驚き、ロビンらはガイ卿らに襲い掛かる。 ガイ卿と剣を交えて倒したロビンは、牢に閉じ込められていたマリアンを救い出す。 サクソン人とノルマン人は共に協力し合うよう指示したリチャードは、ロビンから、仲間達の恩赦を求められて、全てを許すことを伝える。 愛し合うロビンとマリアンの望みが同じであることを知ったリチャードは、ロックスレー男爵及びノッティンガム伯爵として、全ての領土と荘園をロビンに授ける。 リチャードは、伯爵への最初の命令として、マリアンと結婚することをロビンに命ずる。 仲間達に祝福されマリアンに寄りそうロビンは、全ての命令に従うことをリチャードに伝える。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ロビンフッドの冒険」(1938)
・「ロビンとマリアン」(1976)
・「ロビン・フッド」(1991)
・「ロビン・フッド」(2010)
*(簡略ストー リー)
1191年、イングランド国王”獅子心王”リチャード1世は十字軍遠征のために大陸に向かい、その間、弟ジョンが、側近のガイ卿らと共謀して王位を狙う。
リチャードが捕えられ戻らないと考えたジョンは、身代金を払う名目でサクソン人から徴税する。
圧政に苦しむ人々を見て立ち上がったサクソン人の貴族ロビン・フッドは、仲間達を集めてシャーウッドの森に集結し、反乱を組織するのだが・・・。
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当時の娯楽映画の代表的ジャンルである活劇映画の中でも圧倒的な人気があり、そして非常に評価の高い、ハリウッド映画史上に残る傑作と言っていい作品。
共同監督であるマイケル・カーティスとウィリアム・キーリーの、ユーモアを交えた軽快な演出は冴え渡り、エロール・フリンをはじめとした個性派スター競演の本作は、今観ても全く色あせることなく、あらゆる年齢層が楽しめる痛快作に仕上がっている。
1930年代の作品とは思えない総天然色カラー映像の美しさは秀逸であり、その時代を再現したセットや衣装、そして胸躍る雰囲気を伝えるエーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトの音楽も素晴らしい。
第11回アカデミー賞では作品賞以下4部門にノミネートされ、編集、美術、オリジナル音楽賞を受賞した。
1995年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
ファンタジーの王子様のような主人公ロビン・フッドを見事に演ずるエロール・フリンと、美しさが際立つマリアン役オリヴィア・デ・ハヴィランドのロマンスも見所の一つだ。
王位を狙うジョン王子のクロード・レインズ、その側近であるガイ卿を雰囲気ある演技で演ずるベイジル・ラスボーン、ロビン・フッドの忠実な仲間達ウィル・スカーレットのパトリック・ノウルズ、タック修道士のユージン・パレット、リトル・ジョンのアラン・ヘイルSr.、マッチのハーバート・マンディン、ノッティンガムの代官のメルヴィル・クーパー、リチャード1世のイアン・ハンター、マリアンの侍女ウナ・オコナー、司教のモンタギュー・ラヴ、騎士のハリー・コーディングなどが共演している。