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恋に焦がれて That Night (1992)

不良青年と奔放な17歳の少女の恋を描く、監督、脚本クレイグ・ボロティン、主演C・トーマス・ハウエルジュリエット・ルイスエリザ・ドゥシュク他共演のラブ・ロマンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト
監督:クレイグ・ボロティン

製作
アーノン・ミルチャン
スティーヴン・ルーサー
製作総指揮
ジュリー・カーカム
エリオット・ルウィット
原作:アリス・マクダーモットThat Night
脚本:クレイグ・ボロティン
撮影:ブルース・サーティース
編集:プリシラ・ネッド=フレンドリー
音楽:デヴィッド・ニューマン

出演
リック:C・トーマス・ハウエル
シェリル・オコナー:ジュリエット・ルイス
アリス・ブルーム:エリザ・ドゥシュク
アン・オコナー:ヘレン・シェイヴァー
キャロル・ブルーム:J・スミス=キャメロン
ラリー・ブルーム:ジョン・ドセット
キャサリン:キャサリン・ハイグル
ジャネット:サブリナ・ロイド
カーペンター:アダム・ルフェーヴル
カーペンター夫人:キャスリン・メイズル

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1992年製作 89分
公開
北米:1993年8月6日
日本:1993年10月9日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $20,190


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1961年、夏、ニューヨーク州、ロングアイランド
恋に興味がある10歳のアリス・ブルーム(エリザ・ドゥシュク)は、キスしたと言う友人のキャサリン(キャサリン・ハイグル)からその話を聞く。

そんなアリスは、最近、向かいの家に引っ越してきた17歳のシェリル・オコナー(ジュリエット・ルイス)のことが気になり憧れる。

母キャロル(J・スミス=キャメロン)と共に父ラリー(ジョン・ドセット)を駅に迎えに行ったアリスは、シェリルも父ドンを迎えに来たことを知る。

数日後、キャサリンらとボウリング場にいたアリスは、現れたシェリルに気づく。

従業員のリック(C・トーマス・ハウエル)と話したシェリルは、互いに意識し合う。
...全てを見る(結末あり)

現われた警官に連れられて家に戻ったシェリルは父が亡くなったことを知り、母アン(ヘレン・シェイヴァー)とと共に悲しむ。

その姿を見ていたアリスは、自分も同じことになったら辛いだろうと思い心を痛める。

葬儀を終えたシェリルに話しかけて、お悔やみを言ったアリスは、向かいに住んでいることを伝える。

シェリルから、自分のことを見なかったことにしてほしいと言われたアリスは、それを約束する。

好きな色をシェリルに尋ねたアリスは、それが青だと知り彼女と別れる。

ボウリング場に向かったシェリルは、靴を履いて家に戻ったために、それを返しに行く。

閉店後の整備をしていたリックに、靴を返しに来たことを伝えたシェリルは、話をしようと言われる。

葬儀だと知っていたリックは悲しむシェリルを慰めて、今の気持ちをレコードに録音させる。

そのレコードをタイムカプセルに入れて、1999年の独立記念日に開けることを約束したシェリルは、リックにキスする。

母アンに迎えられたシェリルは、その様子を見ていたアリスに、黙っていてほしいという合図を送る。

数日後、迎えに来たリックと出かけようとしたシェリルは、引き留めるアンの話を聞こうとせずに彼の車に乗り走り去る。

リックとシェリルは惹かれ合い、桟橋の下で愛し合う。

その後、二人の交際は続き、アリスはそれを観察する。

人目を気にせずに抱き合いキスするリックとシェリーの姿を見たキャロルは、友人らと共に、自分達、夫婦のや青春時代のことを考える。

二人が愛し合っていることに興味を持つミッキーとマックス兄弟らは、シェリルと”親友”のアリスにそれを訊きに行かせようとする。

抵抗したアリスはミッキーの股間を蹴ってしまい、帰宅後に父ラリーに叱られる。

アリスから、シェリルがヤリまくっていると言うのでミッキーを痛めつけたと言われたラリーとキャロルは、娘の言葉に驚く。

ベッドに寝かせてくれたキャロルに父を愛しているか尋ねたアリスは、もちろんだが、以前はシェリル達のようだったけど、今は若くないので違うと言われる。

キャロルは、ラリーがアンに苦情を言う姿に気づく。

その後、アンに監視されたシェリルは出かけられなくなり、リックの出入りは禁止される。

ミッキーに謝罪させられたアリスは、彼とマックスの誕生会に行くことになる。

地下室で皆とゲームをしたアリスは、ミッキーとキスすることになり、カエルを口に入れられたたために逃げ出す。

外で吐いていたアリスに気づいたシェリルは、彼女の家に向かい慰めて、好きだからイジメる場合があると言って自分の経験を話す。

ミッキーとマックスの父親からの電話に出たシェリルは、アリスは大丈夫だと伝える。

両親が出かけていたために、アリスの子守りをすることになったシェリルは、ブルーム家の車で出かける。

シェリルから、リックとの愛は永遠だと心で感じると言われたアリスは、自分もたくさん恋の経験があればいいと思う。

海岸でリックに会ったシェリルは、アリスの子守りをしていることを伝える。

父がシェリルの母に苦情を言ったことを知ったアリスは、それが気になる。

若者達が楽しむ姿を見て酒なども勧められて戸惑いながら、アリスはリックに誘われて踊ったりもする。

思ったことをレコードに録音したアリスは家に戻り、シェリルから、家族もいない孤独なリックの話を聞く。

生まれて直ぐに亡くなった弟の話をしたアリスは、シェリルと仲良しになれたことを嬉しく思う。

アリスが自分と同じレコードを持ていることを知ったシェリルは、彼女が窓から自分の部屋を観察していることに気づく。

両親が帰ってきたために、今夜のことは内緒だとアリスに伝えたシェリルは、レコードをいつ埋めるか訊かれ、明日だと答えてその場を去る。

翌朝、シェリルの家に向かいレコードの話をしたアリスは、気分が悪いと言われ、リックに明日の夜に会うと伝えてほしいと頼まれる。

アリスに誘われてボウリング場に向かったラリーは、リックが働いていたために不機嫌になる。

靴を交換すると言ってリックの元に向かい、シェリルのことを話したアリスは、ラリーから不良に近づくなと言われる。

リックとシェリルは愛し合い、ミッキーとマックスの両親も高校時代から付き合っていることなどを話したアリスは、ラリーに反発する。

帰宅したラリーはその件をキャロルに話し、アリスから愛を知らないと言われたと伝えて苛立つ。

その通りだとラリーに伝えたキャロルは、息子が亡くなって1年しかたたないので、まだ産みたくないと言って涙する。

近所の人々はシェリルの気持ちが冷めたと思っていたが、毎晩のように家を抜け出す彼女がリックに会うことを、アリスは知っていた。

リックから今後のことを相談されたシェリルは、愛してはいるものの不安を感じる。

その後、妊娠したシェリルを、神父の勧めで施設に入れることを考えたアンだったが、それを聞き入れずにリックの元に向かおうとするシェリルを必死に説得する。

シェリルに呼ばれてリックに手紙を渡すことを頼まれたアリスは、録音したレコードを両親に聴かれてしまう。

アリスは外出禁止となり、シェリルはリックに会えないまま、アンと共に旅立つ。

シェリルが西海岸に行ったことを知ったアリスは、それをリックに伝えることはできなかった。

我慢の限界に達したリックはシェリルに会いに行き、アンの制止も聞かずに家に入りシェリルの部屋に向かう。

それに気づいたラリーら近所の人々は、リックと仲間達を痛めつける。

その様子を目撃していたアリスはショックを受け、キャロルから、アンが危険だったために、ラリーらが仕方なくしたことだと言われて納得する。

西海岸には行かなかったシェリルは、妊娠しため未婚の女性が過ごす場所で今後もずっと暮らすことをアリスはキャロルから知らされる。

リックは拘置所に1週間入れられ、今度、現れた殺すと言うラリーの言葉に耐えられなくなったアリスは家出する。

桟橋でリックに会ったアリスは、シェリルから預かった手紙を渡す。

リックを説得したアリスは、片道500キロ余りの場所にいるシェリルの元に向かうことになる。

父は家を出て母は精神を病み、その後の苦労話をリックから聞いたアリスは、シェリルが彼の人生を変えたことを知る。

アリスは、リックとシェリルが子供を育てられないなら自分の両親が喜んで引き取るだろうと思う。

施設に着いたアリスは面会を断られるものの、何とか建物に忍び込む。

シェリルに会いリックが来ていることを伝えたアリスは、今夜ダイナーで会いたいと言っていることを伝える。

戻ったアリスから、そのことを知らされたリックは、その夜、ダイナーでシェリルに会う。

施設に入ることを知らせなかったことを謝罪したシェリルは、リックから一緒に来てほしいと言われても答えられない。

子供のことを訊かれたシェリルは養子に出す考えを話し、三人で一緒に暮らし、全てを受け入れるつもりのリックに無理だと伝える。

シェリルに指輪を渡したリックは、質に入れて金を作れと言って、彼女にキスしてその場を去る。

アリスから、愛があれば何も怖くないと言われたシェリルは、あなたには理解できないことだと伝える。

一緒に逃げることを提案されたシェリルは、傷つけてしまうことになる両親の元に戻るようにと言ってアリスを抱きしめる。

アリスをバスに乗せるリックは、自分は旅を続けることを伝えて、よく頑張ったと言って別れを告げる。

シェリルがリックに歩み寄る姿を見て安心したアリスは、嬉しく思う。

家に戻りキャロルに迎えられたアリスは、叱られると思ったラリーに抱きしめられ、父が口にしたのは愛と許しだった。

その後、様々なシェリルの噂を聞くアリスだったが、彼女とリックは西に向かい元気だというハガキを受け取っていた。

レコードやシェリルの思い出をパックに入れたアリスは、50年後まで開けてはだめだと言ったシェリルの言葉を考えながら裏庭に埋める。

ミッキーから声をかけられたアリスは、家出のことを訊かれる。

アリスは、キャサリンと別れたと話すミッキーから、大人になったらシボレーのV8を買うので乗せてあげると言われる。

シェリルの部屋を眺めながら、アリスは、この夏のことは忘れないだろうと思う。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1961年、夏、ニューヨーク州、ロングアイランド

恋に興味がある10歳のアリスは、向かいに越してきた17歳のシェリルに憧れる。
奔放なシェリルは、ボウリング場で働く青年リックと惹かれ合うようになる。
父親の急死により失意のシェリルに声をかけたアリスは、彼女と仲良くなる。
リックと愛し合うようになったシェリルは、近所の目も気にせずに彼との交際を続ける。
そんな二人の恋が気になるアリスは、心配する両親の言葉にも耳を貸さずに、リックとシェリルとの関係を楽しむようになるのだが・・・。
__________

1987年に発表された、アリス・マクダーモットの小説”That Night”の基に製作された作品。

ピューリッツァー賞”の最終選考作品でもある。

恵まれない家庭環境で育った青年とカトリック教徒である17歳の少女の恋を描く物語なのだが、恋に興味を持ち二人の関係に大きく関わる近所に住む10歳の少女の目線で描かれた作品。

主人公はその少女であり、ひと夏の様々な体験により成長していく彼女の心の変化を描く、クレイグ・ボロティンの繊細な演出と脚本が見所の作品。

その少女を演ずるエリザ・ドゥシュクのデビュー作であり、撮影当時10歳の彼女の演技は注目され、同年公開の「ボーイズ・ライフ」(1993)でロバート・デ・ニーロの娘、レオナルド・ディカプリオの義妹役も演じた。
ボーイズ・ライフ」の方が4か月前に公開されたのだが、撮影は本作が2年早かった。

1960年代初頭の雰囲気を伝えるブルース・サーティースの映像、デヴィッド・ニューマンの美しい音楽も印象的だ。

不良と言われながらも恋人を守り抜こうとする青年C・トーマス・ハウエル、彼と付き合う奔放な17歳の少女を魅力的に演ずるジュリエット・ルイス、彼女の母親ヘレン・シェイヴァー、アリス(エリザ・ドゥシュク)の両親J・スミス=キャメロンジョン・ドセット、アリスの親友キャサリン・ハイグル(デビュー作)、隣人の夫妻アダム・ルフェーヴルとキャスリン・メイズル、サブリナ・ロイドなどが共演している。


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