1938年にジェリー・シーゲルとジョー・シャスターにより創造された”DCコミック”の絶大なる人気を誇るヒーロー”スーパーマン”の待望の映画化。 スーパーマンの誕生から地球上の危機を救い悪党のレックス・ルーサーとの対決までを描く記念すべき第1作。 監督リチャード・ドナー、脚本マリオ・プーゾ、ロバート・ベントン、主演マーロン・ブランド、ジーン・ハックマン、クリストファー・リーヴ、マーゴット・キダー他共演。 |
・マーロン・ブランド / Marlon Brando / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・ドナー
製作総指揮:イリヤ・サルキンド
製作:ピエール・スペングラー
原案
ジェリー・シーゲル
ジョー・シャスター
脚本
マリオ・プーゾ
デヴィッド・ニューマン
レスリー・ニューマン
ロバート・ベントン
撮影:ジェフリー・アンスワース
編集
スチュワート・ベアード
マイケル・エリス
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演
ジョー=エル:マーロン・ブランド
レックス・ルーサー:ジーン・ハックマン
スーパーマン/クラーク・ケント/カル=エル:クリストファー・リーヴ
オーティス:ネッド・ビーティ
ペリー・ホワイト:ジャッキー・クーパー
ジョナサン・ケント:グレン・フォード
最長老:トレヴァー・ハワード
第二長老:ハリー・アンドリュース
ロイス・レイン:マーゴット・キダー
イヴ・テシュマッカー:ヴァレリー・ペリン
ボンド・アー:マリア・シェル
ゾッド将軍:テレンス・スタンプ
マーサ・ケント:フィリス・サクスター
ララ:スザンナ・ ヨーク
ジミー・オルセン:マーク・マクルーア
クラーク・ケント(少年期):ジェフ・イースト
アーサ:サラ・ダグラス
ノン:ジャック・オハローラン
少佐:ラリー・ハグマン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1978年製作 143分
公開
北米:1978年12月15日
日本:1979年6月23日
製作費 $55,000,000
北米興行収入 $134,218,020
世界 $300,218,020
■ アカデミー賞 ■
第51回アカデミー賞
・受賞
特別業績賞(視覚効果)
・ノミネート
編集・録音・作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
銀河の彼方、惑星クリプトン。
反乱計画の指揮を執り、独裁者になろうとしたゾッド将軍(テレンス・スタンプ)、ノン(ジャック・オハローラン)、アーサ(サラ・ダグラス)は有罪となり、”ファントム・ゾーン”に閉じ込められる。
クリプトンは崩壊の危機に直面し、惑星最高の科学者ジョー=エル(マーロン・ブランド)は非常事態を訴えるのだが、最長老(トレヴァー・ハワード)、第二長老(ハリー・アンドリュース)、ボンド・アー(マリア・シェル)ら評議会は、楽観的な考えしか持たなかった。
ジョー=エルは息子カル=エルを救うため、地球に向けて脱出させる準備を進める。
妻ララ(スザンナ・ ヨーク)は、原始的な惑星、地球へ息子を旅立たせることを疑問に思うが、ジョー=エルは、だからこそ彼が生き延びられると彼女に説明する。 見かけは地球人と同じクリプトン人は、分子構造の違いから、地球では超人として生きていけるはずだった。 クリプトン最後の日を迎えようとしていたジョー=エルとララは、カル=エルに別れを告げ彼を旅立たせる。 そして、クリプトンは爆発して、宇宙空間から消え去る。 カル=エルは旅を続ける間に、父から授かった膨大な知識を得ながら成長していく。 そして3年が経ち、地球に不時着したカル=エルは、通りがかりのジョナサン・クラーク(グレン・フォード)とマーサ(フィリス・サクスター)夫妻に保護される。 子供を欲しがるマーサは、カル=エルを自分の息子にすることを望み、その子の怪力を見たジョナサンは、驚きながら彼がどこから来たのかを気にかける。 やがて、クラーク(ジェフ・イースト)と名付けられたカル=エルは18歳となり、自分の並外れた能力をひたすら隠す日々を送っていた。 そんなクラークに、”お前の能力を生かす時が必ず来る”と言い残し、ジョナサンは心臓発作で倒れ息を引き取る。 ジョナサンの葬儀を済ませたクラークは、マーサに別れを告げ、ジョー=エルから授かった”グリーン・クリスタル”に導かれ北へと旅立つ。 北極にたどり着いたクラークは、”グリーン・クリスタル”を使い、父ジョー=エルからのメッセージを受け、多くを学ぶ旅にでる。 そして12年後、クラークは人類の真理と正義のために尽くす覚悟で、超人”スーパーマン”(クリストファー・リーヴ)となる。 クラークは、大都会メトロポリスに向かい、新聞社”デイリー・プラネット”の記者となる。 編集長ペリー・ホワイト(ジャッキー・クーパー)は、記者ロイス・レイン(マーゴット・キダー)にクラークを任せる。 ロイスは、人は好いが、弱腰で頼りないクラークに呆れてしまう。 一方、メトロポリスの地下に潜みながら、世界征服を企む悪の天才レックス・ルーサー(ジーン・ハックマン)は、ドジな手下のオーティス(ネッド・ビーティ)と、愛人のイヴ・テシュマッカー(ヴァレリー・ペリン)とで、次なる悪事を考えていた。 そんな時、空港に向かうロイスが乗るヘリコプターが、事故を起こし、ビルの屋上から宙吊りになってしまう。 それを知ったクラークは、スーパーマンに変身し、落下しそうになったロイスを救いヘリも屋上に運ぶ。 スーパーマンは、誰かと尋ねるロイスに、”友人”と答えて飛び去って行く。 そして、メトロポリスでのスーパーマンの活躍は始まり、彼は悪党を次々と捕まえる。 さらにスーパーマンは、”エアフォースワン”の危機を救い、小さな人助けもして、街中が彼の話題で持ちきりになる。 スーパーマンの記事で後れを取った”デイリー・プラネット”では、ホワイト編集長が記者達に檄を飛ばす。 ロイスは、スーパーマンから訪問を受け、彼女は矢継ぎ早に彼に質問を始める。 そして、2人は夜空のデートを楽しみ、ロイスはスーパーマンの魅力の虜になってしまう。 ロイスの記事は、”デイリー・プラネット”の一面を飾り、それを参考にして、スーパーマンの能力を推測したルーサーは、彼が地球上では超人であることに気づく。 同時に、クリプトンの爆破した破片、つまり地球に飛来した隕石は、逆にクリプトン人には致命的な特殊放射能を発していることも知る。 その後、ルーサーに誘き出されたスーパーマンは、彼の地下アジトに向かう。 ルーサーは、大陸間誘導ミサイルに仕掛けをして発射させ、カリフォルニアの”サンアンドレアス断層”より西部側に壊滅的な打撃を与え、それを利用し自分の所有する土地の値上がりを企んでいた。 既に発射されたミサイルの着弾を、スーパーマンに阻止させないため、クリプトンの隕石を奪っていたルーサーは、彼の弱点”クリプトナイト”で能力を奪ってしまう。 しかし、ミサイルの落下地点に住む母親を救うために、イヴがスーパーマンを解放してしまう。 スーパーマンは、発射された二基のミサイルを追い、一基を宇宙へ放出する。 しかし、もう一基が”サンアンドレアス断層”に着弾し、大惨事が起こり始める。 ダム崩壊、列車脱線の危機、そして地震、スーパーマンは人々を救うために各地に飛ぶ。 ダムにいたカメラマンのジミー・オルセン(マーク・マクルーア)を助け、山を崩 し洪水を堰き止めたスーパーマンだったが、ロイスが車ごと地割れに落ち犠牲になってしまう。 失意のスーパーマンは怒りのあまり、父ジョー=エルの教えに背き、人類の歴史を変えようと、全速力で地球を回り始め、自転を逆回転させて時間を戻し、ロイスの命を救う。 次の問題解決のためスーパーマンは飛び立つが、ロイスはいつも現場に居ないクラークが、彼に変身しているのではないかとも思う。 そして、スーパーマンは、ルーサーとオーティスを刑務所に送り届け、世界の平和のために再び飛び立って行く。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「スーパーマン」(1978)
・「スーパーマン II」(1981)
・「スーパーマン III」(1983)
・「スーパーマン4」(1987)
・「スーパーマン リターンズ」(2006)
*(簡略ストー リー)
惑星クリプトンは消滅の危機に直面し、科学者ジョー=エルと妻ララは、息子カル=エルを救うために地球に飛び立たせる。
分子構造の違いにより地球では超人として生きられるはずのカル=エルに、ジョー=エルは全ての知識を授けて旅を続けさせる。
3年後、地球に不時着したカル=エルは、ケント夫妻に保護されクラークと名付けられて育つ。
やがて、並外れた能力を隠しながら生活していたクラークは、父ジョナサンの死をきっかけに、使命を果たすため北極に向い、再び知識を得て、人類のために尽くす超人”スーパーマン”となり人間社会に戻る。
メトロポリスの新聞社”デイリー・プラネット”の記者になったクラークは、超人としての身を隠しながら、同僚のロイス・レインと共に仕事を始める。
その頃、悪の天才レックス・ルーサーは、西海岸を支配する計画を練っていたが、世の中のために活躍するスーパーマンが、邪魔な存在となり始める・・・。
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原作は「ゴッドファーザー」(1972)などで知られるマリオ・プーゾ。
豪華キャスト、マーロン・ブランドの破格のギャラなども話題になった超大作で、同年の興行収入で断トツのトップとなった作品でもある。
5500万ドルの製作費をかけ、北米興行成績のみで約1億3400万ドル、全世界ではなんと3億ドルを超す大ヒットとなった。
第51回アカデミー賞では、特別業績賞(視覚効果)を授賞した。
・ノミネート
編集・録音・作曲賞
その当時としては画期的と言える特撮技術で、スーパーマンの超能力ぶりを見事に映像化し他作品。
また、派手さだけでなく、スーパーマンに変身する前のクラーク・ケントの、人の好い”間味溢れる人物像なども細かく描いたリチャード・ドナーの演出他、見どころ満載で見応え十分。
アカデミー賞候補になった、ジョン・ウィリアムズのダイナミックな音楽も印象に残る。
マーロン・ブランドの出演は、その存在だけで単なるアクション映画でなくなるほど、意味深いものであった。
本作と翌年の「地獄の黙示録」(1979)を境に、徐々にそのカリスマが失われつつあったものの、彼の後期の代表作とも言える作品。
既に、大スターの貫禄十分のジーン・ハックマンも、コミカルにレックス・ルーサーを演じ、中盤から後半にかけては作品を引っ張り、なんとなく憎めない大悪党ぶりは見ものだ。
主人公スーパーマン演ずるクリストファー・リーヴは、名だたる大物候補から選ばれたのだが、身長が193cmに対して体重が77キロしかなく、筋肉スーツを着ることも検討されたものの、前年公開された「スター・ウォーズ」(1977)のダース・ベイダー役デヴィッド・プラウズの指導の下、6週間で約20キロ体重を増やしてこの役に挑んだ。
その甲斐あってか、公開前の製作陣の心配を拭い去り、スーパーマンの新たなるイメージを定着させ、非常に高い評価を受けた。
レックス・ルーサーのドジな手下役ネッド・ビーティ、忙しないが頼りになる編集長ジャッキー・クーパー、スーパーマンの地球の父親役のグレン・フォード、母フィリス・サクスター、ヒロインのロイス・レイン役マーゴット・キダー、ルーサーの愛人役ヴァレリー・ペリン、カメラマンのマーク・マクルーアなどに加え、スーパーマンの母スザンナ・ ヨーク、続編で活躍する”惑星クリプトン”の犯罪者3人テレンス・スタンプ、サラ・ダグラス、ジャック・オハローラン、クリプトンの長老役トレヴァー・ハワード、ハリー・アンドリュース、マリア・シェル、そして、ラリー・ハグマンまでミサイル運搬の指揮官役で登場する豪華スター競演は注目。