異国の地で殺人犯として収監中の娘の無実を証明しようとする父親の行動を描く、製作、監督、脚本トム・マッカーシー、主演マット・デイモン、アビゲイル・ブレスリン、カミーユ・コッタン他共演の犯罪ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:トム・マッカーシー
製作
スティーヴ・ゴリン
トム・マッカーシー
ジョナサン・キング
ライザ・チェイシン
製作総指揮
ジェフ・スコール
デヴィッド・リンド
ロバート・ケッセル
マリ・ジョー・ウィンクラー=イオフレダ
脚本
トム・マッカーシー
マーカス・ヒンチー
トーマス・ビデガン
ノエ・ドゥブレ
撮影:マサノブ・タカヤナギ
編集:トム・マカードル
音楽:マイケル・ダナ
出演
ビル・ベイカー:マット・デイモン
アリソン・ベイカー:アビゲイル・ブレスリン
ヴィルジニー:カミーユ・コッタン
マヤ:リロウ・シアウヴァウド
シャロン:ディアナ・ダナガン
アキーム:イディル・アズーリ
ルパルク:アンヌ・ル・ニ
ディロサ:ムーサ・マースクリ
パトリック・オコネドー:ウィリアム・ナディラム
アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2021年製作 140分
公開
北米:2021年7月30日
日本:2022年1月4日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $14,465,540
世界 $19,754,270
■ ストーリー ■
オクラホマ州、スティルウォーター。
自堕落な人生を送る失業中のビル・ベイカー(マット・デイモン)は、フランス留学中に殺人罪で逮捕され9年の刑期中の娘アリソン(アビゲイル・ブレスリン)のことを気遣う。
義母シャロン(ディアナ・ダナガン)の資金援助を受けているビルは、マルセイユで収監中のアリソンを定期的に訪ねていた。
アリソンは、大学のルームメイトで、同性の恋人だったリナを殺した罪で有罪判決を受けたのだった。
現地に着いたビルは、いつもの宿に滞在してアリソンに面会し、弁護士ルパルク(アンヌ・ル・ニ)へのフランス語で書かれた手紙を預かる。
ビルはルパルクに会い手紙を渡すものの、単なる伝聞であるために再捜査は要求できないと言われ、それを持ち帰る。
その後ビルは、隣り部屋の舞台女優ヴィルジニー(カミーユ・コッタン)の娘マヤ(リロウ・シアウヴァウド)に親切にしたことで、2人と親しくなる。
ビルは、ヴィルジニーにアリソンの手紙を読んでもらう。
それは、アキーム(イディル・アズーリ)という青年が女の子を刺して逃げたとある学生がパーティーで話していたという連絡を、アリソンが、大学で参加していたプログラムの担当者パトリック・オコネドー教授(ウィリアム・ナディラム)から受けたことをルパルクに伝えた内容だった。
アリソンに面会したビルは、彼女を心配させないためにルパルクが対処してくれていると伝え、独自にアキームを捜そうとするのだが・・・。
俳優そして脚本家としても活躍するトム・マッカーシーが製作と脚本を兼ねて監督し、マット・デイモン、アビゲイル・ブレスリン、カミーユ・コッタンなどが共演した作品。
異国の地で殺人犯として収監中の娘の無実を証明しようとする父親の行動を描く犯罪ドラマ。
平凡というより落伍者に近い主人公が、言葉も通じないマルセイユで殺人の真犯人を追う序盤の展開は、同じマルセイユを舞台にしたジーン・ハックマン主演の「フレンチ・コネクション2」(1975)を思い出す。
現地の人々には通用しない、アメリカ流の行動なども似ている。
本作の主人公信心深く、ドイル刑事(ジーン・ハックマン)ほど強引で破天荒でもないが・・・。
そんな犯人捜しと、主人公と現地の母娘との心にの触れ合いが描かれ、終盤は思わぬ展開に発展する内容も興味深い。
個人的には、20数年前に愛車だった、現地で主人公が乗る”ルノー・エクスプレス”の登場が嬉しい。
娘を救おうとする父親の行動を淡々と映し出す内容はシンプル且つ明解で、主人公を演ずるマット・デイモンの深い演技、そしてトム・マッカーシーの繊細な人間描写と演出、脚本により、観る者の心に訴える作品に仕上がっている。
自堕落な父親を信じきれないものの頼るしかない娘のアビゲイル・ブレスリン、主人公と親交を深めて協力する舞台女優カミーユ・コッタン、その娘リロウ・シアウヴァウド、主人公の義母ディアナ・ダナガン、主人公が犯人だと思い捜す青年イディル・アズーリ、アリソンの弁護士アンヌ・ル・ニ、主人公に協力を求めらえる元警官ムーサ・マースクリ、アリソンが参加したプログラムの教授ウィリアム・ナディラムなどが共演している。