1953年に公開されたフランス映画の名作”恐怖の報酬”のリメイク。 石油油井の爆発火災消火のためのニトログリセリンを運ぶ男たちの命を懸けの行動を描く、製作、監督ウィリアム・フリードキン、主演ロイ・シャイダー、ブリュノ・クレメール、フランシスコ・ラバル、アミドウ他共演のアクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・フリードキン
製作:ウィリアム・フリードキン
原作:ジョルジュ・アルノー”Le Salaire de la peur”
脚本:ウォロン・グリーン
撮影
ジョン・M・スティーヴンス
ディック・ブッシュ
編集
バド・S・スミス
ロバート・K・ランバート
音楽:タンジェリン・ドリーム
出演
ジャッキー・スキャンロン/フアン・ドミンゲス:ロイ・シャイダー
ヴィクトル・マンソン/セラーノ:ブリュノ・クレメール
ニーロ:フランシスコ・ラバル
カッセム/マルティネス:アミドウ
コーレット:ラモン・ビエリ
マルケス:カール・ジョン
スパイダー:ジョー・スピネル
アメリカ 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ
パラマウント・ピクチャーズ
1977年製作 121分
公開
北米:1977年6月24日
日本:1978年3月25日
製作費 $22,000,000
■ アカデミー賞 ■
第50回アカデミー賞
・ノミネート
録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
メキシコ、ベラクルス。
殺し屋のニーロ(フランシスコ・ラバル)は、ある部屋の男を射殺して建物から去る。
イスラエル、エルサレム。
ユダヤ人を装ったパレスチナの過激派グループが、”ダマスカス門”の近くで爆破テロを起こす。
その後、犯人はらは隠れ家に向かうものの軍に包囲されてしまい、一人は射殺されもう一人は捕らえられる。
逃れたカッセム(アミドウ)は、群衆の中で連行される仲間を見つめる。
パリ。
銀行家ヴィクトル・マンゾン(ブリュノ・クレメール)は、ノンフィクション小説の編集をしている妻に話しかける。
ヴィクトルは、妻からの結婚10年を祝う贈り物の腕時計に気づき、感謝して愛を伝える。
証券取引所の社長に会ったヴィクトルは、詐欺罪で告訴されると言われ、24時間の猶予を求める。 ヴィクトルは、ビジネスパートナーである義弟パスカルに会い、義父に連絡して資金援助を求めるよう指示する。 その後ヴィクトルは、妻と友人と共にレストランで食事をする。 ヴィクトルは、そこに現れたパスカルから、父に援助を断られたと言われ、もう一度、説得するよう指示する。 ところが、車に乗ったパスカルは拳銃で自殺し、ヴィクトルは妻の元に戻らず、国外に逃亡する。 アメリカ、ニュージャージー州、エリザベス。 その場から逃走し車を運転するジャッキーは、ハンドルを誤りトラックに衝突してしまう。 車は横転し、仲間が死んだことを知ったジャッキーは、警官が駆け付けたためにその場から逃れる。 襲われて傷つけられた教会の神父は、マフィアの幹部カルロ・リッチーの弟だった。 手下を呼んだカルロは、逃げたジャッキーの殺害を命ずる。 それを仲間のヴィニーから知らされたジャッキーは、逃亡するのためにボルチモアに向かうよう指示される。 南アメリカ、ポルベニール。 現地に到着したニーロは、ある目的を果たすために滞在する。 カッセムは、元ナチである退役軍人マルケス(カール・ジョン)と親しくなり、セラーノは、この国を出ることを考える。 酒場でセラーノと話していたジャッキーは、現れた警官から身分証の提示を求められ、偽造と判断されて逮捕される。 警官から金を要求されたジャッキーは、賃金の3割を払うことに同意して釈放される。 ある日、油井で大爆発が起き、会社側は早急に対処することを考える。 多くの死傷者を出したことで村人は暴動を起こし、鎮圧しようとする警官に襲い掛かる。 消火活動は進まずに火災は続き、爆風で消せると考えた会社の責任者コーレット(ラモン・ビエリ)は、離れた場所に保管されているニトログリセリンを確認しに行く。 保管状態が悪く液体が漏れていたため、少しの衝撃で爆発することが分かり、320キロ先の火災現場に運ぶのは不可能だと思われた。 ヘリコプターでの輸送は無理だと判断され、トラックで運ぶことが決まり、コーレットは運転手を探す。 志願者には破格の報酬が支払われることになり、テストを受けて選ばれたのは、ヴィクトル、ジャッキー、マルケス、カッセムだった。 4人は2台のトラックに別れて走行することになり、車両の整備を始める。 現地でニトログリセリンがトラックに積まれ、準備ができたジャッキーらは、1台が戻ればいいという会社側の考えを知る。 マルケスがナチ・ハンターのニーロに殺されたことを知ったカッセムは、彼に襲いかかるものの制止される。 コーレットが警察を呼ぼうとしたため、ジャッキーは、ニーロに運転手をさせることを提案する。 それに同意したニーロは、ジャッキーと共に出発する。 パリの妻宛の手紙をコーレットに託したヴィクトルはカッセルと組み、火災現場に向かう。 運転するジャッキーらは、悪路を低速で進む。 ジャッキーらが先に通過した腐った木の橋を渡るカッセルは、ヴィクトルの誘導で前進するものの、タイヤがハマってしまう。 何とか脱出したカッセムは、何とか橋を渡り切る。 豪雨の中、森林地帯で道に迷ったジャッキーは、追いついたヴィクトルから、地図に従い進むよう指示される。 暫くして道が違うことに気づいたジャッキーは、崩落しかけている吊り橋を渡るしかなかった。 逃げ出したニーロを捕まえたジャッキーは、橋を渡ると言って、彼に誘導させて運転する。 傾くトラックを何とか操り、無事に渡り切ったジャッキーは、ニーロを車に乗せて、報酬の倍額2万ドルが手に入ると伝える。 橋を渡り始めたヴィクトルは、誘導するカッセムの姿が見えなくなったために停車する。 流木に激突されたヴィクトルは枝を切り、カッセムがウインチのワイヤーを対岸の大木に引っかける。 ヴィクトルはワイヤーを巻き上げ、橋の崩落寸前に通過することに成功する。 その後、雨は上がり夜が明け、前進するジャッキーとニーロの目の前には大木が横たわっていた。 木を切り倒して迂回しようとしたジャッキーは、手伝おうとしないニーロに銃を向けられ発砲される。 そこにヴィクトルとカッセムが現れ、ジャッキーは尚も木を切り倒そうとする。 倒れている大木を調べたカッセムは、ニトログリセリンを使い爆破することを考え、協力し合いその仕掛けを作る。 カッセムとニーロがニトログリセリン一箱分を大木に乗せて、ジャッキーとヴィクトルがトラックを後退させる。 ニトログリセリンの液体を流したカッセムは、爆破の仕掛けを作動させてその場から離れる。 大爆発と共に大木は吹き飛び、4人は出発して山道を快調に進む。 パリに行ったことがあるカッセムと妻の話などをしていたヴィクトルは、タイヤのパンクでハンドルを誤り、トラックは崖から滑り落ちて爆発する。 それを知ったジャッキーとニーロは、爆破の影響で地盤が緩んだ山道を慎重に進む。 爆発現場に着いたジャッキーは、ニーロから山賊が現れたことを知らされる。 銃を向けられたジャッキーは積荷のことを訊かれ、食料と日用品だと答える。 病気を装ったニーロは、隙を見て山賊を射殺し、ジャッキーも一人を殺す。 撃たれたニーロをトラックに乗せたジャッキーは、彼を励ましながら前進する。 息絶えたニーロの死体を降ろしたジャッキーは、トラックのエンジンが停止したために、ニトログリセリンの箱を抱えて徒歩で進む。 そしてジャッキーは、火災現場に到着する。 ポルベニールに戻ったジャッキーは、バーで、コーレットからパスポートと報酬4万ドルの小切手を受け取る。 コーレットから仕事を紹介されるものの興味がないジャッキーは、彼から、ヴィクトルの妻宛ての手紙を受け取り、投函を頼まれる。 ジャッキーは、床を掃除していた女性を誘いダンスをする。 タクシーが到着し、カルロの手下とジャッキーの友人ヴィニーがバーに向かう。
...全てを見る(結末あり)
ジャッキー・スキャンロン(ロイ・シャイダー)らアイルランド系のギャングは、ビンゴ・ゲームを主催する敵対組織が関係する教会を襲う。
カッセム、ヴィクトル、ジャッキーは、マルティネス、セラーノ、フアン・ドミンゲスと名を変え、アメリカの石油会社などで労働者として働いていた。
*(簡略ストー リー)
南アメリカ、ポルベニール。
追われる身のアメリカ人のギャング、ジャッキー・スキャンロン、フランス人の銀行家ヴィクトル、パレスチナの過激派カッセムは、アメリカの石油会社の労働者などをしていた。
油井の大爆発が起き、火災を爆風で消すことを考えた会社の責任者コーレットは、ジャッキーら4人の運転手を選び、ニトログリセリンを現場まで運ぼうとする。
保管状態が悪かったニトログリセリンの運搬は慎重に行われ、破格の報酬を受け取れるジャッキーらは、命懸けの行動を開始するのだが・・・。
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カンヌ国際映画祭のパルムドール、ベルリン国際映画祭の金熊賞
を受賞した、1953年公開のフランス映画の傑作”恐怖の報酬”のリメイク。
石油油井の爆発火災消火のため、ニトログリセリンを運ぶ男たちの命懸けの行動を描くアクション。
1970年代を代表する名作となった「フレンチ・コネクション」(1971)、「エクソシスト」(1973)を監督したウィリアム・フリードキンが製作を兼ねて監督し、「フレンチ・コネクション」で彼と組み、大ヒット作「ジョーズ」(1975)で主演したロイ・シャイダーが主人公を演じ話題となった作品。
世界各地域の3人の男が、南米に逃亡しなくてはならなくなった経緯が序盤で展開し、彼らが破格の報酬目当ての火災鎮火計画に命を懸ける姿を、ウィリアム・フリードキンがスリリングに描く一級のアクション映画に仕上がている。
慎重に行われるニトログリセリン運搬の緊張感や迫力ある映像は見応えあり、南米を舞台にした作品だけに、元ナチという立場を隠す男を抹殺するナチ・ハンターが登場する内容なども興味深い。
第50回アカデミー賞では、録音賞にノミネートされた。
マフィアに追われ逃亡生活を送る男を演ずるロイ・シャイダー、同じくフランス人の銀行家ブリュノ・クレメール、ナチ・ハンターである殺し屋で運搬計画に加わるフランシスコ・ラバル、パレスチナの過激派であり爆破のプロとしてのスキルを活かすアミドウ、石油会社の責任者ラモン・ビエリ、元ナチの兵士だったドイツ人カール・ジョン、他ジョー・スピネルなどが共演している。