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腰抜け二挺拳銃の息子 Son of Paleface (1952)

1948年に公開されたコメディの名作「腰抜け二挺拳銃」の続編。
西部で父が遺した遺産を見つけようとする青年が巻き起こす騒動を描く、監督、脚本フランク・タシュリン、主演ボブ・ホープジェーン・ラッセルロイ・ロジャーズ他共演のコメディ・ウエスタン。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト
監督:フランク・タシュリン

製作:ロバート・L・ウェルチ
脚本
フランク・タシュリン
ロバート・L・ウェルチ
ジョゼフ・キーラン
撮影:ハリー・J・ワイルド
編集:エダ・ウォーレン
音楽:リン・マーレイ

出演
ピーター”ジュニア”ポッターJr./ピーター・ポッター:ボブ・ホープ
マイク”ザ・トーチ”デルロイ:ジェーン・ラッセル
ロイ・バートン:ロイ・ロジャーズ
トリッガー:トリッガー
カーク:ビル・ウィリアムズ
ドク・ラブジョイ:ロイド・コリガン
エベニーザー”エブ”ホーキンス:ポール・E・バーンズ
マッキンタイア保安官:ダグラス・ダンブリル
銀行家ストーナー:ハリー・フォン・ゼル
チーフ・イエロークラウド:アイアン・アイズ・コーディ
フリーマン州知事:ジョナサン・ヘイル
鍛冶屋:ウィリアム”ウィー・ウィリー”デイヴィス
チャーリー:チャールズ・クーリー
酒場のダンサー:シルヴィア・ルイス
ペネロピ:ジェーン・ウィリス
写真家:セシル・B・デミル
ドライバー:ビング・クロスビー

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1952年製作 95分
公開
北米:1952年7月14日
日本:1953年6月10日


アカデミー賞
第25回アカデミー賞

・ノミネート
歌曲賞”Am I in Love”


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ハーバード大学を卒業したピーター”ジュニア”ポッターJr.(ボブ・ホープ)は、恋人のペネロピ(ジェーン・ウィリス)から、結婚する前に父親ピーター・ポッターSr.が遺した遺産を確認してきてほしいと言われ、それを約束する。
*本作にはビング・クロスビーが出演しないことが紹介され、彼が車を運転する姿が映し出される。

ペネロピから、”ペールフェイス(父の別名)の息子”だと言われたジュニアは、西部に向かう。

無法者のマイク”ザ・トーチ”デルロイ(ジェーン・ラッセル)やカーク(ビル・ウィリアムズ)らは、駅馬車を襲い金を奪い、橋の地下にあるアジトに逃げ込む。

フリーマン州知事(ジョナサン・ヘイル)は政府に協力を要請し、ロイ・バートン(ロイ・ロジャーズ)が派遣される。
...全てを見る(結末あり)

愛馬トリッガー(トリッガー)と共に現地に向かったロイは、州知事とドク・ラブジョイ(ロイド・コリガン)に会い、トーチらのアジトがソーバック峠にあると考える。

ロイは、自分が歌うカウボーイ、ドクは薬売りの行商人に扮して町に向かう。

車に乗って現れたジュニアは騒ぎを起こし、ロイとドクの馬車に衝突してしまう。

ロイに非難されたジュニアは、気にすることなく銀行に向かい、父の遺産を受取ろうとして、マッキンタイア保安官(ダグラス・ダンブリル)らにペールフェイスの息子だと伝える。

ジュニアがペールフェイスの息子だと知った人々は驚く。

銀行のストーナー(ハリー・フォン・ゼル)と話したジュニアは、父が借金を踏み倒し、逃げるようにして町を去ったため、人々が遺された遺産を当てにしていることを知る。

ストーナーから、父が遺した箱の鍵を渡されたジュニアは、その中を確認して空だったために驚く。

ジュニアは、このままでは自分がどんな目に遭うか分からないと考え、箱の中に金貨があふれているように見せかける。

人々の騒ぎを鎮めたストーナーは、ジュニアが大金を手に入れたために、借金は2日以内に返済することを皆に伝える。

父の銅像に向かったジュニアは、人々が見ているために感謝するものの、心では彼を恨む。

一方、ペールフェイスに仲間を殺された先住民の酋長イエロークラウド(アイアン・アイズ・コーディ)は、息子に復讐しようと考える。

その後、変装したジュニアは、ペネロピに電報して、金がないために送金するようにと伝えるものの、文無しに用なしという返事が届く。

老人エベニーザー”エブ”ホーキンス(ポール・E・バーンズ)に話しかけられたジュニアは、父のことを非難する彼を痛めつけようとするものの、逆に殴り倒される。

ロイとドクは、疑われることがないように、ジュニアを利用しようとする。

ロイは、馬車の修理を頼んでいる鍛冶屋(ウィリアム”ウィー・ウィリー”デイヴィス)に、ジュニアを逃がしたくなければ、預かっている車のタイヤを外しておけばいいと伝える。

指名手配犯として2万ドルの賞金がかけられているトーチは、ロイとドクのことを知り、大金を相続する可能性があるジュニアにひとりで対処することをカークに伝える。

エブから、父と金の試掘をしていた話を聞いたジュニアは、銀行を信用していなかった父が、金を別の場所に保管したはずだと言われるものの、心当たりはなかった。

見栄を張るために酒場に向かったジュニアは、その場の男たちに酒をおごることになってしまい焦る。

そこに店のおオーナーであるマイク(トーチ)が歌手としてが登場し、ジュニアは彼女に一目惚れしてしまう。

ジュニアは、マイクに”ボタンとリボン”をリクエストして彼女に迫る。

マイクに惹かれるカークは、ジュニアに言いがかりをつける。

ジュニアはカークを相手にせず、ロイがマイクと共に”ボタンとリボン”を歌い、ジュニアもそれに加わる。

その後、マイクはジュニアにドライブに誘われ、入浴中だったものの、金の話をしたいと言われたために、財産ではなくあなたに興味があると伝えておだてる。

気分を良くしたジュニアは、町一番の金持ちだという彼女との関係を深め、財産をものにして人々の借金を返済しようと考える。

車を動かしたジュニアは、タイヤが外されていることに気づく。

その場にいたトリッガーを侮辱したジュニアは追いかけられ、騒ぎを起こして酷い目に遭う。

翌日、フリーマン州知事に会ったロイは、金が輸送されることを知り、自分たちが捜している相手が男ではなく女だと伝える。

その夜、ロイがマイクの相手をしている間に、ドクが彼女の馬の蹄鉄に傷をつける。

ジュニアと出かける予定だったマイクは、自分のために歌うロイの歌声に気づく。

ロイに感謝したマイクはキスしようとするが、ジュニアが現れる。

ジュニアから自分の相手だと言われたロイは、謝罪してその場を去る。

ジュニアに迫られたマイクは、彼のカクテルに睡眠薬を入れて眠らせる。

その部屋とつながるアジトに向かったマイクは、カークらと共に駅馬車を襲う。

部屋に戻ったマイクはドレスに着替え、アリバイを作りのために時計の針を動かし、ジュニアを起こし、1時間ダンスしていたと言ってキスする。

その後、部屋に戻り眠ろうとしたジュニアは、父が歌ってくれた子守唄を思い出し、遺された箱の底に何かが隠されていると考える。

ドクと共に強盗の馬の足跡を見つけたロイは、マイクの馬につけた傷がついていることを確認する。

奪った金が砂だったことを知ったマイクは、後をつけてきたロイが政府の回し者だと気づいたカークに、自分のせいだと言われて責められる。

ジュニアといたアリバイがあると言うマイクは、金を奪った後で橋に向かうことをカークに伝える。

町の人々はジュニアに怒りをぶつけ、エブは、怪しまれないために、箱の中に重りを入れようとする。

重りを服の中に隠し運ぼうとしたジュニアは、泥水の中に沈んでしまいそうになるが助けられる。

ロイと話したマイクは、馬車の馬がいつもと違うと言われ、ジュニアとの結婚を決めたので手に入れたことを話し、昨夜、馬を盗まれたと彼に伝える。

マイクは、自分の正体がバレていることに気づきロイに銃を向けるが、ギターに銃(Smith & Wesson Model 320)を隠していた彼に発砲される。

銃は弾き飛ばされ、ロイに連行されたマイクは、マッキンタイア保安官に引き渡され牢屋に入れられる。

マッキンタイアからマイクにはアリバイがあると言われたロイは、証拠をみつけると伝える。

箱を調べたジュニアとエブは、底に隠されていたメモを見つける。

ジュニアが部屋に押し入ろうとする人々の相手をしている間に、エブはメモの内容を確認し、金がスターリング・シティのホテルのシカの剥製に隠されていることを知る。

喜ぶエブは、誰かに知られてしまうことを恐れて、メモをストーブの中に投げ込んでしまう。

ドアを壊して押し入った鍛冶屋は、箱が空だということを知り、憤慨してジュニアに襲いかかる。

エブは、スターリング・シティに向かうと言ってその場から逃げ去る。

何とか難を逃れたジュニアは、タイヤの代わりにドクの馬車の車輪を車に取りつけて、スターリング・シティに向かう。

ロイとドクは車の車輪の痕を追い、ジュニアが砂漠に向かったことを知る。

2日間走り続けたジュニアは、人々がアイススケートをする蜃気楼を見てしまう。

ゴーストタウンのスターリング・シティに着いたジュニアは、エブが殺されていることに気づく。

現れたロイとドクから、誰の仕業か訊かれたジュニアは、何も話そうとしない。

その頃マイクは、留置場に現れたカークに裏切られる。

ロイは、ドクを州知事の元に向かわせて、現状を報告するよう指示する。

ロイに扮したジュニアは、トリッガーを奪い逃げようとする。

それに気づいたロイは、トッリガーを口笛で部屋に呼び寄せる。

ジュニアは、自分とベッドに眠るトリッガーに監視される。

翌日ロイは、州知事に会っていないドクから、マイクが脱獄したことを知らされ、彼女とジュニアに会えば、アリバイ工作をされると考える。

町に着いたマイクは、ハネムーンの気分を味わうと言って、ジュニアをその気にさせる。

ジュニアの髭を剃り終わったマイクは、戻って来たロイを殴り倒す。

マイクは、ロイと共にジュニアを理髪店の椅子に縛り、山の狼煙を見せて、先住民が町を襲うと2人に伝える。

ロイは、父親がペールフェイスに金を奪われたことを知っていることをマイクに伝えて、強盗の罪を軽くすると言って彼女を説得する。

その保証を尋ねたマイクは、ロイから自分を信じろと言われ、先住民を止めに行く。

先住民に撃たれてしまったマイクは落馬する。

トリッガーを呼んで拘束を逃れたロイとジュニアは、先住民に対抗しようとする。

ギターの中から銃を取り出したロイは、襲いかかる先住民に反撃する。

幻覚を見たジュニアは、現れた父に勇気を出せと言われ、通りに倒れている先住民の銃を取りに行く。

銃で反撃するジュニアは適当に発砲するが、先住民を次々と倒す。

ジュニアの銃弾がシカの剥製に当たり、隠されていた金貨が床に落ちる。

戻って来たマイクも加勢し、ロイは、馬を撃たれた彼女とジュニアに、車で援軍を呼びに行くよう指示する。

ジュニアは、剥製に父の金貨が隠されていたことに気づく。

車に乗って逃げるジュニアとマイクは、バナナの皮を捨てて、追ってくる原住民の馬を転倒させる。

撃たれた車輪が外れてしまうが、追っ手きたロイが車輪を元に戻す。

その後、先に町に戻ったロイはマイクの部屋で待伏せして、金を運んできたカークに発砲し、格闘になり叩きのめす。

車は暴走し、ジュニアとマイクは崖を飛び越え、先住民の追跡をかわす。

橋のアジトに突入したジュニアは、衝突した勢いでトロッコに飛び乗り、悪党たちを撃退する。

その後ジュニアは、服役したマイクの出所を刑務所の入り口で待つ。

その場に現れたロイは、出所したマイクを追ってきた4人のジュニアを見て驚く。

ジュニアとマイクそして子供たちは、トリッガーに乗る丘の上のロイに気づき、別れを告げて車で東部に向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
ハーバード大学を卒業したピーター”ジュニア”ポッターJr.は、恋人のペネロピから、父親が遺した遺産を西部から持ち帰るよう指示される。
その頃、無法者のトーチ一味に金が奪われる事件が多発していた州知事は、政府から派遣されたロイに捜査を任せる。
西部に向かったジュニアは、遺産がないことに気づき、父が町の人々に借金していたために焦る。
そんなジュニアは、金持ちである酒場のオーナーのマイクが、女強盗トーチだと知らないまま惹かれてしまい、彼女に迫り財産を当てにしようとするのだが・・・。
__________

1948年に公開されたコメディの名作「腰抜け二挺拳銃」の続編。

父が西部で遺した遺産を見つけようとする青年が巻き起こす騒動を描くコメディ・ウエスタン。

腰抜け二挺拳銃」で脚本を担当したフランク・タシュリンが監督と脚本を担当した。

前作の主人公の息子という役柄を熱演するボブ・ホープの演技は抱腹絶倒間違いなしで、前作で”カラミティ・ジェーン”を演じたジェーン・ラッセルが、本作でも強盗団のリーダーを魅力的に演じている。

さらには、強盗団を探るために政府から派遣されるロイ・ロジャーズともちろん名馬トリッガーが登場し、見事なアクションと芸を見せてくれる、前作よりスケールアップした見せ場が多い内容は十分に楽しめる。

ミュージカル・タッチでもあり、前作でオスカーを受賞した名曲”ボタンとリボン”が再び登場し、特撮を多用した映像も見ものだ。
本作でも”Am I in Love”が、第25回アカデミー賞で歌曲賞にノミネートされた。

ヒロインに惹かれる強盗団の一員ビル・ウィリアムズ、薬の行商人に扮してロイ(ロイ・ロジャーズ)と共に捜査をするロイド・コリガン、主人公と行動を共にする老人ポール・E・バーンズ、町の保安官ダグラス・ダンブリル、銀行家のハリー・フォン・ゼル、主人公の父親に仲間を殺されたために復讐しようとする先住民の酋長アイアン・アイズ・コーディ、強盗団の捜査を依頼する州知事のジョナサン・ヘイル、巨漢の鍛冶屋ウィリアム”ウィー・ウィリー”デイヴィス、酒場のダンサー役シルヴィア・ルイス、主人公の恋人ジェーン・ウィリス、そしてカメオ出演で写真家のセシル・B・デミル、車を運転するビング・クロスビーが登場する。


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