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新・ガンヒルの決斗 Shoot Out (1971)

自分を裏切った相棒に復讐を果たそうとする男の戦いを描く、製作ハル・B・ウォリス、監督ヘンリー・ハサウェイ、主演グレゴリー・ペックパット・クインロバート・F・ライオンズスーザン・ティレルジェームズ・グレゴリー他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

グレゴリー・ペック / Gregory Peck / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ヘンリー・ハサウェイ

製作:ハル・B・ウォリス
原作:ウィル・ジェームズ”The Lone Cowboy”
脚本:マーガリット・ロバーツ
撮影:アール・ラス
編集:アーチー・マーシェク
音楽:デイヴ・グルーシン

出演
クレイ・ロマックス:グレゴリー・ペック
ジュリアナ・ファレル:パット・クイン
ボビー・ジェイ・ジョーンズ:ロバート・F・ライオンズ
アルマ:スーザン・ティレル
トルーパー:ジェフ・コーリイ
サム・フォーリー:ジェームズ・グレゴリー
エマ:リタ・ガム
デッキー・オルテガ:ドーン・リン
ペペ:ペペ・セルナ
スキーター:ジョン・チャンドラー
車掌:ポール・フィックス
ホーマー・ペイジ:アーサー・ハニカット

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1971年製作 95分
公開
北米:1971年10月13日
日本:1972年12月2日
製作費 $1,190,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
銀行強盗で7年の刑期を終えたクレイ・ロマックス(グレゴリー・ペック)が出所するため、共に銀行を襲い背後から彼を撃ち裏切ったサム・フォーリー(ジェームズ・グレゴリー)は、悪党のボビー・ジェイ・ジョーンズ(ロバート・F・ライオンズ)を雇い見張らせる。

フォーリーは、ロマックスを殺したら報酬は払わないとボビー・ジェイに伝える。

ウィード・シティ。
出所したロマックスは汽車で到着し、旧友のトルーパー(ジェフ・コーリイ)の元に向かおうとして、かつて襲った銀行を見つめる。

車椅子に乗るトルーパーに声をかけられ、彼の酒場に向かったロマックスは、フォーリーの居場所を訊く。

そこにボビー・ジェイとペペ(ペペ・セルナ)、スキーター(ジョン・チャンドラー)が現れ、酒場の女アルマ(スーザン・ティレル)に話しかけられる。

トルーパーをからかかったボビー・ジェイは、仲間達と共にアルマを連れて部屋に向かう。
...全てを見る(結末あり)

その後、馴染みの女だったエマと楽しんでいたロマックスは、ボビー・ジェイらが騒ぐために、彼らを懲らしめる。

殴られたボビー・ジェイは憤慨するが、フォーリーから手を出すなと言われていたために、怒りを抑える。

翌日、駅に届け物を取りに行ったロマックスは、7歳の少女デッキー・オルテガ(ドーン・リン)が現れたために驚く。

車掌(ポール・フィックス)から受け取り拒否ができると言われたロマックスは、知人だったデッキーの母親が亡くなったことを知る。

デッキーは汽車に戻るが、彼女を連れて降りることを車掌に伝えたロマックスは、受け取るはずだった現金を渡される。

ロマックスを尾行していたスキーターは、その様子を監視していた。

騒いで遊んだだけでアルマに金を払う気のないボビー・ジェイは、戻ったスキーターから、ロマックスが子供をさらったことを知らされる。

アルマをからかい金を奪ったボビー・ジェイは、トルーパーに銃を向けられたために彼を銃撃する。

スキーターとペペにも銃撃させたボビー・ジェイは、店の金を奪いアルマを連れて逃げる。

騒ぎに気づいたエマに声をかけられた瀕死のトルーパーは、ロマックスに”ガンヒル”と伝えるようにと言い残して息絶える。

町に戻ったロマックスは、エマから、ボビー・ジェイら三人組がトルーパーを殺し、アルマを連れて逃げたことを知らされる。

トルーパーが死ぬ間際に”ガンヒル”と言ったことも知ったロマックスは、それがフォーリーの居場所だと考える。

デッキーを預かってくれる者が見つからないロマックスは、仕方なく彼女を連れて町を出る。

ロマックスに川で体を洗ってもらったデッキーは、焚火で体を温めてくれた彼と母の話などをして、自分の父親か尋ねる。

母親をよく知っているとだけ伝えたロマックスは、デッキーを連れてある家に向かう。

二人を監視するボビー・ジェイらは、ロマックスがガンヒルに向かおうとしないことを不思議に思う。

家に着いたロマックスだったが、そこは先住民に焼かれていた。

アルマに料理をさせたボビー・ジェイは、彼女が何もできないことを知り、野営するロマックス監視する。

ロマックスにホットケーキを焼いてもらったデッキーは、それを食べながら眠る。

翌日、野生のポニーを手に入れたロマックスは、それをデッキーに与えようとするが、盗みだと言われたために母馬の元に帰す。

焼けた家を調べたボビー・ジェイは、ロマックスらがいないことを確認し、ガンヒルに向かったと考える。

ある牧場でポニーを盗んだロマックスは、母馬がいないので許すと言うデッキーを乗せる。

馬の持ち主ホーマー・ペイジ(アーサー・ハニカット)と交渉したロマックスは、鞍付きで15ドルで譲ってもらう。

野営をして順番に見張りをさせるボビー・ジェイは、ふざけたペペを殴る。

その拍子に落としたライフルが暴発し、銃声を聴いたロマックスは、見張りのペペに襲い掛かり気絶させる。

ボビー・ジェイとスキーターも痛めつけたロマックスは銃を奪い、障害者のトルーパーを殺した二人を責める。

ロマックスは、フォーリーに雇われた二人は、自分がガンヒルに向かっているのを知らせることが目的だと、アルマから知らされる。

フォーリーに自分が向かうと伝えるよう二人に指示したロマックスは、彼らの武器をもってその場を去る。

翌日ボビー・ジェイは、ロマックスより先にガンヒルに向か追うとせず、銃を取り戻そうとする。

雨になり、ある家に着いたロマックスとデッキーは、未亡人のジュリアナ・ファレル(パット・クイン)と息子のダッチに迎えられる。

ジュリアナに優しくしてもらったデッキーは、ベッドを用意してもらい眠る。

その後、ジュリアナにデッキーを預かってもらえることになったロマックス、戻れない時のために、自分のことを正直に話す。

7年間刑務所にいたと言うロマックスは、銀行を襲い、友人だった相棒に裏切られたことを話し、これから会いに行くことをジュリアナに伝える。

毎晩、寂しい思いをしているジュリアナの気持ちを察したとマックスは、彼女を抱きしめる。

そこに現れたボビー・ジェイらに銃を奪われたロマックスは、三人を殺さなかったことを後悔する。

部屋を調べたボビー・ジェイは、子供しかいないことを確認し、ジュリアナは、牧童が戻ってくることを彼に伝える。

武器もないことを確認したボビー・ジェイは、ペペを見張りに向かわせて、牧童が現れたら銃で合図するよう指示する。

ロマックスに抱きついたデッキーは、ベッドの枕の下にあった拳銃を渡す。

ロマックスを殴り、ジュリアナに料理をさせたボビー・ジェイは、ダッチに馬の世話をさせる。

調子に乗るボビー・ジェイに、ペペはフォーリーの元に向かったと言って牽制するロマックスだったが、信じようとしない。

ロマックスは、ボビー・ジェイがデッキーの頭にカップを乗せて撃とうとしたため、隠し持っていた銃を発砲しようとする。

発砲できなかったロマックスは殴られて意識を失い、ボビー・ジェイは、デッキーの頭に乗せられたカップを撃つ。

再び乗せて撃とうとしたボビー・ジェイを制止しようとしたアルマは、銃を向けられる。

カップを撃ったボビー・ジェイは、さらに小さなカップを乗せるよう、ジュリアナに指示して従わせる。

アルマに撃たせようとしたボビー・ジェイは、銃を奪われそうになり発砲し、彼女を射殺する。

意識が戻ったロマックスは、スキーターに襲い掛かる。

スキーターを銃撃したボビー・ジェイは、デッキーを人質にとり、ロマックスに銃を捨てさせようとする。

ジュリアナから残りは一発だと言われたロマックスは、デッキーを連れ去ったボビー・ジェイを追う。

馬が脚を痛め、見張っていたペペの馬を奪おうとしたボビー・ジェイは、抵抗されたために彼を殺す。

ボビー・ジェイは、その隙に逃げたデッキーを置いてガンヒルに向かう。

ペペの死体を確認したロマックスは、デッキーに気づかないまま走り去る。

ロマックスの名を呼ぶデッキーは、追ってきたジュリアナに抱きしめられる。

ガンヒルに着き、フォーリーに事情を話したボビー・ジェイは報酬を要求し、死んだ仲間の分も受け取ろうとする。

金庫の銃を手にしたフォーリーを射殺したボビー・ジェイは、現われた家政婦に銃を向けて見張らせる。

フォーリーの金を奪うボビー・ジェイは、家政婦に鞄を持ってこさせる。

そこに現れたロマックスは、ボビー・ジェイに銃を向けてデッキーの居場所を訊く。

家政婦に、ボビー・ジェイの頭にリンゴを置くよう指示したロマックスは、銃を一旦ホルスターに収めて、彼に撃ち合いをするチャンスを与える。

リンゴを撃ち抜き、デッキーは途中で逃げたと言われたロマックスは、小さなグラスをボビー・ジェイも頭に乗せるよう家政婦に指示する。

再びチャンスを与えたロマックスはグラスを撃ち、家政婦に弾丸を渡し、ボビー・ジェイの頭に乗せさせる。

ボビー・ジェイを挑発したロマックスは、銃を抜いた彼を射殺し、保安官を呼ぶよう家政婦に指示する。

戻って来たロマックスに駆け寄ったデッキーは、自分の父親か彼に尋ねる。

またその質問かとデッキーに伝えたロマックスは、違うならなぜ戻ったのかと訊かれ、明確には答えない。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
銀行強盗の罪で7年の刑期を終えたクレイ・ロマックスは、自分を裏切った相棒のフォーリーの元に向かう。
同じ頃フォーリーは、悪党のボビー・ジェイらを雇い、ロマックスを見張らせていた。
酒場を経営する旧友トルーパーに再会し、駅に届け物を取りに行ったロマックスは、知人の女性の7歳の娘デッキーの面倒を見ることになる。
町に戻ったロマックスは、ボビー・ジェイらにトルーパーが殺されたことを知り、彼が言い残した”ガンヒル”と言う言葉で、フォーリーがその場にいると考える。
デッキーを預かってくれる者が見つからないロマックスは、仕方なく彼女を連れてガンヒルに向かうのだが・・・。
__________

1930年に発表された、ウィル・ジェームズの小説”The Lone Cowboy”を基に製作された作品。

”ガンヒル”という町が登場するというだけで、「ガンヒルの決斗」(1959)とは全く関係がない作品。

製作のハル・B・ウォリスと監督のヘンリー・ハサウェイが、「勇気ある追跡」(1969)に続きコンビを組んだ作品であり、マーガリット・ロバーツも同作で脚本を担当した。

上記三人だけでなく、主人公と少女の親交の物語も「勇気ある追跡」に似ている内容であり、ロケ地や撮影風景も同じような雰囲気を漂わせていることに注目したい。

幼い子供を相手に銃で恐怖を与える悪党の行動などがかなり過激であり、復讐のターゲットである元相棒ではなく、主人公が彼らに制裁を加えるラストに向けて、かなり盛り上がる。

主演のグレゴリー・ペックは、50代も半ばとなりやや老けた感じがするものの、受刑者ではあったが極悪人には見えない、包容力のある男を好演している。

現れた主人公に惹かれて手を貸す未亡人のパット・クイン、憎たらしいことこの上ない悪党を印象的に演ずるロバート・F・ライオンズ、彼に連れて行かれる酒場の女スーザン・ティレル、主人公の旧友である酒場の主人ジェフ・コーリイ、主人公を裏切った元相棒のジェームズ・グレゴリー、主人公の馴染みだった酒場の女リタ・ガム、主人公が世話をして親交を深める少女ドーン・リン、悪党の仲間ペペ・セルナジョン・チャンドラー、車掌のポール・フィックス、主人公に馬を譲る牧場主のアーサー・ハニカットなどが共演している。


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