サイトアイコン That's Movie Talk!

セルフレス Self/less (2015)

死を宣告され別人の肉体に意識を移植された大富豪と肉体の持ち主の運命を描く、監督ターセム・シン、主演ライアン・レイノルズベン・キングズレーナタリー・マルティネスマシュー・グードデレク・ルークヴィクター・ガーバー他共演のSFサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト
監督:ターセム・シン

製作
ラム・バーグマン
ジェームズ・D・スターン
ピーター・シュレッセル
製作総指揮
ジュリー・ゴールドスタイン
デヴィッド・ポーミア
リア・ブーマン
脚本
アレックス・パストール
ダビ・パストール
撮影:ブレンダン・ガルヴィン
編集:ロバート・ダフィ
音楽:アントニオ・ピント

出演
ダミアン・ヘイル/マーク・ビトウェル:ライアン・レイノルズ
ダミアン・ヘイル:ベン・キングズレー
マデリン・ビトウェル:ナタリー・マルティネス
ジェンセン博士/オルブライト:マシュー・グード
アントン:デレク・ルーク
マーティン・オニール:ヴィクター・ガーバー
アナ・ビトウェル:ジェイニー=リン・キンケン
ジュディ・オニール:メロラ・ハーディン
クレア・ヘイル:ミシェル・ドッカリー
カール:サミュエル・ペイジ
アントン2:ブレンダン・マッカーシー
フランシス・ジェンセン博士:トーマス・フランシス・マーフィー
フィリス・ジェンセン:サンドラ・エリス・ラファーティ
マロリー:エミリー・トレメイン
アンドレア:テリー・ワイブル
リア:マリアナ・ヴィセンテ
トニー・オニール:ディラン・ロー

アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2015年製作 117分
公開
北米:2015年7月10日
日本:2016年9月1日
製作費 $26,000,000
北米興行収入 $12,279,690
世界 $31,807,160


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
大富豪である建築家のダミアン・ヘイル(ベン・キングズレー)は、末期ガンで余命半年と宣告されていた。

その件を親友でビジネスパートナーのマーティン・オニール(ヴィクター・ガーバー)に話し、ホスピスの説明も受けたと言うダミアンは、同情してくれる彼に、君たち夫婦が息子を亡くした悲しみとは比べものにならないと伝える。

疎遠の娘クレア(ミシェル・ドッカリー)に話すべきだと言われたダミアンは、電話しても返事をくれないとマーティンに伝える。

ダミアンから”シェディング/脱皮”について訊かれたマーティンは、知らないと答える。

受け取っていた名刺の電話番号を確認し、オルブライト博士(マシュー・グード)に会ったダミアンは、空の器(人体)に意識を移植するシェディングについての説明を受ける。
...全てを見る(結末あり)

NPOのボランティア活動をするクレアの元に向かったダミアンは、彼女と話し合うこともできず、資金提供も断られ、気分を害してその場を去る。

オフィスに戻り、ネットでシェディングについて調べたダミアンは、考案者フランシス・ジェンセン博士(トーマス・フランシス・マーフィー)の、死を前にした者が、その肉体を脱ぐと説明する映像を確認しながら、吐血して意識を失う。

救急車で病院に運ばれて治療を受けたダミアンは意識が戻り様態は安定し、オルブライトに連絡する。

ニューオーリンズ
マーティンとランチを共にして、自分たちの引退について話し合ったダミアンは、その場で倒れて救急車に乗せられる。

救命士から”死の演出”についての説明を受けたダミアンは、オルブライトが待つ施設に運ばれ処置を受ける。

ある男性(ライアン・レイノルズ)の体に意識を移植されたダミアンは、オルブライトから自分の死亡記事を見せられる。

体の自由がきかないダミアンはリハビリを始め、オルブライトから、副作用の幻覚を緩和する薬を渡される。

その後、体調は整い”エドワード・キドナー”として生活することになったダミアンは、口座預金などすべてを用意したオルブライトから、1週間ごとに7錠の薬を渡すことを知らされる。

暫くは観察が必要だと言うオルブライトは、約2か月でどこにでも行けることをダミアンに伝えて、彼が暮らすことになる家に向かう。

新生活を楽しむことにしたダミアンは、隣人のアントン(デレク・ルーク)と親しくなる。

女、酒、アレルギーがあったピーナツバターまで食べて日々を楽しむダミアンは、クレアのことを想い電話をしてみるものの、話すことはできなかった。

薬を飲み忘れたダミアンは、カボチャの給水塔がある場所にいるラテン系の女性と子供の幻覚を見て動揺し、その件をオルブライトに話す。

それが妻と娘で、子供は病気だと言うダミアンは、自分に助けを求めているとオルブライトに伝える。

女性をラテン系だと言うオルブライトに、それは話していないと伝えて不思議に思ったダミアンは、気分転換にハワイ旅行を勧められ、倍の量の薬を渡される。

旅行の準備をしたダミアンは、ネットでカボチャの給水塔を調べ、それがセントルイス郊外のブライトンにあることを知る。

墓地に向かったダミアンは、生前に隠した箱を確認する。

空港に向かったダミアンは、行き先をセントルイスに変更する。

ブライトン。
給水塔に着いたダミアンは付近の家に向かい、留守だったために中に入る。

ダミアンは、幻覚で見た女性マデリン・ビトウェル(ナタリー・マルティネス)の写真と、医療費の21万ドルが銀行の口座に振り込まれたことを確認する。

マデリンと娘のアナ(ジェイニー=リン・キンケン)と共に写る自分の写真を見つけたダミアンは、他の写真で、自分が兵士だったことを知る。

戻って来たマデリンに銃を向けられたダミアンは、自分を見て取り乱しそうになる彼女を落ち着かせる。

誰かが来たことに気づいたダミアンは、現れたアントンがオルブライトの部下だと考え、彼から自分のためにやっていると言われる。

マデリンの夫マークが、娘の医療費21万ドルのために、オルブライトに体を提供したことを知ったダミアンはショックを受ける。

人の命を奪ったとことを後悔するダミアンは、アントンから、そのおかげでアナは生きていると言われて動揺する。

薬を飲むと言って洗面所に向かったダミアンは、監視する男を叩きのめす。

マデリンの車は燃やされ、ダミアンを説得するアントンは彼と格闘になり、窓を突き破る。

家に逃げ込んだダミアンは、火炎放射器の攻撃を受けながら、意識を失っていたマデリンを起こし、キッチンから床下に逃げる。

ダミアンに銃撃された火炎放射器を持つ男は、アントンに炎を向けてしまう。

火だるまになったアントンはもだえ苦しみながら、プールに飛び込む。

銃を持つ男を射殺したダミアンは、マークは溺死したはずだと言うマデリンに、アナの医療費のために契約をして、姿を消したことを伝える。

動揺するマデリンを納得させたダミアンは、アナを迎えに行くために学校に向かう。

父に気づいたアナは喜び、ダミアンは二人を連れてモーテルに向かい、ネットでシェディングについて調べる。

亡くなったジェンセン博士の動画を見たダミアンは、その場にオルブライトがいることに気づき、彼に博士の意識が移植されたと考える。

ジェンセンの妻フィリス(サンドラ・エリス・ラファーティ)の居場所を確認したダミアンは、幻覚を見て意識を失う。

マデリンに起こされたダミアンは、心配する彼女に何も話すことができず、今はただ信じてほしいと伝える。

ニューオーリンズ
老人施設でアルツハイマー病のフィリスと話したダミアンは、ジェンセン博士の研究を継続したいと伝えて信用される。

毎週オルブライトが来ることを知ったダミアンは、彼女に電話をしてもらう。

フィリスの部屋に向かったオルブライトは、ダミアンに銃を向けられ薬を要求される。

オルブライトはジェンセンとして話し、薬を飲むのをやめれば、マデリンは夫を取り戻せると伝える。

薬を飲み続ければマークの存在は消えると言われたダミアンは、オルブライトと共に研究所に向かおうとする。

男(ブレンダン・マッカーシー)が現れ、油断したダミアンはオルブライトに銃を奪われる。

オルブライトはフィリスの元に向かい、男に車に連れていかれたダミアンは、現れたマデリンと共に抵抗する。

銃を奪ったマデリンは発砲し、耳を撃たれた男のペンダントを見たダミアンは、彼がアントンであることに気づく。

アントンの薬を奪ったダミアンは、マデリンとアナと共にその場から逃げる。

車を止めさせたマデリンは、ダミアンから真実を知らされて動揺する。

ダミアンから、安全な場所に連れて行くと言われたマデリンは、秘密口座に十分な預金もあることを知る。

すべて終われば、自分は姿を消すとマデリンンに伝えたダミアンは、マーティンの屋敷に向かう。

マーティンと妻ジュディ(メロラ・ハーディン)と話したダミアンは、自分の死を確認したマーティンに、ある研究で実験台にされたことを伝える。

自分を信用しないマーティンに、二人しか知らないことなどを話したダミアンは、信じてくれた彼に、マデリンとアナを国外に向かわせるための協力を求める。

屋敷のプールでアナに水泳を教えたダミアンは、マデリンから自分自身のことを訊かれ、一人娘のクレアのことなどを話す。

ダミアンは、マデリンがマークとカリブ海に行きたかったことを知る。

薬を飲んだダミアンは鏡が気になり、マデリンと共に着替えているはずのアナを捜す。

アナが、2年前に亡くなったはずのマーティンの息子トニー(ディラン・ロー)と遊んでいたため、ダミアンは、マーティンがシェディングを使ったことに気づく。

マーティンを問い詰めたダミアンは、オルブライトの部下が既に屋敷の外に来ていることを知る。

トニーが遺伝子操作で作られたと思っていたマーティンは、少年は別の家族の息子であり、死んだと思われていることを知らされてショックを受ける。

ダミアンは、マデリンとアナを協力してくれるマーティンと共にハイウェイに向かわせ、トラックの休息所で待ち合わせることにして、車でおとりになろうとする。

ガレージに向かいマーティンの車を借りたダミアンは、屋敷を離れアントンらに追われる。

襲い掛かるアントンらに反撃したダミアンは、彼らを倒す。

森を抜けてハイウェイに向かうマーティンは、街道で車を止めたマデリンとアナが捕らえられるのを、助けることができない。

トラックの休息所でマデリンらを待っていたダミアンは、現れたマーティンから、二人が車で連れ去られたことを知らされる。

マーティンがオルブライトの名刺を渡してくれたことを知ったダミアンは、40年の友情に対する礼をしたかったと言われ、軽率だったと謝罪する彼に、自分が断るべきだったと伝える。

ダミアンに薬を渡したマーティンは、分析した成分のメモを渡し、ジュディは薬の不足を、自分はオルブライトの支配を恐れたと伝える。

メキシコの薬品工場に行き、数千ドル渡せば半年分は薬を作れると言うマーティンは、帰国すれば自由になれるとダミアンに伝える。

12時間、薬を飲まずに、幻覚をたどりオルブライトの研究所を見つけようとしたダミアンは、それが廃墟の倉庫であることを知る。

その場に向かい倉庫に侵入したダミアンは、アントンが再びシェディングされようとしていることを知る。

ダミアンを捕えたオルブライトは、アントンをマークの体にシェディングしようとする。

オルブライトは、処置を受けたダミアンがアントンとなったことを確認する。

マデリンとアナが拘束されている場所に案内されたアントンは、二人の男を射殺する。

怯えるマデリンは、助けに来たのがダミアンであることを確認する。

装置に落ちていた薬きょうを見つけたオルブライトは、ダミアンが、金属が装置に干渉することを知っていたことに気づく。

マジックミラー越しに、その件をダミアンと話したオルブライトは、薬の成分を伝える彼に火炎放射器で焼き殺される。

その場から脱出したダミアンは、マデリンと共にボートに乗せるアナに別れを告げる。

ニューヨーク
訪ねて来た父の友人だ言うエドワード・キドナーと話したクレアは、晩年の父と彼が多くの時間を過ごしたことを知る。

親密な父娘関係ではなかったようだが、娘は立派な仕事をしているとダミアンが話していたと伝えたエドワードは、クレアに封筒を渡そうとする。

クレアは、それを小切手だと思う。

幼い娘と過ごせなかったことを後悔し、償いたいと思っていたダミアンからの手紙だと言ってそれを渡したエドワードは、幸運を祈ると伝えて彼女の手を握りその場を去る。

通りに出たダミアンは、手紙を読み涙するクレアを見つめる。

ある夜、目覚めたマークは、動揺しながらパソコンの動画を見る。

体を買ったと話す、”ダミアン・ヘイル”だと言う自分に感謝されたマークは、薬はやめたので存在は薄れて消えることを知る。

カリブ
ダミアンに気づいたマデリンは、彼がマークに戻ったことを知って喜び、海で遊んでいたアナを呼び、三人は抱き合う。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
大富豪である建築家のダミアン・ヘイルは、末期ガンで余命半年と宣告される。
オルブライト博士に会い、先端技術で他の肉体に意識を移植する”シェディング/脱皮”の説明を受けたダミアンは、死を演出して処置を受ける。
ダミアンは、死亡した兵士マーク・ビトウェルの肉体に意識を移植され、”エドワード・キドナー”として新生活を始める。
その後、妻子と思われる幻覚を見たダミアンは、二人の居場所を探すのだが・・・。
__________

ザ・セル」(2000)、「インモータルズ」(2011)など話題作を手掛ける、インド出身のターセム・シンが演出して注目された作品。

死を宣告され、先端技術を使い別人の肉体に意識を移植された大富豪と、その肉体の持ち主の運命を描くSFサスペンス。

外科的手術によるものではなく、意識だけを移植するというアイデアで、無理矢理に物語を成立させようとしているだけとしか思えず、荒唐無稽な空想科学小説的内容は新鮮味もない。

批評家から酷評された本作は、ライアン・レイノルズの人気で何とか持ちこたえた感があり、興行的にも振るわなかった。

製作費 $26,000,000
北米興行収入 $12,279,690
世界 $31,807,160

主演のライアン・レイノルズは、他人の意識を移植された元軍人を熱演している。
その主人公に意識を移植されるため、上映からわずか13分ほどで姿を消す、大富豪を演ずる名優ベン・キングズレーの出演シーンが少ないのが残念だ。

死んだはずの夫が現れて混乱する主人公の妻ナタリー・マルティネス、実験の考案者(トーマス・フランシス・マーフィー)の意識を移植された科学者マシュー・グード、その部下で何度も再生されるデレク・ルーク、大富豪ダミアン(ベン・キングズレー)の友人であるビジネスパートナーのヴィクター・ガーバー、その妻メロラ・ハーディン、再生されたその息子ディラン・ロー、主人公の娘ジェイニー=リン・キンケン、ダミアンの娘ミシェル・ドッカリー、冒頭でダミアンに侮辱される若者サミュエル・ペイジ、オルブライト(マシュー・グード)の部下ブレンダン・マッカーシー、実験の考案者の妻サンドラ・エリス・ラファーティ他、エミリー・トレメインテリー・ワイブルマリアナ・ヴィセンテなどが共演している。


モバイルバージョンを終了