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恋愛準決勝戦 Royal Wedding (1951)

エリザベス王女ご成婚”に沸くロンドンを舞台に人気ダンサー兄妹のそれぞれのロマンスを描く、製作アーサー・フリード、監督スタンリー・ドーネン、主演フレッド・アステアジェーン・パウエルピーター・ローフォードサラ・チャーチルキーナン・ウィン他共演のミュージカル・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト
監督:スタンリー・ドーネン

製作:アーサー・フリード
脚本:アラン・ジェイ・ラーナー
撮影:ロバート・H・プランク
編集:アルバート・アクスト
音楽
作詞:アラン・ジェイ・ラーナー
作曲:バートン・レイン

出演
トム・ボーエン:フレッド・アステア
エレン・ボーエン:ジェーン・パウエル
ジョン・ブリンデイル:ピーター・ローフォード
アン・アシュモンド:サラ・チャーチル
アーヴィング・クリンガー/エドガー・クリンガー:キーナン・ウィン
ジェームズ・アシュモンド:アルバート・シャープ
サラ・アシュモンド:ヴィオラ・ロッシュ
ピート・カンバリー:ジョン・R・ライリー

アメリカ 映画
配給 MGM
1951年製作 93分
公開
北米:1951年3月8日
日本:1956年2月1日
製作費 $1,661,000
北米興行収入 $3,902,000


アカデミー賞
第24回アカデミー賞

・ノミネート
歌曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ブロードウェイ
人気ダンサーのトム・ボーエン(フレッド・アステア)とエレン(ジェーン・パウエル)兄妹は、公演後にマネージャーのアーヴィング・クリンガー(キーナン・ウィン)にバーに呼ばれる。

ヘレンのボーイフレンドのピート(ジョン・R・ライリー)と共にバーに向かったトムは、アーヴィングからニュースがあると言われる。

アーヴィングは、イギリスにいる弟からの連絡で、”エリザベス王女ご成婚”に沸くロンドンのメイフェア劇場から招待を受けたとトムとエレンに伝える。

トムと共に喜んだエレンは、そこに現れた別のボーイフレンドのディックがピートと喧嘩を始めたために、店を出て旅の支度をしようとする。
...全てを見る(結末あり)

その後、出航する船の乗船の前に、エレンはビリーに別れを告げる。

乗船しようとしたエレンは、女性との別れを惜しむジョン・ブリンデイル(ピーター・ローフォード)が気になる。

見送りに来たピートと別れたエレンは、ジョンが別の女性に別れを告げていることに気づく。

トムとエレンに別れを告げたアーヴィングは船を降りて、喧嘩を始めたピートとビリーを制止しようとするものの、殴られてしまう。

ジョンに声をかけられたエレンは、トムに冷やかされる。

トムと別れて手紙を書こうとしたエレンは、そこに現れたジョンと、互いに何人もの相手と別れことなどを話す。

人気ダンサーである自分のことを知っているジョンが、エリザベス王女ご成婚の結婚式に出席することを知ったエレンは、彼が貴族であることを知る。

船内で開かれる慈善パーティーで踊ることになったジョンは、エレンの姿が見えないために、帽子立てなどを相手に一人でレッスンする。
*”Sunday Jumps”

エレンからジョンを改めて紹介されたトムは、二人が恋仲になったことを知る。

嵐が近づいたために慈善パーティーが早く始まり、トムとエレンは、フロアが揺れる中、見事なダンスを披露する。

ロンドン
ホテルに着いたトムとエレンは、アーヴィングの弟エドガー(キーナン・ウィン)を迎え、二人が双子だったことを知り驚く。

今後の予定などを話し合っていたエレンは、ジョンからの電話で屋敷に誘われ、トムの許可を得て出かけることにする。

ホテルを出てタバコを吸おうとしたトムは、たまたまその場にいた女性アン・アシュモンド(サラ・チャーチル)から火を借りる。

エドガーと別れたトムが自分をつけてくるように思えたアンは、彼に迷惑だと伝える。

アンが劇場に入ったために、トムは、彼女がオーディションを受けに来たダンサーだと思う。

支配人と話したトムは、アンからオーディションを始めるよう指示する。

アンのダンスを見たトムはステージに上がり、驚く彼女の相手をしながら食事に誘う。

その頃、ジョンと共にブリンデイル邸に着いたエレンは、夕食に誘われる。

ホテルに戻りトムと話したエレンは、疲れたので休むことにする。

互いに約束があり、それを知られないように出かけた二人だったが、別々に乗ったタクシーが並走したため、顔を見合わせてしまう。

食事を楽しんだトムは、アンを彼女の父親ジェームズ(アルバート・シャープ)のバーに送る。

別居している母サラ(ヴィオラ・ロッシュ)のために、父からお金を受け取ると言うアンは、トムに父を紹介する。

アメリカ兵に飲み代を踏み倒されたことがあるジェームズは、トムがアメリカ人だと知り彼を追い出そうとする。

代わりに飲み代を払って納得してもらったトムは、ジェームズから金を受け取ったアンと共に店を出る。

アンを家に送ったトムは、少し散歩することにして彼女と話をする。

シカゴにアンの婚約者ハルがいることを知ったトムは、これで気楽に付き合えると言って、彼女に再会を約束して別れる。

その後、エドガーに電話をしたアーヴィングは、エレンは大人しくしているが、トムがダンサーと付き合っていることを知る。

結婚式を1週間後に控えた街ではパレードが始まり、トムとエレンはショーの初日を控える。

パレードの演奏が鳴り響く中、訪ねて来たジョンはエレンに愛を伝えるものの、聞こえない様子だったために彼女にキスする。

その場で練習することになったエレンは、トムのピアノ演奏で歌い、ジョンとの愛を確かめる。

劇場でリハーサルをしたトムは、明日の初日後のパーティーにアンを誘うものの、ハルから電話があるので無理だと言われる。

トムとホテルに戻ったエレンは、届けられた花束に、明日のパーティーには出席できないというジョンからのメッセージが添えられていることに気づく。

互いに相手がいなくなったトムとエレンは、二人で一緒に行くことにする。

翌日、初日を迎えたトムとエレンは、ステージに上がる。

ショーは成功し、ジョンが来てくれたために喜んだエレンは、パーティーには出席せずに彼と共に過ごす。

愛してはいるが、今後が不安だと言われたエレンは、一緒に過ごしたことは決して忘れないと伝える。

ジェームズの店に向かったトムは歓迎され、アンが何を考えているか分からないと言われる。

トムは、目の前の男を捕まえるべきだと話すジェームズに、自分は落ち着けない性分だと伝えてその場を去る。

劇場の前を通ったトムは、飾ってあったアンの写真を持ってホテルに向かう。

部屋に戻ったトムは、アンのことを想いながら歌い踊る。
*”You’re All the World to Me

翌朝、エレンと朝食をとっていたトムは、現れたエドガーから、新聞各紙がショーを絶賛していることを知らされる。

エドガーにアーヴィングに連絡してほしいと伝えたトムは、シカゴの”ハル・レイトン”という男を調べさせることを頼む。

アービングに電話をしたエドガーは、シカゴのデパートで働くハルの件を伝えて調べてもらう。

アンは、”バッキンガム宮殿”に招待されている母サラと共に父を待つ。

サムと久しぶりに会うために落ち着かないジェームズは、トムと共に妻とアンの元に向かう。

ジェームズとサムは宮殿に向かい、トムとアンは二人が寄りを戻すことを願う。

劇場の楽屋にいたトムは、現れたエドガーから、ハルが結婚していることを知らされて喜ぶ。

その日のショーを終えたトムは、エレンが楽屋でジョーと抱き合っていたために、アンを誘って街に向かう。

ハルのことを調べたトムから、彼が結婚していたことを知らされたアンは、素晴らしいことだと言って、トムの自分に対する愛を確かめる。

これまで仕事一筋だったトムは、恋愛から結婚の話になることに戸惑い、生活を変えられる自信がないとアンに伝える。

気落ちするアンを家に送ったトムは、”あなたの考えは間違えで、立派な夫になれる”と言い残した彼女と別れる。

ホテルに戻ったトムは、エレンがジョンから結婚を申し込まれたことを知り、意見を求められるものの、まともに答えられない。

アンも結婚を望んでいると知らされたエレンは、二人とも結婚してみることをトムに提案する。

そうなればイギリスに残ることになり、自分はアンをパートナーにして踊るとエレンに伝えたトムは、彼女から、自分が犠牲者になってしまうと言われる。

結局、二人は、今までのままでいいということで意見が一致する。

エリザベス王女ご成婚当日。
市内は祝賀ムードに沸き、トムとエレンは、気分が乗らないまま、迎えに来たエドガーと共にパレードを見に行く。

両親と共に王女のご成婚を祝うアンだったが、考え込んでしまう。

王女の馬車をみつめるトムとエレンは結婚する決心をして、今日中に結婚したいことをエドガーに伝える。

エドガーから何とか手配すると言われたトムは、ジョンを捜すことをエレンに指示してアンの元に向かう。

式を終えてタクシーに乗ったジョンを見つけたエレンは、彼を追って結婚することを伝える。

民衆の中でアンに近づき結婚を申し込んだトムは、それを承諾してくれた彼女と抱き合う。

その後、教会に向かったトムとアン、エレンとジョンは、結婚式を挙げて幸せを実感する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ブロードウェイの人気ダンサー兄妹トム・ボーエンとエレンは、マネージャーのアーヴィングから、ロンドン公演の招待を受けたことを知らされる。
エリザベス王女ご成婚”で沸くロンドンに着いたトムとエレンは、アーヴィングの双子の弟エドガーに迎えられる。
エレンは、船内で知り合った貴族のジョンと惹かれ合う仲になる。
トムは、街で見かけたアンが、自分のショーのオーディションを受けるダンサーであることを知る。
アンに惹かれたトムは彼女を食事に誘い、エレンもジョンとの時間を楽しむ。
仕事一筋だったトムとエレンは、このまま恋愛にのめり込んでいいものかと迷いながらも、互いの相手との愛を深めるのだが・・・。
__________

製作アーサー・フリード、監督スタンリー・ドーネン、主演フレッド・アステアジェーン・パウエルによる、MGMミュージカルの黄金期に製作された作品。

前作「踊る大紐育」(1949)で大成功した、まだ20代半ばのスタンリー・ドーネンの、ユーモア溢れるシャープな演出は見事であり、その才能には驚く。

1947年のエリザベス王女フィリップ・マウントバッテンとのご成婚で沸くロンドンが舞台の作品で、フレッド・アステアのパートナーであった姉のアデル・アステアが、ロンドン公演の期間中に知り合った貴族チャールズ・キャヴェンディッシュ卿と結婚したエピソードをモチーフにしている。

第24回アカデミー賞では、歌曲賞にノミネートされた。

表情に年齢を感じるものの、50歳を超えたフレッド・アステアの身のこなしなどに衰えは感じられず、エレガントでしなやかなダンスは素晴らしいとしか言いようがない。

特に、ミュージカル映画史上に残る名シーンとなった、帽子立てなどと踊る”Sunday Jumps”、部屋の中を360度回りながら歌い踊る”You’re All the World to Me”のパフォーマンスは圧巻だ。

フレッド・アステアの妹役には、当初ジューン・アリソンジュディ・ガーランドが予定されていたが、美しい歌声やダンスを存分に披露してくれる、魅力的なジェーン・パウエルの好演は印象に残る。

ジェーン・パウエルと恋仲になるプレイボーイの貴族ピーター・ローフォード、主人公と愛し合うようになるダンサーで、ウィンストン・チャーチルの娘として知られるサラ・チャーチル、主人公兄妹のマネージャーで双子役を愉快に演ずるキーナン・ウィン、アン(サラ・チャーチル)の両親アルバート・シャープとヴィオラ・ロッシュ、エレン(ジェーン・パウエル)のボーイフレンド、ジョン・R・ライリーなどが共演している。


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