1895年に発表された、ヘンリック・シェンキウィッチの歴史小説”クォ・ヴァディス”を基に製作された作品。 ローマ皇帝”ネロ”の迫害を受けるキリスト教徒の女性を愛したローマ帝国軍司令官の闘いを描く、製作、監督マーヴィン・ルロイ、主演ロバート・テイラー、デボラ・カー、ピーター・ユスティノフ、レオ・ゲン、パトリシア・ラファン他共演の歴史ドラマの超大作。 |
・エリザベス・テイラー / Elizabeth Taylor / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:マーヴィン・ルロイ
製作:サム・ジンバリスト
原作:ヘンリック・シェンキウィッチ”クォ・ヴァディス”
脚本
ジョン・リー・メイヒン
S・N・バーマン
ソニア・レヴィン
撮影
ロバート・サーティース
ウィリアム・V・スコール
編集:ラルフ・E・ウィンタース
美術・装置
ウィリアム・A・ホーニング
セドリック・ギボンズ
エドワード・C・カーファグ
ヒュー・ハント
衣裳デザイン:ハーシェル・マッコイ
音楽:ミクロス・ローザ
出演
マーカス・ヴィニシウス:ロバート・テイラー
リジア:デボラ・カー
ネロ:ピーター・ユスティノフ
ペトロニウス:レオ・ゲン
ポッパエア:パトリシア・ラファン
ペトロ:フィンレイ・カリー
アーサス:バディ・ベア
ユーニス:マリーナ・ベルティ
パウロ:アブラハム・ソファー
プラウティウス:フェリックス・アイルマー
ポンポニア:ノラ・スウィンバーン
ガイウス・オフォニウス・ティゲッリヌス:ラルフ・トルーマン
ネルウァ:ノーマン・ウーランド
ナザリウス:ピーター・マイルズ
テルプノス:ジェフリー・ダン
セネカ:ニコラス・ハネン
ファオン:D. A.クラーク=スミス
アクテ:ロザリー・クラッチェリー
カイロ:ジョン・ラドック
クロトン:アーサー・ウォルジ
ミリアム:エルスペス・マーチ
ルフィア:ストレルサ・ブラウン
マルクス・アンナエウス・ルカヌス:アルフレッド・ヴァレリ
フラビウス:ロベルト・オッタヴィアーノ
アナキサンダー:ウィリアム・タブス
ガルバ:ピエトロ・トーディ
マーカスの奴隷:リチャード・ガリック
パルメニダ:クレリア・マタニア
ダンサー:ジュレック・シャベルスキー
ダンサー:マリカ・アバ
祝宴のレスラー:ジュゼッペ・トシ
イエス:ロビン・ヒューズ
キリスト教徒の少女:エイドリアン・コリ
リジアの奴隷:ソフィア・ローレン
キリスト教徒:エリザベス・テイラー
ナレーター:ウォルター・ピジョン
アメリカ 映画
配給 MGM
1951年製作 171分
公開
北米:1951年11月8日
日本:1953年9月5日
製作費 $7,623,000
■ アカデミー賞 ■
第24回アカデミー賞
・ノミネート
作品
助演男優(レオ・ゲン/ピーター・ユスティノフ)
音楽賞(ドラマ・コメディ)・美術(カラー)・撮影(カラー)・衣裳デザイン(カラー)・編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
西暦64年、ローマ帝国、アッピア街道。
反キリスト教派の皇帝ネロ(ピーター・ユスティノフ)の統治下で、3年の戦いを終えた第14軍団の司令官マーカス・ヴィニシウス(ロバート・テイラー)はローマに凱旋しようとしていた。
ローマを目の前にしたマーカスは、その場で野営するようにというネロからの命令を受ける。
納得がいかないマーカスは、副官のフラビウス(ロベルト・オッタヴィアーノ)にその場を任せてローマに向かう。
ネロやセネカ(ニコラス・ハネン)と共に過ごしていた皇帝の側近ペトロニウス(レオ・ゲン)は、甥のマーカスが戻ったことを知る。
”プラエフェクトゥス・プラエトリオ”護衛隊長官ガイウス・オフォニウス・ティゲッリヌス(ラルフ・トルーマン)から、既に命令は出してあると言われたネロは、マーカスを警戒する。 ペトロニウスから、マーカスは軍を率いていないはずで、皇帝に敬意を表しに来たと言われたネロは納得する。 マーカスの話を聞いたネロは、明日の凱旋式まで待つようにと指示し、夜の祝宴に招待する。 ペトロニウスと話したマーカスは、引退した将軍プラウティウス(フェリックス・アイルマー)の屋敷に向かうようにと言われる。 母と妻を殺し新しい妻ポッパエア(パトリシア・ラファン)を迎えたネロのことを話すマーカスは、ペトロニウスから、元老院ではガルバ将軍(ピエトロ・トーディ)の支持者が増えていることを知らされる。 その後、フラビウスと共にプラウティウスの屋敷に向かい歓迎されたマーカスは、妻のポンポニア(ノラ・スウィンバーン)を紹介される。 入浴したマーカスは、奴隷のアーサス(バディ・ベア)の巨体を見て驚き、剣闘士でもないと言う彼が戦いを嫌うことを疑問に思う。 その夜、プラウティウスの娘リジア(プラウティウス)を奴隷と間違えたマーカスは、彼女に謝罪する。 マーカスは、美しいリジアに惹かれる。 食事を済ませたマーカスは、リジア人のリジアがプラウティウスの養女で、王の娘である彼女が人質として捕えられていたことを知る。 そこに現われたパウロ(アブラハム・ソファー)を歓迎したプラウティウスは、タルススから来た彼にマーカスとフラビウスを紹介する。 ユダヤ人のラビだと言うパウロが、ある哲学のようなものを教えていることを知ったマーカスは、フラビウスと共に部隊の見回りに向かう。 パウロが捜していた、キリストの声を聞いた”漁師”ペトロ(フィンレイ・カリー)がローマに来ることを知ったプラウティウスは喜ぶ。 ペトロが撒いた種は多くの場所で芽を出し、いたるところで”魚の印”(イクトゥス)を見せられたということだった。 パウロは、キリスト教の迫害が続く中、マーカスらも警戒しなくてはならないと考えるが、ローマ帝国の象徴とも言える彼らにこそ、教えを広めることが必要だという話をする。 その後、イクトゥスを地面に描き考え事をしていたリジアは、戻って来たマーカスに迫られる。 それを断られたマーカスは、明日の宮殿の祝宴にも行きたくないと言うリジアに理由を訊く。 姿には惹かれるが、征服の話ばかりされるのは好まないと言うリジアは、争いを避けることは可能なはずだとマーカスに伝える。 奴隷も必要ではなく、人は皆、平等だという話を理解しないマーカスからローマの人質呼ばわりされたリジアは、気分を害してその場を去る。 リジアを追うマーカスは、行く手を阻むアーサスから、プラウティウスらの護衛だと言われる。 部屋に向かったリジアは、主に祈りを捧げる。 翌日、凱旋式を控え、市民を嫌うネロは式典に出席することを拒む。 ペトロニウスに説得されたネロは市民の前に姿を現し、ペトロもそれを見つめていた。 他の遠征部隊と共にマーカスの軍団の凱旋式は始まり、ポッパエアは彼に興味を持つ。 式を終えてペトロニウスと話したマーカスは、奴隷法について尋ねる。 連れて来られたスペインの女奴隷ユーニス(マリーナ・ベルティ)を与えられたマーカスは、この場から離れたくないと言う、彼女の望み通りにするべきだとペトロニウスに意見する。 不満ではあったが納得したペトロニウスは、プラウティウスの屋敷にいるリジアの話をするマーカスに、敗戦国の人質はネロのものだと伝える。 それを知ったマーカスは、力づくでもリジアを奪うとペトロニウスに伝える。 翌日、ネロの命令により、リジアは宮殿に連行される。 女人部屋に向かったリジアは、かつてネロの愛人だった女主人アクテ(ロザリー・クラッチェリー)に迎えられ、皇帝の祝宴に連れて行かれる。 現われたマーカスに迫られたリジアは、帰りたいことを伝える。 そこにネロが現れて祝宴が始まり、ポッパエアは、マーカスとリジアの様子を気にする。 出席者の要望に応えたネロは歌い、その後、マーカスに与えたリジアを見に行く。 自分がマーカスのものとなり、プラウティウスは父ではなくなったとネロから知らされたリジアは驚く。 惹かれたことを後悔するとマーカスに伝えたリジアは、対等な立場でなければ愛せないと言って納得しない。 ポッパエアに呼ばれたマーカスは、リジアをプラウティウスの元に連れて行くよう兵士に指示する。 マーカスと話したポッパエアは、彼を牽制する。 屋敷に戻るリジアにイクトゥスを描いて見せたアクテは、キリスト教徒だと伝える。 途中、兵士に襲い掛かったアーサスは、リジアを救って逃げる。 翌朝、プラウティウスを訪ねたマーカスは、リジアが戻っていないことを知る。 プラウティウスに非難されたマーカスは、ネロは滅びると言う彼の言葉を許せない。 ポンポニアに引き留められたマーカスは、息子同然と思ってくれている彼女から、リジアが自分を愛し信じていたと言われる。 戻ったマーカスから話を聞いたペトロニウスは、何かを隠している様子のプラウティウスの屋敷にパウロが出入りしていることを知り、彼らがキリスト教徒だと気づく。 キリスト教徒はネロにとっても脅威だと言われたマーカスは、直ぐに手を打とうとする。 下手に騒げばリジアを失うと言うペトロニウスは、カイロ(ジョン・ラドック)という占い師の元に向かい、リジアを捜すようマーカスに指示する。 ユーニスが自分に惹かれていることを知ったペトロニウスは、彼女をアンティウムに連れて行くことにして喜ばせる。 カイロと話したマーカスは、キリスト教徒がイクトゥス”魚の印”を使うことを知り、それをプラウティウスの屋敷で見たことを思い出し、信者たちの集会について尋ねる。 カイロと剣闘士クロトン(アーサー・ウォルジ)と共にキリスト教徒の集会に向かったマーカスは、儀式の様子を見守る。 話を始めたパウロは、キリストの言葉を聞いた最初の使徒ペトロを皆に紹介する。 漁師だった自分が主と出会い、主の磔刑による死、そして復活などを話すペトロは、”暴力に対し同じことを返してはならない、敵を愛し祝福を与えよ”、”迫害する者に善い行いをせよ”という主の言葉を語り、耐えて至福の時を過ごせば祝福されると言って祈りを捧げる。 ペトロの話に何かを感じたマーカスは、その場にいたリジアを見つける。 その後、追われていることに気づいたアーサスは、リジアらを逃がしてマーカスらに立ちはだかる。 マーカスを殴り倒したアーサスは、クロトンと格闘になり、叩きのめして川に投げ捨てる。 アーサスは、意識を失ったマーカスを、リジアがいるミリアム(エルスペス・マーチ)と息子ナザリウス(ピーター・マイルズ)の家に運ぶ。 翌朝、目覚めたマーカスは、クロトンを殺したことでアーサスから謝罪される。 それを気にしないマーカスは、アーサスから殺人は罪だと言われる。 自分を嫌うリジアのことを潔く諦めたマーカスは、彼女を解放して去ろうとする。 リジアに引き留められたマーカスは、嫌ってなどいないと言われ、二人は抱き合い愛を確かめる。 マーカスが集会に来ていたことを知ったリジアは、自分が求めていたものが分かったと言われ、結婚を申し込まれる。 一緒にいるためならキリストを認めると言うマーカスに、リジアは、心の中で主を思ってほしいと伝える。 それを受けいらられないマーカスは、現れたパウロから、主を受け入れて内面を変えるには時間がかかると言われる。 奴隷を解放するようパウロに指示されたマーカスは、自分の敵は愛せないと伝える。 剣ではなく愛で接するようにと言われたマーカスは、それは臆病者のすることだと伝える。 マーカスは、主を受け入れなければ愛とは言えないと考えるリジアの説得を聞こうとしない。 武力こそが愛だと言うマーカスは、今回のことは口外しないが、ローマを脅かすようであれば許さないと伝えて、壁の十字架を壊してその場を去る。 もう少しでマーカスについて行きそうだったと言って涙するリジアに、パウロは、誘惑は主にもあったと伝える。 アンティウム。 ネロは、建築家ファオン(D. A.クラーク=スミス)に、街に火を放ち再生する考えを伝える。 マーカスからキリスト教徒の集会のことを聞いたペトロニウスは、ポッパエアに呼ばれた彼の姿を見つめながら、嫌な予感がするとユーニスに伝える。 最近自分を避けているネロが、何かを企んでいると考えたペトロニウスは、今後の成り行きを見守るしかなかった。 マーカスとリジアの関係が壊れたことを知ったポッパエアは、彼を誘惑する。 その後、マーカスやポッパエア、ペトロニウスを呼び寄せたネロは、新生ローマの模型を見せる。 ティゲッリヌスから、ローマが燃えていることを知らされたネロは興奮する。 宮殿以外は燃えていることを知ったマーカスは、馬車でローマに向かう。 追っ手を振り切ったマーカスは、火の海となったローマに到着してリジアらを捜す。 逃げ道がない市民を助けようとしたマーカスは、下水道から避難させる。 リジアを見つけたマーカスは、ミリアムが死んだことを知る。 リジアをアーサスとナザリウスに任せたマーカスは、宮殿を守っていた指揮官を殺して扉を開け、市民を広場に入れる。 プラウティウスらと共にローマに戻ったネロは、燃える街並みを見ながら歌う。 市民が広場に押し入って来たことに気づいたネロは、叫び声などを聞く気になれずにその場を去る。 ネロが放火犯だと考える市民の怒りは爆発する。 市民に語り掛けることを拒んだネロは、身代わりになるようティゲッリヌスに命ずる。 ティゲッリヌスから、自分が死ねば皇帝を守れないと言われたネロに、ポッパエアは、敵であるキリスト教徒を放火犯にすることを提案する。 それに従ったネロは、自分を放火犯にしたキリスト教徒の陰謀を文章にしてサインしようとする。 ペトロニウスから、サインすれば歴史の上で皇帝の名を汚したことになると言われたネロは、キリスト教自体を歴史から抹殺できると伝える。 避難地からローマに戻ることをリジアに伝えたマーカスは、人々を救ってくれたことでペトロに感謝されるものの、リジアのためにやったとだけだと伝えて出発する。 母ミリアムを亡くし、失意のナザリウスを慰めるペトロは、ギリシャで漁師になることを提案して納得させる。 放火犯がネロだと知らせて、ガルバを皇帝にすることもできたとユーニスに話すペトロニウスは、それができなかったのはネロを愛しているからだと伝える。 側近であるにも拘らず傍観者となってしまったのが今回の事態の原因だと、ペトロニウスはユーニスに話す。 ネルウァ将軍(ノーマン・ウーランド)とスキピオと共に現れたマーカスは、今こそガルバを皇帝にする時だとペトロニウスに伝える。 ガルバを呼び寄せると言うマーカスは、ペトロニウスに署名を求める。 署名したペトロニウスは、ポッパエアがリジアを妬んでいることをマーカスに知らせて、放火犯はキリスト教徒だとネロが市民にふれこんだと伝える。 その場を去るマーカスを見つめながら別れを告げたペトロニウスは、その言葉を気にするユーニスに、友人を呼んで夕食を共にすると伝える。 リジアの元に戻ったマーカスは、皆、護衛隊に連行され牢屋に入れられたことを知る。 牢獄に向かったマーカスは、ティゲッリヌスに捕えられ牢屋に入れられる。 その場にいたリジアと抱き合ったマーカスは、以前、非難したことをプラウティウスから謝罪される。 キリスト教徒を殺すためのライオンが用意され、それを知り怯える少女(エイドリアン・コリ)に、リジアは主が救ってくださると伝える。 信者達は、それを信じるしかなかった。 ナザリウスと共にアッピア街道を南に向かうペトロは、神の光に気づき、どこかに行かれる主に問いかける(クォ・ヴァディス)。 ”ローマの市民が私を求めている、見捨てるなら、自分はもう一度十字架にかけられるためにローマに向かう・・・” 主の言葉を話したナザリウスが何も覚えていないために、主が自分に語り掛けたと考えたペトロは、ローマに向かう。 セネカら友人達を集めた宴でペトロニウスは、ユーニスを自由の身にして、屋敷や財産を与えることを伝える。 医師を呼んだペトロニウスは毒を刺され、一人で生きる気のないユーニスも自ら毒を刺し、二人は愛を確認する。 セネカらを前に、ネロへの手紙を代筆させたペトロニウスは、”あなたの時代に生まれたのが間違いで、母と妻を殺し、ローマに火を放ったことは許すが、歌を聴かされるのは耐え難い苦しみであり、芸術は傷つけないでほしい・・・”と伝える。 手紙をセネカに託したペトロニウスは、それをネロに届けることを約束してもらい、ユーニスと共に息絶える。 その後、ペトロニウスが死んだことをセネカから知らされたネロは、別れの手紙を受け取る。 自分を想ってくれたと考えたネロはペトロニウスの死を悼むが、手紙を読み激怒する。 闘技場に集められたキリスト教徒は、ネロとポッパエア、そして市民の目の前でライオンの餌食となる運命だった。 少女と共に神に祈るポンポニアを見つめるプラウティウスは、彼女らと共に自らも苦しむ覚悟を決める。 その場に現れたペトロは、殉教者のために祈りを捧げ、ネロの統治はこの日だけだが、主は永遠であると市民に語りかける。 ペトロは捕らえられるが、恐怖に怯えていたポンポニアらは、彼の言葉を聞きその場で歌い始める。 ネロの指示により無数のライオンは放たれ、キリスト教徒たちは食い殺される。 牢に入れられたペトロに、自分たちは主に見捨てられたのか尋ねたリジアらは、主のおぼしめしだと言われて歌い始める。 怯えないキリスト教徒の態度を不満に思うネロは、マーカスとリジアは次に殺すことをティゲッリヌスに指示する。 それに意見したポッパエアは、後の楽しみに取っておきたいことをネロに伝えて納得させる。 処刑は続き、夜になり死体を見て回ったネロは、ペトロを特別な方法で殺すことを考える。 苦しみの中で愛を確かめ合ったマーカスとリジアは、ペトロの祝福を受けて結婚しようとする。 リジアのために、神を信じることをペトロに伝えたマーカスは、彼女と共に祝福される。 猛牛を確認したポッパエアは、リジアをその餌食にして、ネロを喜ばせることを考える。 牢から出されたペトロは、皇帝に対する反逆罪にあたる説教を最初に行ったヴァチカンに連行され、その場で逆さまの磔刑に処される。 その後、十字架に磔にされたプラウティウスは、ネロこそが放火犯だと市民に伝えながら火刑に処される。 プラウティウスの言葉を聞いた市民の心は動かされ、主人の姿を見つめるアーサスは涙する。 アーサスから、プラウティウスが話していたことは聞こえなかったと言われたリジアは、マーカスに抱かれながら泣き崩れる。 翌日、ネロとポッパエアの元に連れて行かれたマーカスは、リジアとアーサスが猛牛の餌食になる姿を見せられることになる。 リジアを守ろうとするアーサスは、迫る猛牛に勇敢に立ち向かい、激闘の末に抑え込み息の根を止める。 拘束を逃れたマーカスはリジアの元に向かい、市民やセネカらは、彼らを生かすことをネロに要求する。 フラビウスらマーカスの部下が護衛隊に襲い掛かり、死を望むネロのサインは打ち消される。 市民に話しかけたマーカスは、無実の人々を殺したネロの陰謀を暴露し、ガルバ将軍が今夜ローマに到着することを伝え、新皇帝を称える。 その場は騒然となり、ネロとポッパエアは逃れ、ティゲッリヌスは部下に殺される。 宮殿に向かったネロは、広場になだれ込む市民を確認して、ポッパエアから、護衛隊がいないことを知らされる。 自分をそそのかしたと言ってポッパエアに襲い掛かったネロは、彼女を絞殺する。 市民は迫り、部屋に逃げ込んだネロは、その場にいたアクテから、せめて最期だけは皇帝らしくしてほしいと言われ剣を渡される。 ネロを愛するアクテは、覚悟を決めた彼に手を貸し、剣を胸に突き刺す。 その後、ローマに戻るガルバを見守るマーカスは、帝国の再建について考える。 リジアとアーサスと共にシチリアに向かうマーカスは、同行するナザリウスから、神の声が聞こえローマ戻った場所を知らされる。 マーカスらはその場を去り、輝く光が現れ主の言葉が聞こえる。
...全てを見る(結末あり)
新生ローマの街並みの模型を前に、アクテから未だ愛していると言われたネロは、それを受け入れる気になれず彼女を追放する。
*聖ペトロ十字
*(簡略ストー リー)
西暦64年、ローマ帝国。
3年間の遠征を終えてローマに戻り、皇帝ネロに迎えられ凱旋した軍団司令官のマーカス・ヴィニシウスは、皇帝の側近である伯父ペトロニウスから、引退した将軍プラウティウスの屋敷に向かうことを指示される。
その場にいたプラウティウスの養女リジアに惹かれたマーカスは、彼女らが、ネロが迫害を続けるキリスト教徒であることを知る。
ネロの所有物であったリジアを手に入れ愛を確かめたマーカスは、心の中で主を想ってほしいと言う彼女の言葉に従う気にはなれず苦悩する・・・。
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ローマ皇帝”ネロ”によるキリスト教徒の迫害をテーマにした歴史劇で、サム・ジンバリストが後に製作する「ベン・ハー」(1959)と通じる内容の”キリストの物語”でもある。
*タイトルについては、”クォ・ヴァディスの語が示すもの”を参照
第24回アカデミー賞では、作品賞以下7部門にノミネートされるものの受賞はならなかった。
・ノミネート
作品
助演男優(レオ・ゲン/ピーター・ユスティノフ)
音楽賞(ドラマ・コメディ)・美術(カラー)・撮影(カラー)・衣裳デザイン(カラー)・編集賞
クライマックスなどをドラマチックに仕上げるために、言い伝えられている事実とは異なる部分はあるが、セットや衣装を含め、かなり詳細に当時の様子が描かれている。
上記のように、映画史上に残る超大作である「ベン・ハー」に勝とも劣らないスケールで描かれる映像は圧巻で、見応えある作品に仕上がっている。
*クライマックスで、ローマに戻るガルバ将軍とその軍団が映す出されるシーンで、「ベン・ハー」も担当するミクロス・ローザの同作の曲”戦車兵のパレード”が使われている。
撮影はイタリアの”チネチッタ”で行われ、デビュー当時のソフィア・ローレンがリジアの奴隷で、既にMGMスターであったエリザベス・テイラーが、競技場で殺されるキリスト教徒として特別出演している。
また、セルジオ・レオーネが助監督を担当している。
主演のロバート・テイラーは、迫害されていたキリスト教徒の女性を愛してしまい、ローマ帝国軍の司令官の立場で苦悩する役柄を熱演している。
主人公と愛し合う、美しさ際立つヒロインを演ずるデボラ・カー、ローマ皇帝”ネロ”の人間性を見事に演じて好演するピーター・ユスティノフ、主人公の叔父である皇帝の側近ペトロニウスのレオ・ゲン、魔性の女である皇帝妃ポッパエアを印象的に演ずるパトリシア・ラファン、キリストの使徒ペトロのフィンレイ・カリー(ベン・ハーにも出演、バルタザール/ナレーター)、リジア(デボラ・カー)とその一家を守る巨体の護衛バディ・ベア、ペトロニウスを愛する奴隷のマリーナ・ベルティ(ベン・ハーにも出演)、キリストの使徒パウロのアブラハム・ソファー、リジアの養父である引退した将軍プラウティウスのフェリックス・アイルマー、その妻ポンポニアのノラ・スウィンバーン、皇帝の護衛隊長官(プラエフェクトゥス・プラエトリオ)ガイウス・オフォニウス・ティゲッリヌスのラルフ・トルーマン(ベン・ハーにも出演)、主人公の部下で後に皇帝となる将軍ネルウァのノーマン・ウーランド、ペトロに神の声を伝えるキリスト教徒の少年ピーター・マイルズ、その母親エルスペス・マーチ、宮廷音楽家ジェフリー・ダン、政治家セネカのニコラス・ハネン、建築家ファオンのD. A.クラーク=スミス、ネロの元愛人アクテのロザリー・クラッチェリー、ギリシャの占い師ジョン・ラドック、剣闘士のアーサー・ウォルジ、女神を語るストレルサ・ブラウン、詩人マルクス・アンナエウス・ルカヌス:アルフレッド・ヴァレリ、主人公の副官ロベルト・オッタヴィアーノ、ペトロニウスの奴隷ウィリアム・タブス、皇帝となる将軍ガルバのピエトロ・トーディ、マーカスの奴隷リチャード・ガリック、宮廷の美容師クレリア・マタニア、祝宴のダンサー、ジュレック・シャベルスキーとマリカ・アバ、祝宴のレスラー、ジュゼッペ・トシ、イエスのロビン・ヒューズ、ポンポニアと共にライオンの餌食となるキリスト教徒の少女エイドリアン・コリ、そして、ナレーターはウォルター・ピジョンが担当している。