サイトアイコン That's Movie Talk!

プライドと偏見 Pride & Prejudice (2005)

1813年に発表された、ジェーン・オースティン同名小説の映画化。
”高慢”と”偏見”のぶつかり合いが邪魔をして互いを認め合うことが出来ない男女の恋を描く、監督ジョー・ライト、主演キーラ・ナイトレイマシュー・マクファディンドナルド・サザーランドブレンダ・ブレッシンジュディ・デンチロザムンド・パイクキャリー・マリガン他共演によるラブ・ストーリーの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

ロザムンド・パイク / Rosamund Pike / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョー・ライト
製作
ティム・ビーヴァン

エリック・フェルナー
ポール・ウェブスター

製作総指揮
ライザ・チェイシン
デブラ・ヘイワード

原作:ジェーン・オースティン高慢と偏見
脚本:デボラ・モガー
撮影:ロマン・オーシン
美術・装置
サラ・グリーンウッド

ケイト・スペンサー
衣装デザイン:ジャクリーン・デュラン
編集:ポール・トシル
音楽:ダリオ・マリアネッリ

出演
エリザベス・ベネット:キーラ・ナイトレイ
フィッツウィリアム・ダーシー:マシュー・マクファディン
ベネット:ドナルド・サザーランド
ベネット夫人:ブレンダ・ブレッシン
キャサリン夫人:ジュディ・デンチ
ジェーン・ベネット:ロザムンド・パイク
チャールズ・ビングリー:サイモン・ウッズ

ウィリアム・コリンズ:トム・ホランダー
ウィッカム:ルパート・フレンド
シャーロット:クローディ・ブレイクリー
リディア・ベネット:ジェナ・マローン
キティ・ベネット:キャリー・マリガン

メアリー・ベネット:タルラ・ライリー
キャロライン・ビングリー:ケリー・ライリー

イギリス 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2005年製作 126分
公開
イギリス:2005年9月16日
北米:2005年11月11日
日本:2006年1月14日
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $38,405,090
世界 $120,051,590


アカデミー賞 ■
第78回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優(キーラ・ナイトレイ
美術・衣装デザイン・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
19世紀、イングランド
郊外の屋敷の主人ベネット(ドナルド・サザーランド)は、隣の屋敷に富豪のチャールズ・ビングリー(サイモン・ウッズ)が越して来るのを知る。

興奮する妻(ブレンダ・ブレッシン)や、娘達のジェーン(ロザムンド・パイク)、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)、キティ(キャリー・マリガン)、メアリー(タルラ・ライリー)、リディア(ジェナ・マローン)をベネットは落ち着かせる。

ビングリーの花嫁候補を5人も抱えるベネットは、妻や娘達に、翌日の舞踏会に彼が来ることを思わせ振りに伝える。

舞踏会の夜、花婿候補に目移りするベネット家の娘達は、ビングリーと、彼の親友である気難しい表情の青年フィッツウィリアム・ダーシー(マシュー・マクファディン)に紹介される。
...全てを見る(結末あり)

長女ジェーンはビングリーと踊り、彼はその美しさと思慮深さに惹かれるが、ダーシーはエリザベスにはそそられないと言い切り、それを彼女は陰で聞いてしまう。

知的で快活、そして気の強いエリザベスは、”愛情を育てるにはそそられなくても踊ること”と、ダーシーに言い残しその場を立ち去る。

帰宅したエリザベスは、ビングリーがジェーンを気に入っていることを喜び、ダーシーとは、今後口を聞かないことを誓う。

ビングリーの屋敷から、ジェーンに夕食の招待状が届くのだが、彼女は雨で風邪を引いてしまい、しばらく屋敷に滞在することになる。

ジェーンの様子を見に行ったエリザベスは、ビングリーがジェーンに好意を持っていることを確信し、それを知った両親も喜ぶ。

エリザベスは、自らの自尊心を露にしてダーシーと会話を交し、彼は不快感を表す。

母や妹が迎えに現れ、屋敷を立ち去る際に触れた手の感触で、エリザベスはダーシーの気持ちを察する。

やがて村に軍隊が駐屯することになり、ベネット家の娘達は、青年将校達が訪れることに胸を膨らませる。

女性には相続権がないため、彼が望めばベネット家の物が全て手に入る、いとこで牧師でもあるウィリアム・コリンズ(トム・ホランダー)が、屋敷を訪れる。

コリンズは、ジェーンを妻に迎える提案をベネット夫人にするが、彼女はジェーンが婚約を控えていることを告げエリザベスをと彼に伝える。

青年将校ウィッカム(ルパート・フレンド)と親しくなったエリザベスは、彼がダーシーと知り合いだということを知らされる。

子供の頃から一緒に育ったダーシーとウィッカムだったが、領主であるダーシーの父が使用人の息子ウィッカムを気に入っていたのに嫉妬し、ダーシーがウィッカムを追放してしまったという経緯があったということだった。

ビングリーの屋敷で舞踏会が催され、ウィッカムが不在だということを知ったエリザベスは、コリンズからダンスの誘いを受ける。

コリンズは、エリザベスに改めて話し合いたいことを伝えるが、彼女はダーシーのダンスの誘いを受けてしまう。

踊りながら、ダーシーの様子を窺うエリザベスは、自分の態度を理解する時が来るという彼の言葉を気にする。

翌日、コリンズはエリザベスにプロポーズするものの、彼女はそれを断固拒否する。

財産のない母親は、屋敷や妹のためにコリンズの求婚を受けるようエリザベスを説得するが、父ベネットは娘の意見を尊重する。

そんな時、ビングリーがロンドンに戻ってしまい、彼が、ダーシーの妹と結ばれるかもしれないという、ビングリーの妹キャロライン(ケリー・ライリー)からの手紙をジェーンが受け取る。

失意のジェーンは、叔母の家に身を寄せることになり、エリザベスの親友で、隣人のシャーロット(クローディ・ブレイクリー)が婚期を焦りコリンズと結婚してしまう。

シャーロットを訪ねたエリザベスは、領主キャサリン夫人(ジュディ・デンチ)の大邸宅に招かれ、そこで彼女の甥のダーシーと再会する。

食事の最中、傲慢なキャサリン夫人に対し、エリザベスは臆することなく率直な意見を口にして夫人を驚かせる。

翌日、コリンズ宅にダーシーが現れ、いつになく緊張した態度の彼は、突然帰ってしまう。

ダーシーが最近、ビングリーの身分違いの結婚を阻止して救ったという話を聞かされたエリザベスは、ショックを受ける。

身分違いだと、エリザベスにすれば暗に侮辱されているとしか思えない言葉をダーシーは発しながら、彼女に愛を告白する。

紳士的ではあるが、姉や家族を身分違いであると言い放つ、ダーシーの求愛を退けたエリザベスは、その後、彼からの告白の手紙を受け取る。

ウィッカムは浪費家で、ダーシーに何度も金の無心ををして、財産目当てに妹と駆け落ちしようとしたことを、エリザベスは手紙で知らされる。

エリザベスは、叔母達とダーシーの屋敷を訪ねることになり、引け目を感じる彼女は、彼が不在だと知りそれに同行する。

しかし、ダーシーはロンドンから戻り、エリザベスはよそよそしい会話を交わす。

そんな時、末の妹リディアが、ウィッカムと駆け落ちしたという連絡を受ける。

エリザベスは、地位も財産もなくなる妹の行動にショックを受け、ダーシーはそれに援助を申し出る。

そしてエリザベスは、リディアやベネット家が恥をかかないよう、ダーシーが結婚資金を出してくれた事を知る。

ビングリーは屋敷に戻ることになり、彼とダーシーがベネット家を訪れる。

ダーシーに、背中を押されたビングリーはジェーンに求婚し、彼女もそれを承諾する。

その夜、ベネット家は幸せに包まれ、ダーシーに対するわだかまりも、エリザベスの心から消えていた。

しかし、キャサリン夫人が現れ、甥のダーシーとの婚約の噂が真実かエリザベスに問い質す。

キャサリンはエリザベスを侮辱し、エリザベスは噂を否定して、無礼な夫人を追い返してしまう。

眠れぬ夜を過ごしたエリザベスは、現れたダーシーの愛を受け入れる。

父ベネットに呼ばれたエリザベスは、ダーシーを愛していることを告げ、慈悲深い彼を、自分は誤解していたことを告げる。

全てを知ったベネットは、娘の幸せな笑顔に幸福を感じ、結婚を承諾する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
19世紀、イングランド
郊外の屋敷の主人ベネットは、隣の屋敷に、富豪のビングリーが越して来るのを知り、興奮する妻や5人の娘達を落ち着かせる。
女性には相続権がない時代、娘達は資産家に嫁ぐしかなかった。
そして、催された舞踏会の夜、ベネット家の娘達は、ビングリーと、彼の親友で気難しそうな青年ダーシーに紹介される。
長女ジェーンと踊ったビングリーは、彼女の美しさと思慮深さに惹かれる。
エリザベスはし、ダーシーが、自分にはそそられないと言い切る言葉を陰で聞いてしまう。
気の強いエリザベスは、ダーシーの高慢な態度に強い反感を示し立ち去ってしまう。
その後も、エリザベスは自らの自尊心を露にしてダーシーと接し、彼もそれを不快に思うのだが・・・。
__________

ジェーン・オースティン同名小説は、1940年製作のグリア・ガーソンローレンス・オリヴィエ主演の「高慢と偏見」他、テレビなどで何度もドラマ化された物語。

女性に相続権がない時代の、人々の婚姻に対する考えや”野望”が、生々しく展開するストーリーは実に興味深い。

初の長編作品にして、各方面から高い評価を受けたジョー・ライトの、落ち着いた映像表現に加えた、繊細で奥深く時に力強い人物描写は秀逸である。

ダリオ・マリアネッリの美しい音楽も、新緑の中の屋敷や湖などの自然を、一層鮮やかに映し出す効果を上げる。

第78回アカデミー賞では、主演女優(キーラ・ナイトレイ)、美術、衣装デザイン、作曲賞にノミネートされた。

北米興行収入は約3800万ドル、全世界では約1億2000万ドルのヒットとなった。

製作費 $28,000,000
北米興行収入 $38,405,090

主演のキーラ・ナイトレイの、気丈さと、終盤の、真実の愛を感じ取っていく感情表現は、撮影当時まだ19歳とは思えないほど素晴らしい。

紳士的に愛を告白しながら、”身分違い”を連呼するところなどが、いかにも”高慢な貴族”という感じのマシュー・マクファディン、優柔不断のようで、娘達を愛する気持ちを誰よりも持つ、ラストの安堵の表情が印象的なドナルド・サザーランド、財産を第一優先にする母親ブレンダ・ブレッシン、重厚な演技で他を圧倒する傲慢な領主ジュディ・デンチ、美しく思慮深い長女のロザムンド・パイク、押しの弱い富豪のサイモン・ウッズ、誠実ではあるが一人浮いているトム・ホランダー、実は策略家であった青年将校ルパート・フレンド、ベネット家の娘達キャリー・マリガンタルラ・ライリージェナ・マローンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了