1963年に発表された、ピエール・ブールの同名小説を基に、1968年に製作された「猿の惑星」をベースにした作品。 監督ティム・バートン、マーク・ウォールバーグ、ティム・ロス、ヘレナ・ボナム=カーター共演。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:ティム・バートン
製作総指揮:ラルフ・ウィンター
製作:リチャード・D・ザナック
原作:ピエール・ブール
脚本
ウィリアム・ブロイルスJr.
ローレンス・コナー
マーク・ローゼンタール
撮影:フィリップ・ルースロ
編集:クリス・レベンゾン
特殊メイク:リック・ベイカー
音楽:ダニー・エルフマン
出演
レオ・デイヴィッドソン大尉:マーク・ウォールバーグ
セード将軍:ティム・ロス
アリ:ヘレナ・ボナム=カーター
アター:マイケル・クラーク・ダンカン
カルービ:クリス・クリストファーソン
デイナ:エステラ・ウォーレン
リンボー:ポール・ジアマッティ
クラル:ケイリー=ヒロユキ・タガワ
サンダー:デビッド・ワーナー
ティバル:エリック・アヴァリ
ノヴァ:リサ・マリー
グンナー:エヴァン・デクスター・パーク
ネード元老院議員:グレン・シャディックス
ゼイウス:チャールトン・ヘストン
カール・ヴァシック将軍:クリス・エリス
囚われの女:リンダ・ハリソン
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2001年製作 120分
公開
北米:2001年7月27日
日本:2001年7月28日
製作費 $100,000,000
北米興行収入 $180,011,740
世界 $362,211,740
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2029年、アメリカ空軍・宇宙探索基地オベロン。
磁気嵐の影響を受けたオベロンのカール・ヴァシック将軍(クリス・エリス)は、レオ・デイヴィッドソン大尉(マーク・ウォールバーグ)を司令室に呼び出す。
レオは、自分が志願して嵐の中心部の探査に向う意向を将軍に告げる。
しかし、規則に従いそれは却下され、実験用チンパンジーを探査に向かわせることになる。
命令に従い、レオはチンパンジーのペリクルーズをポッドで嵐の中に飛び立たせるが、たちまち消息を絶ってしまう。
その直後、レオは将軍の命令を無視して、ポッドに乗りペリクルーズの捜索に向かう。
ペリクルーズを発見したレオだったが、強力な磁場に引き込まれ、ある惑星に不時着する。
一命を取り留めたレオは、突然現れた、人間を襲う猿の軍団に捕らえられてしまう。
そしてレオは、猿達が言葉を話し、人間を奴隷のように扱っていることを知る。
知性を持った猿達は、人間を檻に閉じ込めて虐待していたが、人間に同情的なアリ(ヘレナ・ボナム=カーター)は、軍を率いるセード将軍(ティム・ロス)らの残虐な行為に反感を抱いていた。 アリの行動を見たレオは彼女に助けを求め、彼女は奴隷商人リンボー(ポール・ジアマッティ)から、レオと反抗的な女奴隷ディナ(エステラ・ウォーレン)を買い取る。 アリの父で元老院議員のサンダー(デビッド・ワーナー)は、セードやネード元老院議員(グレン・シャディックス)らを夕食に招く。 そしてサンダーは、セードや軍の人間への行き過ぎた行為に苦言を呈する。 セードはそれに対して意見を述べ、聞く耳を持たないため、アリは憤慨し席を外してしまう。 アリに心を寄せるセードは、彼女のその態度に不満を示す。 その後、セードは、空から飛来した落下物を目撃した部下を現場で抹殺する。 アリの元で召使として働いていたレオは、ディナやティバル(エリック・アヴァリ)を連れて檻を抜け出す。 ディナの父カルービ(クリス・クリストファーソン)らも解放し、レオは出くわしたアリに、驚くものを見せると約束して協力を求める。 アリはそれを承諾して、使用人でボディーガードのクラル(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)も同行して逃亡する。 しかし、彼らは、セードの部下アター(マイケル・クラーク・ダンカン)に見つかり、カルービが犠牲になり、一行を逃がす。 それを知ったセードは、アターに一行の抹殺命令を出し、レオのみ生け捕りにするよう伝える。 レオは水中のポッドに戻り装備品を持ち出すが、ディナはセードが殺した部下を発見する。 誰かが先にこの場所に来たことを知ったレオは、通信機で、オベロンがこの惑星に着陸していることを知り、その場所に向うことになる。 自分が、アメリカ空軍の大尉だと一行に伝えたレオは、後を追ってきたリンボーを捕らえて同行させる。 セードは、アリがレオらに誘拐されたとサンダー議員に報告し、人間を一掃する権限を得て、戒厳令を布き軍隊を出動させる。 死を間近にした父ゼイウス(チャールトン・ヘストン)から、セードは、大昔に猿と人間が立場を逆にしていた証拠の武器を見せられる。 そしてゼイウスは、危険な人間の抹殺をセードに命じて息を引き取る。 禁断の地、聖なる”カリマ”には遺跡があり、生命が創造され、万能の神が、最初の猿”セモス”に生命を与えた場所だということを、レオはアリから聞かされる。 レオ達は、立ちはだかるアター傘下の軍の野営地を馬で突破し、水を恐れる猿の習性を利用して川を渡り、軍団から逃れることに成功する。 それを知ったセードは、自らが師団の指揮を執り、カリマに向けて進軍を始める。 野営をしたレオ達一行の中で、元軍人でアターの上官でもあったクラルは警戒心を強める。 翌日、カリマに着いたレオは、遺跡のカリマという語源が それが、自分の母艦オベロン船内の”動物生育区画”だったことを知り、レオはショックを受ける。 朽ち果てた宇宙船に驚くレオは、永久核動力で起動した司令室のデータベースから、映像日誌を開く。 そしてレオは、自分が未来に飛ばされた後、オベロンにいた猿達が、時を経て人間を支配し始めたことを知る。 人間達はカリマに集まるが、セードに率いられた大軍も迫り、クラルを伴ったアリが、セードとの取引に向う。 しかし、アリは手のひらに人間の焼印を入れられ、セードに追い返される。 レオは、オベロンの乗組員を死に追いやった自分を責め、帰還できないことを嘆くが、アリの焼印を見て、彼女も家には戻れないことを知る。 オベロンに、燃料が残されていることを知ったレオは、エンジンを噴射して敵を混乱させる作戦を思いつく。 そして夜が明け、セードの軍は迫り、レオは全員を船の背後に配置する。 セード軍は、カリマに到着して人間達に襲い掛かり、レオは、船のエンジンを噴射してセード軍の第一陣を倒すが、燃料は使い果たしてしまう。 人間はレオの指示で、傷ついたセード軍の兵士に襲い掛かり、そしてセードも総攻撃を開始する。 アターとクラルは、武器を捨てて素手で対決を始め、クラルは殺される。 そして、セードがレオに襲い掛かった時、大空からポッドが舞い降り、中からペリクルーズが現れる。 猿達は、それが創造の神”セモス”だと思い込み、一斉に頭を垂れる。 オベロンに駆け込んだペリクルーズを追い、レオとセードは格闘になる。 しかし、レオは、セードを司令室に閉じ込めてしまう。 アターは、レオを殺せと言うセードの命令には従わず、アリも彼を見捨てる。 クラルはアターの手で埋葬され、レオはペリクルーズをアリに託す。 磁気嵐の座標が分かり、レオは、アリやリンボーそしてディナに別れを告げ、ポッドに乗り飛び立って行く。 時空を越えたレオのポッドは、地球に接近する。 その後レオはワシントンD.C.に不時着し、セードが、地球を救った支配者となったことを知る。 そしてレオは、駆けつけた猿の警官や報道陣に取り囲まれる。
...全てを見る(結末あり)
”CAution LIve aniMAls”という言葉の一部だったことに気づく。
参考:
・「猿の惑星」(1968)
・「続・猿の惑星」(1970)
・「新・猿の惑星」(1971)
・「猿の惑星・征服」(1972)
・「最後の猿の惑星」(1973)
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・「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(2001)
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・「猿の惑星:創世記」(2011)
・「猿の惑星:新世紀」(2014)
・「War of the Planet of the Apes」(2017)
*(簡略ストー リー)
磁気嵐が接近した宇宙基地から、探査用の猿を乗せたポッドが発射されるが消息を絶ってしまう。
乗務員レオ・デイヴィッドソン大尉は、司令官の命令を無視して猿の乗ったポッドを追い、磁気嵐に巻き込まれ、ある惑星に不時着してしまう。
そこでレオは、人間と猿の立場が逆転した社会に遭遇する。
猿に捕らえられたレオは、人間に協力的な猿アリらの協力で、惑星に着陸していることが確認された宇宙基地オベロン捜索のため逃亡する。
しかし、人間の脅威に気づいていた、軍を率いるセード将軍が、大軍を従えレオ達を追う・・・。
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高い知性を持つ猿が人間を支配する惑星に、一人の地球人が降り立ち、猿社会の起源を見つけるという筋立て以外は、1968年版とは全く違う設定となっている。
1億ドルの製作費をかけ、北米で約1億8000万ドル、全世界では約3億6200万ドルの大ヒットとなった。
明らかに続編が作られそうなラストだったのだが、その後その気配がないまま、新たなシリーズとして「猿の惑星: 創世記」(2011)が公開された。
続編が作られなかったのは、批評家、一般共に、あまりにも悪かった評価のせいだろうか・・・。
独特のティム・バートンの世界が、やや影を潜めていて、かなりよく出来てはいるものの、1968年版の時のような、当時としては衝撃的かつ革命的なメイクに比べると、技術が進歩しただけで、さすがのリック・ベイカーも今回は平凡な仕事のようにも思える。
作品自体は、ラジー賞で、リメイクと助演男・女優(チャールトン・ヘストン/エステラ・ウォーレン)も受賞してしまった。
1968年版の主演チャールトン・ヘストンの、猿社会の実力者役は面白みはあったが、空軍の司令官あたりで登場し方が良かったかもしれない。
ダニー・エルフマンの音楽は、何となく旧作を思い起こさせ、ノスタルジックな雰囲気を味わえる。
主演のマーク・ウォールバーグは、勇敢で統率力ある、逞しい軍人を好演しているので、続編への出演が期待されたのだが・・・。
猿の仕草など、成りきっている感じの、傍若無人で残虐な指揮官ティム・ロスと、愛くるしいメイクが印象的で人間に友好的なヘレナ・ボナム=カーターの熱演は、本作の見所の一つだ。
巨体の軍団長マイケル・クラーク・ダンカン、気弱な奴隷商人ポール・ジアマッティ、娘達を逃がす為に犠牲になるクリス・クリストファーソン、その娘で、美しいものの、ややミスキャスト気味のエステラ・ウォーレン、勇敢なアリ(H・B=カーター)の使用人兼護衛役ケイリー=ヒロユキ・タガワ、アリの父親で老院議員デビッド・ワーナー、同じく元議員グレン・シャディックス、その妻リサ・マリーなどが共演している。
また、旧作のノーヴ役のリンダ・ハリソンも囚われた人間役で端役出演している。