大企業の経営者となった2人の元炭坑夫と彼らと関係する女性の波乱の人生を描く、監督ルイス・セイラー、主演マレーネ・ディートリッヒ、ランドルフ・スコット、ジョン・ウェイン、フランク・クレイヴン他共演のドラマ。 |
・ドラマ
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ルイス・セイラー
製作:チャールズ・K・フェルドマン
原作
ジョージ・オーウェン
トム・リード
脚本
ケネス・ガメット
トム・リード
撮影:ロバート・デ・グラス
編集:ポール・ランドレス
音楽
ハンス・J・サルター
フランク・スキナー
出演
ジョジー”ハンキー”ウィンターズ:マレーネ・ディートリッヒ
ジョン”キャッシュ”エヴァンス:ランドルフ・スコット
チャールズ”ピッツバーグ”マーカム/チャールズ・エリス:ジョン・ウェイン
J.M.”ドク”パワーズ博士:フランク・クレイヴン
シャノン・プレンティス:ルイーズ・アルブリットン
ジョー・マルネック:トーマス・ゴメス
ショーティ:シェンプ・ハワード
グラズリッチ博士:ルドウィッグ・ストッセル
モーガン・プレスティス:サミュエル・S・ハインズ
バーンサイド:ポール・フィックス
ジョニー:ウィリアム・ハード
マイク:チャールズ・コールマン
バーニー:ネストル・パイヴァ
サトクリフ:レイ・ウォーカー
結婚式の招待客:グレース・カナード
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1942年製作 91分
公開
北米:1942年12月11日
日本:1951年10月23日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
鉄鋼会社”マーカム&エヴァンス”。
社長のジョン”キャッシュ”エヴァンス(ランドルフ・スコット)は、戦時下での政府の兵力増強策により、益々、繁栄が期待される自社について社員の前で語る。
キャッシュは、共に会社を築いたチャールズ”ピッツバーグ”マーカム(ジョン・ウェイン)と研究者のJ.M.”ドク”パワーズ博士(フランク・クレイヴン)、組合のリーダーであるジョー・マルネック(トーマス・ゴメス)の功績について話し、全社員に感謝する。
オフィスに戻ったキャッシュは、ピッツバーグとパワーズと共に、飾られたジョジー”ハンキー”ウィンターズ(マレーネ・ディートリッヒ)の絵を見ながら乾杯する。
今の自分たちがあるのはハンキー/ジョジーのおかげだと言うパワーズは、炭坑夫だった頃のキャッシュとピッツバーグのことを語り始める。
__________
炭坑での仕事を終えたキャッシュとピッツバーグは、パワーズの研究室に向かい酒を探す。 助手のグラズリッチ博士(ルドウィッグ・ストッセル)を紹介されたキャッシュとピッツバーグは、パワーズから、昔は捨てていた”コールタール”が様々な用途に使えることを知らされる。 棚にあった酒瓶を見つけたピッツバーグは、パワーズから持って行けと言われて、キャッシュと共に仕立屋に向かう。 服を新調したキャッシュとピッツバーグは、主人のショーティ(シェンプ・ハワード)に付けにしてもらおうとする。 納得しないショーティと外に出たピッツバーグは、向かいの劇場で、ボクシングのヘビー級王者キラー・ケインのイベントが行われていることに気づく。 ケインと3分間、戦えたら100ドルもらえることを知ったピッツバーグは、対戦しようとする。 水をはねた車に服を汚されたピッツバーグは、乗車していた美しい女性ジョジー(マレーネ・ディートリッヒ)に惹かれてしまう。 劇場に向かい、ケインに挑戦しようとしたピッツバーグは、キャッシュを彼と戦わせる。 劣勢だったキャッシュは反撃してダウンを奪うものの、妨害されてしまう。 ピッツバーグがそれを阻止し、キャッシュはケインをノックアウトしてその場は乱闘になる。 キャッシュはショーティに金を払い、ピッツバーグとその場から逃げる。 パワーズの家の下の炭坑が落盤したことを知ったキャッシュとピッツバーグは、ジョジーの車を借りて現場に向かう。 ジョジーが乗っていることに気づいたキャッシュとピッツバーグは、彼女に落盤があったことを知らせる。 キャッシュとピッツバーグは、パワーズが地下で瓦礫に挟まっていることを知り、その場に向かう2人にジョジーもついて行く。 パワーズの元に着いた3人は、崩れる寸前で彼を助け出す。 パワーズに治療を受けさせたピッツバーグはジョジーと話し、君のような行動的な女性を”ハンキー”と呼ぶと伝える。 移民だったジョジーの父親も炭坑夫で、事故で死んだことを知ったピッツバーグは、貴婦人のようだった彼女の大胆な行動に納得する。 一生、炭坑夫でいる気はないと言うピッツバーグは、大物になると伝えてジョジーにキスする。 暗い人生だったジョジーは、自分たちは同類だと言うピッツバーグに、別の人生を探すと伝えて去ろうとする。 2人の様子を見ていたキャッシュは、ジョジーを口説くのはやめて街まで送るだけにする。 その後、毎晩パワーズの家に行くキャッシュを疑ったピッツバーグは、彼がその場を訪ねてくるジョジーと楽しんでいることを知る。 窓からパワーズの家に入ったピッツバーグはジョジーを口説くが、他の炭坑夫と同じで口だけだと言われ、約束したことは実行するが今日は無理だと伝える。 責任者に電話をしたジョジーは、ピッツバーグが辞職することを伝えてしまい彼を驚かせる。 電話を代わったピッツバーグは、キャッシュと共に本当に辞めてしまい、大儲けする考えがあることを皆に伝える。 プレンティス製鉄。 その場にいたプレンティスの娘シャノン(ルイーズ・アルブリットン)に惹かれたピッツバーグは、キャッシュと共にコークスの話をするが、供給できる準備はできていなかった。 契約出来れば何とかすると言われたプレンティスは、25万ドルの資金が必要だと2人に伝える。 5時には戻るとプレンティスに伝えたピッツバーグは、彼のサインをマネて契約書を偽造し、鉱山の社長ウィルソンと交渉しようとする。 気が進まないキャッシュは、人々のためになり、パワーズの研究所も新しくできると言うピッツバーグの話に乗る。 プレンティスとの契約は成立し、ピッツバーグとキャッシュはそれをパワーズに知らせる。 ピッツバーグは旅立とうとするジョジーを引き留めて、新しい人生が始まると言って彼女との愛を確かめる。 ピッツバーグとキャッシュは死に物狂いで働き、マーカム&エヴァンスは軌道に乗り生活は激変し、パワーズは新しい研究所を手に入れる。 大企業の運営に慣れないまま、傲慢な経営を始めたピッツバーグは、世話になったウィルソンを追放してしまう。 ピッツバーグの誕生パーティーを計画したジョジーは、それに遅れた彼は仕事だと思う。 ジョーやパワーズは帰り、ピッツバーグが来ないために、ジョジーはキャッシュとクラブをはしごして、バーニー(ネストル・パイヴァ)のカフェに向かう。 そこにシャノンと共に現れたピッツバーグは、ジョジーとキャッシュに気づき、動揺しながら同席する。 キャッシュが気を利かせてシャノンをダンスに誘い、ジョジーから”仕事”の件を訊かれたピッツバーグは、彼女は取引先の娘だと答える。 パーティーを計画していたジョジーは、ピッツバーグが自分の誕生日も忘れていることを知る。 ジョジーと共に店を出たキャッシュは、気落ちする彼女を励ます。 その後、部屋に戻ったピッツバーグと話したキャッシュは、浮気を否定する彼に、自分はジョジーを大切にするつもりで、結婚したいと伝える。 笑い始めたピッツバーグは、明日の朝刊を見ろとキャッシュに伝える。 ピッツバーグとシャノンは婚約を発表し、ジョジーは当然、結婚式に出席しなかった。 盛大な披露宴も催されるが、ピッツバーグは上流社会の人々と話が合わなかった。 酔ったピッツバーグはジョジーを訪ね、結婚はビジネスのためであり、約束した通りに大物になったことを伝える。 今後も関係を続けようとするピッツバーグの頬を殴ったジョジーは、そばにいてほしいと言う彼を突き放す。 その後、ピッツバーグはウィルソンの炭鉱を買収し、やがてマーカム&エヴァンスの名を知らぬ者はいなくなり、石炭業界を独占して権力を手に入れ、義父プレンティスまでも追放する。 一方、キャッシュは仕事以外の社会貢献を考える。 ピッツバーグは、キャッシュや組合側との約束を破り、従業員の不満は募る。 キャッシュとジョーは何とか従業員を納得させ、ピッツバーグは帳簿の開示要求に応じる。 邸宅でパーティーを開いたピッツバーグは、結婚を考えているキャッシュとジョジーを招待する。 ピッツバーグに誘われて踊ったジョジーは、自分は変わったと彼に伝える。 帰宅したキャッシュは、すべてにおいてピッツバーグより自分が上手だとジョジーに話す。 キャッシュは、様々なことを学び浮ついた男には興味がなくなったと言うジョジーが自分を求めていることを確認し、必ず求婚すると伝える。 ピッツバーグとジョジーの関係を疑うシャノンは、離婚を考えるが、今は別れないと言われて彼を非難する。 その頃パワーズは、コールタールから染料やサルファ剤などができることをキャッシュとジョジーに説明する。 開発に時間がかかると判断したピッツバーグは、パワーズに研究を続けさせようとしない。 キャッシュから、パワーズやグラズリッチと共に辞めると言われたピッツバーグは、それを了承する。 組合のジョーから帳簿の開示を求められたピッツバーグは、キャッシュが約束したことだと言って、彼が辞めたことを伝えてそれを拒む。 ジョーから話を聞いたキャッシュは、従業員が黙っていないと考え何とかしようとする。 組合側のジョニー(ウィリアム・ハード)に呼び出されたピッツバーグは、彼を回顧する。 怒りが収まらないジョニーに襲われたピッツバーグは殴り返し、そこにキャッシュが現れる。 キャッシュは、恨みがあると言ってピッツバーグと殴り合いになる。 その場に向かったジョジーは、点検中のエレベーターに乗ってしまい、急降下して大怪我をする。 ジョジーは病院に運ばれて手術を受け、ピッツバーグは自分の言動を後悔してキャッシュに謝罪する。 自分のことしか考えないピッツバーグを批判したキャッシュは、いつかは破滅すると言って彼の話を聞こうとしない。 帰宅したピッツバーグは、シャノンとやり直そうとするものの離婚すると言われ、娘を迎えに来たプレンティスも彼を葬ろうとする。 ジョジーのことを心配するピッツバーグは、パワーズからの連絡で、彼女の手術が成功したことを知り安堵する。 ジョーの元に向かったピッツバーグは、謝罪するものの信じてもらえず、仕方なくその場を去る。 その後、社会貢献を考えたピッツバーグだったが、悪評は消えることなく、周囲から見放されて孤独になる。 復帰したプレンティスに追放されたピッツバーグは街を離れ、キャッシュとジョジーが結婚したことを知る。 その後、第二次大戦が勃発し、2年後には、日本が真珠湾を攻撃する大事件が起きる。 窮地に追い込まれたピッツバーグは、バーニーの店でパワーズに会い助言を求めるものの、足元が見えていないと言われただけだった。 ピッツバーグは、チャールズ・エリスと名前を変えてキャッシュの会社に雇われ、行員として汗にまみれて働き人間として成長する。 ジョジーとパワーズそしてジョーは、エリスがピッツバーグだと気づいていた。 ジョーと話をしたキャッシュは、解雇した製造部長の後任にエリスを推薦され、それを知ったジョジーとパワーズは喜ぶ。 現れたエリスがピッツバーグだと知ったキャッシュは、彼を追い出そうとして口論になる。 それを制止したジョジーは、今、大切なのは国への献身だと2人に話し、力を合わせるのが運命だと言って、彼らに協力を約束させる。 ピッツバーグとキャッシュは再びパートナーとなり、戦時下の国家のために貢献し、ジョジーは2人を支える。 パワーズは、ピッツバーグとキャッシュを前に、最も大切なことはパートナーだと2人に伝える。 奥の部屋から現れたジョジーは3人の話に加わり、社員のための娯楽施設の設計図を見せる。 パワーズは、アシスタントから新商品のコールタールが原料のタイヤを見せられ、試験を続けるよう指示する。 ピッツバーグとキャッシュ、ジョジーとパワーズは、国家の未来のために歩み続ける。
...全てを見る(結末あり)
キャッシュとピッツバーグは、社長のモーガン・プレスティス(サミュエル・S・ハインズ)に会い、安価なコークスを売り込もうとする。
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*(簡略ストーリー)
炭坑夫のジョン”キャッシュ”エヴァンスとチャールズ”ピッツバーグ”マーカムは、貴婦人のような女性ジョジー・ウィンターズと出会う。
ジョジーに惹かれたピッツバーグは、彼女も炭坑夫の娘だったことを知り、大物になることを彼女に約束する。
その言葉を証明させようとしたジョジーは、ピッツバーグに仕事を辞めさせてしまう。
キャッシュと共に炭坑夫を辞めたピッツバーグは会社経営を始めて、大手製鉄会社のプレンティスとの石炭の供給契約を結び、事業を拡大していくのだが・・・。
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サイレント時代から活躍していたルイス・セイラーが監督し、マレーネ・ディートリッヒ、ランドルフ・スコット、ジョン・ウェイン共演が話題になった作品。
マレーネ・ディートリッヒ、ランドルフ・スコット、ジョン・ウェインは、半年前に公開された西部劇「スポイラース」(1942)でも共演している。
大企業の経営者となった2人の元炭坑夫と、彼らと関係する女性の波乱の人生を描くドラマ。
スクリーン上で見栄えのする主演の3人、豪華競演が見どころの作品であり、その複雑な関係がスケール感のあるドラマとして描かれている。
戦時下で製作された本作は、国家への貢献が個人の豊かさにもつながることをテーマにした、明らかに戦意高揚映画でもある。
主演のマレーネ・ディートリッヒは、熱演する重量級の2人ランドルフ・スコットとジョン・ウェインを相手に、炭坑夫だった彼らと共に会社を大企業に育てる、美しさと逞しさを兼ね備えた女性を好演している。
主人公3人に協力しながら見守る化学者のフランク・クレイヴン、その助手ルドウィッグ・ストッセル、ピッツバーグ(ジョン・ウェイン)と結婚する製鉄会社社長令嬢のルイーズ・アルブリットン、主人公らの会社の組合のリーダー役トーマス・ゴメス、仕立屋のシェンプ・ハワード、主人公らと契約する製鉄会社社長サミュエル・S・ハインズ、炭坑責任者ポール・フィックス、組合員のウィリアム・ハード、ピッツバーグの執事チャールズ・コールマン、カフェのオーナー役ネストル・パイヴァ、結婚式の招待客グレース・カナード、他レイ・ウォーカーなどが共演している。