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ムーンライト・ベイ On Moonlight Bay (1951)

快活な少女と大学生の恋と2人が巻き起こす騒動を描く、監督ロイ・デル・ルース、主演ドリス・デイゴードン・マクレージャック・スミスレオン・エイムズローズマリー・デキャンプ他共演のミュージカル・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)

ドリス・デイ / Doris Day / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ロイ・デル・ルース

製作:ウィリアム・ジェイコブス
原作:ブース・ターキントンPenrod
脚本
ジャック・ローズ
メルヴィル・シェイヴルソン
撮影:アーネスト・ホーラー
編集:トーマス・ライリー
音楽:マックス・スタイナー

出演
マージョリー・ウィンフィールド:ドリス・デイ
ウィリアム”ビル”シャーマン:ゴードン・マクレー
ヒューバート・ウェイクリー:ジャック・スミス
ジョージ・ワズワース・ウィンフィールド:レオン・エイムズ
アリス・ウィンフィールド:ローズマリー・デキャンプ
ステラ:メアリー・ウィックス
メアリー・スティーヴンス:エレンコービー
ウェズリー・ウィンフィールド:ビリー・グレイ
マーサ・ロバートソン:エスター・デイル
バーソン教授:シグ・アルノ
電車のドウボーイ:ヘンリー・イースト
ジム・シャーマン:ジェフリー・スティーヴンス
コンテストの案内人:エディ・マー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1951年製作 95分
公開
北米:1951年7月26日
日本:未公開
製作費 $1,194,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1910年代半ば、インディアナ州。
銀行の副頭取であるジョージ・ワズワース・ウィンフィールド(レオン・エイムズ)は、新居に引っ越す。

荷物が運び込まれる家に戻ったジョージは、隣人の少年ジム(ジェフリー・スティーヴンス)に話しかけるものの無視される。

荷物を片付けるジョージの妻アリス(ローズマリー・デキャンプ)は、部屋が多すぎると言いながら、彼に不満を訴える。

野球に熱中する年頃の娘マージョリー(ドリス・デイ)と息子のウェズリー(ビリー・グレイ)、家政婦のステラ(メアリー・ウィックス)も、新居に引っ越したことを嬉しく思っていなかった。

ジョージの指示でジムと話をしたウェズリーは、家に銃があることを知り興味を持つ。

その後、近くの野球場の試合に加わったマージョリーは、少年たちから女だということでからかわれるものの活躍する。

ウェズリーとジムが銃を手にしていることに気づいたマージョリーは、2人の元に向かいそれを取り上げる。

誤って発砲してしまったマージョリーは、ジムの兄ウィリアム”ビル”シャーマン(ゴードン・マクレー)を怪我させそうになる。
...全てを見る(結末あり)

憤慨したビルはマージョリーにお仕置きしようとするが、彼女が女性だと気づき驚く。

マージョリーに謝罪して意気投合したビルは、その夜、彼女をデートに誘う。

ムーンライト・ベイ。
マージョリーとボートに乗ったビルは、インディアナ大学の4年生だということを話し、学生が熱中する野球のことなどをバカにする。

ビルと慣れないダンスをしたマージョリーは恥をかくが、ボール投げで見事に人形をゲットし、楽しい時間を過ごし家に戻る。

ビルを家に誘ったマージョリーは、結婚制度に反対すると言いだした彼に驚き、自分も反対すると彼に伝える。

新電力方式で照明が消えてしまい、また家を訪ねることを約束したビルは、暗闇の中でマージョリーにキスする。

灯りが点き、ビルともう一度キスしたマージョリーは、女性らしい人だと言われたために、テーブルの上にあった野球帽とボールを隠す。

翌日もマージョリーは、訪ねて来たビルとレコードを聴きながら過ごす。

突然、恋をしたマージョリーのことを心配するジョージはビルと話し、大学でイギリス文学を専攻する彼に銀行について尋ねる。

ビルは銀行を批判し、ジョージが銀行の副頭取だとマージョリーから知らされて焦る。

憤慨したジョージは、マージョリーにビルとの交際を禁ずる。

その後、ビルに会えないマージョリーは手紙を書く。

学校に向かおうとしたウェズリーは、ジムから宿題の手紙のことを知らされ、マージョリーがビルから受け取った手紙を持って登校する。

作文の時間、担任のメアリー・スティーヴンス(エレンコービー)から手紙を読むよう指示されたウェズリーは、その内容に驚きながら読み、恥をかいてしまう。

スティーヴンスに呼ばれたウェズリーは、注意される。

音楽教師のヒューバート・ウェイクリー(ジャック・スミス)は、マージョリーに惹かれていた。

ジョージは、まじめで誠実そうなヒューバートが気に入っていた。

帰宅したウェズリーは、ジョージから、マージョリーとヒューバートがいる部屋には行かないようにと言われるものの、愛犬マックスを捜すふりをして2人の邪魔をする。

ヒューバートの気持ちは理解するものの、付き合う気になれないマージョリーは、つきまとうウェズリーを追い払おうとしない。

散歩に出かけたヒューバートは、結局は歩き続けて疲れたために帰ってしまい、マージョリーはウェズリーに感謝する。

翌日、ウェズリーのダンス教室に付き添ったマージョリーは、ビルと踊るためにバーソン教授(シグ・アルノ)のレッスンを受ける。

女性らしくすることを心がけていたマージョリーは、帰宅途中で少年たちにからかわれ、雪合戦を始めて壁から落下し、足を痛めてしまう。

ビルに電話をしたマージョリーは、足の怪我のことは言わずに、慈善舞踏会には行けなくなったことを伝えるが、ビルはクリスマス・イヴに迎えに来る気だった。

聖歌隊の準備をするウェズリーは、マージョリーの下着で作った衣装を着せられたために憤慨し、アリスとマージョリーを責める。

その後ウェズリーは、映画を観に行き怖い思いをする。

翌日、学校の授業中に居眠りをしたウェズリーは、寝言でスティーヴンスを侮辱してしまい、昼休みに彼女と話をすることになる。

スティーヴンスから居眠りをした理由を訊かれたウェズリーは、前日に怖い映画を観て眠れなかったのだが、変貌した父に姉と共に虐待されているためだと話してしまう。

マージョリーの足の怪我を知っていたスティーヴンスは、彼女の看病で寝ていないと言うウェズリーの話を聞いて同情する。

その日の夕食の際、アリスが、スティーヴンスの自分に対する態度がおかしいという話を始めたため、ウェズリーは動揺する。

スティーヴンスが、ウェズリーが頼りになる存在だと言っていたという話を聞いたジョージらは、ジョークかと思い驚く。

駅に着いたビルはスティーヴンスと出くわし、マージョリーに会いに行くことを伝える。

マージョリーを気の毒に思うと言うスティーヴンスは、ウェズリーから聞いたジョージのことなどをビルに話す。

ウィンフィールド家を訪ねたビルは、スティーヴンスが話していた通り、マージョリーが怪我をしていたため、彼女の話は本当だと思う。

ソファで寝ているジョージが酔い潰れていると思ったビルは、彼を懲らしめると言って、顔に水を浴びせて起こす。

目覚めたジョージは憤慨し、マージョリーもビルを非難する。

ビルから、酔って暴力をふるうという話をスティーヴンスから聞いたと言われたジョージは、彼を追い出してしまう。

こんな場所に引っ越したのは間違いだと言うジョージの怒りは収まらず、今回の騒ぎはウェズリーが原因だと気づいたマージョリーは、ビルを引き留めて謝罪する。

マージョリーは、怪我をしたことを隠していたのは、雪合戦のせいだったことが知られるのを恥ずかしかったからだとビルに伝える。

マージョリーから戻ってほしいと言われるものの、納得できないビルは家に向かおうとする。

苛立つマージョリーは、ビルに向かって雪玉を投げるが、戻って来た彼に抱きしめられる。

部屋から逃げたウェズリーを捜すジョージは、聖歌隊と共に現れて歌う息子を見て許す気になる。

マージョリーとビルも聖歌隊と共に歌ってキスし、演奏をしていたヒューバートはショックをう行ける。

1917年6月3日、インディアナ大学卒業式。
ビルは、出席してくれたマージョリーに大事な話をしようとするが、式が始まりスピーチする。

マージョリーと共に出席していたジョージは、ビルとの結婚の話で、それに否定的な彼女と意見が対立し、退席しようとする。

ビルを含めた卒業生はガウンを脱ぎ、彼らが軍服を着ていることに気づいたマージョリーは、第一次世界大戦に参戦した国のために出征するビルを見つめながら涙する。

その後、ビルは軍用列車で出発することになり、マージョリーが荷物をまとめていることを知ったジョージは、出て行った彼女を追い駅に向かう。

車両にいたビルは、マージョリーが現れたために驚き、彼女を降ろそうとする。

結婚することをマージョリーに伝えて納得させたビルは、次の列車に乗りシカゴで降りるようにと指示し、そこで結婚することを約束する。

そこにジョージが現れ、ビルからマージョリーに求婚することを知らされるものの、彼女を家に連れて帰る。

ウェズリーは、部屋で悲しむマージョリーに、内緒だった列車のことを話してしまったと言って謝罪する。

ウェズリーを許したマージョリーだったが、悲しくて涙が止まらなかった。

翌日、12歳の誕生日を迎えたウェズリーは、訪ねて来た伯母のマーサ・ロバートソン(エスター・デイル)から、クッキーとプレゼントを受け取る。

万能ナイフをもらったウェズリーは、35年前にマーサがジョージから取り上げたパチンコも受け取る。

マーサは、ジョージが誤ってそれで鶏を撃ち殺してしまったことを話し、彼に返してほしいとウェズリーに伝える。

ウェズリーの誕生会が開かれ、ヒューバートの歌が終わり、子供たちのダンスが始まる。

機嫌が悪いウェズリーは、ヒューバートの誕生日のようだとアリスに話しながら苛立つ。

ヒューバートがマージョリーをダンスに誘ったため、ウェズリーは自分が約束をしていたと言って彼女と踊る。

休暇で戻ってきていたビルが現れ、ジョージは、話があると言う彼を迷惑に思う。

マージョリーと結婚したいとジョージに伝えたビルは、現れた彼女を抱きしめる。

ジョージはビルを追い出そうとするが、マージョリーは彼とすぐに結婚するつもりだと父に伝る。

しかしビルは、次に自分が戻るまで家族と過ごすべきだと言ってマージョリーを説得する。

マージョリーはビルと共に散歩に出かける。

マージョリーの気持ちを理解しないことをアリスに批判されたジョージは、彼女の話を聞こうとしない。

ビルとの別れが辛いマージョリーは、互いの愛を確かめるものの、泣きながら家に戻ってしまう。

そんなマージョリーを見ても楽観的なジョージは、アリスから、自分もビルと同じだったと言わて戸惑う。

外に出たウェズリーは、パチンコで玄関の窓を割ってしまい、ジョージに叱られてしまう。

ウェズリーは、鳥を狙ったのに太陽がまぶしくて手が滑ったと言いながら、ジョージにパチンコを見せる。

苛立つジョージは、それが自分のパチンコだと言われ、35年前に取り上げたので返すよう、ウェズリーがマーサから指示されたことを知る。

それを思い出したジョージはウェズリーを許し、シャーマン家に電話をして、マージョリーに微笑みながらビルを呼び寄せる。

ジョージに感謝したマージョリーは、家から出てきたビルと道で抱き合う。

その様子を見たヒューバートは、ウェズリーから帽子を渡される。

苛立ちながら帽子を被ったヒューバートは、それが壊れたために苛立ち、ウェズリーがナイフで細工したことを知り、彼を睨みながら立ち去る。

抱き合うマージョリーとビルは、愛を確かめる。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
1910年代半ば、インディアナ州。
野球に熱中する快活な女性マージョリー・ウィンフィールドは、銀行家の父ジョージと母アリス、やんちゃな弟ウェズリーと共に新居に引っ越す。
隣人の大学生ビルと知り合ったマージョリーは、たちまち恋に落ちる。
ビルとの交際が順調なマージョリーは、ダンスもまともにできないために、女性らしくなろうと努力するのだが・・・。
__________

1914年に発表された、ブース・ターキントンの著書”Penrod”を基に製作された作品。

サイレント時代から活躍し、ミュージカルやコメディを得意にしていたロイ・デル・ルースが監督し、本作を含め4作で共演する人気スターのドリス・デイゴードン・マクレーの主演作品。

1953年に続編の「銀色の月明かりの下で」が公開される。

野球に熱中する快活な少女と現実的な大学生の恋を描くミュージカル・コメディ。

派手なセットやレビューなどは登場しないが、第一次世界大戦にアメリカが参戦する時期を舞台に、主人公家族が巻き起こす騒動を愉快に描く快作に仕上がっている。

画面上の混乱とは対照的に、ドリス・デイゴードン・マクレーが歌う楽曲は穏やかで心地よく、メリハリの利いたロイ・デル・ルースの軽快な演出も冴え渡る。

主演のドリス・デイは、野球に熱中するお転婆娘を熱演し、ボーイフレンドに好かれようとして女性らしくなった姿もまた美しい。

主人公と愛し合う大学生のゴードン・マクレー、主人公に惹かれる音楽教師ジャック・スミス、主人公の父親である銀行家を好演するレオン・エイムズ、その妻ローズマリー・デキャンプ、その息子で、重要な役柄を愉快に演ずるビリー・グレイ、主人公の家の家政婦メアリー・ウィックス、学校の教師エレンコービー、ビル(ゴードン・マクレー)の弟ジェフリー・スティーヴンス、主人公の伯母エスター・デイル、ダンス教師のシグ・アルノなどが共演している。


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