アメリカを代表する作曲家コール・ポーターの苦難の末の成功物語を描く、製作アーサー・シュワルツ、監督マイケル・カーティス、主演ケイリー・グラント、アレクシス・スミス、ジェーン・ワイマン、ドロシー・マローン、イヴ・アーデン、モンティ・ウーリー他共演のミュージカル・ドラマ。 |
・ケイリー・グラント / Cary Grant / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・カーティス
製作:アーサー・シュワルツ
脚本
チャールズ・ホフマン
レオ・タウンゼント
ウィリアム・バワーズ
撮影
J・ペヴァレル・マーレイ
ウィリアム・V・スコール
編集:デイヴィッド・ワイズバート
音楽
レイ・ハインドーフ
マックス・スタイナー
ミルトン・エイガー
ジャック・イェレン
コール・ポーター
出演
コール・ポーター:ケイリー・グラント
リンダ・リー・ポーター:アレクシス・スミス
ケイト・ポーター:セレナ・ロイル
オマー・コール:ヘンリー・スティーブンソン
ウーリー教授:モンティ・ウーリー
グレイシー・ハリス:ジェーン・ワイマン
ナンシー:ドロシー・マローン
ガブリエル:イヴ・アーデン
キャロル・ヒル:ジニー・シムズ
バート・マクレランド:ポール・カバナー
トミー:トム・ダンドレア
アナトール・ジロン:ヴィクター・フランセン
レオン・ダウリング:アラン・ヘイルSr.
本人:メアリー・マーティン
ウィロースキー:シグ・ルーマン
ウォード・ブラックバーン:ドナルド・ウッズ
シンガー:カルロス・ラミレス
ダンサー:エステル・スローン
ダンサー:ジョージ・ゾリッチ
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1946年製作 128分
公開
北米:1946年7月2日
日本:1951年1月11日
■ アカデミー賞 ■
第19回アカデミー賞
・ノミネート
ミュージカル音楽賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1914年、イェール大学。
フットボールや演劇を好む法学部のウーリー教授(モンティ・ウーリー)は、フットボール・ソング・コンテストで、学生コール・ポーター(ケイリー・グラント)を紹介する。
学業よりも作曲に興味を持つコールは、友人で歌手のグレイシー・ハリス(ジェーン・ワイマン)が歌う劇場で演奏中に呼び出され、ステージに上がりマスコット犬と選手達と共に歌う。
その後、グレイシーと共に駅に向かったコールは、彼女にプレゼントを渡す。
医学生の親友ウォード・ブラックバーン(ドナルド・ウッズ)とウーリーと共に、クリスマス休暇のため故郷のインディアナに向かうコールは、グレイシーに別れを告げる。
自宅屋敷に戻ったコールは、母ケイト(セレナ・ロイル)に迎えられ、祖父オマー・コール(ヘンリー・スティーブンソン)と共に乗馬に出かける。 散歩から戻ったウーリーとウォードは、ケイトと共に楽しい時を過ごす。 成績が悪かったことなどについてオマーと話をしたコールは、弁護士になる気はなく大学にも戻らないと伝える。 作曲家志望のコールは、事業を譲るつもりだったオマーに、決心を変えるつもりはないと伝える。 姪のナンシー(ドロシー・マローン)と彼女の友人リンダ・リー(アレクシス・スミス)を歓迎したケイトは、元気がないオマーが気になる。 戻ったコールは、暫く会っていなかった従妹のナンシーとリンダを間違えて、彼女にキスしてしまう。 クリスマス・イヴの夜を楽しんだコールは、オマーのプレゼントが法律書だったために気まずい思いをする。 コールの考えに理解を示すケイトは、彼のピアノの演奏で皆と共に歌う。 その後、コールはウーリーの協力を得てショーの準備を始める。 その話を聞いたグレイシーは、オーディションをするコールとウーリーの元に向かい、ブロードウェイに出演できるようになったことを伝える。 コミック・オペラ”See America First”の初日を迎えたコールは、現れたウォードと付き合い始めたナンシー、そしてリンダと、ナイトクラブで待ち合わせをする。 開演間もなくして、グレイシーが歌う最中、観客が一斉に席を離れたため、コールは不安に思う。 イギリスの豪華客船”ルシタニア”がドイツの”Uボート”に撃沈されたことが報道され、国内は第一次大戦参戦ムードとなる。 ショックを受けたコールは、よくやってくれた舞台監督のトミー(トム・ダンドレア)に感謝し、待っていてリンダと共にナイトクラブに向かう。 二人は街を歩き、ルシタニアに学友が乗っていたことをリンダに伝えたコールは、気遣ってくれる彼女との愛を確噛める。 初日の記念にと言ってシガーケース渡されたコールは、自分たちの将来について語り、もう何年か待つことで同意する。 その後、出征したコールは戦地で負傷し、従軍看護師だったリンダと3年ぶりに再会する。 音楽を諦めかけていたコールを励ますリンダは、戦後のことを彼と共に考える。 一緒に暮らすことをリンダから提案されたコールは、忘れかけていた作曲のことで頭が一杯だった。 親友の歌手ガブリエル(イヴ・アーデン)に会ったリンダは、コールの曲を見せて協力してもらえることになる。 ガブリエルが歌うコールの曲を聴いたプロデューサーのアナトール・ジロン(ヴィクター・フランセン)は、大衆向きではないと彼とリンダに伝える。 リンダの支援を断るコールは、帰国して一人でやり直すつもりであることを伝え、再びシガーケースを贈られる。 軍医のバート・マクレランド(ポール・カバナー)と共にイギリスに向かうリンダは、帰国するコールに別れを告げ、去って行く彼を見つめながら涙する。 帰国したコールは、ウーリーと共にプロデューサーのレオン・ダウリング(アラン・ヘイルSr.)に曲を売り込むものの、うまくいかない。 ヒゲの役者を必要としていたダウリングは、ウーリーの本物のヒゲが気に入り彼を役者として雇う。 歌手のキャロル・ヒル(ジニー・シムズ)と共にアルバイトをして日銭を稼ぐコールは、自分の曲が客に受け手ために驚く。 それが自信となり、再びショービジネスの世界に挑戦する決心をしたコールは、ウーリーとキャロルと共にミュージカル”The New Yorkers”を成功させる。 トミーも加わり、キャロルを主役にしてヒット作を続けて発表するコールは、ロンドンから公演の依頼を受け、ハリウッドに向かうウーリーと別れる。 ロンドン。 リンダが幼児教育協会で働いていることを知ったコールは驚き、思わず彼女にキスする。 ”Night and Day/夜も昼も”が挿入されたミュージカル”Gay Divorce”を成功させたコールは、リンダと共にニューヨークに戻る。 ミュージカル・コメディ”Fifty Million Frenchmen”を発表したコールは、パーティーで、テキサスの富豪を同伴したグレイシーと再会する。 リンダと結婚したコールは、旅行に行く予定だったものの、ショーを受けてしまったためにそれを見送る。 ”Anything Goes”のリハーサルが始まり、盛大なパーティーが開催される。 ハリウッドから戻ったウーリーを歓迎したコールは、このショーを終えた後に、長期の休暇をとりヨーロッパに向かうことをリンダに約束する。 初日を迎えてショーは成功し、コールとリンダ主催で感謝の集いが開かれ、別の富豪と同伴したグレイシーは、コールに彼を紹介する。 旅立ちを前に、来客の興行主たちとヨーロッパでの公演を話し合うコールに失望したリンダは席を外す。 結婚生活を大切にしないことをリンダに批判されたコールは、パーティーでのスピーチを求められる。 戻ったコールは、姿を消したリンダが置いて行ったシガーケースをウーリーから渡され、去った彼女を追うべきではないと助言される。 新作”Leave It to Me!”の主役をグレイシーに任せようとしたコールは、自分には無理だと言う彼女からメアリー・マーティンを紹介される。 母ケイトからの電話を受けたコールは、祖父オマーの病状悪化の知らせを受けて故郷に向かう。 今ではコールの音楽の才能を認めて誇りに思うオマーは、彼と共にシェリー酒を飲みながら息を引き取る。 暫く屋敷に滞在したコールは、成功は人生にとってそれほどの意味がないというオマーの言葉を思いながら、彼の馬で乗馬をする日々を過ごす。 雨になり落雷で落馬したコールは重傷を負い、ウォードからの連絡を受けたウーリーは病院に向かう。 主治医から、手術を繰り返しても脚は元に戻る可能性は低いと言われたウーリーは、パリにいるリンダには知らせないつもりのコールの気持ちを察する。 手術は失敗し続け、車いす生活をしながら作曲をするコールは、決して諦めなかった。 ウーリーからの連絡を受けたコールは、27回目の手術は成功したことを伝え、電話の向こうで流れる新作”Begin the Beguine”のカルロス・ラミレスの歌声を聴く。 その後、学友たちと共に母校イェール大学に向かったコールは、記念式典に出席してウーリーに紹介されて舞台に上がる。 ナンシーらと共にその場に着いたリンダは、両手で杖をつきながらピアノに向かうコールを見守る。 リンダに気づいたコールは”Night and Day/昼も夜も”を演奏する。
...全てを見る(結末あり)
イギリス国内でも評判になっていたコールは、公園にいたリンダと再会して喜ぶが、何人もの子供といた彼女がバートと結婚したと思い込む。
*(簡略ストー リー)
1914年。
イェール大学の法学生コール・ポーターは、興味のある作曲家を目指し、弁護士になることを諦める。
自分の考えに賛同してくれる恩師ウーリー教授と共にショービジネスの世界に挑戦したコールだったが、その道は険しかった。
従妹のナンシーの友人リンダと親しくなり、彼女やウーリーの協力で何とかショーを発表したコールだったが、アメリカの第一次大戦参戦で夢を叶えることができず苦悩する・・・。
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アメリカを代表する作曲家コール・ポーターの苦難の人生を描くミュージカル・ドラマ。
資産家の家庭に生まれ名門イェール大学の法学生だったコール・ポーターが、音楽の世界で生きることを決心し、苦労の末に多くの人々に支えられながら成功するまでを、妻リンダ・リーとのロマンスと共に描く作品。
「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」(1942)でアカデミー監督賞にノミネートされ、「カサブランカ」(1942)で同賞を受賞し、「ミルドレッド・ピアース」(1945)などを発表していた、マイケル・カーティスの演出による伝記ドラマは、コール・ポーターの楽曲がふんだんに挿入されたミュージカルとして大いに楽しめる内容に仕上がっている。
第19回アカデミー賞では、ミュージカル音楽賞にノミネートされた。
事実に基づいた物語ではあるが、コール・ポーターの作品が登場する年代や、妻リンダとの結婚時期など、かなり脚色されている。
テクニカラーの鮮やかな映像と共に、主人公をとりまく女性やコーラスガールに至るまで、女優陣の美しさが印象に残る。
主演のケイリー・グラントは、苦労しながらショービジネスの世界で成功するコール・ポーターを、彼の魅力を十分に活かして好演している。
主人公を支えながら妻となるものの、仕事一筋の彼の考えについて行けず苦悩するリンダ・リー・ポーターのアレクシス・スミス、主人公の母親セレナ・ロイル、孫である主人公を可愛がるヘンリー・スティーブンソン、主人公の協力者である恩師役で、実際にコール・ポーターの友人だったモンティ・ウーリー、主人公の友人である歌手ジェーン・ワイマン、主人公の従姉ドロシー・マローン、リンダの友人である歌手のイヴ・アーデン、主人公のショーの主役ジニー・シムズ、リンダの上官である軍医ポール・カバナー、主人公のショーの舞台監督トム・ダンドレア、プロデューサーのヴィクター・フランセン、同じくアラン・ヘイルSr.、コール・ポーターのショーの実際の出演者であり本人役のメアリー・マーティン、主人公の友人ドナルド・ウッズ、”Begin the Beguine”を歌うカルロス・ラミレス、ダンサーのジョージ・ゾリッチ、他シグ・ルーマンなどが共演している。