サイトアイコン That's Movie Talk!

ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ Nanny McPhee and the Big Bang (2010)

1964年に発表された、クリスティアナ・ブランドの児童文学小説”Nurse Matilda”を基に製作された「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」(2005)の続編。
手に負えない子供達や農場売却の危機に直面した一家の前に現われた不思議なナニー(乳母)の活躍を描く、製作総指揮、脚本、主演エマ・トンプソンマギー・ジレンホールリス・エヴァンスマギー・スミスエイサ・バターフィールドユアン・マクレガーレイフ・ファインズ他共演、監督スザンナ・ホワイトによるファンタジー・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ファンタジー


スタッフ キャスト ■
監督:スザンナ・ホワイト

製作総指揮
ライザ・チェイシン

デブラ・ヘイワード
エマ・トンプソン
製作
リンゼイ・ドーラン

ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
原作:クリスティアナ・ブランドNurse Matilda
脚本:エマ・トンプソン

撮影:マイク・エリー
編集:シム・エヴァン=ジョーンズ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演
ナニー・マクフィー:エマ・トンプソン

イザベル・グリーン:マギー・ジレンホール
フィル・グリーン:リス・エヴァンス
マクリーディー:ビル・ベイリー
アガサ”アギー”ドカティー:マギー・スミス
ドカティー:サム・ケリー
ノーマン・グリーン:エイサ・バターフィールド
メグシー・グリーン:リル・ウッズ
ヴィンセント・グリーン:オスカー・スティア
シリル・グレイ:エロス・ヴラホス
セリア・グレイ:ロージー・テイラー=リットソン
ブレンキンソップ:ダニエル・メイズ
トプシー:シネイド・マシューズ
ターヴィー:ケイティ・ブランド
ローリー・グリーン:ユアン・マクレガー
グレイ卿:レイフ・ファインズ

イギリス 映画
配給ユニバーサル・ピクチャーズ

2010年製作 109分
公開
イギリス:2010年3月26日
北米:2010年8月20日
日本:2011年7月2日
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $29,011,220
世界 $93,251,120


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
第二次大戦下、イギリス
田舎の農場で暮らすイザベル・グリーン(マギー・ジレンホール)は、出征している夫ローリー(ユアン・マクレガー)が、3ヶ月音信普通なことを心配する。

イザベルは、イタズラ好きの子供達ノーマン・グリーン(エイサ・バターフィールド)、メグシー(リル・ウッズ)、ヴィンセント(オスカー・スティア)に、戦火を逃れ、ロンドンからいとこ達が疎開してくることを伝える。

アガサ”アギー”(マギー・スミス)と夫ドカティー(サム・ケリー)が経営する、村の雑貨店で働くイザベルは、農場の共同所有者で義兄のフィル(リス・エヴァンス)に、しつこく農場を売るよう迫られていたが、彼女はそれを断る。

フィルは、借金の形に農場を渡す約束をしていたため、その催促に来たトプシー(シネイド・マシューズ)とターヴィー(ケイティ・ブランド)に脅される。
...全てを見る(結末あり)

ノーマンが、飼っている子ブタをマクリーディー(ビル・ベイリー)に売ることを知ったフィルは、そのブタがいなくなれば、農場を手放すだろうと考える。

その後、翌日に到着予定だったいとこのシリル・グレイ(エロス・ヴラホス)とセリア(ロージー・テイラー=リットソン)が、高級車の運転手付で農場に現われる。

傲慢でわがままな二人は、汚いだけの農場を見て不満を言い放題、対するノーマンらも彼らを歓迎しない。

ボケ気味のアギー、手の焼ける子供達、農場を売れと言うしつこいフィル、何もかもが嫌になったイザベルは、”ナニー・マクフィー”という意味不明な言葉が連呼される中、店から逃げ去ってしまう。

農場では、父ローリーのジャムのビンをシリルが割ってしまい、我慢の限界に達したノーマンは、彼を追いかけ回す。

イザベルは、自分には”ナニー・マクフィー”が必要だという言葉を聞きながら自宅に戻る。

子供達の争いで大混乱の中、イザベルの前に、醜い顔の女性ナニー(乳母)・マクフィー(エマ・トンプソン)が、ゲップばかりする鳥のエーデルワイスと共に現われる。

ナニーを雇った覚えがないイザベルだったが、陸軍から派遣されたと言うナニー・マクフィーを、とりあえず家に招き入れる。

ナニー・マクフィーは、自分の指示に従わない子供達に対し、ステッキを使い魔法をかけて自由を奪い言うことを聞かせ、彼女の顔の大きなほくろが消える。

子供達には5つのレッスンが必要だと、マクフィーはイザベルに伝え、彼らを寝かしつけてその夜は立ち去り、もう一つの顔のほくろが消える。

グリーン家の皆が寝静まった頃、フィルが農場の子ブタを逃がしてしまう。

翌朝、子供達を起したマクフィーは、けんかを止めさせ、礼儀正しく分かち合うという、2つのレッスンが昨夜中に完了したことをイザベルに伝える。

その後、ノーマンが子ブタがいないことに気づき、12時にはマクリーディーにそれを渡しさなければいけないため焦ってしまう。

子ブタを売りトラクターを確保しないと、麦の収穫ができないため、子供達は逃げ出したブタを、協力し合い見つけようとする。

ナニー・マクフィーは、それが簡単にいかないように、子ブタに魔法をかけてしまう。

フィルは、イザベルの農場に向かうマクリーディーに、子ブタが逃げたことを伝える。

マクリーディーは子ブタを諦め、フィルは農場を売るようにイザベルに迫る

そこに、シリルの計画で子ブタを捕らえた子供達が戻り、まだその場にいたマクリーディーは、ブタが特技があるということを聞き、イザベルに余分に代金を払い引き上げる。

子供達は、ナニー・マクフィーが子ブタに魔法をかけたことに気づき、彼女は今日の行いで、子供達が、”互いに助け合う”という、3つ目のレッスンを完了できたことを確認する。

その後、ロンドンの母親が訪れたかと期待したセリアに、靴だけが届き、気落ちする彼女に、メグシーはお気に入りの洋服を貸してあげる。

翌日、一家はドカティー夫妻とピクニックを楽しんでいたが、フィルが現われイザベルに陸軍省からの電報を渡し、彼女は夫ローリーの戦死を知る。

子供達もショックを受けるが、ノーマンは父が死んでいないと感じることをシリルに伝える。

母イザベルが農場を売ってしまうことを心配したノーマンは、陸軍省の幹部であるシリルの父グレイ卿(レイフ・ファインズ)の助けを借りるために、マクフィーの協力でロンドンに向かう。

それを知ったメグシーとセリアは、イザベルが農場を売るのを阻止しようとする。

ロンドン
陸軍省に着いたノーマンとシリルは、マクフィーの助けで建物内に案内される。

その頃、トプシーとターヴィーに脅されたフィルは、イザベルから農場の売渡し書にサインを貰おうとしていた。

グレイ卿に面会できたノーマンは、父ローリーが生きていると、直感で分かることを伝える。

しかし、グレイ卿は特別扱いできないと、甥であるノーマンに厳しい口調で答える。

実は両親が離婚する危機に直面し、心を痛めていたシリルは、普段は口答えできない父に、ノーマンの家族を救って欲しいことを訴え、グレイ卿は、真剣な二人に心を動かされる。

メグシーとセリアは、イザベルがサインするのを必至に阻止しようとする。

詳細を調べたグレイ卿は、ローリーが戦死ではなく行方不明であることをノーマンに伝える。

ノーマンはおじに感謝し、それを母イザベルに、いち早く知らせようとする。

ノーマンは、電報を送ったのがフィルだと気づき、シリルとナニー・マクフィーと共に農場へと急ぐ。

これ以上時間稼ぎができないメグシーは、ナニー・マクフィーに向かい助けを求め、それを聞いた彼女はステッキを使い、農場の動物にサインを妨害させる。

フィルは、メグシーが持っていたペンで何とかイザベルにサインさせることに成功させる。

しかし、敵爆撃機が誤って爆弾を投下してしまい、それに驚いたイザベルは、ペンのインクを書類にこぼしてしまう。

爆弾は、農場の麦畑に不発弾として落下し、身の破滅を知ったフィルは取り乱してしまう。

そこにノーマンが戻り、フィルが電報を偽造したことと、父が戦死ではないことを母イザベルに伝え、彼女は子供達に感謝する。

麦畑の、爆弾の爆破を解除しようとしたドカティーがそれに失敗し、続いて子供達がそれに行う。

パテが好物の、鳥のエーデルワイスの助けで、子供達は爆破を阻止することに成功する。

その様子を見ていたナニー・マクフィーは、”勇敢であること”というレッスン4の完了を確認する。

その頃、フィルはトプシーとターヴィーに剥製にされそうになるが、パテの食べ過ぎで体が膨張したエーデルワイスのゲップの威力で、二人は吹き飛ばされてしまう。

そのパワーは麦畑中に広がり、爆弾も消え去り、麦の収穫もできてしまう。

全てやり終えたナニー・マクフィーは、部屋を提供してくれていたアギーに感謝して別れを告げる。

子供達は、ナニー・マクフィーが付けていた勲章が、自分達に与えられていることに気づく。

ナニー・マクフィーが去っていくことを知った子供達は、彼女を呼び戻そうとする。

しかし、アギーが、ナニー・マクフィーを必要としなくなった今、彼女は必ず去っていくことを伝える。

それに納得がいかない子供達やイザベルはナニー・マクフィーを追うが、子供時代に世話になったことがあるアギーは、別れが嫌いな彼女の気持ちを察する。

自分にはナニー・マクフィー必要だと、尚も彼女を追うイザベルは、丘の手前で突然足を止める。

夫ローリーの姿を見たイザベルは、ナニー・マクフィーが必要なくなったのだった。

ナニー・マクフィーは、レッスン5”信じ続ける”が完了したことを確認し、美しくなった晴れやかな笑顔で一家を見つめる。

そしてナニー・マクフィーは、エーデルワイスと共に役目を終えて去って行く。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」(2005)
・「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」(2010)

*(簡略ストー リー)
第二次大戦下、イギリス
夫が出征して音信不通だったイザベル・グリーンは、田舎の農場で暮らすイタズラ好きの三人の子供達、ノーマン、メグシー、ヴィンセントの世話や共同保有者となっている農場売却を、借金返済で焦る義兄のフィルから迫られる毎日に嫌気がさしてしまう。
さらに、子供達のいとこのシリルとセリアが、戦火を逃れロンドンから疎開してくるのだが、傲慢でわがままな二人と子供達はそりが合わずにいがみ合い大騒動になる。
そんな時、イザベルの前に、醜い顔のナニー(乳母)・マクフィーが現われる。
ナニーを頼んでいなかったイザベルは戸惑うものの、彼女家に招き入れる。
ナニー・マクフィーは、5つのレッスンで子供達を躾け始め、一つ一つそれを完了させていく。
同じ頃、フィルは、借金返済を迫られ命を奪うと脅されてしまい、グリーン一家が売ろうとしている子ブタ達を逃がし農場を窮地に追い込み、イザベルにそれの売却を決心させようとするのだが・・・。
__________

前作に続き、主演のエマ・トンプソンが脚本を担当して、更には製作にも参加した意欲作でもある。

原作を含めて全く予備知識がないまま鑑賞すると、「メリー・ポピンズ」(1964)の亜流だろうか?と思ってしまうのだが、ドラマの設定上、雰囲気は似ているものの、微妙に違うイメージを醸し出す、不思議な主人公が実に興味深い。
子供達に”レッスン”と称し、立派な人間として生きていくための”試練”を与え、目立ち過ぎず控えめに見守っている姿もなかなかいい。

また、前作同様、豪華キャスト競演が嬉しい作品でもあり、消息を絶っていた一家の主人ユアン・マクレガーは、アップのシーンもないという贅沢な起用方法も注目だ。

イギリスらしいユーモアも満載で、田園風景も美しく、派手過ぎない特撮なども楽しめる。

醜い容姿が、子供達の精神的成長と共に、徐々に変貌する様子も楽しい怪演を見せる主人公のエマ・トンプソン、農場を守る母親マギー・ジレンホール、夫ユアン・マクレガー、農場売却を狙うその兄リス・エヴァンス、子ブタを買い取るビル・ベイリー、雑貨屋の主人マギー・スミスサム・ケリー、大活躍する農場の子供達エイサ・バターフィールドリル・ウッズオスカー・スティア、いとこエロス・ヴラホスロージー・テイラー=リットソン、その父親で陸軍省の幹部役のレイフ・ファインズ、借金取りの二人組みシネイド・マシューズケイティ・ブランドなどが共演している。


モバイルバージョンを終了