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女神の見えざる手 Miss Sloane (2016)

銃規制強化法案に反対する強大な権力に立ち向かうロビイストの闘いを描く、監督ジョン・マッデン、主演ジェシカ・チャステインマーク・ストロングググ・バサ=ローアリソン・ピルマイケル・スタールバーグサム・ウォーターストンジョン・リスゴー他共演の政治ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ジェシカ・チャステイン / Jessica Chastain / Pinterest
マーク・ストロング / Mark Strong / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ジョン・マッデン
製作
ベン・ブラウニング
クリス・サイキエル
アリエル・ゼトゥン
製作総指揮
クロード・レジェ
ジョナサン・ヴァンガー
パトリック・チュウ
脚本:ジョナサン・ペレラ
撮影:セバスチャン・ブレンコフ
編集:アレクサンダー・バーナー
音楽:マックス・リヒター

出演
マデリン”エリザベス”スローン:ジェシカ・チャステイン
ロドルフォ・シュミット:マーク・ストロング
エズメ・マヌチャリアン:ググ・バサ=ロー
ジェーン・モロイ:アリソン・ピル
パット・コナーズ:マイケル・スタールバーグ
ジョージ・デュポン:サム・ウォーターストン
ロナルド・M・スパーリング上院議員:ジョン・リスゴー
ダニエル・ポスナー:デヴィッド・ウィルソン・バーンズ
ロバート・フォード:ジェイク・レイシー
R・M・ダットン:ラウール・バネジャ
ビル・サンフォード:チャック・シャマタ
アレックス:ダグラス・スミス
クララ・トムソン:メーガン・フェイヒー
ローレン:グレース・リン・カン
ロス:アル・ムカダム
フランクリン・ウォルシュ:ノア・ロビンズ
シンシア・グリーン:ルーシー・オーウェン
リトル・サム:セルジオ・ディ・ジオ
ビッグ・サム:ジョー・ピングー
フランク・マギル:マイケル・クラム
ジョン・オニール:ディラン・ベイカー
ラミレス:ザック・スマドゥ
トラヴィス:オースティン・ストラグネル
プル・ウォルシュ:アレクサンドラ・カスティージョ
バズカット:ジャック・マーリー
エヴリン・サマー:クリスティーン・バランスキー
スペンサーJr.:アーロン・ヘイル
グレタ:グレタ・オニーオグ

アメリカ/フランス 映画
配給 ヨーロッパ・コープ
2016年製作 127分
公開
北米:2016年11月25日
日本:2017年10月20日
製作費 $13,000,000
北米興行収入 $3,500,610
世界 $9,101,550


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ワシントンD.C.
”ピーターソン・ワイアット”のロビイストであるマデリン”エリザベス”スローン(ジェシカ・チャステイン)は、社の顧問弁護士のダニエル・ポスナー(デヴィッド・ウィルソン・バーンズ)と共に、ロナルド・M・スパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)が議長を務める議会聴聞に出席する。

連邦議会上院 第4集会室。
宣誓したスローンは、名前と生年月日の確認後、前勤務先の”コール・クラヴィッツ&ウォーターマン”での仕事の内容を訊かれれる。

スローンは、弁護人の助言によりと前置きし、憲法、修正第5条に基づき答えることを拒否する。

クライアントだったインドネシアから、パーム油のアメリ家への輸入課徴金に対する反対キャンペーンの仕事を受けたか訊かれたスローンは、同じ回答をする。
__________
...全てを見る(結末あり)

3か月と1週間前。
トイレで興奮剤を飲んだスローンは、アシスタントのジェーン・モロイ(アリソン・ピル)やパット・コナーズ(マイケル・スタールバーグ)らとのミーティングを済ませる。

その後、銃製造団体の代表ビル・サンフォード(チャック・シャマタ)に会ったスローンは、銃規制法案を潰す手助けを求められ、専門分野ではないと伝えるが話を聞く。

子供たちを守ろうとする女性たちに、銃についての理解を得て票を取り込みたいと言うサンフォードは、スローンが笑い出したために、同席していたCEOのジョージ・デュポン(サム・ウォーターストン)と共に驚く。

安全が、全国民の完全武装で成り立つという考えなど聞く気もないスローンは、検討はすると伝える。

激怒しながら部下のR・M・ダットン(ラウール・バネジャ)と共にオフィスに戻ったデュポンは、その場にいたスローンの有力者のサンフォードに対する態度を痛烈に批判する。

デュポンは、銃規制は必要だと言う考えを変えず、サンフォードの要求に応じる気がないスローンの話をそれ以上聞く気になれず、彼女を追い出す。

仕事をするために眠らないことを医師から注意されたスローンだったが、それを気にせずにパーティーに出席する。

会場を出たスローンは、記者と思われるロドルフォ・シュミット(マーク・ストロング)から声をかけられ、彼を無視しようとする。

銃ロビーを断った件を話すシュミットは、銃規制派のロビー会社”ピーターソン・ワイアット”についてスローンに意見を求める。

侮辱されたシュミットはCEOの”シュミット”を知っているか尋ね、聞いたこともないと言うスローンに自己紹介する。

会社で揉めているのなら、銃規制法案を通すために自分達と共に闘ってほしいと言われたスローンは、報酬をメモして渡す。

帰宅する途中でスローンは、”勝つ能力以外に信じる者は・・・”と書かれたシュミットのメモを気にする。

アパートに戻り考え込むスローンは、ジェーンに電話をして起こし話をする。

翌日のミーティングでスローンは、辞職してピーターソン・ワイアットで法案を通すために働くことをスタッフに伝える。

全員の席と今と同じ待遇も約束したスローンだったが、サンフォードの依頼を受ける寸前まで話が進んでいると言うパットは憤慨する。

パットは無理だと諦めたスローンは、他の希望者を募り、ロス(アル・ムカダム)、アレックス(ダグラス・スミス)、ローレン(グレース・リン・カン)、フランクリン・ウォルシュ(ノア・ロビンズ)とチームを組むことをシュミットに連絡するようジェーンに指示する。

辞めれば将来がないと考えるジェーンはそれを断り、仕方なく納得したスローンは、彼女に嫌味を言って4人を引き連れその場を去る。
__________

ジェーンやデュポン、パット、シュミットらが見守る中、スパーリングの質問に同じ回答しかしないスローンは、睡眠障害に対する処方薬以外の複数の精神刺激薬の服用を指摘され、眠らないようにしているのは事実か訊かれる。

スローンが同じ回答をしたために話題をインドネシアの件に振ったスパーリングだったが、彼女は、自分は薬物依存症ではなく質問は無関係だと発言する。

興奮して話し始めたスローンは、インドネシアアジア大陸の一部であることは誰でも知っているとスパーリングに伝える。

思い通りになったスパーリングは、スローンが”パーティー”に出席してくれたことを喜び歓迎する。

退廷後スローンは、指示に従わずスパーリングの罠にハマったことで、ダニエルに非難される。

2か月3週間前。
サンフォード、パット、ダットン、そしてジェーンと共にランチを共にたデュポンは、銃規制法を廃案に持ちこむ方法を考える。

エスコートサービスを頼んであるスローンはホテルに向かうが、見知らぬ男性ロバート・フォード(ジェイク・レイシー)がいたために驚く。

いつも呼んでいるマークは移ったと言われたスローンは、仕方なくフォードと愛し合う。

翌日、シュミットと会議室に向かったスローンは、彼の部下エズメ・マヌチャリアン(ググ・バサ=ロー)、クララ・トムソン(メーガン・フェイヒー)、シンシア・グリーン(ルーシー・オーウェン)らと共にミーティングを始める。

エズメが銃規制に関するスペシャリストだと知ったスローンは、資金的な問題もあり負ける可能性があると言われる。

スローンは、合法的な賄賂を使い、議席のことしか考えていない議員を取り込み勝つ方法を考える。

仕事を終えたスローンは、エズメを誘い中華レストランに向かう。

エズメが高校で銃乱射事件に巻き込まれたことを知ったスローンは、彼女が有能であることを評価する。

翌日、議員票の60票獲得を目指すチームは、現在44票の賛成票から、84日後の投票までに、保留の22人中16人を説得し目標に達する計画を立てる。

7人の説得で済むパットらは有利な立場だったが、スローンの出方を警戒する。

ウィスコンシン州、ミルウォーキー
ウォレス上院議員の資金調達パーティー会場で、クララに質問させようとしていたスローンは、パットらが出席していることを知っていたために作戦を変更する。

医師に扮した俳優に質問させたスローンは、ウォレスが銃規制強化法案支持を表明する姿を見ながら、パットらを牽制して会場を去る。

それをエズメに知らせて戻ったスローンはホテルに向かう。

待っていたのが再びフォードだったために、スローンはマークを呼んだと伝える。

マークは辞めたと言われたスローンは、フォードと愛し合う。

エズメの仕事ぶりを高く評価したスローンは、彼女に重要な仕事を与えながら、女性団体の代表エヴリン・サマー(クリスティーン・バランスキー)らに会い根回しする。

その後、盗聴などの妨害工作を警戒するスローンの考えにシュミットは戸惑う。

内部の情報がパットに漏れ、彼は6票持つバッジリー議員を反対派に取り込む。

ミーティングの際にスローンは、シンシアがパットと会っている写真をスタッフに見せる。

シンシアを追い出したシュミットは、自分のやり方が正しいと言いたげなスローンを気にしながら、社内を詳細に調べさせる。

仲間達と共にバーに向かったクララは、おとり作戦でスパイを見つけたスローンのやり方などについて話す。

ハッカーで監視のプロである元NSA/国家安全保障局局員のビッグ・サム(ジョー・ピングー)とリトル・サム(セルジオ・ディ・ジオ)の元に向かったスローンは、尾行してきたシュミットに彼らを紹介する。
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聴聞会でスパーリングから質問されたシュミットは、違法な監視についてスローンと話し合ったかを訊かれる。
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スローンは、態度を変えたバッジリーを引き戻すために、ビッグ・サムとリトル・サムの手を借りて方法を考える。
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スローンと話し合ったことを認めたシュミットは、監視の方法を訊かれる。
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シュミットは、ビッグ・サムとリトル・サムが、あらゆる監視とハッキング、そしてゴキブリを使った盗聴ができることを知らされる。
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それを知ったスパーリングは、モラルに反し認められないと考えたと語るシュミットの話を聞く。
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シュミットに意見されたスローンは、バッジリーを引き戻す方が大事だと伝えるものの、社の規定に反すると言う彼はその場を去る。

その後、バッジリーが銃規制指示に回ったことを知ったパットは驚き激怒する。

資金調達パーティー会場でフォードから話しかけられたスローンは、知らぬふりをしてその場を去る。

スローンが動揺していたため、その様子を見ていたダットンは気になる。

ジョン・オニール(ディラン・ベイカー)の番組でディベートを行うことになったスローンとパットは、激しい議論を繰り広げる。

興奮しながら話すスローンは、実際に銃乱射事件の現場で身を隠していたエズメに訊くべきだとパットに伝えて、彼女の秘密を暴露してしまう。

スタッフとシュミットは、心に傷を負うエズメまで利用するスローンのやり方に驚く。

動揺するエズメはその場にはいられずに楽屋で涙し、現れたスローンが、最初から考えていた方法だったことに気づく。

勝つために雇われた自分はどんなことでも利用すると言うスローンは、エズメから、自分もその手段なのか訊かれて、それを認める。

目的に対し義務を果たすのが務めだと言うスローンは勝ち負けにこだわり、コメントの準備をしてカメラの前で質問に答えるようエズメに指示する。

カメラに向かい話し始めたエズメは、1998年に起きたブルーミントン高校銃乱射事件の際の生存者であり、長年トラウマに悩まされて隠してきたが、意見を表明すべきだと思うことを伝える。

その放送を見ていたデュポンは、対策を考えるためにサンフォードに連絡するようダットンに指示する。

社に戻ったスローンは、シュミットから、自分自身のことならともかく、エズメまで利用した行動を批判されるが、自分が必要なはずだと彼に伝える。

銃ロビーに徹底的に叩かれると言われたスローンは、自分のキャリアやエズメの心の問題よりも大事なことがあると言い切る。

理解に苦しむシュミットに対しスローンは、絶対に勝つと伝えて、すべてが最初から仕組まれていた場合のについて話し始める。

サンフォードが女は盲点だと言ったのは正しい考えであり、彼らはそれがコントロールできないた伝えたスローンは、根回ししていた女性団体やフェミニストから、巨額の献金が入る計画をシュミットに話す。

300万人から1500万ドルが四半期以下に入ると言われたシュミットは驚き、すべて仕組んでいるスローンの考えがやはり理解できない。

酔ってホテルに向かったスローンは、その場にいたフォードから、通信会社勤務だと偽りパーティーで無視しようとしたことを責められる。

ウソをつくのは生きるためだと言うスローンは、迫るフォードと愛し合おうとするものの、その気になれないため彼に金を渡す。

何もしていないので話だけでもしたいと言うフォードだったが、苛立つスローンは彼に帰るようにと伝える。

その後、スローンが1500万ドルの資金を得たことを知ったサンフォードは、それをデュポンらに知らせ、彼女のキャリアを潰すよう指示する。

賛成派は56人となり、シカゴでテレビ出演したエズメは女性の関心を惹きつける。

スローンを警戒するようにと忠告していたダニエルは、それを無視したシュミットを批判するものの、仕方なく、訴えられないための対策を彼女と考えることになる。

スローンと電話で話していたエズメは、歩いていたフランク・マッギルにぶつかり資料を落としてしまう。

フランクは、エズメが落としてペンに気づく。

外に出たエズメは、背後から迫る男バズに銃を向けられ、威嚇射撃をされる。

電話の声でそれに気づいたスローンは動揺する。

バズは、エズメにペンを返そうとして外に出た、銃を携帯していたフランクに射殺される。

銃が人を救った事件がチャンスと考えたパットは、デュポンに連絡する。

フランクは登録した銃の法的保有者であり、規制法案には影響しないとシュミットは考える。

現場に向かいマスコミのインタビューに答えたパットは、エズメは感謝するべきだと言って、フランクを模範的市民だと称える。

現地まで迎えに来たスローンが気遣う言葉も、自分を連れ戻すためであり、襲撃も仕組んだのではないかと考えたエズメは、自分は闘い続けると伝える。

あなたとはできるだけ離れると言うエズメは、人に対する敬意もなく、境界線を越えても気にするようには思えないスローンを見限りその場を去る。

サンフォードらは、フランクを英雄としてキャンペーンを始め、規制法支持票は51に減る。

勢いは永遠には続かないと考えるデュポンは、パットとダットンと共に聴聞会に持ち込むための方法を考え、スローンの調査を始める。

ダニエルを伴い記者ウォルシュの取材を受けたスローンは、暴露したことでエズメが狙われたのではないかと言われたために、話し合いを打ち切る。

事態は悪化して資金不足になり、4~7票足りない状況となったシュミットはスタッフを気遣う。

辞めるチャンスはあったとスローンに伝えたシュミットは、辞めて何をするのかと言われ、その場を去る。

会議中のジェーンに電話をしたスローンだったが、切られてしまい苛立つ。

スローンの調査を進めるジェーンは、彼女が扱ったインドネシアの件の資料を確認し、デュポンに、上院倫理規定違反を証明できることを伝える。

スパーリングに会ったデュポンは、法案に賛成した身で廃案に持ち込む側には回れないと言われる。

公平を装いスローンの聴聞会を開くようにと伝えたデュポンは、従わなければ、攻撃を受けて資金を断たれ政界から抹殺されると言ってスパーリングを説得する。

子供じみた茶番劇になると言うスパーリングだったが、複数の団体からの資金提供を保証され、納得するしかなかった。

バッシングの嵐の中、シュミットから、キャンペーンから外すと言われたスローンは、聴聞会の準備をするよう指示される。

4月28日、連邦議会上院 第4集会室。
スパーリングから、法案を廃止させる目的で、議員の家族の外遊費用手配の関与に関する書類を見せられたスローンは、それに署名したことを認める。

上院倫理規定違反を指摘されたスローンは、それだけが証拠かと反論するものの、スパーリングから、バッジリーの監視及び盗聴の件を訊かれる。

実行はしなかったと言うスローンは、理由はシュミットから禁じられたからだと伝える。

過去に監視を許可したことがあるか訊かれたスローンはそれを否定し、スパーリングは尋問を終える。

次にフォードが証人として呼ばれ、スローンに何者か確認したダニエルは、いずれ暴露されるので構わないと言われる。

宣誓したフォードは着席して職業をを訊かれ、様々な仕事をしているが、最も収入が多いのはエスコートサービスだと答える。

金で性交渉を行う仕事の内容を確認したスパーリングは、フォードにスローンとの面識を問うが、ダニエルから、私生活は無関係だと言われる。

売春の勧誘は刑事犯罪であり、スローンが法律に反したか知る必要はあると言うスパーリングは、フォードに彼女と面識があるか尋ねる。

それを認めたフォードはスローンを特定し、彼女との関係を訊かれる。

ある人物と会合に出席して、スローンに自己紹介するものの断られたと言うフォードは、客だったことを否定する。

ホテルの従業員2人の、部屋を予約した日にスローンをロビーで見たという宣誓供述があると言うスパーリングは、もう一度同じ質問をするものの、フォードは彼女との関係を否定する。

尋問を終えたスパーリングは閉会する。

社に戻り法案の状況が完全に冷めている状態だと確認したスローンは、ロスから、”地震”のような刺激が必要だと言われる。

翌日、集会室に向かったスローンは、傍聴するエズメのことを気にしながら、スパーリングから意見を求められ沈黙する。

ダニエルが意見はないと伝えるものの、席を立ったスローンは発言しようとする。

自分のためだけに銃規制の闘いをしていると、マスコミ他から厳しく批判されているが、時には自分のためでなく、正しいことを信じて何かをすると話すスローンは、スパーリングから、この場に相応しい発言をするようにと言われる。

望むことを言う権利はあると伝えたスローンは、銃規制強化法案は正しいことであるが、それだけが自分の動機ではなく、キャンペーンへの誘いに興奮したと話す。

勝利に向けて邁進した自分が倫理規定から外れたことは確かで、一線を越えたことを認めたスローンは、身近な人々を裏切り命まで危険に晒したことの批判は受け入れる。

法案の投票の際は、犠牲を払い正しいことを行った後席にいる人たちを手本にすることを希望し、議員は、政界での出世のために投票するのではなく、祖国のために正しいと信じることを考えてほしい、自分の夢は叶わずともとスローンは語る。

国の制度は腐りきっているため、正直な政治家は報われない、得をするのは”ネズミ”だと話すスローンを、スパーリングは複雑な表情で見つめる。

国家の民主主義を蝕む卑劣な”ネズミ”を痛烈に批判したスローンは、ロビー活動がうまくいけば自分には批判が集まることを予想していたと言って、ロビー活動は予見であり対策を考えることだと伝える。

ジェーンから、将来のことで話しがあると言われたパットは、今はそんな時でないと伝える。

辞表を渡したジェーンは、学問が自分の世界だと言って退席する。

コール・クラヴィッツ&ウォーターマンを辞職した際にスパイを残してきたと言うスローンは、デュポンに監視を付けて密会現場を盗聴し、相手はスパーリングだったと語る。

スローンは、ビッグ・サムとリトル・サムに、デュポンとスパーリングの車内での会話を盗聴させていたのだった。

その場は騒然となり、スパーリングは焦りながらそれを鎮めようとする。

ネットのアドレスを皆に伝えたスローンは、”地震”というファイルをダウンロードするようにと指示する。

その場の人々は、デュポンとスパーリングが密会する動画を確認し、デュポンもダットンからそれを見せられる。

スパーリングは呆然としながらスローンを見つめ、聴聞会は延期される。

動揺するデュポンとスパーリングはその場を去り、携帯電話で動画を確認したダニエルは苦笑してしまう。

皆が退席する中、状況を考えるシュミットは席を立てない。

パットは、”勝つ能力以外に信じる者は・・・”、”ピーターソン・ワイアットが支払うサービスの対価は0ドル”という、ジェーンの辞表に同封されていたメモを確認する。

エズメと目を合わせたスローンは、その場を去る彼女を見つめる。

10か月後、メリーランド州、アンダーソン、連邦矯正施設。
面会に来たダニエルから、スパーリングとデュポンの聴聞会が始まることを知らされたスローンは、4~6か月で出所できるようにすると言われる。

すべてを仕掛けた理由を訊かれたスローンは、大成功だとダニエルに伝え、キャリアを懸ける価値があったか訊かれる。

命を捨てる方がましだと言うスローンは、医師も賛成すると伝えて、ダニエルに感謝して去ろうとする。

スローンを呼び止めたダニエルは、例の書類を意図的に書き込んだことを彼女に確認し、チームにも隠した理由を尋ねる。

刑期は5年だからだと答えたスローンは、ダニエルからまた会おうと言われてその場を去る。

その後、スローンは出所する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ワシントンD.C.
”コール・クラヴィッツ&ウォーターマン”のロビイストであるマデリン”エリザベス”スローンは、銃製造団体の代表サンフォードから、銃規制強化法案を潰す目的で女性票を取り込むロビー活動を依頼される。
それを断ったスローンは、法案賛成派のロビー会社”ピーターソン・ワイアット”CEOのシュミットに誘われる。
スタッフを連れてシュミットに雇われたスローンは、法案可決に必要な票獲得のために、あらゆる方法を使い活動を始めるのだが・・・。
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恋におちたシェイクスピア」(1998)などの話題作で知られるジョン・マッデンが演出し、「ペイド・バック」(2011)で彼と組んだジェシカ・チャステインが主演を務めた作品。

銃規制強化法案に反対する強大な権力に立ち向かうロビイストの戦いを描く政治ドラマ。

日本人からすると荒唐無稽に思われるような内容ではあるが、アメリカや世界では活発に行われているロビー活動の世界の内幕を描く作品。

諜報工作のようなロビイストの活動が、ドラマであるためにやや大袈裟に描かれているのは仕方ないとして、クライマックスのどんでん返しを含めて、娯楽作と考えれば面白味があるが、脚本と演出が凝り過ぎたご都合主義的な内容が気になる。

魅力的な出演陣の中で、圧倒的な存在感で迫力を感じさせる剛腕ロビイストを演じ、ゴールデングローブ賞の主演賞にノミネートされたジェシカ・チャステインの演技は見応えあるが、それに支えられているだけとも言える。

これだけのスタッフ、キャストにも拘わらず、限定公開され、その後、拡大されたものの、興行的には成功しなかった作品。

製作費 $13,000,000
北米興行収入 $3,500,610
世界 $9,101,550

主人公を雇い銃規制強化法案可決に向けて活動するマーク・ストロング、高校時代の銃乱射事件のトラウマを抱えながら主人公の下で行動するググ・バサ=ロー、元主人公のアシスタントであり、終盤でスパイだったことが分かるアリソン・ピル、その上司である銃規制法案を潰そうとするロビイストのマイケル・スタールバーグ、その上司であるCEOサム・ウォーターストン、彼に動かされていた、聴聞会を開く上院議員ジョン・リスゴー、主人公の弁護士デヴィッド・ウィルソン・バーンズ、主人公の相手をするエスコートサービスのジェイク・レイシー、デュポン(サム・ウォーターストン)の部下ラウール・バネジャ、銃製造団体の代表チャック・シャマタ、主人公の部下であるスタッフのダグラス・スミスメーガン・フェイヒーグレース・リン・カンアル・ムカダムノア・ロビンズ、主人公を裏切る部下ルーシー・オーウェン、監視のプロであるハッカーのセルジオ・ディ・ジオジョー・ピングー、路上で襲われたエズメ(ググ・バサ=ロー)を銃で救い法案反対派に英雄視されるマイケル・クラム、テレビのディベート番組のホスト、ディラン・ベイカー、主人公に取材を申し込む記者アレクサンドラ・カスティージョ、女性団体の代表クリスティーン・バランスキーなどが共演している。


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