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ミッドサマー Midsommar (2019)

スウェーデン奥地の村で行われる夏至祭/ミッドサマーに参加した大学生が体験する恐怖を描く、監督、脚本アリ・アスター、主演フローレンス・ピュージャック・レイナーヴィルヘルム・ブロングレンウィリアム・ジャクソン・ハーパーウィル・ポールター他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:アリ・アスター
製作
パトリック・アンデション
ラース・クヌードセン
ヴィクトリア・ペトラニー
製作総指揮
フレドリク・ハイニヒ
ペッレ・ニルソン
ベン・ライマー
フィリップ・ウェストグレン
脚本:アリ・アスター
撮影:パヴェウ・ポゴジェルスキ
編集:ルシアン・ジョンストン
音楽:ザ・ハクサン・クローク

出演
ダニー・アーダー:フローレンス・ピュー
クリスチャン・ヒューズ:ジャック・レイナー
ペレ:ヴィルヘルム・ブロングレン
ジョシュ:ウィリアム・ジャクソン・ハーパー
マーク:ウィル・ポールター
コニー:エローラ・トルキア
サイモン:アーチー・マデクウィ
ウルフ:ヘンリック・ノーレン
シヴ:グネル・フレッド
マヤ:イザベル・グリル
ダグニー:アグネス・ラーゼ
インガ:ジュリア・ラグナーソン
オッド:マッツ・ブロムグレン
ステン:ラース・バリンガー
カリン:アンナ・オーストレム
イングマール:ハンパス・ホールバーグ
ウラ:リヴ・ミューネス
ハンナ:ルイーズ・ペーターホフ
イルヴァ:カタリーナ・ヴェイダーゲン
ダン:ビョルン・アンドレセン
ヤール:トーマス・エングストロム
スヴェン:ダグ・アンダーソン
マッツ:レナート・R・スベンソン
アルネ:アンダース・ベックマン
ウルリカ:レベッカ・ジョンストン
マジヴォア:トーベ・スケイッツヴォル
ヴァレンティン:アンダース・バック
イルマ:アンキ・ラーション
ルーベン:レヴェンテ・プツコ=スミス
アーダー夫人:ガブリエラ・フォン
アーダー:ゾルト・ボヤリ
テリー・アーダー:クラウディア・チャニ

アメリカ/スウェーデン 映画
配給
A24(北米)
Nordisk Film(スウェーデン)
2019年製作 147分
公開
スウェーデン:2019年7月10日
北米:2019年7月3日
日本:2020年2月21日
製作費 $9,000,000
北米興行収入 $27,426,360
世界 $47,967,640


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
心理学を専攻する学生のダニー・アーダー(フローレンス・ピュー)は、双極性障害の妹テリー(クラウディア・チャニ)からのメールが気になり、両親(ゾルト・ボヤリ/ガブリエラ・フォン)に電話をする。

電話に出ない両親にメッセージを残したダニーは、死を予告するようなメールを送ってきたテリーのことを心配する。

ダニーは、文化人類学の学生でボーイフレンドのクリスチャン・ヒューズ(ジャック・レイナー)に電話をする。

マーク(ウィル・ポールター)らと一緒にいるクリスチャンは、テリーのことは心配いらないとダニーに伝えて、彼女を落ちすかせる。

その後ダニーは、テリーにメールの返信をしようとする。

ペレ(ヴィルヘルム・ブロングレン)とジョシュ(ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)も含めて話し合っていたクリスチャンは、マークから、面倒なダニーとは別れるべきだと言われて悩む。
...全てを見る(結末あり)

ダニーからの電話を受けたクリスチャンは、テリーが自殺したことを知る。

両親を道連れにしたテリーは、車の排気ガスを吸い込んで自殺し、ダニーからの4件のメールは開かれていなかった。

悲しむダニーは泣き崩れる。

数か月後。
心の傷が癒えないダニーは、クリスチャンらが、スウェーデン人のペレの故郷ヘルシングランドで90年に1度行われる、夏至祭/ミッドサマーに招待されたことを知る。

ダニーを一応誘ったクリスチャンは、来ないだろうとペレらに伝える。

クリスチャンの部屋を訪ねたダニーは、スウェーデン行きを事前に知らせてくれなかったことを不満に思う。

同行することを決めたダニーは、ペレに喜んでもらう。

ミッドサマーが、親族による9日間の大饗宴だと知ったダニーは、小さなコミューン出身のペレから、その様子を撮影した写真を見せてもらう。

両親を亡くしているペレから、家族の件で悲しんでいることを心配されたダニーは、動揺してトイレに向かい涙する。

スウェーデン
ヘルシングランドに向かいホルガ村に到着したダニーらは、ペレから、幼馴染のイングマール(ハンパス・ホールバーグ)や、ロンドンから来た婚約しているサイモン(アーチー・マデクウィ)とコニー(エローラ・トルキア)を紹介される。

イングマールからマジックマッシュルームを勧められたダニーは、暫くしてから試そうとするが、皆に迷惑をかけたくないと思い一緒にハイになる。

幻覚を見たダニーは動揺して眠ってしまい、家族の夢を見る。

目覚めたダニーらはコミューンに向かい、神秘的な雰囲気の中で生活する人々に歓迎され、ペレから”姉”ダグニー(アグネス・ラーゼ)を紹介される。

ペレはオッド(マッツ・ブロムグレン)との再会を喜び、友人たちを紹介する。

リーダーの1人シヴ(グネル・フレッド)による、ミッドサマーの開催を伝える儀式が始まり、子供たちが踊り始める。

誕生日だったダニーは、クリスチャンに祝ってもらう。

明日に備えて共同宿舎で眠ろうとしたペレは、皆にアッテストゥパンについて話すが、詳しいことは語らない。

翌日、集まった人々は、幻想的な雰囲気の中で朝食を済ませ、老人イルヴァ(カタリーナ・ヴェイダーゲン)とダン(ビョルン・アンドレセン)は、椅子に座ったまま断崖のアッテストゥパンに運ばれる。

その様子を見ていたダニーは、これから起きることを予想して動揺する。

イルヴァは、地上の石の台に身を投げて自殺する。

ダニーらはショックを受け、サイモンとコニーは、イングマールに説明を求める。

ダンもイルヴァに続き落下し、息のあった彼は木槌で頭部を砕かれる。

サイモンとコニーは人々を非難し、シヴは、昔から続く風習であり、喜びの中で命を捧げることを2人に説明して、事前に話さなかったことを謝罪する。

コミューンに戻ったダニーは1人になり、家族の死を思い出して涙する。

クリスチャンは、ホルガについての論文を書く考えをジョシュに伝える。

事前に調査して準備していたジョシュは、クリスチャンを批判する。

しかし、クリスチャンは考えを変えなかった。

その件をペレに話したジョシュは、リーダーたちが論文を許すはずがないと言われても納得しない。

仕方なくペレは、リーダーたちの意見を聞くことにする。

帰国するつもりのダニーと話したペレは、幼いころに両親を亡くし孤児になったので、気持ちは理解できると彼女に伝える。

ペレは、クリスチャンが心の拠り所になり、愛されていると思うかとダニーに問う。

イルヴァとダンは、人々の前で火葬される。

その夜ダニーは、家族の夢を見る。

クリスチャンに惹かれた少女マヤ(イザベル・グリル)は、彼のベッドの下にあるものを置く。

翌日ペレは、実名を出さず場所も特定せず、契約書に署名する条件で、クリスチャンと協力して論文を書く許可が下りたことをジョシュに伝える。

ジョシュからクリスチャンのベッドの下にあったものを見せられたペレは、ルーン文字で書かれた、恋の魔法をかけるものだと伝える。

論文の件をペレから知らされたクリスチャンは感謝し、マヤが自分に惹かれていることを知らされる。

その後、マークが先祖の木で用を足してしまい、人々に非難されて騒ぎになる。

コミューンを去ろうとしたコニーは、サイモンの姿が見あたらない。

オッドから、サイモンは駅まで送ってもらい、戻って来た運転手が自分を連れて行ってくれると言われたコニーは、その話を不審に思う。

村人と話をしていたクリスチャンは、コニーとオッドの会話を聞いていたダニーから、サイモンが1人で出て行ったことを知らされる。

リーダーの一人からルーン文字についての話を聞いたジョシュは、聖なる書物”ルビ・ラダー”の写真撮影は許可してもらえなかった。

ダニーは女性たちのミートパイ作りに誘われ、それを手伝う。

夕食の時間になり、ダニーはコニーのことが気になる。

ダニーは、サイモンと連絡がつき納得したコニーが、駅に送ってもらったことを知る。

サイモンが1人で駅に行ったことが気になるダニーは、あなたも同じことをしそうだとクリスチャンに伝える。

先祖の木のことで、人々が自分を恨んでいることを知ったマークは、インガ(ジュリア・ラグナーソン)に誘われる。

その夜、宿舎を抜け出したジョシュは神殿に向かい、ルビ・ラダーを撮影する。

ジョシュはマークが現れたために驚き、殴られて気を失う。

マークのスキンマスクを被った男は、出血したジョシュを運び出す。

翌朝クリスチャンらは、ジョシュとマークがいないためにそれを気にしながら、ルビ・ラダーが神殿から盗まれたことを知らされる。

ダニーは、ホルガの伝統衣装を着て飲み物を与えられ、メイポール・ダンス大会に参加する。

シヴと話をしたクリスチャンは、マヤとの性交を許可される。

ダニーは、飲みものが幻覚剤だと気づきながら踊り続け、メイ・クイーンに選ばれる。

幻覚を見ながら祝宴の席に着いたダニーは、皆に祝福される。

幻覚剤を飲まされていた同席するクリスチャンは、マヤに誘われる。

席を立ったダニーは馬車に乗り、その場から移動して儀式を行う。

マヤの元に向かうよう指示されたクリスチャンは、全裸の女性たちの前で彼女と愛し合う。

コミューンに戻り、それを知ったダニーはパニック発作を起こし、彼女を宿舎に連れて行った女性たちは、ダニーの真似をして叫び声をあげる。

正気に戻ったクリスチャンは、建物から出て逃げようとするが、殺されて花壇に埋められているジョシュの死体を発見する。

納屋に逃げ込んだクリスチャンは、殺されているサイモンを見つける。

現れた男性に粉を吹き付けられたクリスチャンは、体が麻痺して気を失う。

コミューンのリーダーたちは、悪を浄化するために、9人を生贄として捧げなければならないことをダニーに説明する。

最初の4人はペレとイングマールに誘われた外部の人間で、次の4人はコミューンのメンバーであり、既にイルヴァとダンの2人は命を捧げた。

イングマールとウルフ(ヘンリック・ノーレン)が志願し、メイ・クイーンのダニーは、最後の犠牲者としてクリスチャンか村人のどちらかを選ばなければならなかった。

村人からはトービヨンが選ばれ、ダニーは選択を迫られる。

ダニーに選ばれたクリスチャンは、ヒグマの死体に詰め込まれ、溺死したコニーらの死体と共に神殿に運ばれる。

イングマールとウルフには苦しまない薬が与えられ、神殿には火が放たれる。

コミューンの人々は、生きたまま焼かれる者が苦しむ叫び声を聴き、それを真似する。

ダニーは、神殿が焼け落ちる様子を見ながら恐怖のあまり涙するが、やがて笑みを浮かべる。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
心理学を専攻する学生のダニー・アーダーは、双極性障害の妹テリーが、両親を道連れにして自殺したためにショックを受ける。

数か月後、傷ついた心が癒えないダニーは、ボーイフレンドのクリスチャンに誘われ、彼の友人のスウェーデン人ペレの故郷で、90年に一度行われる夏至祭/ミッドサマーに参加することになる。
クリスチャンとペレ、マークとジョシュと共に現地に着いたダニーは、神秘的な生活をする、ホルガ村の人々に歓迎されるのだが・・・。
__________

前年のデビュー作「ヘレディタリー/継承」(2018)で絶賛された期待の若手監督アリ・アスターが、脚本を兼ねて演出したことで注目された作品。

スウェーデン奥地の村に古くから伝わる”伝承”をテーマにしたホラー。
神秘的な生活を続ける人々が求める、一般人には理解できない死に対する喜びを恐怖の中で描く、残虐性やエロティシズムなどを含めた生々しい映像も話題になった。

本作も批評家から絶賛されたアリ・アスターは、その才能を証明し、今後も大いに期待できる。

主演のフローレンス・ピューは、家族を亡くし精神的に不安定な状態で異様な体験をする主人公を好演している。

主人公のボーイフレンドで、コミューンの存続のために利用されて生贄となるジャック・レイナー、その友人ヴィルヘルム・ブロングレン、彼らを故郷の村に招待する留学生のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、その友人ウィル・ポールターイギリスから来たカップルのエローラ・トルキアとアーチー・マデクウィ、クライマックスで生贄に志願する村の住人ヘンリック・ノーレンハンパス・ホールバーグ、クリスチャンと性交する少女イザベル・グリル、村の女性アグネス・ラーゼ、ジュリア・ラグナーソンアンナ・オーストレムリヴ・ミューネスルイーズ・ペーターホフ、村のリーダーたちグネル・フレッドマッツ・ブロムグレンラース・バリンガーレナート・R・スベンソンアンキ・ラーション、断崖で自殺するカタリーナ・ヴェイダーゲンビョルン・アンドレセン、主人公の両親ガブリエラ・フォンとゾルト・ボヤリ、主人公の自殺する妹クラウディア・チャニなどが共演している。


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