ロジャー・コーマンによる1960年公開の「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」を基にした1982年の同名ミュージカルの映画化。 監督フランク・オズ、リック・モラニス、エレン・グリーン、ヴィンセント・ガーディニア、スティーヴ・マーティン、ビル・マーレイ共演のミュージカル。 |
・スティーヴ・マーティン / Steve Martin / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:フランク・オズ
製作:デヴィッド・ゲフィン
脚本:ハワード・アッシュマン
撮影:ロバート・ペインター
編集:ジョン・ジンプソン
音楽
マイルズ・グッドマン
アラン・メンケン
ハワード・アッシュマン
出演
シーモア・クレルボーン:リック・モラニス
オードリーフルクアード:エレン・グリーン
グラヴィス・ムシュニク:ヴィンセント・ガーディニア
オリン・スクリヴェロ:スティーヴ・マーティン
オードリーⅡ:レヴィ・スタッブス
アーサー・デントン:ビル・マーレイ
パトリック・マーティン:ジェームズ・ベルーシ
ウィンク・ウィルキンソン:ジョン・キャンディ
最初の客:クリストファー・ゲスト
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1986年製作 93分
公開
北米:1986年12月19日
日本:1987年4月25日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $34,656,700
■ アカデミー賞 ■
第59回アカデミー賞
・ノミネート
歌曲・視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
スキッド・ロウの花屋。
冴えない店員シーモア・クレルボーン(リック・モラニス)は、子供の頃、花屋の主人のグラヴィス・ムシュニク(ヴィンセント・ガーディニア)に拾われ、それ以来、扱使われていた。
シーモアが心を寄せる、同僚オードリー(エレン・グリーン)は、恋人の歯科医オリン・スクリヴェロ(スティーヴ・マーティン)の暴力にひたすら耐えていた。
いつまで待っても客が来ない店を、ムシュニックは見限り廃業しようとする。
しかし、シーモアが地下から持ってきた、不思議な鉢植え”オードリーⅡ”を人目につくところに出すと、いきなり最初の客(クリストファー・ゲスト)が現れる。
”オードリーⅡ”は、シーモアが、皆既日食の日に見つけた植物だった。 そんな話をシーモアがしていると、最初の客は100ドルものバラを買って行き、その後も”オードリーⅡ”を見かけた客が次々に現れ、店は大繁盛する。 しかし、鉢植えのつぼみがしぼんでしまい、ムシュニックはシーモアに、”オードリーⅡ”の世話をするよう命ずる。 シーモアが困っていると、バラのトゲで指を刺した彼の血を、そのつぼみが欲しがる。 それを吸ったつぼみは元気を取り戻し、”オードリーⅡ”は成長を始める。 シーモアは、ラジオ局SKIDに”オードリーⅡ”を持参して、人気DJウィンク・ウィルキンソン(ジョン・キャンディ)の番組に出演し、店の宣伝をする。 オードリーが、スクリヴェロとのデートの度に怪我をさせられているため、人々は、彼と別れてシーモアと付き合えばと彼女に助言する。 実は、オードリーはスキッド・ロウを離れ、キュートで優しいシーモアと、ささやかな家庭を築く夢を抱いていた。 その頃、シーモアは店を繁盛させるために、仕方なく自分の血を”オードリーⅡ”に与えていた。 ”オードリーⅡ”の成長と共に、店は大盛況を続けるが、シーモアは血を吸い取られて体が弱っていく。 そんな時、シーモアはオードリーの恋人スクリヴェロに馬鹿にされてしまう。 人間の背丈ほどに成長して、”オードリーⅡ”(レヴィ・スタッブス)は話をするようになり、シーモアに大量の生血を求める。 困り果てたシーモアは、虐待されているオードリーを守るために、スクリヴェロを殺して”オードリーⅡ”の餌にしてしまうことを考える。 スクリヴェロは、痛みや虐待を好む異常な患者アーサー・デントン(ビル・マーレイ)が、自分の治療を喜ぶために彼を追い出してしまう。 そこにシーモアも現れ、スクリヴェロの”治療”の餌食になりそうになり、シーモアは彼を殺そうと銃を向ける。 しかし、自ら麻酔と笑いガスを吸い過ぎたスクリヴェロは、そのまま息を引き取ってしまう。 遺体を運び、それを切り刻み始めたシーモアだったが、それをムシュニックに目撃されてしまう。 シーモアは、スクリヴェロの遺体を”オードリーⅡ”に与えるが、行方不明になった彼を警察が捜索していることをオードリーから知らされる。 オードリーは、スクリヴェロから解放されたい気持ちはあるが、自分を好いてくれる男性など他に誰もいないと、彼女は悲しい過去も語りながら涙する。 そんなオードリーを、シーモアは優しい思いやりで包み込み、そして二人は固く抱き合う。 シーモアがオードリーに恋したことを知ったムシュニックは、それが理由で彼がスクリヴェロを殺したと思い込む。 ムシュニックはシーモアを追求し、見逃す代わりに町を出るようシーモアに告げ、”オードリーⅡ”に何を与えればいいかを尋ねる。 しかし、”オードリーⅡ”はムシュニックを飲み込んでしまう。 その後、シーモアは、天才園芸家としてテレビや雑誌で引っ張り凧となるが、”オードリーⅡ”は、餌を欲しがり取材中にしおれてしまう。 困り果てたシーモアは、取材で大金が入る予定だと知り、オードリーに求婚してスキッド・ロウを出ようとする。 店を逃げ出そうとするシーモアに、尚も餌を求める”オードリーⅡ”は、彼が餌を買いに行っている間にオードリーを誘い出す。 シーモアは、”オードリーⅡ”に飲み込まれようとしていたオードリーを助ける。 そこに、世界植物興業のパトリック・マーティン(ジェームズ・ベルーシ)が現れ、”オードリーⅡ”を世界中の家庭に売り込む話を持ちかけられる。 シーモアはそれを断り、勇気を出して”オードリーⅡ”を退治しようと考える。 ”オードリーⅡ”は、店を壊してシーモアを圧倒するが、彼は、高圧線を使い”オードリーⅡ”を爆発させてしまう。 そして、瓦礫の中から現れたシーモアを、オードリーは固く抱きしめる。 その後、シーモアとオードリーは結婚して、二人は憧れのマイホームを持つ。 しかし庭先では、”オードリーⅡ”のつぼみが笑みを浮かべていた。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
スキッド・ロウの花屋の、冴えない店員シーモア・クレルボーンは、子供の頃、主人のムシュニクに拾われ、それ以来、扱使われていた。
シーモアが心を寄せる、同僚のオードリーは、恋人の歯科医スクリヴェロの暴力に、ひたすら耐えていた。
ムシュニックは、全く客が来ない店を見限り廃業しようとするが、シーモアが、皆既日食の日に見つけた不思議な鉢植え”オードリーⅡ”を店頭に出すと、いきなり客が現れる。
その後も、”オードリーⅡ”を見かけた客が次々と現れ、店は大繁盛するものの、鉢植えのつぼみがしぼんでしまう。
ムシュニックは、シーモアに鉢植えの世話をするよう命ずる。
困ったシーモアは、”オードリーⅡ”が人の血を飲んで成長をすることを知る。
そのため、シーモアは自分の血を与えるのだが、成長を続ける”オードリーⅡ”の食欲は、次第にエスカレートしていく・・・。
__________
ロジャー・コーマンによる1960年公開の「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」を基にした1982年の同名ミュージカルの映画化。
*1960年版には、23歳のジャック・ニコルソンも出演している。
「スター・ウォーズ」(1977)シリーズのヨーダの声やパペット操作、または俳優としても数々の映画出演もこなす、フランク・オズの監督作品。
第59回アカデミー賞では、歌曲、視覚効果賞にノミネートされた。
ミュージカルとしての楽しさに加え、アカデミー視覚効果賞にノミネートされた、”オードリーⅡ”他の出来も見事で、製作費に3000万ドルをかけてあるだけあり、半端な作りでなく見応えもある。
*ちなみに、1960年度版は製作費わずか3万ドル。
本作をきっかけに、ディズニー長編アニメの音楽担当に抜擢された、アラン・メンケンとハワード・アッシュマンの楽曲も素晴らしい。
この後二人は、「リトル・マーメイド」(1989)から始まる、ヒット作を次々と手がけることになる。
主演のリック・モラニスとエレン・グリーンの、掃き溜めのようなスキッド・ロウから逃れようと健気に願い夢見る、少々”ナンセンス”な二人が実にいい。
特に、オフ・ブロードウェイのオリジナルキャストのエレン・グリーンが、ごく普通の生活を夢見て、こんな家庭を作りたいと想い描く、アメリカの豊かさを象徴するようなシーンは素晴らしい。
意地の悪い店主、大ベテランのヴィンセント・ガーディニア、暴力歯科医の怪演が光るスティーヴ・マーティン、その患者ビル・マーレイ、”世界植物興業”を名乗る意味不明な男ジェームズ・ベルーシ、DJのジョン・キャンディ、最初の客のクリストファー・ゲストなど、豪華な共演者達も注目だ。