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円卓の騎士 Knights of the Round Table (1953)

1485年に発表された、トマス・マロリーの著書”アーサー王の死”を基に製作された、”アーサー王物語”をテーマにした作品。
アーサー王に仕える円卓の騎士ランスロットと王妃グィネヴィアの恋を描く、監督リチャード・ソープ、主演ロバート・テイラーエヴァ・ガードナーメル・ファーラーアン・クロフォードスタンリー・ベイカー他共演の歴史恋愛ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(歴史劇)

エヴァ・ガードナー / Ava Gardner / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:リチャード・ソープ

製作:パンドロ・S・バーマン
原作:トマス・マロリーアーサー王の死
脚本
タルボット・ジェニングス
ジャン・ラスティグ
ノエル・ラングレー
撮影
フレディ・A・ヤング
スティーヴン・デイド
編集:フランク・クラーク
美術・装置
アルフレッド・ジュネ
ハンス・ペーターズ
ジョン・ジャーヴィス
音楽:ミクロス・ローザ

出演
ランスロット:ロバート・テイラー
グィネヴィア:エヴァ・ガードナー
アーサー王/アーサー・ペンドラゴン:メル・ファーラー
モーガン・ル・フェイ:アン・クロフォード
モドレッド:スタンリー・ベイカー
マーリン:フェリックス・アイルマー
エレイン:モーリン・スワンソン
パーシヴァル:ガブリエル・ウルフ
ガレス:アンソニー・フォーウッド
ガウェイン:ロバート・アーカート
緑の騎士:ナイアル・マクギニス
ヴィヴィアン:パトリシア・オーウェンズ
ナン:アン・ハンスリップ
ブロンウィン:ジル・クリフォード
アグラヴェイン:スティーブン・ヴァーコー
サイモン:ハワード・マリオン=クロフォード
ベディヴィア:ジョン・ブルッキング
司教:ピーター・ゴーソーン
ヘラルド:デスモンド・リュウェリン
スチュワード:アラン・ティルバーン
ランバート:ジョン・シャーマン
モーガン・ル・フェイの召使:ダナ・ウィンター
ブリギッド:メアリー・ジェルメイン
ジョン:マーティン・ワイデック
緑の騎士バリー・マッケイ
緑の騎士:デレク・タンズリー

アメリカ 映画
配給 MGM
1953年製作 115分
公開

イギリス:年月日
北米:1953年12月22日
日本:1954年5月1日
製作費 $2,600,000


アカデミー賞
第26回アカデミー賞

・ノミネート
美術(カラー)・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ローマ帝国軍の退去により、イングランドには暗雲が立ち込め、内戦が続いていた。

君主アーサー・ペンドラゴン(メル・ファーラー)は、対立する異母姉モーガン・ル・フェイ(アン・クロフォード)と夫のモドレッド(スタンリー・ベイカー)に会い、戦いを終わらせるための話し合いをする。

王政復興を提案するアーサーは、国王の正当な子孫であることを主張するモーガンの意見を聞く。

話し合いをお膳立てしていたアーサーの補佐である魔術師マーリン(フェリックス・アイルマー)は、アーサーが側室の子であっても王の子であることに違いないと言って、両者にある試練を与えようとする。

金床に埋め込まれた剣”エクスカリバー”の元に案内したマーリンは、剣を引き抜くことができた者がイングランドの真の君主になると両者に伝える。

モドレッドはそれを引き抜くことができなかったが、アーサーは難なく剣を引き抜く。

偽物であり魔術だと言ってモドレッドが納得しないため、マーリンは、諸侯を招集して、協議により王を決める提案をする。

協議で会うことを約束したモドレッドとモーガンはその場を去り、アーサーは自分が王であることを宣言する。

マーリンから、行動でそれを証明するべきだと言われ、剣を金床に戻すよう指示されたアーサーは、それに従う。

フランスの騎士ランスロット(ロバート・テイラー)は、ガレス(アンソニー・フォーウッド)、ガウェイン(ロバート・アーカート)らと共にアーサーの元に向かおうとしていた。
...全てを見る(結末あり)

モドレッドの領地に入ったアーサーは、マーリンと別行動をとる。

アーサーが森を抜けることを知ったモドレッドは、部下に追跡するよう指示し、モーガンに会議には一人で向かうことを伝える。

同行するつもりのモーガンは、危険だと言われながらもモドレッドと共に出発する。

少女エレイン(モーリン・スワンソン)と出会ったランスロットは、彼女を馬に乗せてアーサーを捜していることを伝える。

隠れていたモドレッドの部下たちに気づいたランスロットは、彼らに剣を向ける。

そこに現れたアーサーは、ランスロットに加勢して敵を倒す。

助けはいらなかったと言われたアーサーは不満を訴え、ランスロットと剣を交えることになる。

勝負はつかず、互いの剣の腕を認めた二人は名を名乗る。

相手がアーサーだと知ったランスロットは剣を折り、彼から剣を受け取り跪く。

そこに、妹エレインを捜している青年パーシヴァル(ガブリエル・ウルフ)が現れ、ランスロットとアーサーが5人を倒したことを知る。

アーサーに出会えたことで感激するパーシヴァルは、同行したいことを伝える。

パーシヴァルが聖杯を見つけることを目的にしているのを知ったアーサーは、自分が王になった際に仕えてほしいと彼に伝える。

その後、協議を始めたアーサーとモドレッドだったが結論は出ず、不穏な空気を察したランスロットは、アーサーらと共に逃亡し、それにパーシヴァルが加わる。

過酷な冬を迎えたアーサーは、直ちに攻撃すべきだと言うランスロットに対し、春を待つ考えを伝え、義兄弟の誓いを立てて彼を説得する。

春になり、アーサーらはモドレッドに対する攻撃を開始し、圧倒的勢力の敵を巧みな戦術で倒す。

改めて金床からエクスカリバーを抜いたアーサーはイングランドの国王となり、反逆を謝罪したモドレッドは王に仕えることを誓う。

それを認めるアーサーに意見したランスロットは、モドレッドは罰するべきだと主張する。

それを認めないアーサーは、王妃にグィネヴィア(エヴァ・ガードナー)を迎えることになる。

モドレッドを許すアーサーに忠誠を誓う気のないランスロットは、剣を捨ててその場を去る。

旅の途中、ある女性が連れ去られたことを知ったランスロットは、彼女をさらった緑の騎士(ナイアル・マクギニス)に引き渡しを要求する。

戻りの騎士と対決することになったランスロットは、女性に会いに行く。

女性(エヴァ・ガードナー)に惹かれたランスロットは、ついて行くと言う彼女から肩掛けを受け取る。

緑の騎士と対決したランスロットは、彼を倒して女性を釈放し守ることを誓わせる。

女性に自由だと伝えたランスロットは、アーサー王とグィネヴィアの婚儀に向かうと言う彼女に同行を求められる。

それを断ったランスロットは、彼女から名を訊かれるものの、不名誉の証だと言って名乗らずにその場を去る。

キャメロット。
アーサーとグィネヴィアの結婚式が行われ、到着したランスロットは王に忠誠を誓う。

ランスロットを歓迎したアーサーは、先日の件を謝罪され彼を許す。

緑の騎士に釈放された女性が、王妃グィネヴィアであることを知ったランスロットは驚く。

グィネヴィアから、ランスロットに救われたことを知らされたアーサーは、彼に感謝して王妃の護衛を命ずる。

アーサーに仕える円卓の騎士たちは、忠誠を誓う。

その後、イングランドは平和と繁栄の時代を謳歌する。

ある日、グィネヴィアの元に向かったパーシヴァルは、エレインを侍女にしてほしいと伝える。

その場にいたランスロットは、美しく成長したエレインを思い出し、彼女との出会いをグィネヴィアに話す。

ランスロットがグィネヴィアにコインを贈る様子を見ていたモーガンとモドレッドは、恋仲のように思える彼らと共に王を陥れる策を考える。

マーリンは、そんなモーガンとモドレッドを監視していた。

モーガンからコインのことを訊かれたグィネヴィアは、ランスロットから受け取ったことをアーサーの前で話す。

グィネヴィアと話したマーリンは、噂が王国を滅ぼすと言って、危険人物であるアーサーの敵モドレッドを警戒するよう忠告する。

ランスロットを結婚させるべきだとグィネヴィアに伝えたマーリンは、その場を去る。

ランスロットに、自分を愛していることは知っていると伝えたグィネヴィアは、それが噂となりかけているため、エレインと結婚し、敵を動けないようにするべきだと言って彼を説得する。

ランスロットは、それに従うことをグィネヴィアに伝える。

アーサーと話したランスロットは、ピクト人が反乱を起こしている、スコットランド国境地帯への派遣を希望して許可される。

エレインにプロポーズしたランスロットは同行を求め、二人は北に向かうことになる。

アーサーとグィネヴィアに別れを告げたランスロットは、エレインと共に旅立つ。

その様子を見ていたモーガンを、マーリンは牽制する。

その後、遠征から戻ってこないランスロットのことを心配するエレインは、ガウェインの前で倒れてしまう。

ピクト人との戦いに勝利したランスロットは、エレインの元に戻る。

ある夜、現れたパーシヴァルを歓迎したランスロットは、彼が聖杯を探す旅の途中であることを知る。

聖杯を探せという主の声を聞いたと言うパーシヴァルは、それを探す旅を許可してくれた王は孤独だとランスロットに伝える。

一人になったランスロットは、グィネヴィアのことを想う。

同じ頃、コインを手にしながらランスロットのことを考えていたグィネヴィアは、話しかけてきたアーサーに、ランスロットへの思いを知られる。

アーサーは、自分もランスロットを慕っているとグィネヴィアに伝える。

パーシヴァルから、最高の騎士である自分が聖杯を探すべきではないかと言われたランスロットは、主が話しかけたのは君だと伝える。

出産を控えるエレインは、男の子が生まれる夢を見たことをランスロットに話し、生まれ変わっても今と同じ人生を歩みたいと伝える。

その頃、ランスロットとアーサーを対立させることを考えるモドレッドは、密かにスコットランド側と接触し和平を求める。

モドレッドは、グィネヴィアと恋仲のランスロットをキャメロットに戻せば、必ず二人の仲が再燃すると考える。

アーサーはランスロットからの知らせを受け取り、息子ガラハッドを産んだエレインは亡くなったということだった。

ガウェインとガレスは、ランスロットの指示で幼子ガラハッドをキャメロンに連れて来たのだった。

和平も知らされたアーサーは、モーガンからランスロットを戻すべきだと言われ、北部の安定を保つことを優先するマーリンはそれに反対する。

モーガンは、老人であるマーリンを自然死に見せかけることを考え、モドレッドがそれを実行する。

ランスロットの件をもう一度マーリンと話し合おうとしたアーサーは、マーリンが息を引き取っていることに気づく。

帰還したランスロットは歓迎され、様々な競技や式典が行われる。

グィネヴィアは、ランスロットと同席するヴィヴィアン(パトリシア・オーウェンズ)が気になる。

ヴィヴィアンとの賭けに勝ったランスロットは、彼女にキスする。

嫉妬したグィネヴィアは、モーガンとモドレッドに見張られていることに気づかないまま、ランスロットの部屋に向かう。

現れたグィネヴィアを批判するランスロットは、愛を語る彼女に、自分には愛などないと伝える。

戦場こそが自分の場所だと言うランスロットは、叶わぬ愛を語る気はないとグィネヴィアに伝える。

ショックを受けたグィネヴィアだったが、モドレッドの手下が外で待機していると言うランスロットが、自分の肩掛けを落としたことに気づく。

ランスロットの自分への愛を確信したグィネヴィアは、彼にキスする。

自首すると言って外にいるアグラヴェイン(スティーブン・ヴァーコー)らを油断させたランスロットは、彼らの剣を奪い倒し、グィネヴィアと共に逃亡する。

円卓で行われた裁きにより、ランスロットとグィネヴィアは、王に対する反逆罪で有罪となり死刑が確定する。

そこに現れたランスロットは、アーサーとの友情を語りつつ、グィネヴィアを愛した経緯を話し、彼女を中傷する者との決闘の許可を得ようとする。

ランスロットとグィネヴィアの死刑を撤回したアーサーは、罪は消えぬと言って、グィネヴィアを修道女として出家させ、ランスロットを国外に追放する。

本意ではないものの、納得せざるを得ないランスロットは、アーサーに感謝してその場を去る。

アーサーに抗議するモドレッドだったが、既に判決は下されたと言う王は席を立つ。

納得しないモドレッドは、騎士たちを巻き込み反乱を起こし内戦が勃発する。

休戦を提案するアーサーに対し、モドレッドは、撤退後の領土管理と円卓の騎士の解散を条件にする。

アーサーはそれに同意するが、近づくヘビを殺そうとした王の部下が剣を抜く。

反逆者という声と共に、双方は激しい戦いとなる。

戻ったランスロットは、傷を負った瀕死のアーサーから、エクスカリバーを元の場所に戻すよう指示される。

モドレッドを殺しておくべきだったと言うアーサーは、彼を葬るようランスロットに命ずる。

エクスカリバーを手にしたアーサーは、海に投げ込むことをランスロットに誓わせ、愛するが故にグィネヴィアを許すことを伝える。

永遠に友だとランスロットに伝え、指輪を渡したアーサーは、静かに息を引き取る。

エクスカリバーを海に投げ込んだランスロットは、修道院に向かう。

グィネヴィアにアーサーが亡くなったことを伝えたランスロットは、愛するが故に許すという王の言葉を伝え、彼女から感謝される。

モドレッドと相対したランスロットは、激しい戦いを繰り広げる。

モドレッドに傷を負わせたランスロットだったが、崖から転落して底なし沼に落ちてしまう。

愛馬べリックを呼び寄せたランスロットは、手綱を掴みその場から這い上がる。

息絶えたモドレッドに寄り添うモーガンは泣き崩れ、その様子を見ながら、ランスロットはその場を去る。

その後、パーシヴァルと共に円卓に向かったランスロットは、跪いて涙する。

自分のせいで友が死んだとことが悔やまれると言うランスロットに、パーシヴァルは、主の声が聞こえ、光が見えると伝えながら聖杯を確認する。

主は二人に語りかける。

”パーシヴァルよ、友も名誉も失われていない、ランスロットの息子ガラハッドは偉大な王となる。
ランスロットよ、罪は許され、心には平安が訪れる。
この世の者すべてに神の祝福あれ。”


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
異母姉モーガンと王位を争っていたアーサー・ペンドラゴンは、フランスの騎士ランスロットと出会う。
モーガンの夫モドレッドとの戦いに勝利したアーサーは王となり、王妃グィネヴィアを迎えることになる。
さらわれたグィネヴィアを救い出したランスロットは、彼女の美しさに心奪われる。
敗北を認めアーサーに忠誠を誓っていたモドレッドとモーガンは、ランスロットとグィネヴィアの関係に気づき、それを利用して王位を奪う方法を考えるのだが・・・。
__________

トマス・マロリーの著書”アーサー王の死”を基にした”アーサー王物語”をテーマにした歴史劇。

物語に登場する円卓の騎士ランスロットと王妃グィネヴィアの恋を中心に、王位を狙う陰謀と内戦などによる激動の時代を描く作品。

見せ場である戦いや剣術のシーンはやや迫力に欠けるものの、城のセット及びそれを映しだす映像は素晴らしい。

いかにもミクロス・ローザらしい、後の「ベン・ハー」(1959)を思わせる勇壮な音楽も印象に残る。

第26回アカデミー賞では、美術(カラー)、録音賞にノミネートされた。

主演のロバート・テイラーは、アーサー王に忠誠と友情を誓う円卓の騎士ランスロットを雰囲気ある演技で好演し、王妃グィネヴィアを演ずるエヴァ・ガードナーの異次元の美しさが画面に映える。

激動する情勢下で国家を治めるアーサー王/アーサー・ペンドラゴンのメル・ファーラー、その異母姉で王位を狙うモーガン・ル・フェイのアン・クロフォード、彼女と共に陰謀を企む夫モドレッドのスタンリー・ベイカー、アーサー王を支える魔術師マーリンのフェリックス・アイルマー、主人公ランスロットを愛し妻となるエレインのモーリン・スワンソン、その兄で円卓の騎士であるパーシヴァルのガブリエル・ウルフ、ランスロットと行動を共にする円卓の騎士ガレスのアンソニー・フォーウッド、同じくガウェインのロバート・アーカート、緑の騎士のナイアル・マクギニス、ランスロットと親しくなる女性パトリシア・オーウェンズ、エレインの侍女アン・ハンスリップ、モドレッド側につく円卓の騎士アグラヴェインのスティーブン・ヴァーコー、司教のピーター・ゴーソーン、騎士のデスモンド・リュウェリン、モーガン・ル・フェイの召使いダナ・ウィンター他、ハワード・マリオン=クロフォードメアリー・ジェルメインマーティン・ワイデックバリー・マッケイなどが共演している。


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