ハリウッドの黄金期を支えた大スター”ジュディ・ガーランド”の晩年の苦悩を描く、監督ルパート・グールド、主演レネー・ゼルウィガー、ジェシー・バックリー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、マイケル・ガンボン他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・ジュディ・ガーランド / Judy Garland / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ルパート・グールド
製作:デヴィッド・リヴィングストーン
製作総指揮
キャメロン・マクラッケン
ローズ・ガーネット
アンドレア・スカルソ
ローレンス・マイヤーズ
リー・ディーン
アーロン・レヴィーン
チャールズ・ダイアモンド
エリス・グッドマン
ヒラリー・ウィリアムズ
原作:ピーター・クィルター”End of the Rainbow”(戯曲)
脚本:トム・エッジ
撮影:オーレ・ブラット・バークランド
編集:メラニー・アン・オリヴァー
音楽:ガブリエル・ヤレド
出演
ジュディ・ガーランド:レネー・ゼルウィガー
ジュディ・ガーランド(少女期):ダーシー・ショウ
ロザリン・ワイルダー:ジェシー・バックリー
ミッキー・ディーンズ:フィン・ウィットロック
シドニー・ラフト:ルーファス・シーウェル
バーナード・デルフォント:マイケル・ガンボン
ルイス・B・メイヤー:リチャード・コーデリー
ローナ・ラフト:ベラ・ラムジー
ジョーイ・ラフト:ルウィン・ロイド
バート・ロードス:ロイス・ピアソン
ダン:アンディ・ナイマン
スタン:ダニエル・セルケイラ
ベン:フィル・ダンスター
アスキス:アーサー・マクベイン
ロニー・ドネガン:ジョン・ダグリーシュ
ライザ・ミネリ:ジェマ・リア=デヴェロー
ノエル:デヴィッド・ルービン
マーガレット・ハミルトン:フェネラ・ウールガー
ミッキー・ルーニー:ガス・バリー
アメリカ/イギリス 映画
配給
20世紀FOX(イギリス)
LD Entertainment(北米)
Roadside Attractions(北米)
2019年製作 118分
公開
イギリス:2019年10月2日
北米:2019年9月27日
日本:2020年3月6日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $24,313,890
世界 $45,987,810
■ アカデミー賞 ■
第92回アカデミー賞
・受賞
主演女優賞(レネー・ゼルウィガー)
・ノミネート
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
15歳のジュディ・ガーランド(ダーシー・ショウ)は、”オズの魔法使”の撮影現場で、MGMのルイス・B・メイヤー(リチャード・コーデリー)から、他の子にはない歌の才能があると言われ、不満があるか訊かれる。
プライベートな時間がまったくないジュディは、他の子と同じように過ごしたいとメイヤー伝える。
普通の子とは違う別世界に生きている、平凡を望むなら止めはしないと言われたジュディは、大スターのシャーリー・テンプルを超えることができると話すメイヤーの指示に従うことにする。
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1960年代、ロサンゼルス。 ホテルに戻ったジュディは、宿泊費未払いで支配人に宿泊を拒否され、行く場所がなく仕方なくシドニーの家に向かう。 3人を迎えたシドニーは、信用を無くし仕事もないジュディに、子供に眠る場所と教育を与えるべきだと伝えて親権を求める。 納得しないジュディは、シドニーから一人で出て行けと言われ、タクシーで娘のライザ・ミネリ(ジェマ・リア=デヴェロー)の元に向かう。 パーティーが行われていたその場でジュディは、ナイトクラブのオーナー、ミッキー・ディーンズ(フィン・ウィットロック)と出会い、意気投合して朝まで過ごす。 共演者のミッキー・ルーニー(ガス・バリー)とカフェにいたジュディは、肥満気味でダイエットを強要されているために、まともな食事をしていなかった。 惹かれているミッキーに自分のことをどう思うか尋ねたジュディは、今は友だちで、メイヤーが決めることだと言われ、目の前のハンバーガーを食べようとする。 それを付き添いの女性に制止されたジュディは、渡された”アンフェタミン”を飲む。 ジュディは、ミッキーのハンバーガーを奪って食べてしまい、それを記者に撮影される。 ジュディは、週末以外は子供たちと過ごしたいというシドニーからの連絡を受け、ロンドンのステージに立つことをエージェントから提案される。 仕方なく渡英する決心をしたジュディは、子供たちにそのことを話して納得させる。 1968年、ロンドン。 アシスタントのロザリン・ワイルダー(ジェシー・バックリー)が、滞在中のジュディの世話をすることになる。 宿泊する部屋に案内されたジュディは、ロザリンが置いて行った1週間のスケジュール表を見つめる。 その後、リハーサルのためにロザリンと教会に向かったジュディは、ピアニストでバンドリーダーのバート・ロードス(ロイス・ピアソン)を紹介される。 その場の雰囲気などが気になるジュディは、クラブの説明を聞いただけで、疲れたと言って帰ってしまう。 その夜ジュディは、いつものように眠ることができず苛立つ。 ショーの初日、ロザリンは、出番が近づいても現れないジュディの元に向かい、気分が悪いと言う彼女の体調チェックとメイクを同行したヴィヴィアンに任せ、衣装の準備をする。 ジュディを連れてクラブに向かうロザリンは、何をするのかも分からない彼女に初日だと伝える。 無理だと言うジュディは、ロザリンに励まされてステージに上がり、客の声援を受ける。 マイクを握ったジュディは、ジョークを言いながら、バートのバンドの演奏で”By Myself”を歌い始める。 ジュディのパフォーマンスにファンは熱狂し、スタンディングオベーションで彼女を称える。 その日のショーを終えたジュディは、楽屋で考え込み、ロザリンはそんな彼女を気遣う。 ホテルに戻ったジュディは、その夜も眠ることができない。 眠れないことで悩むジュディは、スタジオが用意した誕生日のセットで苛立ち、水槽のプールに飛び込んでしまう。 ステージに立ったジュディは、”The Trolley Song”の”Clang, Clang, Clang”を歌う。 ショーを終えたジュディは、ロザリンからパブに誘われるものの、それを断る。 ジュディは、ステージドアの外にいたゲイのカップル、ダン(アンディ・ナイマン)とスタン(ダニエル・セルケイラ)に話しかけられ、自分の大ファンだという2人を食事に誘う。 開いている店がなかったために2人のアパートに招待されたジュディは、彼らと楽しい時間を過ごす。 ダンとカードをしたジュディは、1964年のショーを、彼はチケットが取れずに見逃し、スタンはその時期、同性愛で半年間、服役していたことを知る。 その後、無害だと分かり法は改正されたという話を聞き、ジュディは彼らに理解を示す。 しばらくしてダンは、ピアノで”Get Happy”を弾き、ジュディが合わせて歌ってくれたために涙する。 ジュディは、辛い思いをしたダンを気遣い抱きしめる。 翌日ジュディは、サプライズで現れたディーンズを歓迎して嬉しく思う。 ディーンズと買い物に出かけたジュディは、パブでロザリンとバートに合流する。 その後ジュディは、ゴールデンタイムのテレビのトーク番組に出演し、MCから親権問題などを訊かれて気分を害する。 夜のショーが近づくロザリンは、ジュディが準備をしてくれないために焦る。 何とか力になろうとするロザリンだったが、その気持ちを理解してくれないジュディが、自分を信頼してくれていないために、諦めてロニー・ドネガン(ジョン・ダグリーシュ)を代役に使おうとする。 それを制止してステージに上がったジュディは、遅れたことが不満の客と揉めてしまう。 水槽事件後にメイヤーと話したジュディは、仕事に追われて疲れていると伝えるものの、指示と約束を守ることを強要され、逆らえるはずがなかった。 納得するジュディに謝罪させたメイヤーは、撮影を遅らせるなと言ってその場を去る。 デルフォントに昨夜のことを謝罪したジュディは、ロザリンにも迷惑をかけたと言って反省する。 納得したデルフォントはジュディの体調を気遣い、声の専門医の診察を受けさせる。 ジュディを診察した医師は、2年前の自殺未遂で気管切開をしたことを知り、彼女にビタミン注射を打ち、自分を大切にするようにと伝える。 ディーンズは、”ジュディ・ガーランド”の名前を付けた映画館を展開する契約を進めていることをジュディに話し、オープニングに出席するだけで利益の10%を得られると伝える。 安定収入を得て家を手に入れ、子供たちと暮らせると言われたジュディは、期待に胸膨らませる。 ディーンズの支えなしに生きていけないジュディは、結婚したいことを彼に伝える。 ロザリンとバートらに祝福された2人は結婚し、ジュディもショーを続ける。 しかし、契約がこじれたディーンズは、アメリカに向かい企画の再検討を求めることになる。 訪ねて来たシドニーと話をしたジュディは、子供たちは今のまま家で育てると言われて戸惑い、ディーンズの契約が決まれば収入が安定し、人生をやり直せると伝える。 子供たちは母親を愛しているが、あの家に住むのが望みらしいと言われたジュディは、納得できず席を立つ。 戻ったディーンズから、契約できなかったことを知らされたジュディは、もうしばらくショーを続けてほしいと言われ、自分がステージで客を罵倒したことが問題になったことを知らされる。 自分のせいにされたジュディは、他の男と同じだと言ってディーンズを非難して罵り、ショーの準備のためにクラブに向かう。 最悪の精神状態のまま遅れてステージに立ったジュディは、ものを投げられて再び客とトラブルを起こす。 ジュディは転倒してしまい、罵声を浴びせられたために楽屋に向かい、代役でロニーがステージに上がる。 通りに出たジュディは公衆電話でローナと話し、学校を卒業するまでその家で暮らすことをシドニーと決めたと伝える。 ローナとジョーイがそこで暮らしたいことを確認したジュディは、自分は平気だと言って、愛を伝えて電話を切る。 デルフォントに解雇されたジュディは、世話になったロザリンに感謝する。 ロザリンとバートにカフェに誘われたジュディは、用意してくれたケーキを渡される。 少女時代を思い出すジュディは、ケーキになかなか手をつけることができず、一口食べて、その美味しさに驚く。 ロザリンから今後のことを訊かれたジュディは、ウエイトレスでもすると言ってジョークで答える。 バートから客にデートに誘われると言われたため、ジュディは、初めてデートに誘ったのがミッキー・ルーニーだったことを話し、自分の記憶ではフラれたと思うと伝える。 ジュディは、自分を気遣ってくれるロザリンに、素晴らしい子が3人もいるので幸せだと伝える。 クラブに行きたいジュディは、今でも客と自分との間に愛が生まれると信じているとロザリンに伝える。 ジュディのショーの代役がロニーになったことを知ったダンとスタンは、チケット代を返金してもらおうとする。 舞台裏にいたジュディは、少女時代を思い出す。 ミッキーと舞台挨拶を終えたジュディは食事に誘われるものの、客の大歓声に気づきそれを断り、ステージに戻る。 出番を待つロニーと話したジュディは、1曲歌わせてほしいと言って、二度とここでは出演できないからと伝える。 紹介されたロニーは、あなたのチケットを買った客だと言ってステージを譲る。 マイクを手にしたジュディは、戻ったと言ってバートに曲を任せ歌い始める。 ジュディの歌声に気づいたダンとスタンは、客席に向かう。 ロザリンとデルフォントも、ステージに上がったジュディを見て驚く。 歌い終わったジュディは声援に応え、もう一曲歌う前に客に語りかけ、希望を抱き夢に向かい一歩一歩むことが大切だと伝える。 ”虹の彼方に”を歌い始めたジュディは、涙が止まらず歌えなくなる。 客席のダンは、ジュディへの感謝を込めて歌い始める。 スタンも続き、立ち上がった客も歌い、感激したジュディは皆に感謝し、愛していると言って、自分を忘れないでほしいと伝える。 ジュディ・ガーランドは、ロンドンのコンサートの6か月後に、47歳で亡くなった。
40代のジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)は、3番目の夫シドニー・ラフト(ルーファス・シーウェル)との間に生まれた娘のローナ(ベラ・ラムジー)と息子のジョーイ(ルウィン・ロイド)と共にクラブのショーに出演し、150ドルのギャラを受け取る。
...全てを見る(結末あり)
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世界的大スターのジュディは人々に歓迎され、バーナード・デルフォント(マイケル・ガンボン)のナイトクラブ”Talk of the Town”でショーを行うことになる。
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*(簡略ストーリー)
1960年代。
ハリウッドの黄金期を支えた大スターのジュディ・ガーランドは、長年の薬物摂取によるトラブルなどで仕事を干され、3番目の夫シドニー・ラフトとの間に生まれた娘のローナと息子ジョーイとを抱え、その日暮しに近い日々を送っていた。
仕事をしなければならないジュディは、子供たちをシドニーに預けてロンドンに向かい、興行主デルフォントのクラブのショーに出演することになる。
薬物による不眠症で苦しむジュディは、アシスタントのロザリンの協力を得て、何とかステージに立ことができるのだが・・・。
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2005年に上演された、ピーター・クィルターによるブロードウェイのミュージカル・ドラマ”End of the Rainbow”を基に製作された作品。
ハリウッドの黄金期を支えた大スター、ジュディ・ガーランドの晩年の苦悩を描く伝記ドラマ。
ジュディ・ガーランドが、MGMのトップスターになるためのスタジオの指示で薬の摂取を続けたため、その影響で絶頂期からトラブル続きだったことは有名な話であり、その後に人気が落ち、親権問題が絡んだ1960年代の彼女の苦しみが痛々しく描かれている。
常識的に考えれば、ハリウッドの頂点を極めたスターが、その日暮しのような生活になることは考え難く、大袈裟な演出もある中で、厳しい世界でもある業界の内幕なども描かれた内容も興味深い。
現在の時代に合わせたような内容として、ルイス・B・メイヤーの10代のジュディ・ガーランドに対するパワハラ及びセクハラや、同性愛に理解を示した彼女の考えなども取り入れられた演出も興味深い。
1960年代のジュディ・ガーランドは、実際には激やせしているほどではないのだが、減量して本人に成り切ったレネー・ゼルウィガーの熱演は批評家及び各方面で絶賛された。
第92回アカデミー賞では、そのレネー・ゼルウィガーが見事に主演女優賞を受賞した。
・ノミネート
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
ジュディ・ガーランドの少女期ダーシー・ショウ、ジュディのロンドンでのアシスタント役ジェシー・バックリー、ジュディの5番目の夫でナイトクラブのオーナー、ミッキー・ディーンズ役フィン・ウィットロック、ジュディの3番目の夫シドニー・ラフトのルーファス・シーウェル、ロンドンの興行主バーナード・デルフォントのマイケル・ガンボン、ルイス・B・メイヤーのリチャード・コーデリー、ジュディの娘ローナ・ラフト役ベラ・ラムジー、息子ジョーイ・ラフトのルウィン・ロイド、ジュディのショーのバンドリーダー役ロイス・ピアソン、ジュディと親交を深める男性アンディ・ナイマンとそのパートナーのダニエル・セルケイラ、ロニー・ドネガンのジョン・ダグリーシュ、ライザ・ミネリのジェマ・リア=デヴェロー、”オズの魔法使”の西の悪い魔女役マーガレット・ハミルトンのフェネラ・ウールガー、ミッキー・ルーニーのガス・バリー、他フィル・ダンスター、アーサー・マクベインなどが共演している。