人間を襲って食す殺人鬼に命を狙われた姉弟に襲い掛かる恐怖を描く、製作総指揮フランシス・フォード・コッポラ、監督、脚本ヴィクター・サルヴァ、主演ジーナ・フィリップス、ジャスティン・ロング、ジョナサン・ブレック、パトリシア・ベルチャー、アイリーン・ブレナン他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ヴィクター・サルヴァ
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:ヴィクター・サルヴァ
撮影:ドン・E・ファンルロイ
編集:エド・マークス
音楽:ベネット・サルヴェイ
出演
パトリシア”トリッシュ”ジェナー:ジーナ・フィリップス
ダリウス”ダリー”ジェナー:ジャスティン・ロング
ザ・クリーパー:ジョナサン・ブレック
ジェゼル・ゲイ・ハートマン:パトリシア・ベルチャー
キャット・レディ:アイリーン・ブレナン
デイヴィス・タブス巡査部長:ブランドン・スミス
ロバート・ギデオン:ジョン・ベシャラ
ナターシャ・ウェストン:エイヴィス=マリー・バーンズ
ビヴァリー:ペギー・シェフィールド
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
2001年製作 91分
公開
北米:2001年8月31日
日本:2002年2月9日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $37,904,180
世界 $59,217,790
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
大学生のパトリシア”トリッシュ”ジェナー(ジーナ・フィリップス)と弟のダリウス”ダリー”(ジャスティン・ロング)は、スプリングブレイクを利用して故郷に向かう。
猛スピードで近づいてきたトラックにクラクションで脅された運転するダリーは、焦りながら道を譲る。
乱暴な運転に憤慨するトリッシュとダリーは、走り去る殺人鬼でも乗っていそうな不気味なトラックに向かって罵声を浴びせる。
冷静になったトリッシュとダリーは、20年前に起きたケニーとダーラの失踪事件のことを話す。 暫く街道を走り続けたトリッシュとダリーは、例のトラックが止まっていることに気づき、異様な姿の男が何かを運び出しパイプの中に入れて、こちらを見る姿を確認する。 布で包みロープで縛り赤いシミもあったと話す二人は、逃げることにしてトリッシュが電話をかけようとするが、携帯電話のバッテリーが切れていた。 トラックが追ってくるために焦るトリッシュとダリーは、追突されて街道からはじき出されて止まる。 包みが気になるダリーは、中身が人で生きている可能性もあると考え、引き返して確認することをトリッシュに提案する。 気が進まないトリッシュだったが、ダリーに説得されて戻り、多くの鳥がいる廃墟の教会に着きパイプを覗く。 中から声がしたために入ろうとするダリーを制止するトリッシュだったが、聞き入れないダリーは、懐中電灯で中を覗く。 ネズミがはい出してきたために驚いたダリーは、地下に落下してしまう。 無事だったダリーは上がろうとするが、人間のような包みが気になり、それに話しかける。 手をつかまれたダリーは顔の部分の布を破り、男が生きていたために驚く。 男から腹部の縫い目を見せられたダリーは、何か言われるものの、男は息絶える。 助けを呼ぶことをトリッシュに指示したダリーは、教会の地下室の可能性があるために出口を探すと言って、トラックが戻ったら教えるようにと伝える。 その他にも死体も見つけたダリーは、実験用具のようなものを確認し、その部屋の壁中に死体が張り付けられていることに気づく。 ダリーは、ケニーと首が切断され再び接合されたダーラらしき男女の死体も発見する。 トラックが近づいてきたために車で逃げようとしたトリッシュは、それが例のトラックではないことに気づき安堵する。 そこに地下から脱出したダリーが戻り、驚いたトリッシュは放心状態の彼を車に乗せてその場を離れる。 黙っていたダリーは、動揺しながら、ダーラの死体の様子をトリッシュに伝える。 給油のためガソリンスタンド兼ダイナーに寄ったトリッシュとダリーは、トラックが教会に戻っていくために焦る。 ダイナーでトリッシュは助けを求め、ダリーは怯える。 その場の電話が鳴り、客から出るようにと言われたトリッシュは受話器をとり、相手から”ネコは見た? あなたとダリー、そしてネコよ”と言われる。 電話を代わったダリーは、自分の様子を見ているような相手から、”あそこは、痛みの館”だと言われ、死体のことを話す彼女に意味が分からないと伝える。 トラックのことなどを話す相手から、”あれ”はもう止まらないと言われたダリーは、”ジーパーズ・クリーパーズ”の曲を聴かせられて、全力で逃げるようにと言われる。 電話を切ったダリーは、警察に話してこの場を離れようとトリッシュに伝える。 通報を受けて駆けつけた警官のロバート・ギデオン(ジョン・ベシャラ)とナターシャ・ウェストン(エイヴィス=マリー・バーンズ)と話をしたダリーは、自分を信じているかトリッシュに確かめる。 ギデオンから、トラックは捜索中で教会にも警官が向かったと言われたダリーは、地下にケニーとダーラの死体があったことを伝える。 話が飛躍し過ぎていると言うギデオンに腹を立てるダリーは興奮するが、車が荒らされたことを知らされる。 ウエイトレスのビヴァリー(ペギー・シェフィールド)は、車のところに立っていた男が洗濯物を嗅いでいたとダリーとトリッシュに伝える。 教会に戻った男が自分達に気づき追ってきたというダリーは苛立つが、指紋を見つける。 ダリーとトリッシュと共に教会に向かうギデオンとウェストンは、現場の警官からの連絡を受けて、二人が放火魔の可能性があり、教会が燃えていることを知らされる。 ラジオを点けたダリーは、電話の相手に聴かされた”ジーパーズ・クリーパーズ”に気づく。 車についていた指紋が、かなり古い死体の皮膚だと知ったギデオンは、パトカーの屋根に何かが乗ったことに気づき、それを確認したウェストンは男に殺される。 ギデオンも殺され、何かが飛んできたためにトリッシュは車を止める。 車を降りたトリッシュは、屋根の血に気づいたダリーから戻るようにと言われ、切り落とされたギデオンの頭部が落ちていることに気づく。 トリッシュとダリーは、パトカーから降りた男ザ・クリーパー(ジョナサン・ブレック)が、ギデオンの首を拾い臭いを嗅ぎ舌を食いちぎる様子を見て驚く。 トリッシュとダリーは車を出して逃げ去り、ザ・クリーパーは死体をトラックに乗せる。 ダリーからスピードを落とせと言われたトリッシュは車を止めて、民家で電話を借りようとする。 家の中の女性(アイリーン・ブレナン)と話したトリッシュは、電話を借りたいと伝える。 女性がネコの話をしたために、ダリーはダイナーでの電話のことを思い出す。 意味不明なことを話す女性は、保安官に連絡するようにと伝えて部屋に入ろうとするが、電気が消えたために連れがいるのかと二人に問う。 ショットガンを手にした女性はかかしの所に立つザ・クリーパーに発砲し、ダリーの制止を聞かずに家に戻る。 二発の銃声がした後、女性がザ・クリーパーに殺されたことを知ったトリッシュとダリーは、車に戻りその場から逃げる。 道路に立つザ・クリーパーに体当たりするものの、それをかわされたトリッシュは、諦めずに立ち向かう。 ザ・クリーパーに激突して何度も轢いたトリッシュだったが、彼は羽のようなものを突き出す。 もう一度ザ・クリーパーを轢いたトリッシュは走り去る。 保安官事務所。 その場に現れたジェゼル・ゲイ・ハートマン(パトリシア・ベルチャー)は、トリッシュとダリーに話しかける。 ジェゼルが自称、霊能者であり失踪事件のことを調べているとデイヴィス・タブス巡査部長(ブランドン・スミス)から知らされたトリッシュとダリーは、彼女から、地下室で大量の死体を見たはずだと言われる。 自分も夢の中で見たと言うジェゼルは、ダリーとネコも見たと伝える。 ダイナーに電話をしてきたのがジェゼルだと気づいたダリーは、トリッシュと共に彼女の話を聞く。 23年ごとに23日間、”あれ”は選んだ人間の一部を食べると言うジェゼルは、肺を食べれば息ができて、目を食べれば見えるようになり、食べたものは”あれ”の一部になると話す。 そこに、ザ・クリーパーのトラックが到着する。 ザ・クリーパーは死んでいないと言うジェゼルは、食べ続けることで回復し、トリッシュかダリーのどちらかを狙っていると二人に伝える。 ダリーから標的を探す方法を訊かれたジェゼルは、相手を怖がらせて恐怖を嗅ぎ分け、望むものを持つ相手を探すと答える。 その時、停電が起きて、ダリーは、ザ・クリーパーが息絶えるのを確認したとジェゼルに伝えるが、死なないほどの大量の心臓を食べたと言われる。 留置場に向かった職員は、牢屋を破り収監者を食べているザ・クリーパーに気づき発砲する。 タブスはトリッシュらを部屋に隠そうとするが、二人のどちらかを狙っていると言ってジェゼルは興奮する。 留置場の異常事態を知ったタブスは、そこにいるようにとトリッシュに指示して地下に向かう。 タブスらは、留置場からの報告を受けながら警戒するが、一人の警官がザ・クリーパーに殺される。 外に出られないジェゼルは、ダリーから、最初からすべてを知っていたはずだと言われ、”ジーパーズ・クリーパーズ”の歌のことを話す彼から、暗闇でそれを聴き叫ぶのは自分達のうちのどちらかと訊かれる。 夢は必ず当たるのかと訊かれたジェゼルは答えられず、その場にザ・クリーパーが現れたためにトリッシュとダリーを逃がす。 ザ・クリーパーに襲われたジェゼルだったが、臭いを嗅がれただけで殺されなかった。 尋問室にいるトリッシュの臭いをマジックミラー越しに嗅いだザ・クリーパーは、それを突き破り二人に襲い掛かる。 二人の臭いを嗅いだザ・クリーパーは、トリッシュを突き飛ばしてダリーに襲い掛かるが、武装したタブスらが押し入る。 自分にするようにとザ・クリーパーに伝えたトリッシュは、ダリーを解放するようにと迫る。 羽を広げたザ・クリーパーは窓を突き破って飛び去り、トリッシュはそれを追うものの無駄だった。 翌日、両親が着いたことをジェゼルから知らされたトリッシュは、彼女から夢の真相を聞き出すことができずその場を去る。 廃墟となった工場でダリーを殺したザ・クリーパーは、彼の目を手に入れる。
...全てを見る(結末あり)
トリッシュは実家に電話し、掲示板を見るダリーは行方不明者が多数いることを知る。
参考:
・「ジーパーズ・クリーパーズ」(2001)
・「ヒューマン・キャッチャー/JEEPERS CREEPERS 2」(2003)
・「リターン・オブ・ジーパーズ・クリーパーズ」(2017)
*(簡略ストー リー)
大学生のパトリシア”トリッシュ”ジェナーと弟のダリウス”ダリー”は、スプリングブレイクを利用して故郷に向かう。
途中、異様なトラックに急接近されて脅された二人は、その後、それに乗っていた男が、ある場所で地下に死体のようなものを捨てているのを目撃する。
20年前に失踪した男女のことを思い出したトリッシュとダリーは、その後トラックに追われ、激突されて車を止める。
男が捨てたものが気になるダリーは、トリッシュに制止されるものの、興味本位で現場の教会に戻る。
地下につづくパイプを覗き、声が聴こえたダニーは中に落ちてしまい、腹部を縫われた瀕死の男性や他の大量の死体を発見する。
何とか脱出したダニーは恐怖に怯え、トリッシュと共にダイナーに向かい客に助けを求めるのだが・・・。
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フランシス・フォード・コッポラが製作総指揮を担当し、性犯罪で有罪判決を受けた経験のあるヴィクター・サルヴァが、脚本を兼ねて監督した作品。
スプリングブレイクを利用して帰郷する姉弟が、人を食する正体不明の殺人鬼に襲われる恐怖を描くホラー。
犯人は殺人鬼というよりも悪魔のようであり、人の内臓などを食すことで不死身となり、人間が対抗できる相手ではない存在として、その恐ろしさが強調されている。
興味本位で関わるなと言いたい一般人の見方を他所に、その深みにはまる主人公らの行動にを描いた内容は、ホラー映画の醍醐味ともいえる恐怖で観客に迫る。
タイトルの”ジーパーズ・クリーパーズ”は、1938年の映画”Going Places”で使われた同名曲からの引用で、本作中に何度も登場する。
製作費1000万ドルの本作は、北米興行収入約3800万ドル、全世界では約5900万ドルを記録し、続編が二作製作されることになる。
楽しい帰郷の旅が恐怖に変わる大学生のジーナ・フィリップス、その弟で犠牲者となるジャスティン・ロング、異様な殺人鬼ザ・クリーパーのジョナサン・ブレック、主人公の姉弟に警告する霊能者パトリシア・ベルチャー、主人公二人が立ち寄る家に住む多数のネコを飼う女性アイリーン・ブレナン、巡査部長のブランドン・スミス、犠牲者となる警官ジョン・ベシャラとエイヴィス=マリー・バーンズ、ダイナーのウエイトレス、ペギー・シェフィールドなどが共演している。