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黒騎士 Ivanhoe (1952)

1819年に発表された、ウォルター・スコットの小説”アイヴァンホー”を基に製作された作品。
幽閉されているイングランドリチャード1世を救い出そうとする騎士アイヴァンホーの戦いを描く、監督リチャード・ソープ、主演ロバート・テイラーエリザベス・テイラージョーン・フォンテインジョージ・サンダースエムリン・ウィリアムズロバート・ダグラス他共演の歴史ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(歴史劇)

エリザベス・テイラー / Elizabeth Taylor / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:リチャード・ソープ

製作:パンドロ・S・バーマン
原作:ウォルター・スコットアイヴァンホー
脚本:イーニアス・マッケンジー
脚色
マーガリット・ロバーツ(クレジットなし)
ノエル・ラングレー
撮影:フレディ・ヤング
編集:フランク・クラーク
音楽:ミクロス・ローザ

出演
ウィルフレッド・オブ・アイヴァンホー:ロバート・テイラー
レベッカ:エリザベス・テイラー
ロウィーナ:ジョーン・フォンテイン
ド・ボワ=ギルベール:ジョージ・サンダース
ワンバ/ナレーター:エムリン・ウィリアムズ
ヒュー・ド・ブレイシー卿:ロバート・ダグラス
セドリック:フィンレイ・カリー
アイザック:フェリックス・エイルマー
フロント・ド・ブーフ:フランシス・デ・ウルフ
リチャード1世ノーマン・ウーランド
ヴァルデマー・フィッツルス:ベイジル・シドニー
ロクスリー/ロビン・フッド:ハロルド・ウォレンダー
フィリップ・デ・マルボワシン:パトリック・ホルト
ラルフ・デ・ヴィポン:ロデリック・ラベル
タック修道士:セバスチャン・キャボット
ハンデバート:ジョン・ラドック
ボールドウィン:マイケル・ブレナン
アイザックの召使い:メグス・ジェンキンス
ノーマンガード:ヴァレンタイン・ダイアル
バーモンズリーのロジャー:ライオネル・ハリス
オーストリアの僧侶:カール・ジャフィ
ジョン親王:ガイ・ロルフ
エルギサ:メイ・ホーラット
城の警備:ロバート・ブラウン
ユダヤ人代表:マーティン・ベンソン
城壁の射手:ジャック・チャーチル

アメリカ/イギリス 映画
配給 MGM
1952年製作 107分
公開
イギリス:1952年6月13日
北米:1952年7月31日
日本:1952年10月1日
製作費 $3,842,000
北米興行収入 $6,258,000


アカデミー賞
第25回アカデミー賞

・ノミネート
作品・撮影(カラー)・作曲賞(ドラマ・コメディ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
12世紀。
イングランドリチャード1世は、十字軍の遠征からの帰途に消息を絶つ。

国内ではノルマン人サクソン人が対立し、国王は死んだものと考える者が多かった。

しかし、十字軍の騎士であるサクソン人のウィルフレッド・オブ・アイヴァンホー(ロバート・テイラー)は、長年仕えた国王を捜す。

オーストリアに着いたアイヴァンホーは、国王(ノーマン・ウーランド)が監禁されている場所を見つける。

国王が外に投げ捨てた手紙を確認したアイヴァンホーは、弟ジョン親王(ガイ・ロルフ)が、オーストリアレオポルト5世に身代金15万マルクの支払いを拒み、ノルマンの騎士と手を組み王座を狙う陰謀を企んでいることを知る。

シャーウッドの森
吟遊詩人に扮したアイヴァンホーは、ド・ボワ=ギルベール(ジョージ・サンダース)やヒュー・ド・ブレイシー卿(ロバート・ダグラス)らノルマンの騎士に出くわし、道と泊れる場所を訊かれる。

アイヴァンホーは、ロウィーナ王女(ジョーン・フォンテイン)の後見人である、ロザーウッドのセドリック卿(フィンレイ・カリー)の館を紹介して案内することになる。
...全てを見る(結末あり)

その様子を見ていた無法者のロクスリー/ロビン・フッド(ハロルド・ウォレンダー)は、案内人がアイヴァンホーだと気づき、死んだはずだと言うタック修道士(セバスチャン・キャボット)に、彼が父(セドリック)を捜していると伝える。

ロクスリーは、アイヴァンホーがノルマン人と一緒にいるのには理由があると考える。

ノルマン人の騎士が宿と食事を求めて来たことを知ったセドリックは、召使いのエルギサ(メイ・ホーラット)に、ロウィーナを部屋から出すなと指示する。

セドリックは、現れたボワ=ギルベールとド・ブレイシーに、サクソン人以外は友人と認めないと伝えて食事を与える。

アイヴァンホーに気づいた道化師ワンバ(エムリン・ウィリアムズ)は驚き、ロウィーナの元に案内する。

再会したアイヴァンホーとロウィーナは抱き合い、愛を誓った手首の傷を確認する。

父セドリックが未だに自分を憎んでいることを知ったアイヴァンホーは、国王がジョンの企みでオーストリアに幽閉されていることをロウィーナに話す。

ジョンと組んでいるボワ=ギルベールらを懲らしめたいアイヴァンホーは、彼らに近づくようロウィーナに指示する。

セドリックは、訪ねて来たユダヤ人の商人アイザック(フェリックス・エイルマー)を歓迎する。

セドリックは、ロウィーナのことでボワ=ギルベールと口論になるが、そこに現れた彼女は、ド・ブレイシーにパレスチナの状況を訊く。

休戦中だと答えたド・ブレイシーは、国王の話にもなり、ロウィーナから、ボワ=ギルベールと共に戦いで彼に負けたはずだと言われ、それを認める。

ロウィーナは、アイヴァンホーがどんな人物か尋ねえ牽制し、国王が姿を消すと、挑戦を拒み逃げたと話すボワ=ギルベールに、自分が挑戦を受けると伝える。

ロウィーナから、アイヴァンホーのためにワインを飲んでほしいと言われたセドリックは杯を手にし、愛犬が吠える人物が気になる。

セドリックはそれがアイヴァンホーであることに気づき、自分の息子だとボワ=ギルベールらに伝えて、苛立ちながら席を立つ。

ロウィーナに頼まれ、気が進まないままアイヴァンホーに会ったセドリックは、ジョン親王の企みで、オーストリアで監禁されている国王を見つけたという話を聞き、食事室にいるノルマン人の騎士2人も仲間だということ知る。

15万マルクの身代金のことを話したアイヴァンホーだったが、国王の件を信じないセドリックに相手にされなかった。

アイヴァンホーは、アシュビーに向かい、ボワ=ギルベールと馬上槍試合で闘うことをロウィーナに伝えて旅立とうとする。

アイヴァンホーに同行したいワンバは、彼の従者になる。

何者かに襲われ、金を奪われそうになったアイザックを助けたアイヴァンホーとワンバは、彼をシェフィールドに送る。

アイザックに感謝されたアイヴァンホーは、礼をしたいと言う彼に、15万マルクの国王の身代金の話をする。

そんな大金は用意できないと言うアイザックは、国王も親王も自分にとっては同じだとアイヴァンホーに伝える。

国王の解放後に、迫害を受けないことを保証すると言われたアイザックは、自分たちを公平に扱うことを約束すれば、必要な金は何とか用意するとアイヴァンホーに伝える。

アイヴァンホーは、自分たちの話を盗み聞きするものに気づきながら、アシュビーの闘いでジョンの力が分かり、負ければ国王の復権は難しくなるとアイザックに伝える。

闘いを見てほしいとアイザックに伝えたアイヴァンホーは、アイザックと握手する。

アイヴァンホーは、サクソン人と握手するのは初めてだと言うアイザックに、国王の手と思ってほしいと伝える。

2人の話を聞いていたアイザックの娘レベッカ(エリザベス・テイラー)は、アイヴァンホーに惹かれる。

その後アイヴァンホーは、長年はめられていたワンバの首輪を外す。

宿の部屋に侵入し、逃げようとするレベッカ(召使いに扮している)を捕らえたアイヴァンホーは、彼女がアイザックの家の者で、自分のために宝石を届けに来たことを知る。

宝石は娘のレベッカが母親からもらったもので、アイヴァンホーは、これで武具を用意して闘いに備えてほしいと言われて来たことを知る。

彼女がレベッカだと気づいたアイヴァンホーは母親のことを尋ね、2年前に魔女扱いされ、スペインで火炙りの形で殺されたことを知る。

アイヴァンホーは、闘いの価値を信じてくれるレベッカの気持ちを理解し、ワンバに家まで送らせる。

アシュビー
馬上槍試合が始まり、ジョン、そしてセドリックとロウィーナが見守る中、ボワ=ギルベール、ド・ブレイシー、フロント・ド・ブーフ(フランシス・デ・ウルフ)、フィリップ・デ・マルボワシン(パトリック・ホルト)、ラルフ・デ・ヴィポン(ロデリック・ラベル)ら5人の騎士は他を圧倒する強さだった。

アイザックとレベッカも席に着き、そこに、黒装束に身を包んだ謎のサクソン人騎士が現れる。

黒騎士はボワ=ギルベールら5人のノルマン人騎士に挑戦し、1人を倒す。

近寄り挨拶した黒騎士がアイヴァンホーだと知っていたレベッカは、アイザックに、武具を用意させるために母の宝石を渡したことを話し、深入りするなと忠告される。

次の2人も倒した黒騎士を見て、その場にいたロクスリーとタックも、彼がアイヴァンホーだと気づく。

ド・ブレイシーも倒したアイヴァンホーだったが、左肩を負傷する。

セドリックも、勇敢に闘う息子アイヴァンホーの勝利を信じる。

ジョンに呼ばれたアイヴァンホーは、負傷しているため棄権すること勧められるものの、それを断る。

家臣になるようにと言われたアイヴァンホーは、死に勝る屈辱だとジョンに伝える。

怒りを堪えるジョンは、騎士道に従い、この日の女王を選ぶ権利をアイヴァンホーに与える。

ティアラを受け取ったアイヴァンホーは、サクソン人であるロウィーナにそれを渡す。

ロクスリーから忠誠を誓うと言われたアイヴァンホーは、ボワ=ギルベールとの最後の闘いに挑む。

相打ちとなったアイヴァンホーは落馬してしまい、意識を失いテントに運ばれる。

レベッカはその場に向かい、セドリックはロウィーナに様子を見に行かせる。

負けてしまったことでアイヴァンホーに謝罪されたロウィーナは、勝利への第一歩だと彼に伝える。

医術を習ったレベッカは、自分が治療することをロウィーナに伝えれ納得してもらう。

ロウィーナは、アイヴァンホーのことをレベッカとワンバに任せ、シェフィールドで治療することになった彼の様子をセドリックに伝える。

アイヴァンホーのことを心配するセドリックは、ロウィーナと共にシェフィールドに向かおうとする。

ボワ=ギルベールは、黒騎士が国王の腹心アイヴァンホーであることをジョンに話し、必ず倒すと伝える。

身代金の支払いを考えているはずのアイヴァンホーが、ユダヤ人の商人と接触していることを知ったジョンは、彼と国王に手を貸すものを捕らえるよう命ずる。

ロクスリーは、部下からの知らせでジョンの企みを知る。

アイザックは、アイヴァンホーを看病するレベッカの、彼に対する愛に気づく。

騎士であるアイヴァンホーへの気持ちは諦めるべきだと言われたレベッカは悩む。

アイザックは、意識が戻ったアイヴァンホーに、身代金は順調に集まっていることを伝える。

そこにロクスリーが現れ、ジョンの命令で、襲撃されることをアイヴァンホーらに伝える。

セドリックが町にいることを知ったアイヴァンホーは、アイザックとレベッカのことをワンバに任せて、ヨークで落ち合うと言って、ロクスリーと共にシャーウッドの森に向かう。

シェフィールドに着いたボワ=ギルベールは、アイザックらが姿を消したことを確認し、セドリックに匿われていることを知る。

ヨークに移動するセドリックらは、ボワ=ギルベールらに襲われて、ド・ブーフの城に連れて行かれる。

それを知ったアイヴァンホーは、翌日、単独で城に向かい、セドリックらの解放を要求して、自分が身代わりになることを伝える。

セドリックと話すことを許されたアイヴァンホーは、森の仲間が城を包囲していることを伝える。

ボワ=ギルベールはアイヴァンホーを裏切り、彼とセドリックを拘束する。

ド・ブレイシーは、ロウィーナに結婚を迫るものの断られる。

レベッカもボワ=ギルベールに迫られ、身を投げて死のうとするが、アイヴァンホーが捕らえられていることを知る。

ボワ=ギルベールから、自分がアイヴァンホーを救えると言われたレベッカ、仕方なく指示に従う。

ド・ブーフは、アイヴァンホーを拷問して、身代金の在りかを聞き出そうとする。

角笛を拭くロクスリーが城に現れ、人質を解放しないと攻撃を加えると警告する。

それを拒んだボワ=ギルベールは、ロクスリーの仲間に周囲を囲まれたために、アイヴァンホーを吊るそうとする。

ド・ブーフは、ロープを外してアイヴァンホーを突き落とそうとするが、逆に襲われる。

ド・ブーフを殺すと言うアイヴァンホーは、手を縛るロープを切らせて、隙を見て逃げる。

ロクスリーらは一斉に攻撃を開始し、アイヴァンホーは、セドリックとワンバそしてアイザックを解放し、敵を倒してその場に火を放つ。

城に押し入ろうとしたロクスリーらは、抵抗にされながら扉を壊そうとする。

アイヴァンホーは、ワンバを火の中に追いやり殺したド・ブーフを倒す。

壁を壊したロクスリーらは押し入り、ボワ=ギルベールは、レベッカを盾にして脱出しようとする。

アイヴァンホーは、ロウィーナを連れて逃げようとしたド・ブレイシーに襲いかかり、観念させて、ボワ=ギルベールがレベッカを連れて逃げたことを知る。

ジョンは、ボワ=ギルベールが連れて来たレベッカを利用してアイヴァンホーを誘き出す方法を、相談役のヴァルデマー・フィッツルス(ベイジル・シドニー)から提案される。

身代金が順調に集まる中、アイヴァンホーは、レベッカがジョンに捕らえられていることを知り、40日以内に10万マルクを用意すれば引き渡すと言っているとアイザックに伝える。

アイヴァンホーから国王の身代金を使うようにと言われたアイザックだったが、レベッカのことを諦める。

レベッカを救おうとするアイヴァンホーは、国王の身代金を運ぶことをセドリックに任せる。

アイヴァンホーがレベッカを愛していることを察したロウィーナは、彼女を救うようにと言って別れを告げる。

レベッカは、妖術と黒魔術を使った罪で裁かれるが、ボワ=ギルベールは、魔女扱いされる彼女を救おうとする。

しかしジョンは、レベッカを含めた家族も火炙りの刑に処すことを命ずる。

死を恐れないレベッカは、無実を訴える。

レベッカを救おうとするボワ=ギルベールは、最初から判決は決まっていたと言って、罪を認め許しを請えば判決は変えられると彼女に伝える。

レベッカはそれを拒み、彼女が魔女であると認めたフィッツルスは、処刑することを伝える。

その場に潜んでいたアイヴァンホーは、有罪か無罪かは、決闘で神の審判を仰ぎたいと異議を申し立てる。

被告が拒まねば権利を行使できると言われたレベッカは、喜んで受けると伝える。

ジョンにアイヴァンホーと闘うことを命ぜられたボワ=ギルベールは指示に従い、3日後にアシュビーでの決闘が行われることになる。

剣を手にしたアイヴァンホーは、レベッカに勝利を誓う。

アシュビー
闘いのルールが知らされ、ボワ=ギルベールは、自分が棄権すればアイヴァンホーとあなたは助かるとレベッカに伝える。

その場合に自分は格下げになると言うボワ=ギルベールは、アイヴァンホーを諦めてほしいとレベッカに伝える。

すべてを神に委ねると答えたレベッカは、ボワ=ギルベールから命はないものと思えと言われ、闘いを見守る。

武器を訊かれ、ボワ=ギルベールは鎖つきのこん棒を、アイヴァンホーは斧を選ぶ。

ジョンは決闘の開始を指示し、ロウィーナやアイザックが見守る中、騎乗の2人の闘いは始まる。

激しい闘いは続き、アイヴァンホーは落馬させられる。

その頃、セドリックが身代金を払い解放された国王は、部隊を率いてアシュビーに向かう。

劣勢のアイヴァンホーは、ボワ=ギルベールを馬から引きずり下ろし、斧で致命傷を負わせる。

そこに国王が到着し、ジョンはひれ伏す。

瀕死のボワ=ギルベールは、自分の方が愛していたのに皮肉だ、君は自分だけのものだとレベッカに伝えて、静かに息を引き取る。

その言葉で、アイヴァンホーへの愛は束の間のものだと気づいたレベッカは、彼はあなたのものだとロウィーナに伝えて互いを理解する。

国王は、国は統一されるべきであり、イングランドのために立ち上がるよう、跪く人々に呼びかける。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
12世紀。
イングランドリチャード1世は、十字軍の遠征からの帰途に消息を絶つ。
長年国王に仕える騎士でサクソン人のウィルフレッド・オブ・アイヴァンホーは、オーストリアで幽閉されている国王を見つける。
アイヴァンホーは、国王の弟ジョン親王が、オーストリアが要求する身代金15万マルクの支払いを拒み、ノルマン人の騎士ボワ=ギルベールらと組み王位を奪おうとしている企みを知る。
イングランドに戻り、吟遊詩人に扮してボワ=ギルベールらに接触したアイヴァンホーは、不仲の父セドリックの元に向かうものの、身代金の話を聞いてもらえない。
その後アイヴァンホーは、セドリックが後見人の王女ロウィーナや、ユダヤ人の商人アイザック、そして彼の娘レベッカの協力を得て何とか国王を救おうとするのだが・・・。
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ウォルター・スコットの小説”アイヴァンホー”を基に製作された作品。

幽閉されているイングランドリチャード1世を救い出そうとする、騎士アイヴァンホーの戦いを描く歴史ドラマ。

MGMによる、リチャード・ソープロバート・テイラーが組んだ非公式の3部作の最初の作品であり、本作に続き「円卓の騎士」(1953)、「古城の剣豪」(1955)が製作された。

脚本を担当したマーガリット・ロバーツは、下院非米活動委員会によりブラックリストに載ったために、MGMは彼の名前をクレジットから削除した経緯がある。

中世の雰囲気を伝える古城での撮影も素晴らしく、ミクロス・ローザの勇壮な音楽も印象に残る。

第25回アカデミー賞では、作品、撮影(カラー)、作曲賞(ドラマ・コメディ)にノミネートされた。

リチャード1世が弟ジョンの陰謀に巻き込まれ、国王に仕えた騎士アイヴァンホーや、彼に協力するロビンフッド、そして美しい王女やユダヤ人商人の娘が登場し、冒険やアクションが展開する見応えある作品に仕上がっている。

主人公のウィルフレッド・オブ・アイヴァンホーを演ずるロバート・テイラーは、正義感溢れる勇気ある騎士を見事に演じている。

主人公に惹かれるエリザベス・テイラー(撮影当時19歳)と、主人公と愛し合う王女を演ずるジョーン・フォンテインの、美しさ際立つ姿はテクニカラーに映える。

主人公と敵対するノルマン人の騎士ド・ボワ=ギルベールのジョージ・サンダース、主人公に仕えるワンバとナレーターを担当するエムリン・ウィリアムズノルマン人の騎士ヒュー・ド・ブレイシー卿のロバート・ダグラス、主人公の父セドリックを豪快に演するフィンレイ・カリーユダヤ人の商人アイザックのフェリックス・エイルマーノルマン人の騎士フロント・ド・ブーフのフランシス・デ・ウルフ、同じくフィリップ・デ・マルボワシンのパトリック・ホルト、ラルフ・デ・ヴィポンのロデリック・ラベル、国王リチャード1世ノーマン・ウーランドジョン親王のガイ・ロルフ、その相談役ベイジル・シドニー、主人公に協力するロクスリー/ロビン・フッドのハロルド・ウォレンダー、タック修道士のセバスチャン・キャボット、その仲間ジョン・ラドックマイケル・ブレナン、アイザックの召使いメグス・ジェンキンスオーストリアの僧侶カール・ジャフィ、セドリックの召使いメイ・ホーラット、城の警備ロバート・ブラウンユダヤ人の代表マーティン・ベンソン、城壁の射手ジャック・チャーチルヴァレンタイン・ダイアル、イオネル・ハリスなどが共演している。


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