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グッド・オールド・サマータイム In the Good Old Summertime (1949)

1937年に上演された、ミクロス・ラズロの戯曲”Parfumerie”を基に製作された「街角の店/桃色の店」(1940)のミュージカル版リメイク。
文通相手と知らずに同じ楽器店で働く男女の恋の行方を描く、監督ロバート・Z・レオナード、主演ジュディ・ガーランドヴァン・ジョンソンS.Z.サカールスプリング・バイイントンクリントン・サンドバーグバスター・キートン他共演のミュージカル・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

ジュディ・ガーランド / Judy Garland / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ロバート・Z・レオナード

製作:ジョー・パステルナーク
原作:ミクロス・ラズロ”Parfumerie”
脚本
サムソン・ラファエルソン
アルバート・ハケット
フランセス・グッドリッチ
アイヴァン・トース
バスター・キートン
撮影:ハリー・ストラドリング
編集:エイドリアン・ファザン
音楽
ジョージ・ストール
ロバート・ヴァン・エプス

出演
ヴェロニカ・フィッシャー:ジュディ・ガーランド
アンドリュー・デルビー・ラーキン:ヴァン・ジョンソン
オットー・オーバークーゲン:S.Z.サカール
ネリー・バーク:スプリング・バイイントン
ルディ・ハンセン:クリントン・サンドバーグ
ヒッキー:バスター・キートン
ルイーズ・パークソン:マーシャ・ヴァン・ダイク
アディ:リリアン・ブロンソン
ベロニカとアンドリューの娘:ライザ・ミネリ

アメリカ 映画
配給 MGM
1949年製作 102分
公開
北米:1949年7月29日
日本:未公開
製作費 $1,577,000
北米興行収入 $6,304,560
世界 $7,704,120


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
シカゴ
ある日曜日、楽器店に勤めるアンドリュー・デルビー・ラーキン(ヴァン・ジョンソン)は、自慢の髭を剃って、同僚のヒッキー(バスター・キートン)と共に自転車で公園に向かう。

アンドリューは、楽器店のオーナーであるオットー・オーバークーゲン(S.Z.サカール)と恋人で経理兼秘書のネリー・バーク(スプリング・バイイントン)に、髭のことを冷やかされる。

仲のいい2人が結婚しないことを、アンドリューは不思議に思う。

女性に興味がないアンドリューには理由があり、郵便局の私書箱237号から届いている手紙を取り出した彼は、それを読もうとする。

アンドリューは、会ったこともない文通相手に恋をしていた。

郵便局を出たところで、アンドリューはヴェロニカ・フィッシャー(ジュディ・ガーランド)とぶつかってしまい、彼女に迷惑をかけて謝罪する。
...全てを見る(結末あり)

ヴェロニカに名刺を渡して、何か買い換えたら弁償すると伝えたアンドリューは、彼女の洋服が自転車に引っ掛かり、破ってしまったことに気づかないまま店に向かう。

店に着いたアンドリューは、同僚のルディ・ハンセン(クリントン・サンドバーグ)に、手紙が来たことを知らせて読んで聞かせる。

オットーに呼ばれたアンドリューは、甥のヒッキーが大切な”ストラディバリウス”を弾いたことで苛立つ彼の話を聞く。

新しく100台仕入れるハープを見せられたアンドリューは、オットーから意見を訊かれ、売れないと答える。

皆に意見を求めたオットーは、アンドリューと同じ意見だったために腹を立てて、いつものようにバイオリンを弾き始める。

アンドリューらは、その演奏の酷さに迷惑していたが、ヒッキーだけは伯父を気遣い聴いてあげる。

そこにヴェロニカが現れ、彼女に気づいたアンドリューは対応しようとする。

ヴェロニカが職を求めていることを知ったアンドリューは、今は雇えないと伝える。

オーナーに会いたいと言うヴェロニカと話したオットーだったが、彼女が職を探していることを知り、相手にするのをやめる。

その場にあったハープを弾いてみたヴェロニカは、それが75ドルすることを知り、客の婦人に、演奏しながら歌を聴かせる。

ヴェロニカの歌に感心してハープが気に入った婦人は、99ドル50セントでそれを購入する。

オットーはヴェロニカを雇うことにするが、アンドリューは気が進まなかった。

帰宅したヴェロニカは、同居する叔母のアディ(リリアン・ブロンソン)に、仕事が見つかったことを話して喜んでもらう。

ヴェロニカから店の店員のことなどを聞いたアディは、私書箱に手紙が届いていたことを伝える。

レストランで手紙を読んでいたアンドリューは、同じ下宿に住むバイオリニストのルイーズ・パークソン(マーシャ・ヴァン・ダイク)の演奏を聴きながら、彼女が自分に惹かれていることを知る。

アンドリューと話をしたルイーズは、彼に”女友だち”がいることを知りショックを受けるが、奨学金は諦めないようにと励まされる。

2か月が経ち、オットーは、売れないハープを返品するべきだと言うネリーの意見を聞き入れず、請求書を渡される。

アンドリューは、優秀な販売員となったヴェロニカの存在が気にいらなかった。

その間もアンドリューとヴェロニカは、互いのペンフレンドとの文通を続ける。

クリスマスが近づき、オットーは、売れないハープの値段を49ドル50セントまで下げる。

アンドリューは、今晩、手紙の相手と初めて会い、食事をすることをルディに話す。

ヴェロニカと話したアンドリューは、相変わらず彼女との関係はうまくいかなかった。

ヴェロニカは、今晩、大切な約束があることをネリーに話す。

ネリーをオペラに誘ったオットーは、男性と約束があると言われたために苛立ち、アンドリューらを呼び、閉店後に棚卸をすることを伝える。

ヴェロニカとアンドリューは、帰らせてほしいとオットーに頼むものの、許してもらえなかった。

閉店後の棚卸は始まり、ヴェロニカは、最悪の事態になったことをアンドリューのせいにする。

ネリーと話をしたオットーは、付き合っている男性はいないと言われ、気分を良くして皆を帰らせる。

ルディと共にレストランに向かったアンドリューは、彼に中の様子を見てもらい、目印の詩集とカーネーションを持っている女性がヴェロニカだということを知り驚く。

ヴェロニカが手紙の相手だったことでショックを受けたアンドリューは、彼女に会う気になれず、ルイーズが演奏する店に向かう。

アンドリューは、金曜日にオーディションが決まったことをルイーズから知らされ、見に行くことを約束する。

レストランに戻ったアンドリューは、外でカーネーションを捨てて店に入り、ヴェロニカと偶然会ったような話し方をして、ルディと待ち合わせていることを伝る。

アンドリューは、迷惑に思われながら、ヴェロニカが手紙の相手をどう思っているのかを探ろうとする。

苛立つヴェロニカと口論になったアンドリューは、気分を害して店を出る。

帰宅したヴェロニカは、アディに相手のことを訊かれ、アンドリューに邪魔をされことを話す。

ヴェロニカは、カーネーションが外に落ちていたために、自分たちを見た手紙の相手は去ったのだろうとアディに伝える。

数日後、ハープは38ドル75セントに値下げされる。

アンドリューは、店を休むヴェロニカのことを心配するルディから、連絡するべきだと言われるものの気が進まない。

手紙が届かなくなり悩むヴェロニカは、アンドリューからの電話に出ようとしなかった。

昼休みにヴェロニカの様子を見に行ったアンドリューは、オットーとネリーの婚約パーティーがあることを話し、それに彼女を誘う。

知人の赤ん坊ジェロームを預りながら、アンドリューと話していたヴェロニカは、帰宅したアディから届いた手紙を受け取り喜ぶ。

手紙を読んだヴェロニカは気分が良くなり、アンドリューに明日は店に出ると伝えて昨夜のことも許し、返事を書くために彼に帰ってもらう。

翌日、ヴェロニカはネリーに指輪を見せてもらい、パーティーにはヒッキーのエスコートで向かうことになる。

ルディと出かけようとしたアンドリューはオットーに呼ばれ、ネリーのためにバイオリンを弾くため、パーティー会場に運ぶことを頼まれる。

会場で弾くタイミングの段取りまで話すオットーに、やめた方がいいとは言えないアンドリューは、仕方なくそれを引き受ける。

それを知ったネリーは困惑し、アンドリューに頼みやめさせようとするものの、諦めて会場に向かう。

下宿に一旦戻ったアンドリューは、現れたルイーズからオーディションの招待状を受け取り、パーティーの後で来てほしいと言われて、彼女がバイオリンを必要としていることを知る。

ルイーズは、その場にあったオットーの”ストラディバリウス”を使わせてもらえると思い、アンドリューに感謝する。

アンドリューは、喜ぶルイーズの姿を見てバイオリンを貸してしまう。

パーティーは始まり、オットーは、遅れてきたアンドリューがバイオリンを持っていないことを知り焦る。

オーディション会場に向かったアンドリューは、ルイーズの演奏が終わっていないために、彼女のバイオリンを借りることにして部屋の鍵を受け取る。

アンドリューが戻るまでの間、ヴェロニカが歌うことになり、ネリーが彼女を紹介する。

戻ったアンドリューは、歌い終わったヴェロニカにアンコールを求める。

その後、ヴェロニカに感謝したオットーはステージに上がり、段取り通りに一曲、弾いてほしいと言うヒッキーが、彼にバイオリンを渡そうとする。

転んだヒッキーはバイオリンを壊してしまい、”ストラディバリウス”が粉々になったと思ったオットーはショックを受ける。

興奮するオットーからクビだと言われたアンドリューは、”ストラディバリウス”は壊れていないと伝えて、1時間以内に持ち帰ることを約束する。

オーディション会場に向かったアンドリューは、ルイーズの素晴らしい演奏を聴く。

アンドリューを逮捕させようとしたオットーは、警官と共にその場に向かい、自分のバイオリンを弾くルイーズの演奏を聴き関心する。

その様子を見ていたヴェロニカは、アンドリューとルイーズの関係が気になる。

オットーに気づいたルイーズは、彼がバイオリンを貸してくれたと思っていたために感謝する。

アンドリューから事情を聞いたオットーは警官を帰し、今日までの給料を払うことえを彼に伝える。

合格したルイーズは、喜んでくれたアンドリューと抱き合い、ヴェロニカは複雑な思いで2人を見つめる。

クリスマス・イヴ。
店に着いたオットーは、苛立ちながら、アンドリューに給料を払うようネリーに指示する。

現れたアンドリューは皆から同情され、喧嘩ばかりしていたヴェロニカとも別れることになる。

アンドリューに給料を渡したネリーは、自分が悪かったと言って責任を感じ、オットーに話をしようとする。

それをアンドリューに制止されたネリーは、推薦状を書くと言ってオットーの元に向かう。

オットーは、暫くして入ってきたアンドリューとネリーに、自分のバイオリンを弾くべき者が誰か昨晩、解ったと言って、それをルイーズに譲る考えを話す。

仕事を終えたら今晩にも・・・というオットーの言葉で、アンドリューは解雇を取り消されてと思う。

アンドリューを支配人にすると言うオットーは、感謝するネリーと抱き合う。

支配人になることをルディとヒッキーに伝えたアンドリューは、そのことをヴェロニカにも話す。

ヴェロニカは、結婚することも考えていると言うアンドリューと再び口論になり、今日でや辞めると彼に伝える。

アンドリューは、お客の選んだ楽譜の曲”メリー・クリスマス”を歌うヴェロニカを見つめる。

仕事は終わり、オットーは、創業以来、最高のイヴの売り上げになったことを話し、全員にボーナスを渡す。

皆は帰り、辞めるつもりのヴェロニカは、オットーに返してほしいと言ってボーナスをアンドリューに預ける。

アンドリューは、結婚するかもしれないと言うヴェロニカに、求婚されるのは分かると伝える。

それを不思議に思ったヴェロニカは、先日、婚約者が店に来たと言うアンドリューから、結婚の話をまとめたことを知らされる。

アンドリューから、その男性の容姿などを聞いたヴェロニカは、想像とは違っていたために戸惑い、男性も解雇されて職を失ったことを知る。

男性が妻になる相手の稼ぎで暮らすつもりだったために、昇給させると伝えておいたと話すアンドリューは、動揺するヴェロニカに、自分に乗り換えてほしいと言って迫る。

愛を告げたアンドリューは、私書箱237号から自分を取り出してほしいとヴェロニカに伝える。

アンドリューが手紙の相手だと知ったヴェロニカは驚き、混乱しながら、嬉しいと伝えて彼にキスする。

結婚したアンドリューとヴェロニカには娘(ライザ・ミネリ)も生まれ、幸せに暮らす。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
シカゴ
文通相手に恋しながら楽しい日々を送るヴェロニカ・フィッシャーは、その相手だと気づかずに、青年アンドリューとトラブルになる。
職を探してある楽器店に向かったヴェロニカは、アンドリューが店員だったために驚く。
オーナーのオットーと話したヴェロニカは、売れそうもないハープを客の婦人に購入してもらったことで採用される。
その後もヴェロニカとアンドリューは、手紙では恋を語りながら、互いが文通相手だと知らないまま衝突し合う日々が続く・・・。
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ミクロス・ラズロの戯曲”Parfumerie”を基に製作された、エルンスト・ルビッチのロマンチック・コメディの傑作「街角の店/桃色の店」(1940)のミュージカル版リメイク。

文通相手と知らずに同じ楽器店で働く男女の恋の行方を描くミュージカル・コメディ。

サイレント時代から活躍し、コメディ、ミュージカルなどを得意にしていたロバート・Z・レオナードが監督し、出演を兼ねるバスター・キートンが脚本に参加して、MGMのスターで人気絶頂のジュディ・ガーランドが主演した作品として話題になった。
バスター・キートンは、1933年に解雇されて依頼のMGM作品となった。

文通再手に恋する楽器店の店員を熱演するジュディ・ガーランドは、既に精神的に限界に達し、薬物中毒などで生活が乱れていた時期なのだが、その影響はあまり感じられない。
しかし、ミュージカル・ナンバーは少ないために、その点は考慮されていたのかもしれない。
彼女は、翌年の「サマー・ストック」(1950)を最後にMGMを去ることになる。
また、ジュディ・ガーランドの娘である、撮影当時2歳のライザ・ミネリが、ラストで主人公2人の娘として登場しデビュー作となった。

主人公が文通相手と気づかないまま、仕事場では度々、衝突してしまう楽器店の店員ヴァン・ジョンソン、彼の上司である楽器店のオーナー役S.Z.サカール、彼の恋人で、店の経理と秘書を兼ねるスプリング・バイイントン、店員のクリントン・サンドバーグバスター・キートン、アンドリュー(ヴァン・ジョンソン)と同じ下宿に住み彼に惹かれるバイオリニストのマーシャ・ヴァン・ダイク、主人公と暮らす叔母のリリアン・ブロンソンなどが共演している。


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