大富豪と結婚することを目的にしたモデル達の奮闘を描く、製作、脚本ナナリー・ジョンソン、監督ジーン・ネグレスコ、主演ベティ・グレイブル、マリリン・モンロー、ローレン・バコール、三者三様の魅力を生かした、ウィリアム・パウエル、デヴィッド・ウェイン、ロリー・カルホーン他共演のラブ・コメディ。 |
・コメディ
・マリリン・モンロー / Marilyn Monro / Pinterest
・ローレン・バコール / Lauren Bacall / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジーン・ネグレスコ
製作:ナナリー・ジョンソン
戯曲
ゾーイ・エイキンス
デイル・ユーンソン
キャサリン・アルバート
”The Greeks Had a Word for It”
脚本:ナナリー・ジョンソン
撮影:ジョゼフ・マクドナルド
編集:ルイス・R・レフラー
衣装デザイン
チャールズ・ルメア
トラヴィラ
音楽
アルフレッド・ニューマン
シリル・J・モックリッジ
出演
ロコ・デンプシー:ベティ・グレイブル
ポーラ・デベヴォア:マリリン・モンロー
シャッツェ・ペイジ:ローレン・バコール
J・D・ハンレー:ウィリアム・パウエル
フレディ・デンマーク:デヴィッド・ウェイン
エーベン:ロリー・カルホーン
トム・ブルックマン:キャメロン・ミッチェル
J・スチュアート・メリル:アレクサンダー・ダーシー
ウォルド・ブリュースター:フレッド・クラーク
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1953年製作 95分
公開
北米:1953年11月5日
日本:1954年3月17日
北米興行収入 $7,500,000
■ アカデミー賞 ■
第26回アカデミー賞
・ノミネート
衣装デザイン賞(カラー)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
モデルのシャッツェ・ペイジ(ローレン・バコール)は、家主が留守中の高級アパートの賃貸契約をして、友人ポーラ・デベヴォア(マリリン・モンロー)を呼び寄せる。
ポーラは、雑誌の表紙を飾ったこともある、友人でモデルのロコ・デンプシー(ベティ・グレイブル)に連絡を入れて、シャッツェが気乗りしないまま、彼女も同居させようとする。
ロコが、25セントしか持っていないことを聞いたシャッツェは驚くが、彼女は現金を忘れたと言って、スーパーで知り合ったトム・ブルックマン(キャメロン・ミッチェル)に食料品を買ってもらい、アパートに同伴する。
シャッツィは、ネクタイもしていないトムを見て彼を追い払い、紳士とだけしか付き合わないようにとロコに忠告する。
しかし、実はトムは、マンハッタンにビルを所有する大会社の社長だった。 その後シャッツィは、年収10万ドル以上の男性を射止めるための計画を二人に話し、それを実行に移す。 そしてシャッツィは、超一流の生活を始めるために、まずピアノを売って資金を調達する。 しかし、計画はなかなか進まないまま、アパートの家財は次々となくなり、雑誌で自分を知ったトムからの誘いも断ってしまう。 さすがのシャッツィも焦り始めるが、ロコがテキサスの富豪J・D・ハンレー(ウィリアム・パウエル)を連れて現われ、3人は、他の富豪も集うパーティーに招待される。 その夜、シャッツィはハンレー、ロコは中年の富豪ウォルド・ブリュースター(フレッド・クラーク)、ポーラは怪しげな男性J・スチュアート・メリル(アレクサンダー・ダーシー)らを伴いクラブに向かう。 三人はそれぞれの相手に探りを入れ、シャッツィは、初老のハンレーが独身だと知りそれを喜び、ロコは既婚者だがブリュースターに山荘に招待され、視力が低いにも拘らず眼鏡をかけるのを嫌うポーラは、メリルがどんな男性かも分からない。 シャッツィは、既婚者に付き合おうとするロコを批判するが、彼女はそこで、誰かに会えるかもしれないと言って楽観的に物事を考える。 一方、トムは、ドレス選びのためにモデルの三人の前に現われるが、彼は品定めをしただけで、何も語らずにその場を去る。 ブリュースターと山荘に向かったロコは、青年エーベン(ロリー・カルホーン)に迎えられる。 しかし、何もない山奥の山荘に誰もいないことを知ったロコは駄々をこねて、ラム酒のせいで発熱して、静養することになる。 その頃、税金の滞納で身を潜めている、アパートの家主フレディ・デンマーク(デヴィッド・ウェイン)が、シャッツィらのいない間に部屋に入る。 家財がなくなっていることに驚いたフレディだったが、そこにシャッツィとハンレーが現われる。 ハンレーは、シャッツィが見栄を張るために家具を売ったことなどを知り、彼女に援助してあげたい気持もあったが、30歳の年の差などを考えて、別れることを告げる。 そこにポーラが現われ、部屋を出ようとしたフレディと出くわすが、目が悪い彼女はそれが誰か分からない。 ポーラはメリルと結婚することを告げるが、シャッツィは彼の素性を疑う。 同じ頃、回復したロコは、エーベンとスキーなどを楽しみ惹かれ合うようになり、彼が広大な山林地帯の所有者だと思い込む。 再び部屋に侵入したフレディは、家財が戻っていることを確認し、金庫の書類を持ち出すが、帰ってきたポーラと出くわしてしまう。 ポーラはそれがシャッツィの相手だと思い、連絡のあったメリルから、アトランティックシティに向かうよう指示される。 機内で、ポーラは偶然にもフレディと同じ席になり、以前に会ったことと、お互い目の悪いことを知る。 ポーラに眼鏡をかけさせたフレディは、彼女が魅力的だと伝え、二人は意気投合する。 その後ポーラは、目的地と違うカンザス行きの便に乗ってしまったことに気づくが、フレディとの楽しい時を過ごす。 その頃、エーベンが広大な土地を所有する大富豪だと思っていたロコは、彼がその土地を監視する、森林警備隊員だと知る。 ショックを受けるロコだったが、既に彼女は、エーベンに心奪われていたのも事実だった。 人目につくのを恐れ、ロコと共に車でニューヨークに向かったブリュースターだったが、運悪く、”ジョージ・ワシントン・ブリッジ”の、5000万台目の通過者としてマスコミに囲まれてしまう。 再び家財を売り始めたシャッツィは、トムの執拗な誘いに仕方なく付き合い、ダイナーで食事をする。 シャッツィは、自分を偽っていることをトムに指摘され、さらに、金で幸せは買えないと言われるが、貧乏人は相手にしていられないと言い放ち、軽食を食べて別れる。 それでもトムは、身分を明かさずに、めげずに何度もシャッツィを誘う。 ついに売る家財もなくなったシャッツィの元に、ハンレーが現われ、そして二人は結婚することになる。 結婚パーティーにエーベンと出席したロコは、自分が唯の森林警備隊員と結婚したことをシャッツィに告げる。 そこに現われたポーラは、アパートの持ち主で税務署に追われるフレディと結婚したことをシャッツィに伝える。 二人の話を聞いたシャッツィは、ハンレーを愛していないのに結婚するということで悩み、式の始まる寸前で、それを彼に伝える。 実は”トム・ブルックマン”という、職業も知らない貧乏青年を愛していたことをハンレーに伝えたシャッツィは、彼が来ていることを知らされる。 トムと知り合いのハンレーは、シャッツィが”貧乏青年”を選んだことを彼に伝える。 そして、ハンレーは、トムをシャッツィの部屋に案内して、二人は言い争いを始めるが、結局は結婚式を済ませる。 二次会でダイナーに向かったシャッツィら6人は、百万長者をゲットする目的が果たせなかったことで盛り上がるのだが、トムは、あらゆる事業を展開する大事業家だと告げる。 皆は信じるはずもないが、支払いを済ませようとしたトムは、ポケットから1000ドル紙幣の札束を出し、釣りはいらないと言って、テーブルにそれを一枚置く。 それを見たシャッツィ、ロコ、ポーラは卒倒し、夫達は妻に乾杯する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
モデルのシャッツェ・ペイジは、大富豪と結婚することを考え、まず高級アパートを借りて見栄を張る。
シャッツィは、モデル仲間のポーラ・デベヴォアとその友人のロコ・デンプシーとで、早速、その計画を実行する。
ロコが連れて来た青年トムを、身形で判断して追い払ったシャッツィだったが、その後は思うような展開にはならず焦り始める。
そんな時、ロコが大富豪ハンレーを伴って現われ、彼の知人が集うパーティーに招待される。
三人はそれぞれが、富豪の相手を見つけ、シャッツィは初老のハンレーが独身だと知り期待に胸膨らませる。
実は、大会社の社長だったトムは、その後も身分を隠してシャッツィを誘うが、無視され続ける。
ロコは、既婚者ブリュースターに山荘に招待され、そこで広大な森林地帯を保有していると思われる青年エーベンと惹かれ合うようになる。
ポーラも、謎の男性メリルと結婚することになるのだが・・・。
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元祖ピンナップ・ガールとして一世を風靡したベティ・グレイブル、いよいよ伝説になろうかという時期のマリリン・モンロー、そして、当時のハンフリー・ボガート夫人ローレン・バコールという、今観るととんでもない豪華競演を楽しめるだけでも満足できる作品。
2ヶ月前に公開されたばかりの、ハリウッド初のシネマスコープ作品「聖衣」(1953)に次ぐ作品で、ワイド画面を惜しみなく使う、三人の美女を捉えるショットやマンハッタンの風景、または広大な森林地帯の数々など、見所の多い作品でもある。
シネマスコープの映像の迫力を見せる、冒頭のオーケストラ演奏の迫力も圧巻だ。
第26回アカデミー賞では、衣装デザイン賞(カラー)にノミネートされた。
今ではマリリン・モンローの作品のように言われるが、当時のキャリア的に言うとベティ・グレイブルがトップである。
しかし、ドラマの牽引者として、まだ20代にも拘らず貫禄すら感じるローレン・バコールの、洗練された美しさが際立っている。
後年、”マリリン・モンローの魅力に支えられた”などと言われるのは宣伝文句で、それを真に受けて観ると、やや物足りない感じだ。
彼女の真の”魅力”は、この後の数年間と言っていいだろう。
思慮深い大富豪ウィリアム・パウエル、アパートの主デヴィッド・ウェイン、森林警備隊員のナイスガイ、ロリー・カルホーン、プレイボーイ風ではあるが、男らしさもある大会社社長キャメロン・ミッチェル、謎の富豪?アレクサンダー・ダーシー、同じく富豪のフレッド・クラークなどが共演している。