1994年からダークホースコミックスに登場する人気シリーズの映画化。 悪魔の子として冥界から現れた”ヘルボーイ”がB.P.R.D.(超常現象捜査防衛局)の同僚達と世界を滅ぼそうとする怪僧の陰謀に立ち向かう姿を描く、監督、脚本ギレルモ・デル・トロ、主演ロン・パールマン、ジョン・ハート、セルマ・ブレア、ダグ・ジョーンズ他共演のファンタジー・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ギレルモ・デル・トロ
製作
ローレンス・ゴードン
マイク・リチャードソン
ロイド・レヴィン
原作:マイク・ミニョーラ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
編集:ピーター・アマンドソン
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演
ヘルボーイ:ロン・パールマン
トレヴァー”ブルーム”ブルッテンホルム教授:ジョン・ハート
エリザベス/リズ・シャーマン:セルマ・ブレア
エイブ・サピエン:ダグ・ジョーンズ
エイブ・サピエン(声):デヴィッド・ハイド・ピアース
ジョン・マイヤース:ルパート・エヴァンス
トム・マニング:ジェフリー・タンバー
グリゴリ・E・ラスプーチン:カレル・ローデン
カール・ルプレクト・クロエネン:ラディスラヴ・ベラン
イルザ:ビディー・ホドソン
クレイ:コリー・ジョンソン
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2004年製作 120分(DC:135分)
公開
北米:2004年4月2日
日本:2004年10月1日
製作費 $66,000,000
北米興行収入 $59,035,100
世界 $99,414,250
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1944年10月9日、第二次世界大戦末期、スコットランド。
超常現象研究家トレヴァー”ブルーム”ブルッテンホルム教授(ジョン・ハート)は、アメリカ軍の特殊任務、”超常現象捜査班”に参加していた。
敗戦の色濃いナチス・ドイツは、”トゥーレ協会”の会長でもあるカール・ルプレクト・クロエネン(ラディスラヴ・ベラン)率いる秘密部隊で、新たなる世界征服を企む計画を決行しようとしていた。
開発した装置を操ったロシアの怪僧グリゴリ・ラスプーチン(カレル・ローデン)が冥界の扉を開いたところで、それを見つけたアメリカ軍と戦闘になる。
クロエネンは死に、ラスプーチンは冥界の扉に吸い込まれるが、扉が長く開いていたために、冥界から何かが現れた可能性をブルーム教授は指摘する。
そして、ブルーム教授は、赤い肌をした小猿のような生物を見つけ”ヘルボーイ”と名付けて養子として育てる。 現代。 その頃、ブルーム教授は、癌が全身に転移し余命短いことを医師から告げられる。 FBI特捜部長トム・マニング(ジェフリー・タンバー)は、テレビ番組でB.P.R.D.(超常現象捜査防衛局)なる部署が存在することを否定する。 ニュージャージー州、トレントン、B.P.R.D.。 マイヤースは、その昔、ヒトラーも加わった、ドイツ貴族達が結成したオカルト結社”トゥーレ協会”の説明を始める。 そして、それに対抗しルーズベルト大統領の命令で設立されたのがB.P.R.D.だということをマイヤースに伝える。 半漁人エイブ・サピエン(ダグ・ジョーンズ/セス・マクファーレン:声)を紹介され、教授と別れたマイヤースは、クレイ捜査官(コリー・ジョンソン)に局の内部に案内される。 マイヤースは、実在するか否かで論争が起きていた、赤い肌の巨人ヘルボーイ(ロン・パールマン)と対面する。 その威圧感に圧倒されたマイヤースだったが、緊急警報が鳴り、魔物が現れたという資料館に、ヘルボーイやエイブらと共に向かう。 エイブの超能力で魔物/サマエルのいる部屋を見つけ、ヘルボーイが単独で退治に向かう。 ヘルボーイが簡単に倒したと思われたサマエルは、しぶとく反撃して地下鉄線路内に逃げ込む。 しかし、ヘルボーイは、サマエルを捕らえ感電死させてマイヤースに連絡を入れる。 廃棄地下鉄駅のロッカー室。 姿を消していたヘルボーイは、精神を病んでいる恋人のエリザベス/リズ・シャーマン(セルマ・ブレア)を、病院に連れ戻しに行くが、念動発火の能力は戻りつつあるものの、彼女にはその決心がつかない。 病院でヘルボーイを見つけたマイヤースらは、傷を負った彼を連れ帰り治療する。 サマエルが放った回虫のような生物の卵が、ヘルボーイの体に産み付けられていたのを、エイブが見つける。 リズに魔力をかけたラスプーチンは、彼女の発火能力で病院を爆破炎上させてしまう。 ヘルボーイに相手にされないマイヤースだったが、死が近づくブルーム教授は、彼にヘルボーイを支えてほしいことを伝える。 廃棄地下鉄内部の貯水槽を調べたエイブと、それを監視していたヘルボーイらは、甦ったサマエルに襲われる。 ヘルボーイは、駅構内でサマエルと一騎打ちになり、大乱闘の末にサマエルは地下鉄と衝突して肉体は滅びる。 捜査官クレイがクロエネンに重傷を負わされて、瀕死の状態でヘルボーイに救出され、傷ついたエイブは回復に向かう。 その頃、マイヤースがB.P.R.D.にリズを連れ戻し、彼女はブルーム教授に歓迎される。 リズと外出したマイヤースに嫉妬したヘルボーイは、二人の後をつける。 クロエネンは、自らを仮死状態にしてB.P.R.D.に運ばれた後に息を吹き返し、ブルーム教授の前にラスプーチンと共に現れる。 そして、教授にヘルボーイが世界を滅ぼすことを知らせたラスプーチンの命令で、クロエネンは教授を刺し殺す。 B.P.R.D.に戻ったヘルボーイは、養父ブルーム教授の死にショックを受け、誰とも口をきかずに心を閉ざしてしまう。 そんなヘルボーイは彼の身を案ずるリズに、不器用ながら愛し続けることを告げる。 その後、ロシアでラスプーチンの手がかりを見つけたマニングは、ヘルボーイを含めた捜査部隊を指揮してモスクワ郊外の墓地に向かう。 ラスプーチンの墓を捜した一行は、モスク内部で二組に分断されてしまう。 ヘルボーイはマニングと行動を共にし、クロエネンを見つけて串刺しにして息の根を止めて、ブルーム教授の仇を討つ。 リズに惹かれていたマイヤースは、彼女の気持ちを知りたがるが、サマエルの繁殖地に閉じ込められてしまう。 ヘルボーイは、二人の危機を知り、その場に突入してサマエルの群れに立ち向かう。 リズは、念動発火を起こすためにマイヤースに自分を殴らせ、炎に包まれながらサマエルを焼き殺すが、結局、ヘルボーイらはラスプーチンに捕らえられてしまう。 60年前、冥界からこの世に現れたヘルボーイの石の右手は、冥界の扉を開ける鍵だったのだ。 そして月食の夜、ヘルボーイが扉を開けるのを拒否したため、ラスプーチンはリズの魂を奪ってしまう。 ヘルボーイはリズを救うために、仕方なくラスプーチンに服従し、冥界の扉を開ける。 しかし、マイヤースがブルーム教授の意志をヘルボーイに伝えると、悪魔になった彼は正気に戻り、生え変わった角を折りラスプーチンの胸を貫く。 ラスプーチンは息絶えるが、彼の体内から触手を持った”ベヒモス”が現れえる。 その場を逃れたヘルボーイは、リズをマイヤースに託すが、ベヒモスの触手に襲われる。 しかし、ヘルボーイは、手榴弾をベヒモスに飲み込ませて爆死させる。 そしてリズは、ヘルボーイの愛で息を吹き返し、二人は愛の炎に包まれる。
__________
...全てを見る(結末あり)
ラスプーチンにより、永遠の命と若さを与えらたクロエネンとナチスの女性将校イルザ(ビディー・ホドソン)は、雪山で、冥界のラスプーチンを復活させる。
FBIアカデミーを卒業したばかりの、ジョン・マイヤース(ルパート・エヴァンス)は、ブルーム教授に迎えられる。
復活したラスプーチンは、月食の日に”我が子”が現れるのを待ち構える。
参考:
・「ヘルボーイ」(2004)
・「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」(2008)
・「ヘルボーイ」(2019)
*(簡略ストー リー)
第二次世界大戦末期、敗色濃厚なナチス・ドイツが、怪僧ラスプーチンと手を組み開いた冥界の扉から、悪魔の子”ヘルボーイ”が現れる。
超常現象研究家ブルッテンホルム教授は、その子を見つけて養子として育てる。
やがて、成長したヘルボーイは、超常現象捜査防衛局/B.P.R.D.局員メンバーとして、魔物退治の特殊任務に就くことになる。
そして、ヘルボーイは同僚達と共に、世界を滅ぼそうと企む、復活した怪僧の陰謀に立ち向かう・・・。
__________
2008年には続編「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」が公開され、期待ほどの興行収入を得られなかった本作を、遥かに上回るヒットとなった。
第1作ということもあり、特殊能力を持った多彩な登場人物の活躍よりも、はみ出し者の一匹狼的なヘルボーイの、圧倒的個性と迫力を見せ付けてくれる作風は痛快だ。
素顔でも通るような、厳つい男ロン・パールマンの風貌を生かした、悪魔なのに”人間味”を感じる主人公が、実に魅力的に描かれている、愛すべき作品と言える。
大味の作品に思えるのだが、監督ギレルモ・デル・トロは、各キャラクターの個性を丁寧に描き、そのメイクやセット、小道具など、玄人受けする見事な仕上がりになっている。
残念ながら命を奪われるが、続編でも登場する設定となっているヘルボーイの養父役ジョン・ハート、心に傷を持つヘルボーイの恋人セルマ・ブレア、後半は登場しないが続編ではさらなる活躍をする半漁人エイブ・サピエンのダグ・ジョーンズ(声:デヴィッド・ハイド・ピアース)、余命短いブルーム教授(J・ハート)に、ヘルボーイを支えるよう頼まれる新米FBI捜査官ルパート・エヴァンス、局長ジェフリー・タンバー、怪僧のカレル・ローデン、ナチスの殺し屋役ラディスラヴ・ベラン、将校のビディー・ホドソン、捜査官コリー・ジョンソンなどが共演している。