殺人事件に巻き込まれた聾唖者の女性の恐怖を描く、製作、監督ロバート・グリーンウォルド、主演マーリー・マトリン、D・B・スウィーニー、マーティン・シーン、ジョン・C・マッギンレー他共演のサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・グリーンウォルド
製作
ロバート・グリーンウォルド
デヴィッド・マタロン
製作総指揮:デヴィッド・ストレイト
原案
ダニー・ルービン
ランドール・M・バダット
脚本
ランドール・M・バダット
キャスリーン・ローウェル
撮影:スティーヴン・ショウ
編集:エヴァ・ガルドス
音楽:グレーム・レヴェル
出演
ジリアン・シャナハン:マーリー・マトリン
ベン・ケンドール:D・B・スウィーニー
ブロック警部補:マーティン・シーン
ミッキー・オマリー:ジョン・C・マッギンレー
グレイス:クリスティナ・カルリーシ
クーパー:グレッグウェイン・イーラム
ワイリー:チャーリー・ラング
フロー・ケンドール:マージ・レドモンド
ティム・ワシントン:ビリー・ウォーリー
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1993年製作 97分
公開
北米:1993年3月26日
日本:1994年10月8日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $5,679,570
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
オレゴン州、ポートランド、J・プレンティス博物館。
警備員を射殺したティム・ワシントン(ビリー・ウォーリー)は、100万ドルの価値がある古いコインを奪う。
聾唖者のジリアン・シャナハン(マーリー・マトリン)は、スポーツ・ジムでインストラクターとして働いていた。
マラソン大会に出場する予定のジリアンは、同僚で親友のグレイス(クリスティナ・カルリーシ)と公園のベンチで話をする。
ベン・ケンドール(D・B・スウィーニー)は、友人である新聞記者のミッキー・オマリー(ジョン・C・マッギンレー)から、コインが奪われた事件の件で情報をつかんだと言われて車を貸す。
ジリアンのクライアントであるミッキーは、彼女への支払いが溜まっていたが、スクープをモノにしたので来週には大金が入ると伝える。 情報源に自分の番号を教えたのでポケベルにメッセージが届いているはずだと言われたジリアンは、それを確認して、”T.W.に電話を”というメッセージをミッキーに見せる。 T.W./ティムに会ったミッキーは、博物館の警備員を殺したと言う彼から、ブロック警部補(マーティン・シーン)に指示されたことを知らされて驚く。 二人の様子を監視していた刑事のクーパー(グレッグウェイン・イーラム)は、それを同僚のワイリー(チャーリー・ラング)に伝える。 ブロックの記事を書いたことをミッキーに確認したT.W.は、彼にコインを渡してその場を去る。 T.W.の件で青年を締め上げていたブロックは、ウィリーから、T.W.と記者のミッキーが会っていたことを知らされる。 ブロックから、年金を当てにしないで暮らせる方法を考えろと言われたワイリーは、ミッキーを捜すことを指示される。 ジリアンのアパートに向かったミッキーは、ブロックらが来たことに気づき、彼女のポケベルにコインを隠す。 クーパーとワイリーと共に部屋に押し入ったブロックは、隠れていたミッキーを捕らえてその場を去る。 ブロックに脅されたミッキーは、今夜中にコインを渡すようにと言われ、ジリアンのアパートに戻る。 留守のジリアンと連絡がつかないミッキーは、クラブで働くベンの元に向かい、ブロックと揉めていることを話し、1000ドル借りてその場を去る。 橋を渡る車が爆発して川に落下し、ミッキーの死体が発見されないまま、現場にベンを呼んだブロックは話を聞く。 ミッキーから盗難事件のことを聞いたと話すベンに、何か受け取っていないか尋ねたブロックは、受け取っていないと言われる。 その後ミッキーの葬儀が行われ、参列したジリアンと話したブロックは、家に押し入ったことを謝罪する。 署で話を聞きたいとジリアンに伝えたブロックはその場を去り、ベンは、彼がジリアンの家に押し入りミッキーを連れ去ったことを知る。 ブロックのことをミッキーが話していたことが気になるベンは、ジリアンから連絡先を教えてもらう。 署に現れたジリアンとミッキーのことについて話したブロックは、彼からコインを渡され、恋人のためにウソをついているではないかと言われる。 それを否定したジリアンは、ミッキーは恋人でもないと言って、コインのことも知らないとブロックに伝える。 ブロックから、コインを持っていると考える犯人に狙われると言われたジリアンは、動揺してその場を去る。 事件の夜、ミッキーがジリアンの家に戻った可能性は低く、ブロックは、彼女がコインのことは知らないかもしれないと考える。 ジリアンの家にいたグレイスは、ベンからの電話を受けて、1時間後に会うと伝える。 その後、何者かが部屋に侵入してグレイスが襲いかかり、入浴中のジリアンはそれに気づかない。 グレイスは意識を失い、浴室から出たジリアンは男に気づき叫び声をあげる。 そこに訪ねて来たベンは、部屋の様子に気づき、窓から侵入しようとする。 ベンは部屋に入り、男はその場から逃げ去る。 無事だったグレイスは病院に搬送され、駆け付けたブロックは、大事なものを探していたことをミッキーから聞いたはずだとベンに尋ねる。 病院でジリアンと話したベンは、盗まれたコインをミッキーが自分に渡したとブロックが思っていると言われる。 その後、ジリアンと共に自分のアパートに向かったベンは、彼女に代わり父親に電話をして、強盗が部屋に入ったが大丈夫だと伝える。 ジリアンをソファで寝かせたベンは、不眠症のために眠れなかった。 翌朝、ジリアンと朝食をとりながらニュースを見たベンは、ブロックがミッキーを殺したと考えながら苛立ち、彼女から告発することを提案される。 警察署に向かったベンは、ブロックの上司に彼のことを告発するものの、証拠がないと言われる。 同行したジリアンは、自分やミッキーが監視されていた映像を警官がチェックしていることを知る。 それをベンに話したジリアンは、ブロックが映像を隠していると言って、自分達が監視されていたことを伝える。 ベンは、ジリアンがコインを持っているとブロックが思っていると考える。 ジリアンをアパートに送ったベンは、ワイリーが監視していることに気づき、自分のアパートにいた方がいいと彼女に伝える。 ベンのアパートに泊まり、翌日、グレイスの様子を見に行ったジリアンは、警察が来たが、事件のことは覚えていないので何も話さなかったと言われる。 ジリアンがベンのアパートにいることを知ったグレイスは、彼がミッキーの親友だったために心配する。 グレイスの息子アレックスの誕生パーティーが開かれ、ベンと共にそれに出席したジリアンは、楽しい時間を過ごす。 その帰りに自分のアパートに寄ったジリアンは、部屋が荒らされていたためにショックを受ける。 そんなジリアンが心配なベンは、彼女をクラブに連れて行き、二人は惹かれ合うようになる。 翌日、仕事を終えたジリアンは、駐車場に現れたブロックに脅され、コインを渡すようにと言われる。 それを知ったベンは、ミッキーやジリアンが映っている映像を奪うことを考える。 ブロックがオペラ観賞で留守になる日を確認したベンは、ジリアンと共に彼の家に向かい、部屋に侵入してビデオテープを見つける。 そこにブロックが妻と共に戻り、侵入者に気づいた彼はビデオが奪われたことを知る。 クーパーに襲われたジリアンはその場から車で逃れ、笛を吹いてベンに知らせる。 行き止まりで車を降りたジリアンは、林を抜けて公衆電話に向かい助けを求める。 クーパーが現れたために驚いたジリアンは、その場から逃げてベンに出くわす。 ジリアンを落ち着かせたベンは、アパートには戻れないために実家に向かい、彼女に母フロー(マージ・レドモンド)を紹介する。 ベンと共にビデオを確認したジリアンは、映像のT.W.の唇を読み、コインでブロックが金持ちになると言っていることを知る。 それが証拠になると考えたベンは、この件をFBIに知らせればブロックは逮捕されると言って、ジリアンを安心させる。 通報を受けたFBIは動き出し、ベンとジリアンの協力でブロックを逮捕しようとする。 ブロックに電話をしたベンは、コインを持っていることを伝えて、マラソン大会の観客席で取引することを提案する。 マラソン大会当日、出場したジリアンはクーパーに連れ去られそうになるが、FBIの捜査官が彼を逮捕する。 ジリアンは、FBIの監視車に案内される。 観客席でベンに会ったブロックは、コインは引退後の保証だと話す。 ジリアンは、二人を監視する映像を見ながら唇を読む。 FBIはブロックが自白したと判断し、その場の捜査官が彼を逮捕する。 事件は解決し、ジリアンはベンと共に山荘に向かい、ペイリー夫人に迎えられる。 二人は、ウィンドサーフィンなどをして楽しい時間を過ごす。 山でサイクリングをするベンと別れてランニングをしながら山荘に戻ったジリアンは、ポケベルを外した際に、その中からコインが落ちたことに気づく。 ベンのポケベルにかけたジリアンは、かかってきた電話に出てコインが見つかったことを伝えるものの、線が切られたことに気づき、何者かに襲われる。 電話に出ないジリアンが心配になったベンは、急いで山荘に戻ろうとする。 部屋から逃れて温室に向かったジリアンは、ペイリー夫人の死体を見つける。 再び襲われたジリアンは厨房に隠れるが、侵入者がミッキーだと気づき驚く。 その場から逃れたジリアンは音楽を流し、火災警報とスプリンクラーを作動させる。 身を隠したジリアンは、ベンからの電話に気づかない。 ポケベルの受信に気づいたジリアンは、音を消して警戒する。 ミッキーに捕らえられたジリアンは彼の股間を殴り、ポケベルの音を鳴らしてその場に置き、彼を窓際に誘き寄せる。 ウィンドサーフィンのセイルを押し倒したジリアンは、ミッキーを窓から突き落とす。 ミッキーは温室に落下し、持っていたコインを手放す。 アレキサンダー大王が東方遠征の際に水路の発見者に与えたコインは博物館に戻り、それを見学したジリアンとベンは愛を確かめる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
オレゴン州、ポートランド。
悪徳警官ブロック警部補の計画により、博物館から貴重で高価なコインが奪われる。
その情報を実行犯から得た新聞記者のミッキーは、彼からコインを受け取り、スポーツ・ジムでインストラクターである聾唖者のジリアン・シャナハンのポケベルに隠す。
ジリアンのアパートでブロックに捕らえられて脅されたミッキーは、コインを渡すことを迫られるが、爆発した車と共に川に落下する。
ミッキーからコイン盗難のことを聞いていた親友のベンは、ジリアンが事件に関わっていることを知り、怯える彼女に協力しようとするのだが・・・。
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ドキュメンタリー映画監督、そして政治活動家として知られるロバート・グリーンウォルドが、製作を兼ねて監督した作品。
悪徳警官が企む、貴重で高価なコインの強盗殺人事件事態は平凡な筋立てではあるが、それに巻き込まれる主人公が聾唖者の女性である点がポイントの作品。
実際に聾唖者でありながら、「愛は静けさの中に」(1986)で見事にアカデミー主演女優賞を受賞したマーリー・マトリンの演技が注目された作品ではあるが、考えや思いをうまく伝えられない主人公の苦悩や恐怖を伝える演出にやや物足りなさを感じる。
強盗殺人事件に巻き込まれるスポーツ・インストラクターで、命を狙われる聾唖者の女性を熱演するマーリー・マトリン、彼女に協力して恋も芽生える青年D・B・スウィーニー、貴重なコインを奪うために彼女らの命も狙う悪徳警官のマーティン・シーン、被害者であったが、実はコインを狙っていた新聞記者のジョン・C・マッギンレー、主人公の同僚である親友クリスティナ・カルリーシ、悪徳警官グレッグウェイン・イーラムとチャーリー・ラング、ベン(D・B・スウィーニー)の母親マージ・レドモンド、コインを奪う犯人ビリー・ウォーリーなどが共演している。