1997年から出版されている、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズ第7巻(2007)の映画化、最終章のPART1。 監督デヴィッド・イェーツ、主演ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、レイフ・ファインズ、トム・フェルトン、マギー・スミス、マイケル・ガンボン、ロビー・コルトレーン、アラン・リックマン、ヘレナ・ボナム=カーター、ブレンダン・グリーソン他共演。 |
・エマ・ワトソン / Emma Watson / Pinterest
・レイフ・ファインズ / Ralph Fiennes / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・イェーツ
製作総指揮:ライオネル・ウィグラム
製作
デヴィッド・ハイマン
デヴィッド・バロン
J・K・ローリング
原作:J・K・ローリング
脚本:スティーブ・クローブス
撮影:エドゥアルド・セラ
編集:マーク・デイ
美術・装置
スチュアート・クレイグ
ステファニー・マクミラン
音楽
アレクサンドル・デプラ
ニコラス・フーパー
ジョン・ウィリアムズ(主題曲)
出演
ハリー・ポッター:ダニエル・ラドクリフ
ロン・ウィーズリー:ルパート・グリント
ハーマイオニー・グレンジャー:エマ・ワトソン
ヴォルデモート卿:レイフ・ファインズ
セブルス・スネイプ:アラン・リックマン
ベラトリックス・レストレンジ:ヘレナ・ボナム=カーター
ルビウス・ハグリッド:ロビー・コルトレーン
ドラコ・マルフォイ:トム・フェルトン
ルーナ・ラブグッド:イヴァナ・リンチ
ネビル・ロングボトム:マシュー・ルイス
ジニー・ウィーズリー:ボニー・ライト
チョウ・チャン:ケイティ・リューング
フレッド・ウィーズリー:ジェームズ・フェルプス
ジョージ・ウィーズリー:オリバー・フェルプス
アーサー・ウィーズリー:マーク・ウィリアムズ
モリー・ウィーズリー:ジュリー・ウォルターズ
アラスター・ムーディ:ブレンダン・グリーソン
リーマス・ルーピン:デイビッド・シューリス
ニンファドーラ・トンクス:ナタリア・テナ
ワームテール:ティモシー・スポール
ナルシッサ・マルフォイ:ヘレン・マックロリー
ラベンダー・ブラウン:ジェシー・ケーブ
フェンリール・グレイバック:デイヴ・レジェノ
ホラス・スラグホーン:ジム・ブロードベント
アルバス・ダンブルドア:マイケル・ガンボン
バーノン・ダーズリー:リチャード・グリフィス
ペチュニア・ダーズリー:フィオナ・ショウ
ダドリー・ダーズリー:ハリー・メリング
ルシウス・マルフォイ:ジェイソン・アイザックス
ドローレス・アンブリッジ:イメルダ・スタウントン
ヤックスリー:ピーター・マラン
ルーファス・スクリムジョール:ビル・ナイ
オリバンダー:ジョン・ハート
ゼノフィリウス・ラブグッド:リス・エヴァンス
グリップフック:ウォーウィック・デイビス
フラー・デラクール:クレマンス・ポエジー
ビル・ウィーズリー:ドムナル・グリーソン
ゲラート・グリンデルバルド(青年期):ジェイミー・キャンベル・バウアー
ネビル・ロングボトム:マシュー・ルイス
シェーマス・フィネガン:デヴォン・マーレイ
チョウ・チャン:ケイティ・リューング
グレゴリー・ゴイル:ジョシュア・ハードマン
パドマ・パチル:アフシャン・アザド
スカビオール:ニック・モラン
リータ・スキーター:ミランダ・ リチャードソン
アルバート・ランコーン:デヴィッド・オハラ
グレゴロビッチ:レイド・セルベッジア
ドビー(声):トビー・ ジョーンズ
イギリス/アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2010年製作 146分
公開
イギリス:2010年11月19日
北米:2010年11月19日
日本:2010年11月19日
製作費 $250,000,000(PART2との合算)
北米興行収入 $294,980,430
世界 $955,417,480
■ アカデミー賞 ■
第83回アカデミー賞
・ノミネート
美術・視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
闇の帝王ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)が復活したため、魔法大臣ルーファス・スクリムジョール(ビル・ナイ)はマグルの首相と会談し、闇の時代が訪れたことと、魔法省が今後もそれに怯むことはないと、メディアの前で宣言する。
ホグワーツ魔法魔術学校は今や死喰い人の支配下となり、危険な場所となったマグルの世界から、ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)の家族は逃げ出す。
ハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン)は、娘がいたという記憶を両親から消し去りオーストラリアに避難させる。
ヴォルデモートと死喰い人が集まる場に現れた、セブルス・スネイプ(アラン・リックマン)は、ハリーの動きを報告する。
それを確認したヴォルデモートは、自分とハリーの杖の芯が同じ”双子”のため、お互いを滅ぼすことが出来ないことを語る。
ルシウス・マルフォイ(ジェイソン・アイザックス)から、彼の杖を取り上げたヴォルデモートは、捕らえていたホグワーツの教師を、その杖で抹殺する。
一方、ハリーと親友ロン・ウィーズリー(ルパート・グリント)、ハーマイオニーはホグワーツには戻らず、”不死鳥の騎士団”の、アラスター”マッドアイ”ムーディ(ブレンダン・グリーソン)、ルビウス・ハグリッド(ロビー・コルトレーン)らと集まり、危険は承知の上で変身薬”ポリジュース”を飲み、それぞれがハリーに変身する。 マッドアイは、各ハリーに護衛を付け、本物のハリーはハグリッドと行動を共にし”隠れ家”に向かう。 途中、死喰い人が現れ、本物のハリーはヴォルデモートに襲われるが逃げ切り、隠れ家にたどり着く。 しかし、ハリーを守ろうとしたロンの兄ジョージ(オリバー・フェルプス)が片耳に重傷を負い、マッドアイは死亡し、他にも犠牲者を出す。 自分のために犠牲者を出したハリーは焦り、ヴォルデモートを倒す唯一の手である、魂を7つに切り分けてある”分霊箱”(ホークラックス)を探そうとするが、ロンに制止され冷静さを取り戻す。 翌日、ロンの兄ビル・ウィーズリー(ドムナル・グリーソン)とフラー・デラクール(クレマンス・ポエジー)の結婚式が行われようとする中、魔法大臣スクリムジョールが現れる。 スクリムジョールは、今は亡き師、アルバス・ダンブルドア(マイケル・ガンボン)の遺言をハリーらに伝える。 ロンには”灯消しライター”、ハーマイオニーには“吟遊詩人ビードルの物語”という本、ハリーには、彼が最初に捕まえたスニッチ、そして、グリフィンドールの剣が渡されることになる。 その夜、パーティーの最中に死喰い人に襲われたハリーは、ロンとハーマイオニーと共にその場を逃れ、”シャフツベリー・アベニュー”に飛ぶ。 死喰い人に襲われた三人だったが、それを逃れ、居場所が知れないように相手の記憶を消し、ハリーの後見人であるシリウス・ブラックの家に向かう。 三人は、シリウスの弟レギュラス・アークタルス・ブラックが、分霊箱のロケットを盗んだことを知る。 ハリーは、分霊箱はマンダンガス・フレッチャーが盗み、魔法省のドローレス・アンブリッジ(イメルダ・スタウントン)が持っていることを、クリーチャーから知らされる。 三人は、魔法省の役人を捕らえ、ポリジュースでアルバート・ランコーン(デヴィッド・オハラ)らに成りすまして魔法省に侵入する。 ハリーらは、アンブリッからロケット(分霊箱)を奪い、何とかその場を逃れ、重傷を負ったロンの傷を治療する。 その後、三人は分霊箱を壊すことが出来ないまま、負傷したロンを連れ、分霊箱を探す旅を続けようとする。 しかしロンは、ハリーとハーマイオニーが、二人で事を解決しようとしているように思え、不満を露にして去って行く。 ハーマイオニーは、二人の争いを見て悲しむが、ハリーは彼女を励まし、手がかりを掴みゴドリックの谷へと向かう。 クリスマス・イヴ。 その後、死喰い人の待ち伏せに遭った二人は、難を逃れ森に向かうが、ハーマイオニーの呪文が跳ね返り、ハリーの杖が折れてしまう。 その夜、見張りをしていたハリーは、自分の守護霊である牡鹿ではなく、光る牝鹿に誘われ湖に向かい、凍った氷の下の水中でグリフィンドールの剣を見つける。 分霊箱のロケットがそれに反応し、ハリーは溺れかかるが、そこにロンが現れ彼を救う。 その後、グリフィンドールの剣を使いロンが分霊箱を壊し、夜が明けて二人はハーマイオニーの元に戻る。 ハーマイオニーは、逃げ出したロンを許せずにいたが、彼女は、ゴドリックの谷の墓や本にある記号と、ハリーが見た、ルーナ(イヴァナ・リンチ)の父ゼノフィリウス・ラブグッド(リス・エヴァンス)が付けていたペンダントの記号が同じであることに注目する。 ハリーは、杖職人グレゴロビッチ(レイド・セルベッジア)の店でも、それを見たことをハーマイオニーに伝える。 そして、三人はゼノフィリウスの元に向かい、記号が”吟遊詩人ビードル”の3兄弟の物語に出てくる、死を制する者となる”死の秘宝”、最強のニワトコの杖、死者と会話が出来る石、身を隠せる透明のマントを意味することを知る。 様子のおかしいゼノフィリウスは、ヴォルデモートにルーナがさらわれたことをハリーらに伝える。 その直後、襲われたハリーらはその場を逃れ森に向かい、保護呪文をかけようとするが、三人は人さらいに追われる。 ハリーは、ヴォルデモートが”死の秘宝”の一つを探している事に気づくが、人さらいに捕らえられてしまう。 ハーマイオニーは、ハリーの正体がばれないよう、彼の顔を変形させる。 しかし、ハリーの額の傷で正体を知った人さらいは、3人をドラコ(トム・フェルトン)の屋敷に連れて行く。 3人が、グリフィンドールの剣を持っていることに気づいたベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター)は、剣をどこで手に入れたかを聞き出すため、ハーマイオニーを尋問する。 地下牢入れられたハリーとロンは、そこでルーナ達と再会し、現れたドビー(トビー・ ジョーンズ/声)と共にその場を脱出して、ハーマイオニーを救おうとする。 ハリーはドラコの杖を奪い、ハーマイオニーを救いトビーの魔法でその場から逃げ去る。 しかし、ドビーは、ベラトリックスが放った短剣を受けてしまい、ハリーの腕の中で息絶え、彼らは魔法を使わずトビーを埋葬する。 その頃、ヴォルデモートは、ダンブルドアの棺を開け、最強の杖であるニワトコの杖を手に入れる。
...全てを見る(結末あり)
ハリーの生まれた場所でもあるそこで、彼は両親の墓参りをして、ハーマイオニーが魔法で花を手向ける。
参考:
・「ハリー・ポッターと賢者の石」 (2001/$974,733,550)
・「ハリー・ポッターと秘密の部屋」(2002/$878,643,482)
・「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 (2004/$795,634,070)
・「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005/$895,921,036)
・「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007/$938,212,738)
・「ハリー・ポッターと謎のプリンス」 (2009/$933,959,197)
・「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」 (2010/$955,001,070)
・「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011/$1,328,111,219)
・「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016/$814,037,580)
・「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」(2018/$654,855,900)
・「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」(2022/$407,150,840)
*()内は全世界の興行収入
*(簡略ストー リー)
ホグワーツ魔法魔術学校は、今や死喰い人の支配下となった。
ハリー・ポッター、ロン、ハーマイオニーは、”不死鳥の騎士団”に護衛されながら、復活した闇の帝王ヴォルデモートの追っ手を逃れる。
騎士団に犠牲者や負傷者を出しながらも、ハリーらは隠れ家に到着し、魔法大臣のスクリムジョールから、今はな亡き師ダンブルドアの遺言で遺された物を受け取る。
ハリーは、ヴォルデモートを倒す唯一の手である、彼の魂を7つに切り分けた”分霊箱”を探し破壊しようと考える。
それを探す旅に出たハリーら三人は、その一つを魔法省のアンブリッジのが持っていることを知る。
変身薬で魔法省の役人に成りすました三人は、分霊箱を奪い逃走するのだが、ロンが重傷を負ってしまう。
分霊箱を壊せないハリーとハーマイオニーは、ロンを気遣いながら何とか事を解決しようと思案する。
しかし、そんな二人を見たロンは不満を抱き、彼らの元を去ってしまう・・・。
__________
最終章のPART1ということで、当然のごとく、物語のクライマックスに向かう前章的なストーリーと幕切れで、次回作に大いに期待を持たせてくれる作品となっている。
前作とほぼ同じスタッフとキャストによる、PART1、2を合算した、なんと2億5000万ドルもの巨費をかけた超大作である。
北米興行収入は3億ドルに迫り、第一作には及ばなかったものの、全世界では約9億5500万ドルという大ヒットを記録した。
第83回アカデミー賞では、美術、視覚効果賞にノミネートされている。
主人公達の成長と共に、ファンタジーというよりも、シリアス・ドラマの様相を呈し、素顔は見えないが、闇の帝王ヴォルデモート卿役のレイフ・ファインズら、実力派スター達の格調高い演技も見ものだ。
あらゆる意味で、非常に完成度の高い作品であり、派手さを極力抑えたダークなイメージの映像やセットなど、視覚的にも見応え十分で、全ての年齢層が楽しめる素晴らしい仕上がりになっている。