1997年から出版されている、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズ第6巻(2005)の映画化。 監督デヴィッド・イェーツ、主演ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、トム・フェルトン、マギー・スミス、マイケル・ガンボン、ロビー・コルトレーン、アラン・リックマン、ヘレナ・ボナム=カーター、ブレンダン・グリーソン他共演。 |
・エマ・ワトソン / Emma Watson / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・イェーツ
製作総指揮:ライオネル・ウィグラム
製作
デヴィッド・ハイマン
デヴィッド・バロン
原作:J・K・ローリング
脚本:スティーブ・クローブス
撮影:ブリュノ・デルボネル
編集:マーク・デイ
音楽
ニコラス・フーパー
ジョン・ウィリアムズ(主題曲)
出演
ハリー・ポッター:ダニエル・ラドクリフ
ロン・ウィーズリー:ルパート・グリント
ハーマイオニー・グレンジャー:エマ・ワトソン
アルバス・ダンブルドア:マイケル・ガンボン
セブルス・スネイプ:アラン・リックマン
ベラトリックス・レストレンジ:ヘレナ・ボナム=カーター
ホラス・スラグホーン:ジム・ブロードベント
ルビウス・ハグリッド:ロビー・コルトレーン
フィリウス・フリットウィック:ワーウィック・デイヴィス
リーマス・ルーピン:デヴィッド・シューリス
ミネルバ・マクゴナガル:マギー・スミス
アーガス・フィルチ:デイビッド・ブラッドリー
ドラコ・マルフォイ:トム・フェルトン
ルーナ・ラブグッド:イヴァナ・リンチ
ネビル・ロングボトム:マシュー・ルイス
ジニー・ウィーズリー:ボニー・ライト
チョウ・チャン:ケイティ・リューング
フレッド・ウィーズリー:ジェームズ・フェルプス
ジョージ・ウィーズリー:オリバー・フェルプス
アーサー・ウィーズリー:マーク・ウィリアムズ
モリー・ウィーズリー:ジュリー・ウォルターズ
ニンファドーラ・トンクス:ナタリア・テナ
ワームテール:ティモシー・スポール
ナルシッサ・マルフォイ:ヘレン・マックロリー
トム・マールヴォロ・リドル/11歳:ヒーロー・ファインズ・ティフィン
トム・マールヴォロ・リドル/16歳:フランク・ディラン
ラベンダー・ブラウン:ジェシー・ケーブ
ケイティ・ベル:ジョージナ・レオニダス
フェンリール・グレイバック:デイヴ・レジェノ
イギリス/アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2009年製作 153分
公開
イギリス:2009年7月15日
北米:2009年7月15日
日本:2009年7月15日
製作費 $250,000,000
北米興行収入 $301,959,200
世界 $933,959,200
■ アカデミー賞 ■
第82回アカデミー賞
・ノミネート
撮影賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン。
闇の魔法使いヴォルデモートに忠誠を誓う三人の”死喰い人”がダイアゴン横丁を襲い、杖専門店のオリバンダーを誘拐し、”ミレニアム・ブリッジ”を破壊する。
マグルで起きる事件などの、新聞記事を見ていたハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)は、ホグワーツ魔法魔術学校長で恩師のアルバス・ダンブルドア(マイケル・ガンボン)の姿を目にし彼に近づく。
ダンブルドアは、ハリーを元同僚の魔法使いホラス・スラグホーン(ジム・ブロードベント)の元に連れて行く。
ダンブルドアはスラグホーンにホグワーツ校への復職を要請する。
それを渋るスラグホーンだったが、有名なハリーなどに興味を持った彼は、復職を受けることをダンブルドアに告げる。
ハリーは新学期の準備のために、親友ロン・ウィーズリー(ルパート・グリント)とハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン)の元に向かう。
ホグワーツ校の教師であり、ヴォルデモートに従うセブルス・スネイプ(アラン・リックマン)の元に、魔女のベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター)とハリー達の同窓ドラコ・マルフォイ(トム・フェルトン)の母ナルシッサ(ヘレン・マックロリー)が現れる。 ベラトリックスは、ドラコがヴォルデモートの望みを果たすのを見守ることをスネイプに誓わせる。 ハリー、ロン、ハーマイオニーは新学期に備えるためにダイアゴン横丁に向かい、ロンの兄フレッド(ジェームズ・フェルプス)とジョージ(オリバー・フェルプス)の悪戯用品専門店”ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ”に顔を出す。 店を出た後三人は、”夜の闇横丁”の”ボージン・アンド・バークス”の店に入っていく、ドラコと母親の不審な行動を目撃する。 ホグワーツに向かう列車内で、ハリーは、ドラコが”死喰い人”と関係しているのではないかということを、ロンとハーマイオニーに話す。 列車はホグワーツに到着し、ハリーはドラコを探ろうとするが、それを気づかれたハリーはドラコに魔法をかけられてしまう。 しかし、列車に残っていたルーナ・ラブグッド(イヴァナ・リンチ)にハリーは救われ、彼女と共にホグワーツ校にに向かう。 ホールに集合した生徒達は、ダンブルドア校長から”魔法薬学”の教師としてスラグホーンを紹介される。 その後、暇そうにしていたハリーとロンは、ミネルバ・マクゴナガル(マギー・スミス)から、スラグホーンの”魔法薬学”の授業を受けるよう言われ教室に向かう。 ハリーは、棚から取り出した”半純血のプリンス”と書かれた教科書を参考に魔法薬を作ることに成功し、その褒美に効果が切れるまで幸運が続くという”フェリックス・フェリシス”という薬を貰うことになる。 ダンブルドアに呼び出されたハリーは、彼が保存してあった、後にヴォルデモートとなるトム・リドルの記憶を見せられる。 かつてダンブルドアは、特殊な能力を持つ少年トム・マールヴォロ・リドル(ヒーロー・ファインズ・ティフィン)をホグワーツに入学させた。 その時は、ダンブルドアはリドルが闇の帝王になるとは思ってもいなかった。 リドルが、ホグワーツ入学後にスラグホーンと親しくなっていたため、ダンブルドアは彼に接近しそれを探るようハリーに命ずる。 その後、クィディッチの試合が近づき、選手選考が始まり、キーパーを希望するロンが選ばれる可能性が低いと見たハーマイオニーは、ライバルに錯乱の呪文をかけ彼に協力する。 ハリー、ロン、ハーマイオニーは、スラグホーンがパブ”三本の箒”に行くのを知り後を追う。 そこでハリーは、スラグホーンから、選ばれし生徒だけの食事会に招待される。 ダンブルドアに届けるための、ネックレスを持っていた女生徒が悲鳴と共に倒れ、ルビウス・ハグリッド(ロビー・コルトレーン)に救われたところにハリー達は出くわす。 マクゴナガルはそのネックレスをスネイプに見せ、ハリーはドラコが呪いのネックレスをダンブルドアに渡そうとしたと考える。 スラグホーンの食事会に、ハリーはハーマイオニーと出席し、食後に一人その場に残る。 ハリーは、スラグホーンにリドルのことを聞くが、彼も当初は普通の生徒と同じだったことを聞かされる。 クィディッチの試合当日、ハリーは怖気付くロンの飲み物に、幸運の薬”フェリックス・フェリシス”を入れたのを見られてしまう。 ハーマイオニーは校則違反だとハリーに言うが、彼はそれを無視してロンの試合を見守る。 ロンは大活躍して生徒達に称えられ、恋人ラベンダー・ブラウン(ジェシー・ケーブ)までできてしまう。 ハリーの不正を心配するハーマイオニーだったが、彼は薬を飲ませたわけでなく、ロンの勝てるという思い込みでそれが実力だったことを彼女に伝える。 ロンとラベンダーが親密になっていく姿や、彼の妹ジニー(ボニー・ライト)を見つめる、ハリーの目などを気にするハーマイオニーは悲しくなってしまうが、彼に慰められる。 クリスマスのパーティーに誘う相手で、議論になったハリーとハーマイオニーだったが、彼女はロンへの当てつけに相手がいるということで、ハリーはルーナを誘う。 パーティーでスネイプに話しかけられたハリーは、旅行に出かけたダンブルドアが、新学期まで戻らないことを知らされる。 そんな時、階上でドラコの怪しげな行為が見つかり、彼はパーティー会場に連れてこられる。 しかし、スネイプがドラコをその場から連れ去ることで、皆は納得する。 スネイプはドラコに、彼を守る”破れぬ誓い”をたてたことを伝え、先走る彼をなだめるが、それをハリーが影で聞いていた。 休暇でロンドンに戻ったハリー達はロンの家に向かい、”不死鳥の騎士団”の一員リーマス・ルーピン(デヴィッド・シューリス)に一連の話をするが信じてもらえない。 ハリーは、ドラコが”ボージン・アンド・バークス”の店で手に入れた物が、”姿をくらますキャビネット”だろうということを、ロンの父アーサー(マーク・ウィリアムズ)から知らされる。 それは、ヴォルデモートの脅威で流行った物で、”死喰い人”が来た場合に姿を隠せるというキャビネットだった。 リーマスが帰ろうとしている時、不穏な空気が流れ、炎と共に”死喰い人”ベラトリックスが現れる。 ハリーとジニーはベラトリックスを追うが、もう一人の”死喰い人”フェンリール・グレイバック(デイヴ・レジェノ)も現れる。 ロンや父アーサーそして母モリー(ジュリー・ウォルターズ)らも誘き出され、その隙にロンの家は炎に包まれてしまう。 休暇を終え、ホグワーツに戻ったハリー達だったが、ハーマイオニーは、ロンとラベンダーがいちゃつくのを目撃して気分を害する。 再びダンブルドアに呼び出されたハリーは、スラグホーンの記憶を見せられ、リドル(フランク・ディラン)が禁じられた闇の魔法についてを聞き出そうとしていた。 しかし、その記憶はスラグホーンによって改竄されていたため、真実を聞き出すようダンブルドアはハリーに指示を出す。 ハリーはスラグホーンに探りを入れようとするが、それがダンブルドアの差し金だということを知られてしまう。 その後、惚れ薬を飲んでしまったロンを正気に戻すために、スラグホーンの部屋に向かったハリーは、解毒剤を作り彼に飲ませる。 その後、気付けに蜂蜜酒を飲んだロンは発作を起してしまうが、ハリーがベゾアール石を飲ませ命を救う。 ダンブルドアに贈るはずの蜂蜜酒に、毒が混ぜられていたのだった。 ダンブルドア、スラグホーン、マクゴナガル、スネイプらが病室のロンの様子を見に来るのだが、現れたラベンダーの前で、ロンはうわ言でハーマイオニーの名を口にする。 ラベンダーはショックでその場を立ち去り、ハーマイオニーがロンに寄り添い看病する。 ハリーはドラコに、呪いのネックレスをダンブルドアに届けようとしたことを白状させようとするが、彼は魔法で攻撃してくる。 しかしハリーは、”半純血のプリンス”の本に書かれていた、反撃の呪文”セクタム・センプラ”で対抗しドラコを倒す。 流血して倒れるドラコだったが、そこにスネイプが現れ彼の命を救う。 自分の行き過ぎた行為をハリーは悔やみ、”半純血のプリンス”の本は、ジニーによって見つからない場所に隠される。 ハリーは、幸運の薬”フェリックス・フェリシス”を飲んでスラグホーンの記憶を探ろうとするのだが、その前にハグリッドに会いたい気分になる。 夕方の外出をスラグホーン注意されたハリーは、彼を伴いハグリッドの元に向かう。 スラグホーンは、ハグリッドの家でハリーの母の死などをしみじみと語り始める。 ハリーは、自分が”選ばれし者”でありヴォルデモートを倒せることをスラグホーンに伝え、リドルが言った魔法の名を聞き出そうとする。 スラグホーンから記憶を渡されたハリーは、ダンブルドアの部屋で確認を始め、ドリルが闇の魔法”ホークラックス”の事を語ったことを知る。 ドリルがスラグホーンから聞きだそうとした”ホークラックス”(分霊箱)は魂を分けて入れる箱で、不死身の命を手に入れられるものだった。 ダンブルドアは、ヴォルデモートがいくつもの”分霊箱”を作り、自分の魂を保管してあることに気づく。 ただならぬ魔力を感じていたダンブルドアは、それを破壊すればヴォルデモートを滅ぼせることをハリーに伝える。 それを探しに出ていた休暇中の旅で、ダンブルドアはその隠し場所の一つを見つけていた。 ダンブルドアは、自分の命令に従うことをハリーに誓わせ、彼と共に海岸の洞窟に向かう。 ”分霊箱”を見つけるために、ダンブルドアはそこにあった薬を飲み干し、ハリーはそれを見つける。 水中に引き込まれそうになったハリーを、ダンブルドアが助けホグワーツに戻る。 ダンブルドアは、ハリーにスネイプを呼ぶよう命じ、そこに現れたドラコの呪文で彼は杖を落としてしまう。 ”死喰い人”のベラトリックスらも現れ、彼女はドラコにダンブルドアを殺すよう命ずるが、彼はそれを躊躇してしまう。 現れたスネイプがダンブルドアに呪文を放ち、彼は命を落とす。 ハグリッドの家に向かった、スネイプらを追ったハリーは、彼に”セクタムセンプラ”の呪文を放つが跳ね返される。 スネイプは、自分が”半純血のプリンス”だということをハリーに知らせ立ち去る。 その後、校庭に集まったハリーや生徒そして教師らは、ダンブルドアの死を悼む。 ハリーは、スネイプの行動を止められなかったことを悔やみ、”分霊箱”も偽物だったこととそれを”RAB”という者が盗んだことをハーマイオニーに伝える。 そしてハリーは、学校には戻らずにダンブルドアの遺志を引き継ぐことをハーマイオニーに伝えるが、彼女は自分達もハリーに協力することを約束する。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ハリー・ポッターと賢者の石」 (2001/$974,733,550)
・「ハリー・ポッターと秘密の部屋」(2002/$878,643,482)
・「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 (2004/$795,634,070)
・「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005/$895,921,036)
・「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007/$938,212,738)
・「ハリー・ポッターと謎のプリンス」 (2009/$933,959,197)
・「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」 (2010/$955,001,070)
・「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011/$1,328,111,219)
・「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016/$814,037,580)
・「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」(2018/$654,855,900)
・「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」(2022/$407,150,840)
*()内は全世界の興行収入
*(簡略ストー リー)
闇の帝王ヴォルデモートの人間界への影響も強まり、その脅威を絶つためにホグワーツ校校長ダンブルドアは、かつてヴォルデモート/トム・リドルを教えた元同僚スラグホーンを復職させる。
その後ダンブルドアは、ハリー・ポッターに、スラグホーンの知る記憶を探らせようとする。
ハリーは”半純血のプリンス”と記された本を頼りに、様々な妨害に遭いながら、鍵となる”分霊箱”という魔法の道具を探し当てるのだが・・・。
__________
前作より1億ドルも増えた製作費で、更に充実したセットや、CGを駆使した見事な映像も素晴らしい、ファンタジー・アドベンチャーの超大作。
興行収入は、全世界で9億ドルを超す大ヒットになった。
*
製作費 $250,000,000
北米興行収入 $301,959,200
世界 $933,959,200
第82回アカデミー賞では、撮影賞にノミネートされた。
監督は前作に続きデヴィッド・イェーツで、子供達の成長と共に、主人公達の恋愛問題も大きなテーマとなり、大人向け映画としても見応え十分。
その芸術的な映像センスやセリフの表現など、上映時間の長さからしても、小さな子供達が鑑賞に耐えられるのかなど疑問にも思う。
初期作品ほど活躍しないので、意識的なのかは不明だが、ハグリッドの背が低くなったような感じがするのは、子供達が成長したせいなのか、または前記のように目立ち過ぎないよう、意図的に体格を小さくしたのかなど、様々な興味も沸く。
お馴染みのメインキャストに加えて、ジム・ブロードベントが、物語の鍵を握る復職する教授役として登場し活躍する。