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ハノーバー・ストリート Hanover Street (1979)

第二次大戦下のロンドンで出会ったアメリカ兵と既婚女性の愛を描く物語。
監督マーヴィン・ルロイロバート・テイラーヴィヴィアン・リー主演のメロ・ドラマ「哀愁」(1940)をモチーフにしたロマンス。

監督、脚本ピーター・ハイアムズ、主演ハリソン・フォードレスリー=アン・ダウンクリストファー・プラマー他共演のロマンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・ハイアムズ

製作:ポール・ラザルス三世
脚本:ピーター・ハイアムズ

撮影:デヴィッド・ワトキン
編集:ジェームズ・ミッチェル
音楽:ジョン・バリー

出演
デヴィッド・ハローラン:ハリソン・フォード

マーガレット・セリンジャー:レスリー=アン・ダウン
ポール・セリンジャー:クリストファー・プラマー
トランボ・マーティ・リンチ:アレック・マッコーエン
ジェリー・チミノ:リチャード・メイサー
マーティン・ハイアー:マイケル・サックス
サラ・セリンジャー:パッツィ・ケンジット
ロナルド・バート:シェーン・リマー
ジョン・ルーカス:ジョン・ラッツェンバーガー
ダニエル・ガイラー:ジェイ・ベネディクト

アメリカ/イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1979年製作 109分
公開
北米:1979年5月18日
イギリス:1979年9月13日
日本:1979年10月6日
北米興行収入 $3,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1943年、第二次大戦下、ロンドン、ハノーバー・ストリート。
アメリカ陸軍航空軍第8空軍のデヴィッド・ハローラン中尉(ハリソン・フォード)は、乗車を待つ行列を押しのけれてバスに乗る。

それを見たイギリス人従軍看護師マーガレット・セリンジャー(レスリー=アン・ダウン)は、”お腹に赤ちゃんが”と言ってうずくまる。

ハローランは心配してバスを降りるが、それがマーガレットの嘘だと知り、自分も足を引きずって見せる。

マーガレットは謝罪しようとするが、ハローランは飛び跳ねておどける。

ハローランはマーガレットが惹かれて彼女を誘い、二人はお茶を飲んで話を弾ませる。
...全てを見る(結末あり)

帰ろうとしたマーガレットに別れたくないと伝えたハローランだったが、二人は空襲に遭い離れ離れになってしまう。

ハローランは、負傷した看護師がマーガレットでないことを確認して彼女を捜す。

倒壊する建物の中でマーガレットを見つけたハローランは、彼女に駆け寄り固く抱き合う。

マーガレットは、再会を望むハローランと親しくなることを拒み、名前も告げずにその場を去る。

ウィンザー
命令を受けたハローランは、同僚ジェリー・チミノ(リチャード・メイサー)とマーティン・ハイアー(マイケル・サックス)と共に”B-25”で出撃する。

目標地点手前で対空砲火を受け、エンジンを損傷しながら爆撃を終えたハローランの機は無事に帰還する。

次の休日、ハノーバー・ストリートに向かったハローランは、マーガレットを捜し出会った場所で時間を過ごす。

その後、マーガレットはハローランの前に現れ、二人は郊外に向かいホテルの部屋で結ばれる。

二人は翌週も会う約束をするが、マーガレットは不安であることを伝え名前を言わなかった。

マーガレットは、元教師で現在は情報機関で働く夫ポール(クリストファー・プラマー)と娘サラ(パッツィ・ケンジット)とで不自由なく暮らしていた。

しかしマーガレットは、寛容で優しい夫であるセリンジャーとの結婚生活に満足してはいなかった。

指揮官ロナルド・バート大佐(シェーン・リマー)をよく思わないハローランは、その態度を批判されながら任務に就き、毎週のようにマーガレットとの時を楽しむ。

自分の名前だけを教えたマーガレットは、会わずにはいられないことが怖いことをハローランに伝える。

情報部。
セリンジャーは、自分が送り込んだ工作員2名が死亡したことを、トランボ・マーティ・リンチ少佐(アレック・マッコーエン)から知らされる。

二重スパイの存在を察知したリンチは、別の工作員を送り、親衛隊が所持するそのリストを入手するようセリンジャーに命ずる。

クリスマス。
エンジンの不調で出撃できなかったハローランは、その夜のパーティーで、飛び立った同僚が気になり楽しめない。

帰還した同僚から、自分の代わりに隊長機となった機体が撃墜されたことを知ったハローランは動揺する。

エンジンの異常音を聞いたというハローランは、それを確かめようとして整備士に迫る。

数日後マーガレットは、理想の夫との結婚生活に隙間を感じ始めているとハローランに伝え、出撃のことを気にする彼は、以前にはなかった恐怖感について語る

その頃セリンジャーは、敵側に潜入させるスパイの教育を急ぐ。

病院で勤務中のマーガレットに電話をしたセリンジャーは、自分が平凡過ぎることを謝罪し、彼女の声を聞いたことである決心をする。

バート大佐に呼ばれたハローランは、エンジンに異常はなかったものの、気にする必要はないと言われ、翌日に実行される危険な極秘任務の志願を求められる。

任務に志願したハローランは、自らスパイとして潜入することを決意したセリンジャーを迎える。

帰宅したマーガレットは、セリンジャーが情報部の任務に就いたことを手紙で知る。

飛び立ったハローランの機は、フランス上空で対空砲火を受ける。

機体は損傷し、ハイヤーとチミノ、そしてジョン・ルーカス(ジョン・ラッツェンバーガー)、ダニエル・ガイラー(ジェイ・ベネディクト)らクルーは死亡する。

ハローランとセリンジャーはパラシュート降下し、直後に機体は爆発する。

地上に着地したセリンジャーは、リヨン親衛隊本部に向かうためにハローランと別れるが、暗闇でつまづき捻挫してしまう。

ハローランは、仕方なくセリンジャーと共に行動することになる。

マーガレットはリンチ少佐からの連絡を受け、移送機が墜落したことだけを知らされる。

翌朝、ある村に着いたハローランとセリンジャーは、民家の納屋で休む。

敵兵に兄を殺された女性が、納屋にドイツ兵を誘い込み射殺する。

ハローランとセリンジャーは女性に見つかるものの、味方であることを伝えて、ドイツ兵に扮し”キューベルワーゲン”で親衛隊本部に向かう。

ハノーバー・ストリート。
ハローランを待つマーガレットだったが、彼が現れないために落胆する。

リヨン
親衛隊将校に扮したセリンジャーは、ドイツ語が話せないハローランに黙っているよう指示し、本部の資料保管庫に向かい書類を預けて受領書を受け取り様子を窺う。

リンチに会ったマーガレットは、依然不明の夫セリンジャーが、アメリカ軍のバート大佐の指揮下の移送機に乗っていたことを知る。

その夜、再び本部の保管庫に向かったセリンジャーは、将軍の書類を預けたと言ってそれを確かめようとする。

セリンジャーは、対応する担当者に金庫を開けるよう迫り、ハローランは兵士に話しかけられて不審に思われ、彼を殴り倒す。

金庫内の極秘ファイルを見つけたサリンジャーはそれを写真に撮り、ハローランと共にその場から離れようとする。

入り口で将校とすれ違い気づかれた二人は逃亡するが、車は事故を起こして横転する。

アメリカ軍のバート大佐を訪ねたマーガレットは、夫の安否を知ることはできなかったが、パイロットがハローランだったことが分かる。

最初に隠れた民家に戻り、女性に匿われたハローランとセリンジャーだったが、彼女の父親がドイツ兵に連絡する。

危険は続いていたものの達成感を感じたセリンジャーは、帰還して妻を抱きしめられるとマーガレットの名前を出し、写真をハローランに見せる。

セリンジャーは、レジスタンスが待っていることを知らされるが、そこにドイツ兵が現れ、ハローランがバイクを奪い二人はその場を逃れる。

ハローランは、レジスタンスの援護を受けながら銃弾を受けたセリンジャーを助けるものの、彼は意識を失う。

マーガレットは、セリンジャーが帰還したことを知り病院に駆け付ける。

出迎えたハローランはマーガレットの気持ちを察し、愛を伝えながら運命だと言って別れ、彼女は夫の病室に向かう。

そしてハローランは、ハノーバー・ストリートで新たな恋を見つけようとする。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1943年、ロンドン、ハノーバー・ストリート。
第二次大戦下、アメリカ陸軍航空軍第8空軍のデヴィッド・ハローラン中尉は、従軍看護師マーガレットと出会い惹かれる。
マーガレットは名前すらハローランに伝えずに別れるものの、翌週も彼と会い結ばれてしまう。
寛容で優しい夫セリンジャーと娘との生活に何不自由なかったが、マーガレットは平凡な結婚生活に満足していなかった。
その後ハローランは、敵地爆撃の任務をこなしながらマーガレットとの逢びきを続ける。
情報部の教官だったセリンジャーは、自分が送り込んだスパイが殺されたことを知らされ、二重スパイの存在を察し、それを探る者の教育を始める。
平凡な夫として生きてきたセリンジャーは、妻のマーガレットや祖国のため、自らが敵地に潜入する決意をする。
一方、ハローランは危険な極秘命令に志願するのだが、それは皮肉にも、セリンジャーを移送する任務だった・・・。
__________

若手監督として活躍を期待されていたピーター・ハイアムズと、同じく「スター・ウォーズ」(1977)で大役を得て活躍するハリソン・フォードの主演で話題になった作品。

当時はまだブレイクとまでは言えないハリソン・フォードであり内容も平凡なロマンスだが、その後の活躍でトップ・スターとなった今観直すと、若々しい彼が実に新鮮に思える。

前半は主人公のロマンス、後半はナチス・ドイツ占領下のフランスに潜入するスパイ劇としてのアクションが楽しめる。

主要人物が命を落とし悲しみの中で終わるメロ・ドラマではなく、運命の出会いと別れをサラリと描いている、その後の希望を感じられる結末もまずまずだ。

やや大袈裟に挿入されている気はするが、ジョン・バリーの哀愁漂う音楽も印象に残る。

青年将校をアメリカ人気質をうまく表現しながら演ずるハリソン・フォード、既婚者でありながら彼に惹かれる美しい女性レスリー=アン・ダウン、その夫で、スパイとして敵地に潜入する情報部教官役のクリストファー・プラマー、その娘パッツィ・ケンジット、その上官役のアレック・マッコーエン、主人公の上官シェーン・リマー、主人公の同僚クルーのリチャード・メイサーマイケル・サックスジェイ・ベネディクトジェイ・ベネディクトなどが共演している。


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