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007/ゴールデンアイ Goldeneye (1995)

007シリーズ第17作。
電磁波兵器管理衛星システム”ゴールデンアイ”の攻撃を阻止しようとするMI6諜報員ジェームズ・ボンドの活躍を描く、監督マーティン・キャンベル、主演ピアース・ブロスナンイザベラ・スコルプコショーン・ビーンファムケ・ヤンセンジョー・ドン・ベイカーロビー・コルトレーンアラン・カミングジュディ・デンチ他共演のスパイ・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


007
007 / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:マーティン・キャンベル
製作総指揮:トム・ペブスナー
製作
マイケル・G・ウィルソン

バーバラ・ブロッコリ
原作:イアン・フレミング
脚本
ジェフリー・ケイン

ブルース・フィアスティン
撮影:フィル・メヒュー
編集:テリー・ローリングス
音楽:エリック・セラ
モンティ・ノーマン:ジェームズ・ボンドのテーマ
主題歌:ティナ・ターナーGoldenEye

出演
ジェームズ・ボンド:ピアース・ブロスナン
アレック・トレヴェルヤン:ショーン・ビーン
ナターリア・シミョノヴァ:イザベラ・スコルプコ
ゼニア・ガラゼブナ・オナトップ:ファムケ・ヤンセン
ジャック・ウェイド:ジョー・ドン・ベイカー
ヴァレンティン・ズコフスキー:ロビー・コルトレーン
デミトリ・ミシュキン国防大臣:チェッキー・カリョ
アルカディー・グリゴリビッチ・ウルモフ:ゴットフリード・ジョン
ボリス・グリシェンコ:アラン・カミング
M:ジュディ・デンチ
Q:デスモンド・リュウェリン
マネーペニー:サマンサ・ボンド
イリーナ:ミニー・ドライバー

イギリス/アメリカ 映画
配給 MGM/ユナイテッド・アーティスツ

1995年製作 130分
公開
北米:1995年11月17日
日本:1995年12月19日
制作費 $60,000,000
北米興行収入 $106,429,940
世界 $352,194,030


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
米ソ冷戦下、ソ連アーカンゲル
イギリス諜報員007ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)と同僚の006アレック・トレヴェルヤン(ショーン・ビーン)は、神経ガス製造施設破壊のために巨大ダム内に侵入する。

2人は見つかってしまい、トレヴェルヤンはアルカディー・グリゴリビッチ・ウルモフ大佐(ゴットフリード・ジョン)に射殺されてしまうが、ボンドは施設爆破には成功して脱出する。

9年後、1995年。
アストンマーチン・DB5”でモナコに向かうボンドは、”フェラーリ・F355”に乗る女性(ファムケ・ヤンセン)とカーチェイスを繰り広げる。

モナコ
カジノに向かったボンドは、フェラーリの女性ゼニア・オナトップ(ファムケ・ヤンセン)をバカラで負かし、彼女と話をして牽制する。

オナトップの写真などをロンドンMI6本部に送ったボンドは、M(ジュディ・デンチ)の秘書マネーペニー(サマンサ・ボンド)から、送られてきた情報を入手する。
...全てを見る(結末あり)

ボンドは、オナトップが国際犯罪組織”ヤヌス”の一員であるパイロットだということを知り、Mから彼女の監視許可を得る。

オナトップは、フランス軍の最新鋭ヘリコプター”ティーガー”の発表セレモニーに忍び込み、パイロットに扮してそれを奪おうとする。

それに気づいたボンドは会場に向かうが、”ティーガー”はオナトップに奪われた後だった。

ロシアセヴェルナヤ、宇宙兵器管理センター。
プログラマーのナターリア・シミョノヴァ(イザベラ・スコルプコ)の目の前で、同僚のボリス・グリシェンコ(アラン・カミング)が、アメリカ司法省のコンピューターをハッキングしてみせる。

将軍となったウルモフとオナトップらが”ティーガー”で到着し、兵器管理プログラム”ゴールデンアイ”の抜き打ちシュミレーションを行おうとする。

オナトップが研究員を皆殺しにして、ウルモフが”ゴールデンアイ”を奪い、攻撃目標をセンターにする。

そして、ウルモフとオナトップらは”ティーガー”で飛び去って行く。

ロンドンMI6本部に戻ったボンドは、セヴェルナヤからのSOS信号を受信したことと、そこに”ティーガー”が現れたことを確認する。

その頃セヴェルナヤでは、命拾いしたシミョノヴァが、衛星からの攻撃を受けるものの、何とかセンターから脱出する。

MI6の作戦室でもそれが確認され、”ゴールデンアイ”計画が”ヤヌス”によって実行されたことが推測された。

ボンドは、探査衛星のセンターの映像に映る生存者に気づく。

そしてボンドは、”ゴールデンアイ”へのアクセスコードを知る、9年前に006トレヴェルヤンを殺したウルモフ将軍と、彼と関係するオナトップを追うことをMに命ぜられる。

サンクトペテルブルグ
宇宙局長官ウルモフ将軍は、今回の”ゴールデンアイ”の攻撃について、国防大臣のデミトリ・ミシュキン(チェッキー・カリョ)に報告するが、生存者がグリシェンコ以外にいたことを知らされる。

ウルモフはプログラマーのシミョノヴァが生存いていることを知らされ、彼女の捜索を命ぜられる。

ボンドは、Q(デスモンド・リュウェリン)から、”BMW・Z3”などを支給されてロシアに向かう。

現地に到着したボンドは、CIAのジャック・ウェイド(ジョー・ドン・ベイカー)の協力を得て、元KGBの武器商人ヴァレンティン・ズコフスキー(ロビー・コルトレーン)と接触しようとする。

シミョノヴァは、インターネットでグリシェンコと連絡を取り、スモレンスクの教会で会う約束をするが、彼と共に現れたオナトップに捕らえられてしまう。

ズコフスキーの元に向かったボンドは、彼と取引して、謝礼としてヤヌスに引き合わせることを約束させる。

ボンドは、ホテルに現れたオナトップを脅して情報を聞き出し、ヤヌスの内部に侵入する。

しかしボンドは、組織を仕切る死んだはずのトレヴェルヤンと再会する。

コサック民族のトレヴェルヤンは、彼らを裏切ったイギリスへの復讐を企てていたのだ。

トレヴェルヤンに催眠銃で眠らされたボンドは、シミョノヴァと共に”ティーガー”に乗せられ、発射したミサイルで自爆させられそうになる。

撃墜寸前に脱出装置を作動させたボンドらは難を逃れるが、2人はロシア側に捕らえられてしまう。

ボンドは、セヴェルナヤの生存者がシミョノヴァだということに気づき、センター攻撃を手引きしたのが、もう1人の生存者グリシェンコだということを知る。

ミシュキン国防大臣の尋問を受けたボンドだったが、シミョノヴァが、”ゴールデンアイ”を盗んだのはウルモフだと話し始める。

そこに、ウルモフが乱入してミシュキンを射殺し、ボンドの仕業に見せかけようとする。

ボンドとシミョノヴァは隙を見て逃亡するが、彼女がウルモフに捕らえられてしまう。

戦車を奪いシミョノヴァを追ったボンドだったが、彼女はトレヴェルヤンの待つ列車に連れて行かれる。

線路に向かいトレヴェルヤンの列車を砲撃したボンドは、戦車から脱出する。

列車は戦車に衝突して停車し、車両に侵入したボンドは、トレヴェルヤンに銃を向けるものの、ウルモフがシミョノヴァを連れて現れる。

ボンドは、 トレヴェルヤンが同胞を裏切ったコサックだということをウルモフに伝える。

ウルモフが動揺した隙にボンドは彼を射殺するのだが、トレヴェルヤンとオナトップは逃亡する。

ボンドとシミョノヴァは列車に閉じ込められ、トレヴェルヤンは爆弾をセットして、ティーガーでオナトップと飛び去る。

シミョノヴァはグリシェンコの情報を調べ、トレヴェルヤンらの行き先がキューバだということを知り、爆破寸前で列車を脱出する。

その後、ボンドとシミョノヴァはキューバに到着し、CIAのウェイドの協力を得てセスナで飛び立つ。

ボンドは、裏切った旧友トレヴェルヤンのことを考えショック隠せず、慰めてくれたシミョノヴァと愛し合う。

セスナで偵察したボンドとシミョノヴァは、ミサイル攻撃を受けて密林に不時着する。

2人は一命を取り留めるものの気絶してしまい、目覚めたボンドにオナトップが襲い掛かる。

ボンドはオナトップを倒し、湖から巨大パラポラアンテナを出現する。

その頃トレヴェルヤンは、グリシェンコに指示して”ゴールデンアイ”を作動させ、ロンドンを攻撃しようとしていた。

シミョノヴァと共にアンテナ内基地に潜入したボンドは、爆弾を仕掛けるものの捕らえられる。

ボンドは、トレヴェルヤンの狙いが、銀行のシステムを混乱させて大金を盗み出すと同時に、イギリスの経済を破綻させるのが目的だということを知る。

シミョノヴァも捕らえられ、彼女は裏切ったグリシェンコを殴り倒す。

シミョノヴァは、”ゴールデンアイ”のプログラムを書き換えてしまう。

グリシェンコは、ボンドの装備品のペン爆弾をいじっていたため、その起爆スイッチを入れてしまう。

それを見ていたボンドは、隙を見てペンを燃料タンク近くにはじき飛ばし爆破させる。

施設は損傷し、元諜報員の意地をかけてボンドと対決したトレヴェルヤンは、無残にも戦いに敗れる。

プログラムにアクセスしたグリシェンコだったが、ボンドがアンテナを止めたために、衛星は大気圏に突入して燃え尽きてしまう。

アンテナは爆発し、グリシェンコは液体窒素のタンクが破裂して凍りついてしまう。

そして、イギリスの危機は回避され、ボンドとシミョノヴァは、ウェイドと海兵隊らに無事救出され、”グァンタナモ米軍基地”に向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
米ソ冷戦下、ソ連アーカンゲル
イギリス諜報員007ジェームズ・ボンドと同僚の006トレヴェルヤンは、神経ガス製造施設破壊の任務を遂行する。
2人はソ連側に見つかり、トレヴェルヤンはウルモフ大佐に射殺されてしまい、ボンドは施設爆破に成功して脱出する。
9年後、モナコに着いたたボンドは国際犯罪組織”ヤヌス”の一員オナトップの存在を知り、Mから彼女の監視許可を得る。
ロシアの宇宙兵器管理センターにウルモフ将軍とオナトップらが到着し、研究員を皆殺しにして施設を攻撃目標に合わせてその場を去る。
センターのプログラマー、シミョノヴァは命拾いをして、衛星からの攻撃を逃れる。
ロンドンのMI6本部に戻ったボンドは、攻撃を受けたロシアの宇宙兵器管理センターの件の調査を始め、”ゴールデンアイ”のアクセスコードを知るウルモフを追うのだが・・・。
__________

5代目ボンド、ピアース・ ブロスナン初主演作。

個人的には、線が細く優男の印象の強いピアース・ブロスナンが、ボンド役に適任かは疑問だった。

ロジャー・ムーア作品の後半からティモシー・ダルトンの2作、特に前作「消されたライセンス」(1989)でシリーズの人気が一気に落ちてしまい、6年振りの復活ということもあり、一新したイメージを出そうとするスタッフの努力は窺える。

その結果、世界的に大ヒットした本作は、それまでのシリーズの約2倍の興収を記録し、シリーズ最大のヒットとなった。

北米興行収入 $106,429,940
世界 $352,194,030

ボンドカーとして、アストンマーチン・DB5と共に、活躍場面は殆どない者の初めてBMWZ3ロードスター)が使われ、ユーロコプターの最新鋭機”ティーガー”の登場も注目だ。

ストーリーそのものより、当時一般にも普及しつつあったコンピューターや電話回線のインターネットなど、機械的仕掛けに重点が置かれたアクション大作で、純粋なスパイ劇とは一線を画する作品。

ティナ・ターナーの重量感ある歌声、迫力の主題歌”GoldenEye”をバックにしたオープニンも凝っているが、曲そのものは意外にもそれほどヒットしなかった。

Mがジュディ・デンチとして初登場したのも話題になったが、これは実際の情報機関MI5の長官が女性だったことから決まった配役だ。
彼女は本作以後、世界的知名度と評価が高まり、斬新なアイデアとして女性のMの登場は大歓迎された。

美しいだけでなく、ボンドに渇を入れたりする逞しさも見せるプログラマーのイザベラ・スコルプコ、シリーズとしては珍しい、主人公の同僚でありながら敵役を演ずるショーン・ビーン、残忍な女殺し屋役ファムケ・ヤンセン、陽気なCIA情報員ジョー・ドン・ベイカー、裏切り者の天才プログラマー、アラン・カミング、国家を裏切るロシアの将軍ゴットフリード・ジョン、そして武器商人のロビー・コルトレーン、お馴染みのQデスモンド・リュウェリン、初登場マネーペニーのサマンサ・ボンドなどに加え、歌手でもあるミニー・ドライバーが、音痴な歌手役で端役で登場するのも注目で、彼女は2年後の「グッド・ウィル・ハンティング」(1997)で大役を掴むことになる。


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