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ゴールド・ディガース35年 Gold Diggers of 1935 (1935)

リゾート地の高級ホテルで巻き起こる騒動を描く、監督バスビー・バークレー、主演ディック・パウエルアドルフ・マンジューグロリア・スチュアートアリス・ブラディヒュー・ハーバートグレンダ・ファレルフランク・マクヒュー他共演のミュージカル・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト
監督:バスビー・バークレー

製作:ロバート・ロード
原作
ロバート・ロード
ピーター・ミルン
脚本
マヌエル・セフ
ピーター・ミルン
撮影:ジョージ・バーンズ
編集:ジョージ・エイミー
音楽
ベルンハルト・カーン
ハインツ・ロームヘルド

出演
ディック・カーティス:ディック・パウエル
ニコライ・ニコルフ:アドルフ・マンジュー
アン・プレンティス:グロリア・スチュアート
マチルダ・プレンティス:アリス・ブラディ
T・モズリー・ソープ3世:ヒュー・ハーバート
ベティ・ホーズ:グレンダ・ファレル
ハンボルト・プレンティス:フランク・マクヒュー
オーガスト・シュルツ:ジョセフ・コーソーン
ルイス・ランプソン:グラント・ミッチェル
アーリン・デイヴィス:ドロシー・デア
ウィニー:ウィニー・ショー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1935年製作 95分
公開
北米:1935年3月15日
日本:1935年11月
製作費 $567,000
北米興行収入 $1,365,000


アカデミー賞
第8回アカデミー賞

・受賞
歌曲賞
・ノミネート
ダンス監督賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
テキサス州。
ウォクサハチー湖畔のリゾート地、ホテル”ウェントワース・プラザ”は夏季シーズンを迎える。

支配人のルイス・ランプソン(グラント・ミッチェル)は、従業員を集めて、客を迎える心構えを伝える。

各部署の責任者は、チップはすべて回収し、後で分配することを皆に伝える。

フロント係の医学生ディック・カーティス(ディック・パウエル)は、惹かれ合う同僚のアーリン・デイヴィス(ドロシー・デア)との仲をランプソンに話す。

ホテルに到着した上客である富豪夫人マチルダ・プレンティス(アリス・ブラディ)は、娘のアン(グロリア・スチュアート)と息子ハンボルト(フランク・マクヒュー)と共にランプソンに迎えられる。

ディックに声をかけられたマチルダはチェックインし、女好きのハンボルトはアーリンと話をする。
...全てを見る(結末あり)

節約家のマチルダは、部屋に案内してくれた4人のボーイに、25セントのチップを渡す。

そのことでハンボルトに意見されたマチルダは、4度も結婚に失敗して、ショーガールに合計40万ドルも払ったことを話し彼を批判する。

地味な服しかないアンも、洋服を新調したいとマチルダに伝える。

マチルダから、年配の大富豪T・モズリー・ソープ3世(ヒュー・ハーバート)と婚約しているので、男の目を気にする必要はないと言われたアンは納得できない。

ホテルに到着したソープは、自慢の嗅ぎタバコのことをボーイに話す。

ソープは、マチルダと共に現れたアンに、金銀のタバコケースを贈る。

嗅ぎタバコの論文を執筆中のソープは、アンとの外出を断る。

ソープは、呼んでいた速記者のベティ・ホーズ(グレンダ・ファレル)にも、嗅ぎタバコの話をしようとする。

その後、部屋に現れたソープから嗅ぎタバコの論文の話をされたアンは苛立ち、彼を追い払ってしまう。

アンは、ソープと結婚する前に遊びたいことをマチルダに伝えて、夏を自由に過ごしたら彼と結婚することを約束する。

そこに、料金の件の苦情に回答するためにディックが現れる。

マチルダは、まじめそうに見えるディックにアンの相手を頼み、その報酬として500ドル払うことを伝える。

一晩考えることにしたディックは、アーリンにその件を話し、気が進まなかったものの、彼女からいいチャンスだと言われ、500ドルもらえれば早く結婚できると考え、引き受けることにする。

それを知ったマチルダは喜び、ソープからも論文に集中できると言われたディックとアンは、早速、ホテル内のアーケードで買い物を始める。

思い切って様々なものを買ったアンはディックと部屋に戻り、マチルダは請求書を見て卒倒してしまう。

ランプソンは、食事代を払わないロシア人のダンス・ディレクター、ニコライ・ニコルフ(アドルフ・マンジュー)がレストランにいることを知り、彼を追い払おうとする。

ニコルフが気分を害したために引き留めたランプソンは、あることを思いつく。

プレンティス夫人が毎年”ミルク基金”のためにホテルでチャリティー・ショーを催すことを話したランプソンは、その演出をニコルフに任せて、報酬で宿泊料などを払わせることを考え、彼を納得させる。

ニコルフは、金持ちのカモを見つけたという電報を舞台監督のオーガスト・シュルツ(ジョセフ・コーソーン)に送り、呼び寄せた彼をマチルダに紹介する。

マチルダができるだけ経費を節約しようとするために、シュルツは納得できないものの、ニコルフに説得される。

ある株の配当が減ってしまったマチルダは、ショーを中止することをニコルフとシュルツに伝える。

ディックとアンは、モーターボートに乗り湖で楽しみ、2人は惹かれ合う仲になる。

アイデアが浮かんだニコルフは、マチルダのショーの出資金を2/3にして残りをソープに払わせる案を伝えて、彼女に納得してもらう。

ソープと話したニコルフは、ショーに2/3の資金を出すことを約束してもらうが、その場にいたベティから協力したと言われて取り分を請求される。

ベティは、そこに現れたシュルツの話で、マチルダとソープから2/3ずつの資金提供を受けるつもりのニコルフが、余分に取り分を手に入れようとしていることを知り、マチルダに話すと言って彼を脅す。

3人は口論となり、その騒ぎが気になるマチルダは、下の部屋の宿泊客を追い出すようフロントに指示する。

部屋に現れたランプソンが、3人の話に加わったために騒ぎが大きくなり、上の階のマチルダは憤慨する。

アンはディックに送ってもらい、仲良くなったアーリンと楽しい時間を過ごしたハンボルトも部屋に戻る。

ハンボルトから恋をしたことを知らされたマチルダは、怒りが限界に達して取り乱す。

ハンボルトがマチルダに自分たちの関係を話したことを知ったアーリンは、ディックがアンとキスする姿を目撃する。

ディックと話し合ったアーリンは、互いに束縛しないことにして友好的に別れる。

ショーのリハーサルが始まり、ディックとアンも出演することになる。

マチルダは、ディックとアンがキスしていたために驚くが、稽古をしていたと言う2人の関係を疑う。

ソープと話したマチルダは、曲のための詞を書き稽古に参加するよう指示する。

ソープは、ベティのアイデアで、彼女の名前を使いラブソングを書く。

出来上がった詞に満足したソープは、ベティにサインを求められる。

ソープは散髪するために出かけ、ベティは、詞を彼が自分に求婚を迫る内容に偽造する。

ショーの当日、マチルダは、チケットの売上金が7500ドルになったことをニコルフらに伝える。

マチルダは、それをソープに預けて受取りにサインしてもらう。

その様子を見ていたベティはソープと話し、サインした詞はプロポーズだったと言って、それを否定する彼に、婚約不履行になるという弁護士からの電報を見せて、7500ドルを要求して脅す。

主演の歌手ウィニー(ウィニー・ショー)が到着し、ディックに声をかけて楽屋に向かう。

楽屋でアンにキスしたディックは、マチルダにそれを見られてしまい責められ、アンと結婚することを伝える。

それを認めないマチルダは、現れたニコルフに2人は出演させないと言って彼を困らせる。

ショーは中止となり、7500ドルを客に返金しなくてはならないと言われたマチルダは、仕方なくディックとアンを出演させることにする。

マチルダは、今晩ソープと結婚することを出演させる条件にして、アンにそれを強要してその場を去る。

そのことをソープに話そうとしたマチルダは、大変なことが起きたと彼に伝える。

ソープは、ベティに脅されていることをマチルダが知ったと思い戸惑う。

ディックとアンが舞台に登場し、ショーは始まる。

第一幕が終わり、ソープを連れたマチルダは楽屋に向かい、アンにプロポーズさせようとする。

そこに記者が現れ、ベティとの婚約不履行で訴訟になる件について訊かれたソープは、マチルダから彼女に騙されたと言われて動揺する。

記者からベティにプロポーズしたことについても追及されたソープは、アンと婚約しながら速記者と遊んだと言うマチルダに責められる。

ソープは、憤慨して興奮するマチルダに突き飛ばされ、記者はそれを写真に撮り特ダネにしようとする。

ソープから7500ドルを返してもらったマチルダは、アンを侮辱したソープを叩きのめすことをハンボルトに指示する。

ショーの後にソープを痛めつけることを約束したハンボルトは、その後に、新婚旅行に行くことをマチルダに伝える。

ハンボルトは、その場にいたアーリンと結婚したことをマチルダに伝えて、ショックを受ける母を残して楽屋を出る。

裏口から逃げようとしたソープは記者たちに見つかってしまい、恋はこりごりだと言って走り去る。

第二幕。
ウィニーが歌う”Lullaby of Broadway”と共に、絢爛豪華なショーが始まる。

ショーは成功するものの、アンとハンボルトのことが思い通りにならないマチルダは、怒りが収まらない。

現れたニコルフが、自分のつけで宝石店で買い物をしたことを知ったマチルダは、彼から受け取った受け皿を投げて鏡を割ってししまい、卒倒しそうになる。

マチルダは、気遣ってくれるアンとディックに、こんな時に将来は家族に医師が必要だと伝え、そうすれば医療費が節約できることに気づく。

その言葉を聞いたディックとアンは、愛を確めてキスする。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
テキサス州。
ウォクサハチー湖畔のリゾート地、ホテル”ウェントワース・プラザ”に、上客の富豪夫人マチルダ・プレンティスと息子ハンボルト、娘アンが到着する。
気が進まないまま年配の大富豪ソープと婚約していたアンは、夏を自由に過ごさせてくれたら結婚することをマチルダに約束する。
マチルダは、フロント係の医学生で、まじめそうなディック・カーティスをアンの相手に選び、滞在している間、彼女の好きなようにさせようとするのだが・・・。
__________

ゴールド・ディガース」(1933)に続くバスビー・バークレーの監督(同作ではミュージカル・シーンを担当)作品であり、同じタイトル作品として、1937年、1938年にも公開された。

リゾート地の高級ホテルで巻き起こる騒動を描くミュージカル・コメディ。

富豪家族の結婚問題のトラブルから、従業員や舞台演出家などを巻き込んだ騒動に展開するユーモアあふれる内容は、ミュージカル・パフォーマンスと共に大いに楽しめる。

個性派スターの味のある演技に加え、豪華絢爛、スケール感のあるミュージカル・シーンは見応え十分。

特に、終盤のチャリティー・ショーで、約8分間の第一幕と、約14分間の第二幕のミュージカル・パフォーマンスをは圧巻だ。

第8回アカデミー賞では、主題歌 “Lullaby of Broadway“が歌曲賞を受賞し、ダンス監督賞にノミネートされた。

医学生でありホテルの従業員としても働き、富豪令嬢と恋仲になる青年を演じ、もちろん歌も披露してくれるディック・パウエル、ホテルのチャリティー・ショーを任される風変わりな演出家を熱演するアドルフ・マンジュー、主人公と過ごすことになり恋仲になる富豪令嬢のグロリア・スチュアート、その母親で騒動の元になる富豪夫人を愉快に演ずるアリス・ブラディ、彼女の娘と婚約しているお人好しの大富豪ヒュー・ハーバート、彼を騙そうとする速記者のグレンダ・ファレル、富豪夫人の息子で女好きのフランク・マクヒュー、彼に惹かれるホテル従業員のドロシー・デア、ショーを担当する舞台監督のジョセフ・コーソーン、ホテルの支配人グラント・ミッチェル、ショーの主演女優ウィニー・ショーなどが共演している。


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