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007/ロシアより愛をこめて From Russia with Love (1963)

07シリーズ第2作。
1957年に発表された、イアン・フレミング原作のシリーズ第5作”From Russia, with Love”の映画化。
国際秘密組織スペクターの陰謀に立ち向かうMI6諜報員ジェームズ・ボンドの活躍を描く、製作ハリー・サルツマンアルバート・R・ブロッコリ、監督テレンス・ヤング、主演ショーン・コネリーダニエラ・ビアンキペドロ・アルメンダリスロッテ・レーニャロバート・ショウバーナード・リー他共演のスパイ・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


007
007 / Pinterest

ショーン・コネリー / Sean Connery 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:テレンス・ヤング

製作
ハリー・サルツマン

アルバート・R・ブロッコリ
原作:イアン・フレミングFrom Russia with Love
脚本:リチャード・メイボーム

撮影:テッド・ムーア
編集:ピーター・ ハント
メインタイトル・デザイン:モーリス・ビンダー
音楽
ジョン・バリー

モンティ・ノーマン
主題歌:マット・モンローFrom Russia with Love

出演
ジェームズ・ボンド:ショーン・コネリー

タチアナ・ロマノヴァ:ダニエラ・ビアンキ
ケリム・ベイ:ペドロ・アルメンダリス
ローザ・クレッブ/No.3:ロッテ・レーニャ
レッド・グラント:ロバート・ショウ
モーゼニー:ウォルター・ゴテル
M:バーナード・リー
Q:デスモンド・リュウェリン
マネーペニー:ロイス・マクスウェル
クロンスティーン/No.5:ヴラディク・シェイバル
クリレンク:フレッド・ハガティー
シルヴィア・トレンチ:ユーニス・ゲイソン

アーネスト・スタヴロ・ブロフェルド/No.1:アンソニー・ドーソン
アーネスト・スタヴロ・ブロフェルド/No.1(声):エリック・ポールマン

イギリス 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1963年製作 115分
公開
イギリス:1963年10月10日
北米:1964年4月8日
日本:1964年4月18日
制作費 $2,000,000
北米興行収入 $24,796,770
世界 $78,900,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
国際秘密組織スペクターの一員でもある、チェスの世界チャンピオン、クロンスティーン/No.5(ヴラディク・シェイバル)は、スペクターのリーダー、アーネスト・スタヴロ・ブロフェルド/No.1(アンソニー・ドーソン/エリック・ポールマン:声)に呼び出される。

ブロフェルドは、ソ連諜報部主任だったローザ・クレッブ/No.3(ロッテ・レーニヤ)と共に、クロンスティーンが考えた計画を聞く。

作戦本部長のクロンスティーンは、ソ連諜報部の最新暗号解読機”レクター”を入手する計画を話す。

ソ連の在トルコ暗号部女性職員のタチアナ・ロマノヴァ(ダニエラ・ビアンキ)をクレッブが利用し、スペクターの宿敵であるイギリス諜報部員ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)を巻き込み、”レクター”を奪うという計画だった。

ブロフェルドは、MI6のM(バーナード・リー)がその罠にかかるか疑問に思うが、罠とわかっていても挑戦してくるイギリス人気質を、クロンスティーンは指摘する。
...全てを見る(結末あり)

またクロンスティーンは、これがスペクターにとっても、ボンドに殺害された”ドクター・ノオ”の敵討ちであることを語る。

クレッブはスペクターの訓練施設に向かい、訓練官モーゼニー(ウォルター・ゴテル)の推薦で、殺し屋レッド・グラント(ロバート・ショウ)をイスタンブールに派遣する。

イスタンブール
ロマノヴァに接触したクレッブは、有無を言わせず、彼女にボンドに近づくよう命ずる。

イギリス秘密情報部MI6)のMの元に、ロマノヴァの亡命希望に関する連絡がトルコ支局長のケリム・ベイ(ペドロ・アルメンダリス)から入る。

ボンドは、親密な関係になっていたシルヴィア・トレンチ(ユーニス・ゲイソン)と休暇を楽しんでいたが、ロンドンに呼び出される。

Mの元に向かったボンドは、ロマノヴァがレクターを盗み出すことを約束し、その条件としてボンドがイギリスまで護送するという、ソ連の罠としか思えない話を聞く。

乗り気でないボンドだったが、美しいロマノヴァの写真を見せられた彼は、突然、任務に意欲を燃やす。

ボンドは、装備品の特殊アタッシュケースと銃器を、担当官Q(デスモンド・リュウェリン)から受け取る。

その後ボンドは、Mの秘書マネーペニー(ロイス・マクスウェル)に別れを告げてイスタンブールに向かう。

イスタンブール
現地に着いたボンドをグラントが監視する。

ケリムの息子に迎られ、父親の元に案内されたボンドは、その後ホテルに向かい、盗聴器が仕掛けられていることを確認して部屋を替えさせる。

翌日、ケリムは爆弾で命を狙われるものの無傷で済み、それが西側諜報員を狙うブルガリア人の殺し屋クリレンク(フレッド・ハガティー)の仕業だと分かる。

ホテルへは帰らず、ケリムとジプシーのキャンプに向かったボンドは、クリレンクらに襲われる。

それを密かに監視していたグラントが、ボンドの命を狙う敵から彼を守る。

その後もキャンプで過ごしたボンドとケリムはクレリンクを追い、彼の潜んでいるアジトに向かう。

そして、映画”Call Me Bwana”(腰抜けアフリカ博士)の大看板の”アニタ・エクバーグ”の口から出てきたクレリンクを、ケリムが狙撃して殺す。

その夜、ロマノヴァはホテルでボンドを待ちかまえていたが、2人が愛し合う様子はフィルムに収められていた。

その後ボンドは、ソ連領事館の設計図を手に入れる。

ロマノヴァからレクターの構造などを聞き出したボンドは、ロンドンにそれを報せる。

レクターが本物らしいという報告を受けたボンドは、ソ連領事館に爆弾を仕掛け、ロマノヴァの協力でレクターを難なく盗み出すことに成功する。

その後ボンドとロマノヴァは、ケリムと共にオリエント急行イスタンブールから脱出し、グラントも3人の後を追う。

ボンドとロマノヴァは夫婦に扮してハネムーン気分を楽しむが、KGBを捕らえて監視していたケリムが、グラントに殺されてしまう。

列車を降りる予定を変更したボンドはロマノヴァを疑い、彼女も利用されていることを知らせる。

隠していることがあるロマノヴァは、それをボンドに話そうとしない。

ボンドは、ベオグラードでケリムの息子に父の死を知らせて、ザグレブで味方の局員を乗せるよう指示する。

グラントはザグレブで局員を殺して成りすまし、ボンドに接触する。

ロマノヴァに睡眠薬を飲ませたグラントは、ボンドに銃を向けて脅す。

グラントがスペクターだときづいたボンドは、敵がソ連でないことに気づく。

グラントは、ロマノヴァとボンドを抹殺して、ホテルで盗み撮りしたフィルムを利用し、イギリスの諜報員がソ連のスパイを殺し自殺したように見せかけようとする。

ボンドは、グラントがアタッシュケースの金貨に興味を示したため、彼にケースを開けさせようとする。

アタッシュケースの仕掛けで催涙ガスが噴出した瞬間、ボンドはグラントに襲い掛かり、格闘の末に彼を殺す。

その後、味方の協力で急停車した列車から降りたボンドとロマノヴァは、車を盗み西へと向かう。

ボンドは追って来たヘリコプターを撃墜し、ボートでベニスに向かう。

作戦の失敗の責任を取らされたクロンスティーンは、モーゼニーに殺されるが、クレッブは、レクターを手に入れるために生かされる。

モーゼニーの追撃をかわしたボンドとロマノヴァは、ベニスに到着する。

レクターを奪うために掃除人に扮したクレッブは、ボンドに銃を向けて、ロマノヴァに指示を出して立ち去ろうとする。

ボンドを射殺しようとしたクレッブは、ロマノヴァに邪魔される。

クレッブはボンドに襲いかかるものの、ロマノヴァに射殺される。

レクターは、無事にイギリス側に渡る。

そしてボンドとロマノヴァは、任務を終えて休暇を楽しむ。

ロマノヴァと共にゴンドラに乗るボンドは、フィルムの内容を確認して投げ捨てる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
国際秘密組織”スペクター”のブロフェルドは、元ソ連の諜報部主任クレッブと同僚クロンスティーンの考えた計画を聞く。
それは、ソ連諜報部の最新暗号解読機”レクター”を入手する計画だった。
クレッブは、ソ連の在トルコ暗号部女性職員ロマノヴァを利用し、イギリス諜報部員のジェームズ・ボンドを巻き込んで、レクターを奪うとする。
イギリス諜報部MI6のMは、トルコ支局長ケリムから、ロマノヴァが亡命を希望しているとの連絡を受ける。
Mは、それを罠と知りながらボンドに任務を命じ、ロマノヴァに接触させるためにイスタンブールに向かわせるのだが・・・。
__________

日本初公開時は「危機一発」という”陳腐”な題名がつけられていたのだが、リバイバル公開で原題に戻った。

前年の第1作「ドクター・ノオ」(1962)が大ヒットしてシリーズ化が決定し、内容やスケールも大幅に拡大した。
主演のショーン・コネリーの人気も決定的となった記念すべき作品であり、シリーズの最高傑作とも言える。

興行成績も、全世界で8000万ドルに迫る大ヒットとなった。

派手さを抑え、全編落ち着いた雰囲気で展開する純粋なスパイ劇にこだわった作風、ボンドの的確な任務遂行ぶりやロマンス、または凄みのある殺し屋たちの存在など見せ場も多く、娯楽の要素満載の作品に仕上げたテレンス・ヤングの演出も冴える。

今回のボンドは、アタッシュケースと若干の装備品だけを持参しているだけで、ボンドカーやお決まりのカジノのシーンなども登場しない。
どちらかと言えば、シンプルで地味な構成になっているが、イスタンブール地下宮殿の撮影や、緊迫感あるオリエント急行での攻防など、全編、飽きさせない内容で楽しませてくれる。

現地イスタンブール世界遺産である、聖ソフィア寺院スレイマニエ・モスクドルマバフチェ宮殿、さらにはベニスのロケの美しさは秀逸だ。

マット・モンローの歌う主題歌”From Russia with Love” も大ヒットした。

スマートで精悍な顔つきのショーン・コネリーは、シリーズ2作目にして完璧に役柄をこなしている。
もちろん、熟年期からの彼も魅力的だが、この後、ほんの数年で容姿が激変してしまう前の彼の勇姿を堪能できる。

ボンド・ガールの中で最高の美女とも言えるダニエラ・ビアンキの、輝くような美貌も見所の一つだ。
イタリアローマ出身の彼女は、1960年に18歳でミス・ローマに選ばれ、同年のミス・ユニバースにも出場した。

トルコ支局長役で、ジョン・フォード作品などでもお馴染みのペドロ・アルメンダリスの出演も、ファンとしては嬉しいばかりだ。
しかし、彼は本作の公開前にガンを苦に自殺して、本作が遺作となった。

スペクターの殺人兵器を演ずるロバート・ショウも、まだこの頃は駆け出しと言ったところだが、その後の彼の活躍を予感させる雰囲気と面構えがいい。

スペクターの殺人課長ロッテ・レーニャや、本作からシリーズの顔となる、スペクターの訓練官ウォルター・ゴテル、またチェスのチャンピオンにしてスペクターの一員ヴラディク・シェイバルなど、個性的なキャラクターも印象に残る。

レギュラーであるMのバーナード・リー、マネーペニーのロイス・マクスウェル、そして地味な初登場だがQのデスモンド・リュウェリン、前作で悪役を演じていたアンソニー・ドーソンがブロフェルドの手元だけを演じ、エリック・ポールマンが声を担当し、同じく前作にも登場しボンドの恋人となったユーニス・ゲイソンブルガリア人の殺し屋フレッド・ハガティーなどが共演している。


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