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ニュートン・ナイト Free State of Jones (2016)

南北戦争下、農夫や黒人と共に軍や農場主に抵抗したニュートン・ナイトの自由のための戦いを描く、製作、監督、原案、脚本ゲイリー・ロス、主演マシュー・マコノヒーググ・バサ=ローマハーシャラ・アリケリー・ラッセル他共演の戦争ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト
監督:ゲイリー・ロス
製作
スコット・ステューバー
ジョン・キリク
ゲイリー・ロス
製作総指揮
ロビン・ビセル
レナード・フェイダー
レナード・ハートマン
ブルース・ナクバー
T・G・ハリントン
ワン・チョンレイ
ジェリー・イェ
ドナルド・タン
スチュアート・フォード
マット・ジャクソン
ラッセル・レヴィン
イ・ジェウ
クリス・リットン
クリストファー・ウッドロウ
マイケル・ベイシック
ロバート・シモンズ
アダム・フォーゲルソン
オーレン・アヴィヴ
原案
レナード・ハートマン
ゲイリー・ロス
脚本:ゲイリー・ロス
撮影:ブノワ・ドゥローム
編集
ジュリエット・ウェルフラン
パメラ・マーティン
音楽:ニコラス・ブリテル

出演
ニュートン・ナイトマシュー・マコノヒー
レイチェル:ググ・バサ=ロー
モーゼス・ワシントン:マハーシャラ・アリ
セリーナ・ナイト:ケリー・ラッセル
ジャスパー・コリンズ:クリストファー・ベリー
ウィル・サムラル:ショーン・ブリジャース
ダニエル:ジェイコブ・ロフランド
エリアス・フッド:トーマス・フランシス・マーフィー
バーバー中尉:ビル・タングラディ
デイヴィス・ナイト:ブライアン・リー・フランクリン
メアリー:ケリー・ケイヒル
ジェームズ・イーキンズ:ジョー・クレスト
アニー:ジェシカ・コリンズ
商人:カーク・ボヴィル
ウィルソン:ドナルド・ワトキンス
イーライ:アートリアル・クラーク
外科医:マニー・ペントン
ロバート・ローリー大佐:ウェイン・ペール

アメリカ 映画
配給 STX Entertainment
2016年製作 140分
公開
北米:2016年6月24日
日本:2017年2月4日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $20,810,040
世界 $25,035,950


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1862年10月、南北戦争下、第二次コリンスの戦い
貧しい農夫だったニュートン・ナイトマシュー・マコノヒー)は出征し、南軍の戦場看護師として戦った。

悲惨な状況下で、ニュートンは、金持ちのために貧乏人が戦う戦争に疑問を抱く。

奴隷を20人以上所有する農園の長男は兵役を免除されるなどの”黒人法”のことを戦友ジャスパー・コリンズ(クリストファー・ベリー)から知らされたニュートンは、名誉のために戦うと言うウィル・サムラル(ショーン・ブリジャース)に、自分はそんな気がないと伝える。

ある夜、現れた甥のダニエル(ジェイコブ・ロフランド)から、徴兵されて別の部隊から逃げてきたことを知らされたニュートンは、必ず守ることを約束し怯える彼を抱きしめる。
...全てを見る(結末あり)

翌日、ダニエルと共に移動するニュートンは、塹壕から出ようとする。

腹部を撃たれダニエルを抱き部隊に運んだニュートンだったが、将校を優先させる軍医に治療を断られる。

ダニエルの死を見届けたニュートンは、彼を故郷に連れ帰るために脱走することを決意する。

ミシシッピ州、ジョーンズ郡
妹アニー(ジェシカ・コリンズ)の元に息子ダニエルを連れて帰ったニュートンは、妻セリーナ(ケリー・ラッセル)から、脱走兵が殺されていることを知らされる。

アニーとセリーナと共にダニエルを埋葬したニュートンは、軍が人々から食料などを徴収しているために警戒する。

幼い息子ウィルが熱を出したため、町に向かい医者を呼ぼうとしたニュートンは、酒場を営むおばのサリーに会い助けを求める。

サリーから医者は徴兵されていないと言われたニュートンは、ジェームズ・イーキンズ(ジョー・クレスト)の奴隷に治療師がいることを知らされる。

家に戻ったニュートンは、現れたレイチェル(ググ・バサ=ロー)に息子のウィルのことを任せる。

翌朝、ウィルの熱は下がり、ニュートンはレイチェルに感謝する。

85年後。
ニュートンとレイチェルの曾孫であるデイヴィス・ナイト(ブライアン・リー・フランクリン)は、1/8黒人の血を引きながら、白人女性ジェニーと婚姻関係を結んだことで有罪判決を受ける。
__________

隣人のメアリー(ケリー・ケイヒル)に寄ばれたニュートンは、徴収兵が来たことを知り、彼女と三人の娘に銃の扱いを教える。

メアリーらと共に、現れたバーバー中尉(ビル・タングラディ)に銃を向けたニュートンは、彼を脅して追い払う。

その後、奴隷の捜索犬に追われたニュートンは脚を噛まれてしまい、サリーの元に向かい治療を受ける。

サリーの奴隷ジョージと共に沼に向かったニュートンは、仲間が来ると言う彼と別れる。

現われたレイチェルと共に移動したニュートンは、首に枷を付けられた脱走奴隷のモーゼス・ワシントン(マハーシャラ・アリ)らと合流し、脚の傷の手当てをしてもらう。

ニュートンがお尋ね者になったことを知ったセリーナは、ウィルを連れて家を出てジョージアに移住する。
__________

その件を法廷で語る検事は、戦後に子供うもうけているニュートンが、セリーナとの子ではなかったのは明らかだと話す。
__________

モーゼスから脱走した理由を訊かれたニュートンは、農場主のために戦う義理はないと答える。

主人のイーキンズらの目を盗み、レイチェルは物資などをニュートンらの元に届ける。

鞭打たれ荷馬車につながれても、売られた妻子に必ず会いに行くと言うモーゼスと話すニュートンは、かつて鍛冶職人だったので枷を外してやると伝える。

音で捜索隊に見つかると言われたニュートンは、その数を確認する。

翌日、ジョージが運んできた銃を皆に渡したニュートンは、モーゼスの枷を外す。

迫る捜索隊を迎え撃つニュートンらは、それを撃退する。

レイチェルと親交を深めるニュートンは、彼女に読み書きと銃の扱いを教える。

1863年7月。
ビックスバーグの包囲戦”で北軍が勝利し、南軍の脱走兵は蜂起し、ニュートンはジャスパーやウィルを仲間に引き入れる。

ニュートンらに徴収品を奪われたバーバーは、上官のエリアス・フッド(トーマス・フランシス・マーフィー)にそれを伝えるものの、脱走兵には興味がない彼から、仕事を続けることを命ぜられる。

家に戻ったニュートンは、セリーナと息子が去ったことを知り、聖書を持ち帰りレイチェルに渡す。

軍に食物を徴収されている人々に話しかけ、収穫は自分たちのものだと伝えたニュートンは、彼らの気持ちを一つにさせる。

農家に隠されていたトウモロコシを奪ったバーバーは、待ち伏せていたニュートンと男たちに銃を向けられる。

バーバーを脅したニュートンは、伍長に指名した少年トマスを呼び、バーバーの帽子を渡して彼を”中尉”に昇進させる。

その報告を受けたフッドは、沼の方向から立ち上る煙に気づく。

軍を恐れないニュートンは煙を気にせず、バーベキューをして皆に食事を振舞う。

残り物を持ち去ろうとしたモーゼスは、ある男に黒人には渡さないと言われる。

皆同じだと言うニュートンは、仲間同士で争うことを嫌う。

沼に攻め込めないフッドは、酒場に向かいサリーと話し、ニュートンとの取引の仲介役をさせる。

サリーの伝言をジョージから受け取ったニュートンは、断りの返事を彼に渡す。

バーバーに家を焼かれたトマスを、ニュートンは励ます。

イーキンズを拒んだため、レイチェルが鞭打たれたことを知ったニュートンは憤慨する。

渡された聖書の一説を読むレイチェルは、ニュートンを落ち着かせる。

しかしニュートンは、イーキンズの綿花に火を放つ。

その後も農家は焼かれ、金持ちに対抗するという目的で戦いを決意したニュートンだったが、それに反対する者たちが現われる。

戦いを避けようとしたトマスらは軍に降伏するが、彼らを吊るすことをフッドはバーバーに命ずる。

ショックを受けたニュートンは、仲間達と共に祈りを捧げ、軍が監視下でトマスらは埋葬されることになる。

銃を隠していた女たちは兵士に発砲し、棺桶に隠れていたニュートンらが襲い掛かる。

教会に逃げ込んだフッドを追ったニュートンは、彼を銃撃して絞殺する。

1864年3月、エリスビル
軍隊を撃破したニュートンらは、イーキンズと家族を追い出した屋敷を奪い、北軍の支援を受けようとする。

アラバマ州、デモポリス南軍本部。
フッドの遺体が運び込まれ、状況が報告される。

ロバート・ローリー大佐(ウェイン・ペール)は、1000人の兵士をエリスビルに派遣する。

北軍からの十分な支援を得られないニュートンは、自分たちが制圧した地域を、”ジョーンズ自由州”と名付け、原則を宣言する。

貧富の差を認めず、他の者に命令せず、自分の作物は搾取されてはならない、そして誰もが同じ人間であるという内容だった。

1865年4月。
奴隷制が禁止され、モーゼスは妻子と再会する。

6月。
戦争は終結し、解放された奴隷たちは畑を持つことが許された。

3か月後。
その約束は撤回され、連邦政府に宣誓したイーキンズは、土地と屋敷を取り戻すことができる。

仕方なく土地を離れたニュートンらは、その場で作物を育て、設立された学校でレイチェルが読み書きを教える。

その後、農場を燃やされたセリーナが息子ウィルと共に戻り、ニュートンは、レイチェルと共に二人を迎える。
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戦後に生まれた子がレイチェルとの子であるとの主張に対し、弁護士は、国勢調査の記録により、セリーナが1965年に戻っている証拠を示し、子供の母親は特定できないと反論する。
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息子アイザックをイーキンズの手下にさらわれたモーゼスが、銃を持って取り戻しに行ったことを知らされたニュートンは、彼と共に農場に向かう。

アイザックを連れ戻そうとしたニュートンは捕えられ、判事から、年季奉公契約による合法的な措置だと言われるものの納得できない。

70ドルをイーキンズに払ったニュートンは、アイザックを連れて帰る。

アメリカ議会は南部に戒厳令を敷き部隊が派遣され、旧南軍は実権を失う。

自由民に選挙権が与えられ、”リコンストラクション”が始まる。

ユニオン・リーグ”(連邦政府支持組織)の活動が活発化し、有色人種にも選挙権が与えられる。

一方、白人至上主義組織”KKK”は、ニュートンらの教会を燃やすが、彼は屈しなかった。

レイチェルは無事に男の子を出産し、息子を”ジョン・マディソン・ナイト”と名付けたニュートンは、母親の名をレイチェルと書き記す。
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ナイト家の聖書を証拠として提出した検事は、ニュートン直筆の記録があることを判事に伝える。
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レイチェルと協力し合って暮らすセリーナは、ジョンをわが子のように可愛がる。

投票のための登録を仲間たちに促したモーゼスは署名を集めるが、男たちに追われる。

翌朝、署名の書類が家の前に散らばっていることに気づいた妻は、モーゼスを捜す。

吊るされたモーゼスを見つけたニュートンは、その場に落ちていたピーナッツの殻に気づき、犯人がチェスターであることを確信しながら愕然とする。

モーゼスを埋葬したニュートンは、涙せずに祈りを捧げる。

2か月後、投票日当日。
共和党に投票するためジャスパーやウィルと共に町に向かったニュートンは、民主党の投票用紙しかないと言われ、ピーナッツを食べるチェスターを睨む。

この場にいる者たちは、投票するためなら死を恐れないと伝えたニュートンは、投票用紙を渡される。

ニュートンらは投票してその場を去るが、1875年のジョーンズ郡の公式選挙は、民主党419票、共和党2票という結果となった。

KKKの活動は活発化するものの連邦軍は撤退し、多くのアフリカ系アメリカ人が殺された。

子供の将来を考えるレイチェルは、北部への移住をニュートンに提案するものの、彼は土地を離れようとしなかった。
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検事側から、婚姻を取り消して州を離れることを提案されたデイヴィスは納得できず、この裁判所で結婚の誓いを立てたことを伝える。
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ニュートンは、たった一人で教会を建て直そうとする。
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恋人ジェニーに北部に行けば結婚できると伝えたデイヴィスは法廷に向かい、判事から申し立ての変更について訊かれる。

変更する気がないデイヴィスは、自分は無実だと言って申し立てはしないことを伝える。

拘束されたデイヴィスはジェニーに愛を伝え、そのまま連行される。

デイヴィスは、5年間の実刑判決を受けた。

しかし、連邦の反感を避けたミシシッピ州最高裁判所は、抗告を受けてデイヴィスの有罪を覆した。

ニュートンとの結婚は認められなかったものの、彼とレイチェルは生涯を共にした。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1862年、南北戦争下、ミシシッピ州。
南軍の戦場看護師として戦う農夫のニュートン・ナイトは、多くの奴隷を所有する者が兵役を免除され、負傷しても将校の治療が優先される現実を見て疑問に思う。
戦死した甥のダニエルの遺体を故郷に運ぼうとしたニュートンは、脱走を決意する。
故郷ジョーンズ郡の妻セリーナの元に戻ったニュートンは、牧場主イーキンズの奴隷レイチェルに、高熱を出した息子の治療をしてもらう。
その後、脱走兵として捜索隊に追われたニュートンは沼地に逃れ、レイチェルの協力で脱走奴隷のモーゼスらと合流する。
農家から食料などを徴収する軍に抵抗することを考えたニュートンは、モーゼスらと共に戦闘部隊を組織して戦いを始めるのだが・・・。
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南北戦争下、軍や金持ちに搾取される生活に抵抗した農夫ニュートン・ナイトの自由のための戦いを描く、実話をもとにした戦争ドラマ。

シービスケット」(2003)、「ハンガー・ゲーム」(2012)などで知られる脚本家でもあるゲイリー・ロスが、製作、監督、原案、脚本を兼ねた意欲作。

南北戦争下、南軍脱走兵として軍に抵抗した組織のリーダーである、ニュートン・ナイトの戦いと人間性を描いた作品。

金持ちのために貧乏人が戦う戦争に疑問を持った主人公の行動が、結果的に、合流した黒人を奴隷制から解放することになった経緯などが描かれている。

その過程で黒人奴隷だった女性と愛が芽生えた主人公の曾孫が、1940年代に黒人と見なされ、白人女性と結婚したことで罪に問われる物語が並行して描かれる展開が興味深い。

一般の評価はまずまずだったものの、批評家の評価は分かれ、酷評する意見も多かった。

主演のマシュー・マコノヒーは、平凡な農夫だったニュートン・ナイトが、階級社会への疑問と人間の平等のために組織を率いて戦う男を熱演している。

主人公と愛し合う奴隷女性のググ・バサ=ロー、主人公と共に戦う脱走奴隷マハーシャラ・アリ、主人公の妻ケリー・ラッセル、主人公の戦友であり組織の幹部として戦うクリストファー・ベリーショーン・ブリジャース、戦死する主人公の甥ジェイコブ・ロフランド、その母ジェシカ・コリンズ、主人公らと戦う南軍司令官トーマス・フランシス・マーフィー、その部下ビル・タングラディ、主人公の曾孫ブライアン・リー・フランクリン、主人公の隣人ケリー・ケイヒル、農場主ジョー・クレスト、商人のカーク・ボヴィル南軍ロバート・ローリー大佐のウェイン・ペールなどが共演している。


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