1972年に発表された、デイヴィッド・マレルの小説”First Blood”(デビュー作)の映画化。 大ヒットシリーズになっていた「ロッキー」(1976)に続きシルヴェスター・スタローンが新たに不屈の男”ランボー”を演ずるシリーズの第1作。 監督テッド・コッチェフ、共演リチャード・クレンナ、ブライアン・デネヒー、デヴィッド・カルーソー他。 |
・シルヴェスター・スタローン / Sylvester Stallone 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:テッド・コッチェフ
製作:バズ・フェイシャンズ
製作総指揮
マリオ・カサール
アンドリュー・G・ヴァイナ
原作:デイヴィッド・マレル
脚本
シルヴェスター・スタローン
マイケル・コゾル
撮影:アンドリュー・ラズロ
編集:ジョアン・E・チャップマン
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演
シルヴェスター・スタローン:ジョン・ランボー
リチャード・クレンナ:サミュエル・トラウトマン大佐
ブライアン・デネヒー:ウィル・ティーズル保安官
ビル・マッキーニー:デイヴ・カーン警部
ジャック・スターレット:アーサー・ギャルト巡査部長
マイケル・タルボット:バルフォード保安官補
クリス・マルキー:ウォード保安官補
デヴィッド・カルーソー:ミッチ保安官補
アメリカ 映画
配給 カロルコ・ピクチャーズ
1982年製作 93分
公開
北米:1982年10月22日
日本:1982年12月18日
製作費 $14,000,000
北米興行収入 $47,212,900
世界 $125,212,900
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1981年12月。
ベトナム戦争時代、”名誉勲章”を受けた”アメリカ陸軍特殊部隊”の精鋭ジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)は、戦友を訪ねるのだが、彼は既に癌で死亡していた。
その後、街道を歩いていたランボーは、町の保安官ウィル・ティーズル(ブライアン・デネヒー)に、身なりや風貌で危険人物だと判断され、町から追い出される。
しかし、ランボーは、それを無視して町に戻ろうとしたため逮捕されてしまう。
警察署内でランボーは、アーサー・ギャルト巡査部長(ジャック・スターレット)に虐待を受け、ベトナム時代受けた拷問などを思い出し、それに抵抗して暴れ始め、その場を脱出する。 バイクを奪ったランボーは、追ってきたティーズルのパトカーを振り切り、山奥に逃げ込んでしまう。 ティーズルは猟犬やヘリコプターの援軍を要請し、ランボーは絶壁に追い詰められてしまう。 ヘリに乗ったギャルトは、ライフルでランボーを銃撃するが、彼は大木の枝に向かって落下する。 ランボーは、傷を負いながらもヘリに向かって石を投げ、バランスを失ったギャルトは落下死してしまう。 その後、一度姿を現したランボーは、ギャルトの死が自分のせいでないことを訴えるが、ティーズルらは彼を威嚇して銃撃する。 ランボーは、サバイバルナイフに隠された糸で傷口を縫い、追跡隊を迎え撃つ罠を作る準備を始める。 やがて、ランボーの身元がわかり、彼が元グリーンベレーで、戦争の英雄だという報せがティーズルに入る。 相手が只者ではないと思っていた保安官補ミッチ(デヴィッド・カルーソー)は、州警察に任せるべきだと提案する。 しかしティーズルは、自分達の手でギャルトの復讐をすることを誓う。 森に入ったティーズルらだったが、ランボーに猟犬は殺され、ミッチは足を刺され、保安官補ウォード(クリス・マルキー)とバルフォード(マイケル・タルボット)らも痛めつけられてしまう。 そして、ランボーはティーズルを捕らえ、首にナイフを突きつけて、悲惨な戦いになると警告し、彼に引き上げるよう伝えて姿を消す。 その後、州兵も加わり、対策本部が設置され、州警察の警部デイヴ・カーン(ビル・マッキーニー)も現場に到着する。 マスコミも取材を始め、大掛かりな捜査活動でランボーの逮捕は時間の問題だと報道される。 そんな時、ギャルトらが警察内でランボーを虐待した事実が発覚し、ティーズルは部下をかばい捜索を続けようとする。 そこに、ランボーを”造り上げた”という彼の元上官サミュエル・トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が現れる。 トラウトマンは、殺人兵器としてベストのランボーにティーズルらが皆殺しにされなかったことで、彼がしくじったとまで言い放ち、その恐ろしさを分からせようとする。 ティーズルらは、ゲリラ戦のプロのランボーの敵でなく、得策は、一旦逃がして指名手配をすることだとトラウトマンは助言する。 それを受け入れられないティーズルだったが、トラウトマンは、死体の山ができると警告する。 ランボーは、食料を手に入れて廃坑に逃げ込み、無線機を盗んでいた彼は、トラウトマンの問いかけに応答する。 トラウトマンの質問に、ランボーは、食事をしに町に立ち寄っただけで、挑発し仕掛けてきたのはティーズルらだと答える。 その後、州兵部隊に見つかったランボーは、廃坑をロケット弾”M72 LAW”で攻撃され、入り口を爆破される。 現場に向かったトラウトマンは、ランボーが生存していることを感じ取り、彼は反対側の出口を探し廃坑から脱出する。 軍用トラックを奪ったランボーは町に向かい、ティーズルは彼が生存しているという連絡を受ける。 追跡してきたパトカーを振り切ったランボーは、検問を突破して町に入り、トラックの積荷の”M60機関銃”を奪いガソリンスタンドを爆破する。 ティーズルはランボーを倒そうとするが、現れたトラウトマンが、それが無駄な抵抗であることを強調する。 トラウトマンは自分なら説得できると助言するが、ティーズルはそれを聞き入れない。 警察署の屋上に上り、ティーズルはランボーを迎え撃とうとするが、彼は銃砲店を爆破する。 警察署に攻撃を加えたランボーは内部に侵入し、屋上で待ち構えていたティーズルを銃撃し止めを刺そうとする。 そこに、トラウトマンが現れランボーを説得するが、ベトナム帰還兵に対する、国の冷たい仕打ちやその体験を、彼は大佐に訴え泣き崩れる。 そして、トラウトマンに付き添われたランボーは連行される。
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参考
・「ランボー」(1982)
・「ランボー/怒りの脱出」(1985)
・「ランボー3/怒りのアフガン」(1988)
・「ランボー 最後の戦場」(2008)
・「ランボー ラスト・ブラッド」(2019)
*(簡略ストー リー)
ベトナム帰還兵のジョン・ランボーは、戦友を訪ねるが、彼は既に癌で死亡していた。
ある町で食事をしようとしたランボーは、保安官ティーズルに呼び止められて、身なりや風貌で危険人物だと判断され町を追い出されてしまう。
しかし、ランボーはティーズルの警告を無視して町に戻ろうとしたため、逮捕され、保安官補らに虐待を受ける。
その瞬間、ベトナム時代に受けた拷問などを思い出したランボーは、抵抗して脱出する。
逃走したランボーは、森林地帯に逃げ込み、ティーズルらの大掛かりな捜索が始まる。
しかし、”名誉勲章”を受けた”アメリカ陸軍特殊部隊”の精鋭で、ゲリラ戦のプロのランボーは、ナイフ一本で捜索隊に”戦争”を仕掛ける・・・。
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この年の5月に「ロッキー3」(1982)が公開され、大ヒットを記録して間もない同年10月に公開された作品。
ベトナム帰還兵について、余りにも説教じみた表現などが多かったせいか、 アメリカでは手放しに受け入れられたとは言えなかった。
北米興行収入は約4700万ドル、全世界では約1億2500万ドルのヒットとなりシリーズ化されることになる。
そのせいか、続編「ランボー/怒りの脱出」(1985)ではかなり派手なアクションが展開され、 アメリカでも大ヒットを記録することになる。
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北米興行収入 $150,415,430
世界 $300,400,430
ジェリー・ゴールドスミスのテーマ曲や主題曲の”It’s a Long Road”も、ランボーの複雑な思い、虚しさをよく表現した曲に仕上がっている。
原題の”First Blood”は、ドラマの中でも出てくるが、”最初に流された血”つまり、どちらが挑発したかという意味を持つ。
この企画は、当初、生前のスティーヴ・マックイーンの起用も検討されたが、年齢的衰えでその企画はなくなった。
また、トラウトマン大佐役はカーク・ダグラスを予定したが、彼は内容を知り断ったという裏話もある。
「ロッキー3」(1982)で、まるでミドル級のような締まった肉体を披露したスタローンは、その逞しさを受け継ぎ、精悍な顔つきと俊敏な身のこなしなどで演ずるアクションシーンは見応え十分だ。
山に潜み、軍や警察にナイフのみで、単独で立ち向かうゲリラ戦も見ものだ。
3作まで出演するドラマのキーマンで、部下の苦悩を理解しようとする、沈着冷静なトラウトマン大佐役のリチャード・クレンナも存在感抜群だ。
また、善人役を演ずると安心するが、ブライアン・デネヒーは、やはり風貌からして憎らしい悪役が似合い、主人公ランボーを相手に熱演している。
州警察の警部役ビル・マッキーニー、ランボーを虐待する巡査部長ジャック・スターレット、保安官補マイケル・タルボット、クリス・マルキー、そして、若き日のデヴィッド・カルーソーなどが共演している。