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ファイト・クラブ Fight Club (1999)

1996年に発表された、チャック・パラニュークの小説”Fight Club”を基に製作された作品。
過激な行動に魅せられていく男達の生き様を描く、監督デイヴィッド・フィンチャー、主演エドワード・ノートンブラッド・ピットヘレナ・ボナム=カーターミート・ローフジャレッド・レト他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ブラッド・ピット / Brad Pitt 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:デイヴィッド・フィンチャー

製作
アート・リンソン
セアン・チャフィン
ロス・グレイソン・ベル
原作:チャック・パラニュークFight Club
脚本:ジム・ウールス
撮影:ジェフ・クローネンウェス
編集:ジェームズ・ヘイグッド
音楽:ダスト・ブラザーズ

出演
ナレーター:エドワード・ノートン
タイラー・ダーデン:ブラッド・ピット
マーラ・シンガー:ヘレナ・ボナム=カーター
ロバート”ビッグ・ボブ”ポールセン:ミート・ローフ
リチャード・チェスラー:ザック・グルニエ
エンジェル・フェイス:ジャレッド・レト
アーヴィン:ポール・ディロン
メカニック:ホルト・マッキャラニー
リッキー:アイオン・ベイリー
スターン刑事:ソム・ゴッサムJr.
ステフ:エバン・ミランド
クロエ:レイチェル・シンガー
トーマス:デヴィッド・アンドリュース
ジェイコブズ警察署長:レナード・テルモ
空港の警備員:ボブ・スティーブンソン
医師:リッチモンド・アークウェッド
演説の男:シドニー”ビッグ・ドーグ”コルストン
グループ・リーダー:クリスティーナ・キャボット
ウェイター:エドワード・コワルジク

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1999年製作 139分
公開
北米:1999年10月15日
日本:1999年12月11日
製作費 $63,000,000
北米興行収入 $37,030,100
世界 $100,853,750


アカデミー賞
第72回アカデミー賞

・ノミネート
音響編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
”ナレーター”(エドワード・ノートン)はタイラー・ダーデンに脅され、周囲のビルを爆弾で跡形もなく爆破する”メイヘム(騒乱)計画”が迫る中、銃、爆薬、革命計画の全ては、マーラ・シンガーが原因だと考える。
__________

睾丸ガン患者のサポート・グループで知り合った大男のロバート”ビッグ・ボブ”ポールセン(ミート・ローフ)は、ホルモンの療法の影響で乳房ができていた。

会合に参加したナレーターは、そんなボブに抱きしめられる。
__________

自動車会社のリコール調査員であるナレーターは、デザイン家具やブランド衣類などを買い揃え、理想の生活空間の中で暮らしていたものの、この半年、不眠症で悩んでいた。

医師(リッチモンド・アークウェッド)の診察を受けたナレーターは、不眠症では死なないと言われて、薬を処方してもらえない。
...全てを見る(結末あり)

医師から、睾丸患者の会合に出てみるようにと勧められたナレーターは、そこには本当の苦しみがあると言われる。

会合に出席して”コーネリアス”という名札を付けたナレーターは、涙目のボブに出会い彼に抱きしめられる。

苦しみを告白し合い涙したナレーターは、赤ん坊のように眠ることができた。

それが癖になったナレーターは、アルコール依存症や過食症などで悩む者の会合に参加する。

ボブの胸の中で泣くことが至福の時間だったナレーターだったが、ある日、それをぶち壊す人物が現れる。

女にも拘わらず睾丸ガン患者の会に参加したマーラ・シンガー(ヘレナ・ボナム=カーター)は、病気でもないのに、ナレーターも参加する他の会合にも顔を出した。

自分が病気でないことを見破っているような目つきのマーラのせいで、ナレーターは再び不眠症になる。

ある会合でマーラに話しかけて、死にかけているわけでもない彼女に意見したナレーターは、自分のこともバラすと言われる。

よそに行ってほしいと頼んだナレーターはマーラに相手にされないため、グループ分けをして別々に参加することを提案して同意し、連絡先を教えてもらい別れる。

事故車の検証などで各地を飛び回るナレーターは、ある日、旅客機の機内で隣に座った、石鹸の製造販売をしていると言う風変わりな男タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)と出会う。

アパートに戻ったナレーターは、自分の部屋が爆発したことを知り愕然とする。

路上に落ちていたマーラの連絡先のメモを見つけたナレーターは、彼女に電話をするものの留守だったために、タイラーに連絡する。

バーでタイラーと会ったナレーターは、アパートが爆発したことを話し、完璧など目指す必要はなく自然に生きろと助言され鵜。

店を出てホテルを探そうとしたナレーターは、家に泊めてくれると言うタイラーに感謝する。

タイラーから、自分を殴ってほしいと言われたナレーターは驚く。

人が眠っている時に働くタイラーは、バイトで映写技師もしていたが、子供が観る動物アニメ映画のどこかに、一コマだけポルノ映像を入れて楽しんでいた。

また、ホテルの宴会場でウェイターもしていたタイラーは、スープに尿を混ぜたりもした。

殴り合い格闘をしたナレーターとタイラーは、取り壊しを待つ彼の家に向かう。

水もまともに出ないその場所に1年前から住んでいるタイラーは、ナレーターを部屋に案内する。

そこで暮らし始めたナレーターは、土曜の夜にバーの駐車場でタイラーと殴り合い、その後、それに加わるものが増える。

ファイトの後は周囲の雑音が消えるナレーターは、タイラーから誰と闘いたいか訊かれ、上司のリチャード・チェスラー(ザック・グルニエ)だと答える。

土曜の夜が待ち遠しくなったナレーターは、”ファイト・クラブ”のことは決して口外しないなど、タイラーと共に新しいルールを作り、バーの地下で闘いを続ける。

ある日、マーラからの電話を受けたナレーターは、最近、会合に出ていないことなどを訊かれる。

睡眠薬を一瓶飲んだマーラから、死の実況放送を話すと言われたたナレーターは、受話器を上げたままその場を離れ、その後、彼女と愛し合った夢を見る。

翌朝、マーラがいたためにに驚いたナレーターは、ここで何をしているのか尋ねる。

気分を害したマーラはその場を去り、ナレーターは、起きて来たタイラーが彼女と愛し合ったことに気づく。
__________

マーラと話していたナレーターが受話器を上げたままその場を離れたため、それに気づき対応したタイラーは彼女のホテルに向かう。

タイラーからマーラのことを訊かれたナレーターは、彼女のことは嫌いだと伝える。

マーラには自分のことを話すなとナレーターに伝えたタイラーは、それを約束させる。

その後もナレーターは、夜な夜な激しく愛し合うタイラーとマーラが気になる。

禁煙を無視し、傷だらけの顔に乱れた服装をリチャードから注意されたナレーターは、今日は帰り月曜日に身なりを整えて出社するようにと指示される。

家に戻ればタイラーとマーラの喘ぎ声が気になるナレーターは、警察の放火課のスターン刑事(ソム・ゴッサムJr.)からの連絡を受ける。

アパートの爆発事件で、誰かが入り口にフレオンを吹きつけて鍵を打ち砕いた形跡があると言われたナレーターは、自家製の爆発物が使われたことも知らされる。

マーラは出て行ってしまい、それを気にしないタイラーは、石鹸作りをすると言って痩身クリニックに向かい、ゴミ箱の中の人間の脂肪を持ち去る。

それを家で精製したタイラーは、爆薬を作る方法もナレーターに教える。

タイラーから硝酸を手に振りかけられたナレーターは痛みに堪え、それを克服させられる。

出来上がった石鹸はデパートに1個20ドルで売れるのだが、金持ちの女性が自分の脂肪を買い戻すということになる。

コピー機にファイト・クラブのルールの原稿を置き忘れていたことでリチャードに質問されたナレーターは、自分なら、それを置いた者は危険な奴だと考え黙っていると伝えて原稿を奪い取る。

マーラからの電話を受けたナレーターはリチャードに外してもらい、胸にシコリガあると言う彼女に会い、それを確かめる。

シコリはないと伝えたナレーターは、マーラに感謝されてその場を去る。

ホテルの入り口でボブに出くわしたナレーターは、彼がファイト・クラブに参加していることを知り、自分もメンバーだと伝えて、その後、二人は共に闘いを楽しむようになる。

ある日、ルールを破った者がいると参加者に話していたタイラーは、現れたバーのオーナーのルーを侮辱したために叩きのめされる。

反撃したタイラーはルーを痛めつけて、その場を使ってもいいことになる。

メンバー全員に宿題を出したタイラーは、見知らぬものに喧嘩を売り負けるようにと指示する。

リチャードと話したナレーターは、自社の車の欠陥を指摘し、自分を社外コンサルタントにしてくれれば、その件は口外しないと伝える。

憤慨したリチャードは警備員を呼ぶが、ナレーターが自分自身を殴ったために驚く。

ナレーターから、小切手を切れば二度と顔を出さないと言われたリチャードは、現れた警備員に、ナレーターを殴っていたように思われる。

電話、コンピューター、ファックス、1年分の給料、特待航空券48枚を手に入れたナレーターは退社し、それにより、ウィークデーもファイト・クラブを開けるようになった。

その後もタイラーは、新たな宿題を封筒に入れてメンバーに渡し、それぞれが悪事を働き、それが新聞記事になる。

無謀なタイラーの行動だったが、人間は職業や財布の中身で決まるわけでもないという考えは、それなりに筋が通っていた。

家にいたマーラと話したナレーターは火傷のことなどを訊かれ、タイラーのことは決して誰にも言わないと約束していたので何も語らなかった。

若過ぎるリッキー(アイオン・ベイリー)や年をとり過ぎて胸もデカいボブ、エンジェル・フェイス(ジャレッド・レト)などをメンバーに加え、”スペース・モンキーズ”という軍団を作ったタイラーだったが、ナレーターにはその目的が分からなかった。

ファイト・クラブが起こした治安を乱す犯罪事件を重く見るジェイコブズ警察署長(レナード・テルモ)は、断固取り締まることをマスコミに伝える。

余りの馬鹿げた行動に驚くナレーターは、メンバーが行ったことか確かめようとするが、タイラーは、メイヘム(騒乱)計画の第一のルール”何も尋ねるな”と伝える。

治安維持に関する集会に出席していたジェイコブズ署長は、トイレに向かうために席を立つ。

ウエイターに扮していたタイラーらに襲われた署長は、睾丸を切り落とされそうになる。

取締をやめて、謎のグループの話も撤回するようにと言われて脅された署長は、それに従うしかなかった。

やり過ぎだとしか思えないナレーターは、除け者にされたように思う。

エンジェル・フェイスと闘ったナレーターは、彼を徹底的に叩きのめす。

空港の警備員(ボブ・スティーブンソン)が盗んできた車にタイラーと共に乗ったナレーターは、メイヘム計画とは何かを問う。

”質問はするな”というルールを伝えたタイラーは、地下から地上に出る計画の開始だと伝える。

ファイト・クラブは自分だけのものではないと言われたタイラーは、誰のものでもないと伝えて対向車とぶつかりそうになる。

相談ぐらいはするべきだと伝えたナレーターは、頭を入れ替えて、人生、友情、自分とおまえなど、根本から考え直すようにと言われるものの、タイラーが話す意味が理解できない。

後部座席のリッキーとメカニック(ホルト・マッキャラニー)に、死ぬ前に何がしたいと尋ねたタイラーは、自画像と家造りだと言われる。

ナレーターから、一方通行の車線から元に戻るようにと指示されてもタイラーは従おうとしない。

このまま死にたいのかと言われたナレーターは、衝突しそうになったために、ファイト・クラブを批判してマーラも死ねと叫ぶ。

ハンドルから手を話したタイラーは、アパートがなぜ爆破されたかをナレーターにを問う。

流れに任せてあがくのはやめろと言われたナレーターは納得し、車は衝突して横転する。

家に運ばれたナレーターは、翌朝、タイラーが姿を消したことに気づく。

組織化されたスペース・モンキーズの中で、居場所がない思いをしたナレーターは、全て計画通りだとエンジェル・フェイスから知らされる。

タイラーのことを尋ねたナレーターは、エンジェル・フェイスが第一のルールを確認したために、それ以上、何も追求しなかった。

家を訪ねたマーラは、ナレーターから、タイラーはもういないと言われたために、何も語らずにその場を去る。

騒ぎに気づいたナレーターは、壊した広場の彫刻でカフェを破壊する”一石二鳥”作戦は成功したものの、駆け付けた警官にボブが撃たれたことをメカニックから知らされる。

証拠を隠すために裏庭に埋めることをエンジェル・フェイスが提案するものの、それを制止したナレーターは、ボブは証拠ではなく自分の親友だと伝える。

メイヘム計画に参加する者は名前がないと言われたナレーターは、彼の名はボブ・ポールセンだと伝え、納得したスペース・モンキーズはその名を呼び続ける。

混乱するナレーターはタイラーを捜そうとするが、彼の部屋の引き出しから、何枚もの使用済みの航空チケット見つける。

スターン刑事からの電話を受けたナレーターは、明日、署に出頭するよう指示される。

それを無視したナレーターは、航空券を頼りに各地を回り、タイラーを捜す。

ゆく先々でタイラーがファイト・クラブを作っていたことを知ったナレーターだったが、タイラーの居場所が分からないまま、3年ごとに顔を整形して誰も顔を知らないとも言われる。

あるバーのバーテンダーから、来たのは二度目であり、自分がタイラーだと言われたナレーターは、マーラに電話をする。

愛し合ったことを確認したナレーターは、自分がタイラーだと言われる。

その場に現れたタイラーから、約束を破り自分のことをマーラと話したことを責められたナレーターは、何が起きているのかを彼に尋ねる。

皆が自分のことをタイラーだと思う理由を尋ねたナレーターは、考えるようにと言われる。

自分達は一人なのかと尋ねたナレーターは、その通りだと答えるタイラーから、生き方を変えたいが一人では無理であり、理想像が自分だと言われたため、納得するしかなかった。

愛し合ったマーラは知り過ぎたので問題だと言うタイラーは、計画の邪魔をさせないように始末するとナレーターに伝える。

入れ替わる人格の話をしたナレーターは眠ってしまい、ホテルをチェックアウトする際に、夜中に何件もの電話をかけたことを知る。

家に戻ったナレーターは、自分が爆薬を作り、電話をかけたビルを爆破しようとしていることに気づく。

街角でマーラを見つけたナレーターは話をして、自分達の関係が大切なことに気づいたことを伝える。

苛立つマーラに謝罪したナレーターは、命を狙われているため街を出るようにと指示する。

大声を出してナレーターを黙らせたマーラは、病気だと言って治療が必要だと伝える。

限界だと言うマーラーはその場を去り、彼女を追ったナレーターはバスの前に立ち停車させる。

マーラに金を渡したナレーターは、奴らが狙っていると伝えて彼女をバスに乗せ、少なくとも2、3日は都会に近づくなと伝える。

あなたは悪運の神だと言われたナレーターは、バスに乗り去っていく彼女を見つめる。

警察署に向かったナレーターは、街の治安を乱したテロリスト・グループのリーダーである自分を逮捕してほしいと伝える。

スターン刑事と話したナレーターは、グループの拠点である家のことなどを話す。

クレジット会社の本社ビルを爆破するために爆薬を製造したと伝えたナレーターは、その理由を訊かれ、カードの記録が消えれば借金がなくなり大混乱が起きると答える。

電話をしてくると言うスターンは席を立ち、その場にいたファイト・クラブのメンバーだった刑事達はナレーターに敬意を表する。

ナレーターは、素晴らしい考えであるメイヘム計画を阻止する者は、自分でも痛めつけると言われる。

刑事達に迫られたナレーターは、計画は中止だと指示を出すものの信じてもらえず、押さえつけられる。

一人の銃を奪ったナレーターは、その場から逃れて走り去る。

無人のビルに向かい、タイラーの幻覚を見ながら駐車場で怪しげなバンを見つけたナレーターは、仕掛けられた爆弾の起爆装置を解除しようとする。

現れたタイラーから、10のビルに爆弾を仕掛けたことを知らされたナレーターは、いつから殺人計画を考えたと尋ねるものの、全て無人のビルだと言われる。

起爆装置を解除したンレーターは、襲い掛かってきたタイラーに銃を向けて発砲するものの、彼は死なない。

叩きのめされたナレーターは、ある部屋に連れて行かれて銃を向けられ、その場で金融街が崩れ去る様子を見せられることになる。

窓の外を見たナレーターは、止まったバスから降りたマーラがスペース・モンキーズに連れて来られる姿を確認し、タイラーから、これで全て片が付くと言われる。

降りるつもりのナレーターに、お前はもう存在しないと伝えたタイラーは、幻覚なら追い払えると言う彼に、お前が自分を創ったので、その責任をとってもらうと伝える。

それを認めたナレーターは、計画は中止してほしいと伝えるものの、タイラーは遣り遂げる考えを変えない。

やり過ぎだと言うナレーターは、これは幻覚だと言い聞かせて、タイラーが持つ銃は自分が持っていると考える。

銃を手にしたナレーターは、銃口を口に入れて引き金を引く。

タイラーは倒れて姿を消し、そこに現れたメカニックらは、傷ついたナレーターを見て驚く。

マーラが連れて来られたため、ナレーターは、メカニックらに下に行っているようにと指示する。

ナレーターの顔の傷を見て驚くマーラは、これからは全てよくなると言われる。

次の瞬間、周囲のビルは爆破されて崩壊し、それを見ながらマーラの手を握ったナレーターは、出会うタイミングが悪かったと伝える。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
自動車会社のリコール調査員の”ナレーター”は不眠症で悩み、ガン患者の会合に参加することを勧められる。
ボブに出会い心癒されるようになったナレーターだったが、患者でもない女性マーラの存在を鬱陶しく思い再び不眠症になる。
そんなナレーターは、出張中のフライトの機内で石鹸製造販売をしている風変わりな男タイラー・ダーデンと知り合う。
アパートが爆破されたことを知ったナレーターは、愕然としながらタイラーに連絡して、彼の廃墟のような家で同居することになる。
タイラーと共に”ファイト・クラブ”という殴り合いをするグループを作ったナレーターは、それにより充実した日々を送れるようになる。
ところが、タイラーの指示で過激化したグループは、治安を乱す集団”スペース・モンキーズ”として組織され、やがて、彼が考えるメイヘム(騒乱)計画の準備が進められる・・・。
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セブン」(1995)で世界中に衝撃を与えたデイヴィッド・フィンチャーが、再びブラッド・ピットと組んだ犯罪ドラマ。

闇の世界のような現実離れした空間や幻覚に惑わされる主人公が混乱していく様子を、その過激な暴力映像などで幻想的に表現する、デイヴィッド・フィンチャーの独特の世界観で描かれた力作として見応えがある。

第72回アカデミー賞では、音響編集賞にノミネートされた。

主人公は自動車会社のリコール調査員であり、名前が明らかにされていない人格が入れ替わる悩める男性という設定なので、少々難解な内容だ。

それが理由か、暴力描写を受け入れられない人々が多かったのかは不明だが、注目作品であったにも拘らず、北米興行収入は約3700万ドル、全世界では1億ドルに達するものの、スタッフやキャストを考えるとやや物足りない結果に終わった。

批評家の評価もそれほど高くなく、公開当初は興行的にも不振で、その後、徐々に評価が上がり、注目度が低かった原作も脚光を浴びたという経緯がある。

悩める自動車会社のリコール調査員から、知らぬうちにテロ・グループを組織するリーダーとなる男性を好演するエドワード・ノートンと、彼の誘導役のような、主人公自身が創り出した幻覚を怪演するブラッド・ピットの熱演は見ものだ。

主人公の二人に関係する謎の女性ヘレナ・ボナム=カーター、主人公とガン患者の会で出会い癒しを与える親友のミート・ローフ、主人公の上司ザック・グルニエ、テロ軍団”スペース・モンキーズ”のメンバー、ジャレッド・レトホルト・マッキャラニーアイオン・ベイリー、”ファイト・クラブ”が行われるバーのバーテンダー、ポール・ディロン、放火課の刑事ソム・ゴッサムJr.、警察署長のレナード・テルモ、空港の警備員のボブ・スティーブンソン、医師のリッチモンド・アークウェッド、ガン患者の会のリーダー、クリスティーナ・キャボット、レストランのウェイター、エドワード・コワルジク、他デヴィッド・アンドリュースなどが共演している。


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