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パパが遺した物語 Fathers and Daughters (2015)

事故で妻を亡くし病気で苦しむ作家と幼い娘の絆を描く、監督ガブリエレ・ムッチーノ、製作総指揮、主演ラッセル・クロウアマンダ・セイフライドカイリー・ロジャーズアーロン・ポールダイアン・クルーガークヮヴェンジャネ・ウォレスオクタヴィア・スペンサージェーン・フォンダブルース・グリーンウッド他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ラッセル・クロウ / Russell Crowe 作品一覧
ラッセル・クロウ / Russell Crowe / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
製作
ニコラス・シャルティエ
クレイグ・J・フローレス
シェリル・クラーク
製作総指揮
ラッセル・クロウ
キース・ロジャー
リチャード・ミドルトン
ロミルダ・デ・ルーカ
脚本:ブラッド・デッシュ
撮影:シェーン・ハールバット
編集:アレックス・ロドリゲス
音楽:パオロ・ブォンヴィーノ

出演
ジェイク・デイヴィス:ラッセル・クロウ
ケイティ・デイヴィス:アマンダ・セイフライド
ケイティ・デイヴィス(幼少期):カイリー・ロジャーズ
キャメロン:アーロン・ポール
エリザベス:ダイアン・クルーガー
テディ・スタントン:ジェーン・フォンダ
ウィリアム:ブルース・グリーンウッド
コールマン博士:オクタヴィア・スペンサー
ルーシー・カーター:クヮヴェンジャネ・ウォレス
キャロライン:ジャネット・マクティア
キャメロンのアパートの部屋にいた女性:ミシェル・ヴェインティミラ
ジョン:ライアン・エッゴールド
ローラ・ガーナー:ポーラ・マーシャル

アメリカ/イタリア 映画
配給
Vertical Entertainment
Elevation Pictures
2015年製作 116分
公開
イタリア:2015年10月1日
北米:2016年7月8日
日本:2015年10月3日
製作費 $22,400,000
世界 $5,587,710


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク、1989年。
ピューリッツァー賞受賞作家のジェイク・デイヴィス(ラッセル・クロウ)は、娘のケイティと共に、亡くなった妻パトリシアのことを想う。

車を運転中に、浮気の件でパトリシアと口論になったジェイクは事故を起こし、彼女は亡くなり自分も重傷を負った。

同乗していたケイティは無傷だったものの、ジェイクは脳の損傷により後遺症が残り、度々、発作が起きた。

医師から正気を失う可能性を指摘されたジェイクは、精神病院に入院することを勧められる。

ケイティをパトリシアの姉エリザベス(ダイアン・クルーガー)と夫ウィリアム(ブルース・グリーンウッド)に預けることにしたジェイクは、悲しむ彼女と別れる。

7か月後。
退院したジェイクは、迎えに来てくれたエージェントのテディ・スタントン(ジェーン・フォンダ)に送ってもらい自宅に戻る。

ケイティを迎えに行ったジェイクは、彼女との再会を喜び、エリザベスとウィリアムに歓迎される。

ケイティを部屋に向かわせてジェイクと話したエリザベスは、疎遠だったパトリシアのことを話題にする。

話を遮ったウィリアムは、このままケイティを預かり、社会復帰が出来たら返すという提案をジェイクにする。

それを断り帰ろうとしたジェイクは、エリザベスから、ケイティを養女にしたいと言われ、ウィリアムからは、裕福なうちなら困らないと説得される。

話を聞く気がないジェイクは、ケイティを連れてその場を去る。

25年後。
大学で心理学を学んだケイティ(アマンダ・セイフライド)は、ソーシャルワーカーの仕事していた。
...全てを見る(結末あり)

そんなケイティは、ある悩みを抱えながら、見境なく男を求めていた。

ある日ケイティは、上司のコールマン博士(オクタヴィア・スペンサー)から、家庭環境に恵まれない少女ルーシー・カーター(クヮヴェンジャネ・ウォレス)のケアを任される。

売春婦だった母親が死んで以来、1年間も口をきかないというルーシーに会ったケイティは、何を問いかけても話してもらえなかった。

キャロライン(ジャネット・マクティア)のセラピーを受けたケイティは、好きでもない男と寝てしまうことで悩み、誰かを好きになったら相手を後悔させてしまうと考える。

その夜もバーで学生のブライアンから声をかけられたケイティは、車の中で彼と愛し合う。
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ウィリアムに会ったジェイクは、再びケイティの話をされ、転校させるべきではないと言われるものの、私立に通わせる金がないことを伝える。

手が震え始めたジェイクは席を立ち、トイレに向かい発作を起こす。
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ルーシーと面会して話をしたケイティは、ピンクの自転車を描きながら、小さい時に持っていたと彼女に伝える。

自転車に乗れるかと尋ねたケイティは、いつか公園で乗り方を教えると話しかけるものの、ルーシーは何も答えない。

ルーシーが何も話さず進展がみられないために、コールマンは他の医師に任せることを決めるが、ケイティが納得しないために、1週間だけ待つことにする。
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公立学校に向かい校長のローラ・ガーナー(ポーラ・マーシャル)と話をしたジェイクは、ケイティの受け入れは無理だと言われるものの、教師の子供は優遇されることを知っていたため、自分が教える条件で何とか彼女を説得する。

来週からケイティは学校に通い、ジェイクは新作の執筆を始める。

原稿を書いていたジェイクは、エリザベスからの電話を受けて、ケイティと共に夕食に誘われるものの、仕事中だと言って彼女を相手にしない。

テディのオフィスに向かったジェイクは、書き上げた新作”苦いチューリップ”の原稿を最高傑作だと言って渡し、破産したことを伝える。
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ルーシーと公園に向かいベンチに座って話したケイティは、何も語らないものの、彼女から手を握ってきたために驚く。

そのことをコールマンに話したケイティだったが、ルーシーが何も話していないために、別の医師に任せることが決まってしまう。

そのことをケイティから知らされたルーシーは、別れを告げる彼女に、他の医師は嫌、あなたといたいと伝える。

ケイティを学校に迎えに行ったジェイクは、本が売れたことを伝え、何でも買ってあげると伝える。

ピンクの自転車を買ってもらったケイティは、公園でジェイクに乗り方を教えてもらう。

帰宅したジェイクは、絵を描くケイティと共に、”(They Long to Be) Close to You”を歌いながら楽しい時を過ごし、幸せを実感する。

次回作を執筆しているジェイクから、自分のことを書いていたと言われたケイティは、”娘をポテトチップと呼んでいた・・・”という文章を知り、自分たちの物語にしてほしいと伝える。

自分の娘は天才だと、ジェイクはケイティに伝える。
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バーにいたケイティは青年キャメロン(アーロン・ポール)から声をかけられ、自分が尊敬する作家が父親ではないかと訊かれる。

その噂が本当か分からないまま、キャメロンはケイティと話をする。

作家は”父と娘”の著者だと言われたケイティは、有名な本だとキャメロンに伝える。

自分の人生を変えた本だと言うキャメロンは、自己紹介してケイティのフルネームを知り、彼女がジェイク・デイヴィスの娘だということを確認して驚く。

その後もキャメロンと話をしたケイティは、仕事は問題児を扱うソーシャルワーカーだと伝え、彼がフリーのライターで処女作を執筆中であることを知る。

家まで送ってもらったケイティは、キャメロンと翌日、一緒に走る約束をして別れる。
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新作”苦いチューリップ”が出版されて朗読会が開かれ、それに出席したジェイクは、著書にサインをする際に手が震え始める。

席を立ち別室に向かったジェイクは、発作を起こす。
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キャメロンと親交を深めたケイティは、自然に惹かれ合うようになる。
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新作の書評が最悪であることをテディから知らされたジェイクは、今後のことを考えると不安になる。

エリザベスの誕生パーティーに招待されたジェイクは、気が進まないままケイティと共に出席する。

ウィリアムと話したジェイクは、新作の酷評や手の震えのことに触れる彼の言葉に苛立つ。

ケイティの世話はできない男であり、父親として失格だと言われたジェイクは、ウィリアムに手を出してしまう。

新作を書き上げるしかないジェイクは、ケイティの面倒を見ながら必死に生活を続けるしかなかった。
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ケイティは、かつて父がしてくれたように、ルーシーにピンクの自転車をプレゼントして、公園で乗り方を教える。

キャメロンと愛し合うようになったケイティは、彼に”父と娘”の原本を渡し、大切なものだと言って遠慮する彼に、幸運を呼ぶものだと伝える。

誕生日にジェイクと自転車に乗り、ダイナーで祝ってもらったケイティは、博物館で母親と少女の姿を見る。

ジェイクは、母を想い涙するケイティに、自分も恋しいと言いながら、ママはいつもそばにいて見ていてくれると伝える。

自分も死んでしまうのかと訊かれたジェイクは、長く生きて成長を見届けるとケイティに伝えて、それを約束する。

その後、ケイティを養女にすることを諦めないエリザベスとウィリアムから訴えを起こされたジェイクは、親権専門の弁護士を雇い争おうとする。

ウィリアムに会ったジェイクは、ケイティのためを思う処置だと言われ、弁護士の話では自分に有利だと伝える。

パーティーの暴行は数十人が目撃し、新作は酷評され経済的にも追い詰められている状況を話すウィリアムは、自分には資産もあり、負けても何度でも上訴できるとジェイクに伝える。

母を失い悲しむ子から、愛する父親まで奪おうとしていると言って、ジェイクはウィリアムを非難する。

バーでキャメロンと飲んでいたケイティは、彼が席を外している間に、以前、一度だけ関係した酔ったジョン(ライアン・エッゴールド)に絡まれる。

戻ったキャメロンは、尻軽女だと言ってケイティを侮辱するジョンを追い払う。

家に戻り話し合ったキャメロンは、悩みを抱えている様子のケイティに、過去のことだと言って励ます。

母親の誕生会が開かれることをケイティに伝えたキャメロンは、彼女を誘いその場に向かう。

心の準備ができないケイティは、行けないと言ってその場を去りタクシーに乗ってしまう。

ケイティを追ってタクシーに乗ったキャメロンは、心理学者であるにも拘らず、何かに怯え恐れる彼女を責める。

どういう関係か分からない、疲れたと言うキャメロンは、タクシーを降りたケイティを追う。

キャメロンは、恋人でいるのにどうしていいか分からない言う、動揺するケイティを抱きしめる。
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棄却請求が却下されたことを弁護士から知らされたジェイクは、裁判で決着をつけるための費用として2万5000ドルを用意するよう指示される。

銀行に向かったジェイクは、融資を受けようとする。

財政的に行き詰ったジェイクは、新作を仕上げるしかないと考え、寝食を忘れて原稿を書き、ケイティの世話がおろそかになる。

仕事の邪魔をするケイティを叱ってしまったジェイクは、精一杯やっていると言って、理解してくれた彼女を抱きしめる。
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愛している者がすべて去るわけではないと言って、ケイティを納得させようとするキャメロンは、頭ではわかっても心で理解できないと話す彼女から、他の単純な女性を探すことを提案されものの、君といたいと伝える。

それでも心の整理がつかないケイティは、バーで男を誘ってしまい愛し合う。

それを知ったキャメロンはショックを受け、ケイティを見限りその場を去ろうとする。

謝罪して追ってくるケイティを突き放したキャメロンは、車に乗り走り去る。

再び男を求めたケイティは、ジュークボックスから流れる”(They Long to Be) Close to You”を聴き、父ジェイクのことを想いだす。

その後、ルーシーが養子になったことをコールマンから知らされたケイティは、クイーンズで暮らす彼女は別のソーシャルワーカーが担当すると言われて戸惑う。

ルーシーに会ったケイティは、別れることが不安な彼女に家族の話をする。

ケイティは、愛していた父は作家で、病気にも拘わらず本を書き上げるために無理をして、結局それが最後の本になったとルーシーに伝える。

本の内容は決して娘を離さなかった父親の話であり、どんなに自分を愛していたか、そして別れていくかが書かれていたことを話すケイティは、ルーシーを励まし、辛いことがあっても諦めないようにと伝える。

愛している、いい子でいてほしいてほしいと言われたルーシーは、ケイティにそれを約束する。
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弁護士から、勝ったと言われたジェイクは、秘書と不倫関係にあったウィリアムが相手を妊娠させたため、エリザベスが離婚を決意し訴えを取り下げたことを知らされる。

”父と娘”の原稿をテディに渡したジェイクは、たった3か月で仕上げたことに驚く彼女から傑作かと訊かれ、わからないと答える。

テディから、前回、ピューリッツァー賞を受賞した時と同じ返事だと言われたジェイクは、何も言わずにその場を去る。

ケイティのためにジェイクが無理をしたこと考えると辛いテディは、彼のことを心配する。

その夜、ケイティを寝かしたジェイクは、バスルームで発作を起こし、ヒーターで後頭部を強打して意識を失う。

ジェイクの葬儀が行われ、エリザベスとテディに付き添われたケイティは、棺の前で父に別れを告げる。
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電話をしても出てくれないキャメロンのアパートに向かったケイティは、愛していると言って、あなたなしでは生きていけないと伝える。

その場にいた女性(ミシェル・ヴェインティミラ)は二人を気遣い、キャメロンは友人だとケイトに伝える。

動揺するケイティはキャメロンに感謝し、その場を去る。
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ジェイクの”父と娘”はベストセラーとなり、二度目のピューリッツァー賞を受賞する。

授賞式でテディは、エリザベスと共に出席したケイティの前でスピーチする。
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その後、エリザベスを尋ねたケイティは、自分は愛を知らない厳しい人間だったと言う彼女の話を聞く。

エリザベスは、”男は愛がなくても生きていけるが、女は違う・・・”とケイティに伝える。

家に戻ったケイティは、その場で待っていたキャメロンに抱きしめられる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク、1989年。
ピューリッツァー賞受賞作家のジェイク・デイヴィスは、運転中に妻と口論になり事故を起こす。
妻は亡くなり、重傷を負ったジェイクは脳に後遺症が残り、幼い娘ケイティを義姉エリザベスの家に預けることになる。
精神病院での7か月の治療後に、ケイティを迎えに行ったジェイクは、エリザベスと夫のウィリアムから、ケイティを養女にしたいと言われるものの、それを断る。
25年後、心理学を学びソーシャルワーカーとして働いていたケイティは、ある悩みにより見境なく男を求めていた。
そんなケイティは、ジェイクを尊敬する青年キャメロンと出会い、愛し合うようになるのだが・・・。
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ウィル・スミス主演の「幸せのちから」(2006)、「7つの贈り物」(2008)などで知られるイタリアの映画監督ガブリエレ・ムッチーノが、製作総指揮を兼ねるラッセル・クロウと組んだ作品。

事故で妻を亡くしたピューリッツァー賞受賞作家が、病気で苦しみながら、幼い娘と暮らすためにすべてを捧げる姿を描くドラマ。

家族の幸せを奪う事故から始まる物語は、主人公が幼い娘と暮らすために必死に努力する姿と、25年の成長した娘の物語が交互に描かれる構成となっている。

病気で苦しみながら、幼い娘と暮らすために必死に生きる主人公を演ずるラッセル・クロウと、25年後、成長して心理学を学ぶものの、愛する者を失ってしまう恐怖感から抜け出すことができない娘を演ずるアマンダ・セイフライドなど、魅力的なキャスティングが注目された作品でもある。
*当然ではあるが、二人が同時に登場するシーンはない。

家族内の問題や考えを掘り下げようとし過ぎる、メロドラマ化した脚本に深みもなく、批評家から好評価は得られず、興行的にも失敗に終わった作品。

母を亡くした悲しみを乗り越え父と共に暮らす、主人公の娘を好演するカイリー・ロジャーズ、尊敬する主人公の娘と愛し合うようになる作家志望の青年アーロン・ポール、主人公の娘を養女にしようとする義姉ダイアン・クルーガー、彼女と同じ考えの夫ブルース・グリーンウッド、ケイティ(アマンダ・セイフライド)がケアする少女クヮヴェンジャネ・ウォレス、ケイティの上司オクタヴィア・スペンサー、主人公のエージェント、ジェーン・フォンダ、ケイティのセラピスト、ジャネット・マクティア、キャメロン(アーロン・ポール)のアパートの部屋にいた女性ミシェル・ヴェインティミラ、ケイティと一度だけ関係した青年ライアン・エッゴールド、公立学校の校長ポーラ・マーシャルなどが共演している。


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