遺伝子操作で人々の”感情”が排除された世界で生きる男女の愛を描く、製作総指揮リドリー・スコット、原案、監督ドレイク・ドレマス、主演ニコラス・ホルト、クリステン・スチュワート、ガイ・ピアース、ジャッキー・ウィーヴァー、デヴィッド・セルビー他共演のSFロマンチック・ドラマ。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:ドレイク・ドレマス
製作
マイケル・シェイファー
マイケル・A・プルス
アン・ロアク
ジェイ・スターン
チップ・ディギンス
製作総指揮
リドリー・スコット
ラッセル・レヴィン
イ・ジェウ
チェ・ピョンホ
原案:ドレイク・ドレマス
脚本:ネイサン・パーカー
撮影:ジョン・ガレセリアン
編集:ジョナサン・アルバーツ
音楽
サッシャ・リング
ダスティン・オハロラン
出演
サイラス:ニコラス・ホルト
ニア:クリステン・スチュワート
ジョナス:ガイ・ピアース
ベス:ジャッキー・ウィーヴァー
レナード:デヴィッド・セルビー
ケイト:ケイト・リン・シール
マーク:スコット・ローレンス
マックス:カイ・レノックス
ゾーイ:レベッカ・ヘイズルウッド
ギリアド:リズワン・マンジ
ピーター:テオ・ユ
アリス:ウマリ・ティラカラトネ
アイリス:オーロラ・ペリノー
ジョージ:トビー・ハス
レイチェル:ベル・パウリー
ドミニク:トム・ストークス
ザ・コレクティブ:クラウディア・キム
アメリカ 映画
配給
A24
DirecTV Cinema
2015年製作 101分
公開
北米:2015年5月26日
日本:2017年3月4日
製作費 $16,000,000
北米興行収入 $33,260
世界 $2,084,630
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
近未来。
世界戦争により地上の99.6%が破壊され。人類を破滅させるのは”感情”だと判断された。
遺伝子操作により感情を排除された人々は、”イコールズ/共同体”で暮らしていた。
人々の行動は立法機関”コレクティブ”の下で監視、統制されていた。
愛情など感情が芽生えた者は、隔離施設”DEN”に収容されて安楽死させられた。
”アトモス”のイラストレーター、サイラス(ニコラス・ホルト)は、役人に拘束された2人の市民を見て、感情を回復させる”スイッチオン症候群/SOS”療法が密かに行われていることを知る。
サイラスは、同僚のニア(クリステン・スチュワート)が、自殺者を見て動揺していることに気づく。
会議中、上司のレナード(デヴィッド・セルビー)からイラストの説明を求められたサイラスは、ニアのことが気になる。
翌日、悪夢を見たサイラスは治療を受けに行き、SOSのステージ2である保険安全局員ジョナス(ガイ・ピアース)に話しかけられる。 診察を受けたサイラスは、陽性でステージ1と診断され、治療することになる。 出社したサイラスは、他の同僚とは違う雰囲気のニアが気になる存在になる。 薬を処方されたサイラスはアパートに戻り、自動的に流れてきた映像で、SOSのことを学ぶ。 その後、サイラスのイラストは感情的になり、ニアへの関心は高まっていく。 会議中に、SOSのステージ1と診断されたことを皆に話したサイラスは、人への感染はしないものの、レナードや同僚たちは心配する。 ニアを尾行したサイラスは彼女に気づかれ、自殺者を見て動揺していた様子を話し、SOSではないかと尋ねる。 それを否定するニアだったが、サイラスは、正常なら自分のことを通報していると言って、彼女がSOSだと確信する。 トイレに向かったニアを追ったサイラスは、動揺する彼女に触れながら慰める。 1年3か月前からSOSだったことを話したニアは、医師の診断は無駄だと思っているとサイラスに伝える。 誰かに知られDENに送られることを恐れるニアは、これ以上、話すのは危険だと言って、治療薬を待つ考えを伝えてサイラスとキスする。 毎夜、就業後にニアとトイレで触れ合うサイラスは、入ってきたレナードに気づき話をする。 ニアのモニターの電源が入っていると言うレナードは、彼女との関係に気づいていたために、監視していたことをサイラスに伝える。 翌日、ニアが待つトイレに行かなかったサイラスは、外で彼女に会い、レナードにバレたことを話す。 辞職するつもりのサイラスは、治療薬の完成を待つしかないとニアに伝える。 サイラスが園芸課に転属された後、ニアは、レナードから新人のドミニク(トム・ストークス)を紹介される。 新しい職場に移ったサイラスは、ある夜、ジョナスに出くわして話をする。 ニアが恋しいと言うサイラスに、ジョナスは、自分も同じような体験をして、1年前に女性と悲しい別れをしたことを話す。 ニアが闇感染者だと知ったジョナスは、自分の仲間であるDENの医師ベス(ジャッキー・ウィーヴァー)も同じだと言って、興味があれば集会に参加することをサイラスに提案する。 それに参加したサイラスは、ベス、ピーター(テオ・ユ)、トーマス、ギリアド(リズワン・マンジ)、マックス(カイ・レノックス)、アリス(ウマリ・ティラカラトネ)を紹介される。 DENの収容者の半数は、スタッフが奨励するために自殺すると言うベスは、サイラスから危険な職場にいる理由を訊かれ、感情がある人といれば、自分を見失わずに生きていけると答える。 SOSの状態が本来の姿だと言うギリアドの意見などを聞いたサイラスは、帰宅して考え込む。 訪ねて来たニアを招き入れたサイラスは、危険を承知で彼女と愛し合う。 その後、SOSの治療薬”ENI”が開発され、ステージに関係なく効果があることが発表される。 ニアを伴いグループに参加したサイラスは、二人でウェリントンに向かうことをジョナスらに伝える。 その場は原生林の生い茂る何もない場所であり、かつて同じような体験をしたベスは、死を選ぶようなものだとサイラスとニアに伝える。 二人に協力する考えのジョナスは、この場から逃げたら二度と戻れないと伝える。 翌日ジョナスは、パイロットのオリヴァーが協力することをサイラスに伝える。 2日後に出発することに決めたサイラスは、ニアに受胎命令がでたことを知り、動揺する彼女に予定通り土曜に決行することを伝える。 クリニックに向かったニアは、感染を知られるのは覚悟していたものの、妊娠していることが分かり驚く。 ニアがDENに連行されたことを知ったサイラスは、ジョナスに助けを求める。 動揺するサイラスから事情を聞いたジョナスは、ベスに連絡するしかないことを伝え、彼を落ち着かせてアパートに帰るよう指示する。 ニアの処置をキャンセルさせたベスは、ジョナスとマックスの元に連れて行った彼女に、自殺したエヴァというステージ3の女性に身分を変えることを伝える。 自分が自殺したことにすると言われたニアは、ベスに案内されてその場から脱出し、アパートで待つサイラスの元に向かう。 サイラスのアパートに着いたニアは、彼が留守だと気づく。 その頃、裏切ったマックスは、ベス、ジョナス、ギリアドを通報して表彰され、サイラスは、それを伝える報告を確認する。 DENに向かったサイラスは、ニアが窒息死したことを知り、絶望して屋上から飛び降りようとする。 思い留まったサイラスはアパートに戻り、ニアがいることを知り彼女を抱きしめる。 サイラスがENI療法を受けたことを知ったニアは、5時間で効果が現れると言われ、彼を気遣う。 翌朝、感情はなくなるものの、ニアは覚えていたサイラスは、愛しているかと訊かれる。 愛していたと答えたサイラスは、もう何も感じないが、決めたことなので予定通り出発するとニアに伝える。 ウェリントン行きの列車に別々に乗ったサイラスは、暫くしてニアの隣に座り、彼女の手に触れる。 自分への感情を思いだしてほしいニアは、サイラスを見つめる。 サイラスは、ニアの手を握り締める。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
近未来。
世界戦争後、人類を破滅させる”感情”を遺伝子操作により排除された世界。
イラストレーターとして働くサイラスは、体調の異常を感じ、感情を回復させる”スイッチオン症候群/SOS”のステージ1と診断される。
感情が芽生えると、隔離施設”DEN”に収容されて安楽死させられるため、サイラスは戸惑う。
そんなサイラスは、同僚にニアが自殺者を見て動揺していることに気づき、彼女が闇感染者であることを知り、危険を承知で互いに惹かれ合うようになるのだが・・・。
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悪と判断された”感情”が遺伝子操作で排除された時代に生きる男女の愛情を描くSFロマンチック・ドラマ。
リドリー・スコットが製作総指揮を担当し、「今日、キミに会えたら」(2011)、「あなたとのキスまでの距離」(2013)などで様々な愛の形を描くドレイク・ドレマスが、原案を兼ねた監督作品。
第72回ヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、ドレイク・ドレマスは”Soundtrack Stars Award”を受賞し、”金獅子賞”、”Green Drop Award”にノミネートされた。
人に感情がないことが正常な社会で愛し合う男女の苦悩と、未来に向けた希望を描くSFドラマということで、近未来の雰囲気を出すための様々な工夫がされている。
まず、物質はシンプルであり、色彩は白が基調でほぼ統一され、日本でもロケが行われた未来的な建築物の映像も興味深い。
その視覚的に上質な仕上がりに比べ、ありふれた内容が足を引っ張っている感じは否めず、批評家の評価は低かった。
死を覚悟しながら苦悩し愛情を選ぶ青年ニコラス・ホルト、彼と愛し合う闇感染者クリステン・スチュワート、主人公に手を貸す保険安全局員のガイ・ピアース、彼の仲間であるDENの医師ジャッキー・ウィーヴァー、同じくカイ・レノックス、リズワン・マンジ、テオ・ユ、主人公の上司デヴィッド・セルビー、主人公の同僚ケイト・リン・シール、スコット・ローレンス、ウマリ・ティラカラトネ、レベッカ・ヘイズルウッド、オーロラ・ペリノー、ベル・パウリー、辞職した主人公の代わりに部署に配属されるトム・ストークス、他トビー・ハス、クラウディア・キムなどが共演している。