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奇人たちの晩餐会 USA Dinner for Schmucks (2010)

フランシス・ヴェベールの監督、脚本による大ヒットしたフランス映画「奇人たちの晩餐会」(1998)のハリウッド版リメイク。
昇進を望むビジネスマンがそのための登竜門である”奇人・変人”の晩餐会に招待され偶然、出会った風変わりな男性と巻き起こす騒動を描く、製作、監督ジェイ・ローチ、主演スティーヴ・カレルポール・ラッドザック・ガリフィアナキス他共演のコメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

スティーヴ・カレル / Steve Carell / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジェイ・ローチ

製作総指揮
サシャ・バロン・コーエン

ジョン・ポール
フランシス・ヴェベール
ゲイリー・バーバー
エイミー・セイアーズ
ロジャー・バーンバウム

製作
ウォルター・F・パークス

ジェイ・ローチ
ローリー・マクドナルド
原案:フランシス・ヴェベール
脚本
マイケル・ハンデルマン
デヴィッド・ギヨン
撮影:ジム・デノールト

編集
アラン・ボームガーテン

ジョン・ポール
音楽:セオドア・シャピロ

出演
バリー・スペック:スティーヴ・カレル

ティモシー・J”ティム”コンラッド:ポール・ラッド
サーマン・マーチ:ザック・ガリフィアナキス
キーラン・ヴォラール:ジェマイン・クレメント
ジュリー:ステファニー・ショスタク
ダーラ:ルーシー・パンチ
ランス・フェンダー:ブルース・グリーンウッド
マーティン・ミューラー:デヴィッド・ウォリアムス
コールドウェル:ロン・リビングストン
ウィリアムズ:ラリー・ウィルモア
ルイス/ダイアン:ジェフ・ダナム
スザンナ:クリステン・スカール
マルコ:クリス・オダウド

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

2010年製作 114分
公開
北米:2010年7月30日
日本:未公開
製作費 $69,000,000
北米興行収入 $72,980,110
世界 $86,406,680


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
投資会社”フェンダー・ファイナンシャル”勤務のティモシー・J”ティム”コンラッド(ポール・ラッド)は、上司がクビになったため、彼のオフィスを奪おうと、同僚スザンナ(クリステン・スカール)に後押しされ意気込む。

会議で、上役達をさて置き、莫大な個人資産を持つスイス人の富豪マーティン・ミューラー(デヴィッド・ウォリアムス)の資産運用を提案したティムだったが、ランス・フェンダー社長(ブルース・グリーンウッド)に却下されてしまう。

その後フェンダーに声をかけられたティムは、コールドウェル(ロン・リビングストン)やウィリアムズ(ラリー・ウィルモア)らも待つ、彼に与えらる可能性のあるオフィスに呼ばれる。

そこでティムは、恒例の晩餐会で、連れて来た奇人・変人を競わせる企画があり、それが昇進の鍵だと知らされて招待を受ける。
...全てを見る(結末あり)

その夜、恋人のジュリー(ステファニー・ショスタク)の元に向かったティムは、彼女にプロポーズする。

キュレーターのジュリーは、ビッグイベントを抱えていたために、その答を保留してしまう。

ティムは、芸術家キーラン・ヴォラール(ジェマイン・クレメント)をジュリーに紹介され、彼の意味不明の解釈に頭を傾げる。

翌朝、スザンナと電話をしながら運転をしていたティムは、道路に飛び出した”IRS”(アメリカ合衆国内国歳入庁)の職員バリー・スペック(スティーヴ・カレル)と接触事故を起こしてしまう。

バリーは幸い怪我もなかったが、ティムは、剥製ネズミのアーティストだという、風変わりな彼に興味を持つ。

その見事な作品に感心したティムは、バリーを晩餐会に同伴してもらおうと考える。

出社したティムは、フェンダーが早速ミューラーを呼び寄せたことを知る。

芸術に興味のあるミューラー夫妻に気に入られたティムは、彼にランチに誘われる。

ティムから、ランチに同伴することを頼まれたジュリーだったが、彼がおかしな男と晩餐会に行くことを知、り気分を害してえ個展の打ち合わせに出かけてしまう。

そこにバリーが現れ、ジュリーを追った拍子に腰を痛めてしまったティムは、晩餐会は明日だと言って彼に帰ってもらおうとする。

無断でパソコンをいじってしまったバリーは、ティムに付きまとう女性ダーラ(ルーシー・パンチ)とのチャットで、彼女に住所を教えてしまう。

それを知ったティムは、憤慨してバリーを追い出すのだが、彼は、現れたジュリーをダーラだと思い込み、追い払ってしまう。

ティムの部屋に戻ったバリーは、キーランの元に向かったというジュリーが、彼と何をしているかを確かめようとする。

ドキュメンタリー監督に扮して、キーランに電話したバリーは、ジュリーが彼の部屋にいることを確認し、ティムと共に現場に向かう。

キーランの部屋に侵入したバリーとティムは、ジュリーがいないことに気づき、それが誤解だと分かる。

部屋に戻ったバリーは、自分が会ったのがジュリーだと知るが、その直後にダーラが現れる。

ひと暴れしたダーラは退散し、ジュリーが忘れていった携帯電話に、キーランからのボイスメールが入る。

ジュリーが、キーランの牧場に誘われていることが分かり、苛立つティムはバリーを追い払おうとする。

しかし、”IRS”の職員のバリーは、所得申告書でキーランの牧場の住所が調べられることに気づく。

バリーの職場に向かったティムは、上司のサーマン・マーチ(ザック・ガリフィアナキス)を紹介される。

しかし、ティムは、結局サーマンに自分の所得内容を調べられ、監査されることになっただけで無駄足に終わる。

ティムはバリーに愛想を尽かすが、彼の元妻がサーマンと密会する現場を目撃してしまう。

気の毒に思ったティムは、仕方なくバリーを自分のアパートに泊めることにする。

バリーのせいで眠れないティムだったが、彼のネズミ・アートを見ると怒る気になれない。

翌日、ミューラーとのランチのため、ティムは、バリーに何もしないように釘を刺して出かける。

ティムは、バリーの携帯電話を間違えて持っていってしまい、スザンナからの電話を受けてしまった彼は、ジュリーを必ず連れて行くよう念を押す、彼女のメッセージを聞いて焦ってしまう。

バリーは、何とかティムに連絡しようとするがそれが出来ず、仕方なく彼らが待ち合わせたレストランに向かう。

現れたバリーはティムの兄に扮し、ダーラをジュリーだと言って連れて来てしまう。

バリーに指輪を見つけられたティムは、ミューラー夫妻の前で、ダーラにプロポーズすることになってしまう。

そこに、スザンナから連絡を受けたジュリーが姿を現し、彼女は憤慨してティムを見限り、キーランの牧場に向かってしまう。

ティムは、ダーラにポルシェも壊されてしまい、バリーに全て責任があると言って彼を責める。

ジュリーを追った二人は、キーランの牧場に着き、ティムは彼女と話し合い、そしてバリーは、キーランと意味不明な会話を交わす。

バリーのせいだと弁解するティムだったが、ジュリーは納得しなかった。

それを聞いていたバリーも傷ついてしまい、ティムは謝罪して夜の晩餐会に備える。

フェンダーからの電話を受けたティムは、ミューラーとも話して、バリーが同伴者だと知り、再会を楽しみにしていると言われる。

予想外の展開に戸惑いながら、ティムは一人で晩餐会に向かうが、既にその場に来ていたバリーは、でミューラーを相手に会話を弾ませていた。

バリーは、友人だからこそ来たことと、ティムの失言は水に流すことを伝える。

そして晩餐会は始まり、何人もの奇人・変人が集まる中、いよいよバリーの番になり、見事なネズミの剥製アートで、様々な歴史上の出来事や人物を紹介する。

最後にバリーは、ティムと出合った際、道路で拾ったネズミで作った”夢追い人”の彼が、恋人と結婚できることを願ったアートを披露し、夢は叶うと言って出席者から拍手を受ける。

しかし、コールドウェルが、間違いなく自分を上回る変人のサーマンを紹介したため、バリーは焦ってしまう。

サーマンに、マインド・コントロールされたバリーだったが、それを見たティムは、彼に、これがおかしな者達を笑いものにする会だと知らせて謝罪する。

サーマンの勝ちを認めようとしたバリーだったが、ティムに励まされる。

バリーは、サーマンの脳を操作すると言って戦いを挑み、見事に彼をコントロールしてしまう。

サーマンは退散し、そしてフェンダーは、バリーに勝者カップを渡す。

ミューラーとの関係も約束され、フェンダーはティムの功績を称えるが、彼はそれに意見する。

ティムは、この会が、連れて来られた者を笑いものにするのが目的だと、皆の前で話してしまう。

ミューラーは、自分が馬鹿にされたと言ってフェンダーに言い寄るが、暴れだした盲目の剣士マルコ(クリス・オダウド)に指を切り落とされてしまう。

その指を、そこにいた禿鷹が持ち去り大騒動となり、ティムは鷹を逃がしてしまう。

アパートに戻ったティムは、ジュリーが去ったことを知り落ち込み、それを慰めるバリーに、彼女に認められたくて、必死にやったことだったと語る。

部屋に戻ってきたジュリーはティムの話しを聞き、バリーは彼女に気づく。

バリーは、ジュリーが聞いているのを承知で、彼女への気持ちをティムから聞きだす。

ジュリーはティムの言葉を信じ、バリーが彼女を迎えに来たキーランを説得し、二度と会わないことを約束させる。

仕事を諦めたジュリーはティムとの結婚を望み、バリーと共に三人は抱き合う。

その後もバリーとティムの友情は続き、キーランとも親交を深め、二人は共同で個展を開く。

そして、ティムとジュリーのコラボで、”マーティン・ミューラー美術館”がスイスに建設され、バリーとキーランの合作による、ミューラーの指の彫刻が披露される。

ティムとジュリーは結婚し、パリに新婚旅行に向かい、二人の部屋に隠れていたバリーは、その様子をじっと見ていた。

フェンダーの会社は倒産し、”ウォール街一の負け犬”と、”フォーブス”に評されてしまう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
上司の解雇をチャンスと考え、昇進を狙う投資会社社員ティム・コンラッドは、スイス人の富豪ミューラーの資産運用をフェンダー社長に提案する。
ティムに目を付けたフェンダーは、昇進の登竜門だと言って、”奇人・変人”を招く悪趣味な晩餐会に彼を招待する。
そんな時、出勤途中のティムは、死んでいただネズミを拾おうとした”IRS”(合衆国内国歳入庁)職員バリー・スペックと車で接触事故を起こしてしまう。
剥製ネズミのアートが趣味のバリーに興味を示したティムは、彼を晩餐会に同伴させようとする。
キュレーターの恋人ジュリーに認められたいティムは、彼女にそのことを伝える。
しかし、おかしな男性と同伴すると言うティムに、ジュリーは呆れてしまう。
そしてティムは、とんでもないバリーの”変人”振りに驚かされるのだが・・・。
__________

オースティン・パワーズ」(1997)や、「ミート・ザ・ペアレンツ」(2000)シリーズなどのジェイ・ローチ監督と「40歳の童貞男」(2005)でコンビを組んだスティーヴ・カレルポール・ラッドの再共演が話題となった爆笑コメディ。

奇人・変人を見て、笑いものにする悪趣味の晩餐会のバカバカしさとは裏腹に、純真?な主人公や彼に出会うビジネスマンとの友情も描く、古風な人情喜劇風の仕上がりが実に心地よい。

オリジナル作品の予想外のヒットで、期待された作品ではあるが、興行収入は今一伸びず、製作費をやや上回る程度に留まった。

製作費 $69,000,000
北米興行収入 $72,980,110
世界 $86,406,680

彼の出演というだけで、思わず注目してしまう、スティーヴ・カレルの芸幅の広さには感心してしまう。
お堅い役人風の彼が、意外にも行動力を発揮して、とてつもない言動を繰り返す多芸は見ものだ。

序盤で期待をかけながら、全体的には低空飛行的なポール・ラッドのキャラクターはやや平凡だが、全編通して主役級の活躍を見せてくれる。

出番は少ないが、独特のナンセンスギャグで大いに笑わせてくれる、バリー(S・カレル)の上司ザック・ガリフィアナキス、個性豊かな芸術家ジェマイン・クレメント、ティム(P・ラッド)の恋人ステファニー・ショスタク、ティムに付きまとう女性ルーシー・パンチ、投資会社社長のブルース・グリーンウッド、重役のロン・リビングストンラリー・ウィルモアスイス人の富豪デヴィッド・ウォリアムス、ティムの同僚クリステン・スカール、晩餐会で暴れる盲目の騎士クリス・オダウド、腹話術師ジェフ・ダナムなどが共演している。


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