007シリーズ第20作。 ライセンスを剥奪されながら世界征服を企む敵に立ち向かうMI6諜報員ジェームズ・ボンドの活躍を描く、監督リー・タマホリ、主演ピアース・ブロスナン、ハル・ベリー、トビー・スティーブンス、ロザムンド・パイク、ジュディ・デンチ他共演のスパイ・アクション。 |
・ロザムンド・パイク / Rosamund Pike / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:リー・タマホリ
製作総指揮:アンソニー・ウェイ
製作
バーバラ・ブロッコリ
マイケル・G・ウィルソン
脚本
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
編集
アンドリュー・マクリッチー
クリスチャン・アダム・ワグナー
撮影:デヴィッド・タッターサル
音楽:デヴィッド・アーノルド
モンティ・ノーマン:ジェームズ・ボンドのテーマ
主題歌:マドンナ”Die Another Day”
出演
ジェームズ・ボンド:ピアース・ブロスナン
ジアシンタ”ジンクス”ジョンソン:ハル・ベリー
グスタフ・グレーブス:トビー・スティーブンス
ザオ:リック・ユーン
ミランダ・フロスト:ロザムンド・パイク
ムーン将軍:ケネス・ツァン
タン・サン・ムーン大佐:ウィル・ユン・リー
ダミアン・ファルコ:マイケル・マドセン
M:ジュディ・デンチ
Q:ジョン・クリーズ
ベリティ:マドンナ
マニーペニー:サマンサ・ボンド
イギリス/アメリカ 映画
配給 MGM/20世紀FOX
2002年製作 112分
公開
イギリス:2002年11月20日
北米:2002年11月22日
日本:2003年3月8日
製作費 $142,000,000
北米興行収入 $160,854,140
世界 $431,971,120
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
北朝鮮、パクチョン海岸。
イギリス諜報員ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)は、ダイヤモンドの密売人に扮して軍事基地に向かう。
ダイヤと兵器を不法に取引している、タン・サン・ムーン大佐(ウィル・ユン・リー)は、側近のザオ(リック・ユーン)から、現れた男(ボンド)がイギリス諜報員だということを知らされる。
ムーンに捕らえられたボンドだったが、隙を見て逃れる。
軍用ホバークラフトを奪い、その場を去ったムーンを追ったボンドは、彼を抹殺することに成功する。
その後ボンドは、大佐の父親ムーン将軍(ケネス・ツァン)に捕らえられてしまう。
14ヶ月後。
監禁と拷問を受けていたボンドは、西側に捕らえられていたザオと交換で解放される。
香港。 ボンドはその責任をとらされ、”00”のライセンスを剥奪されてしまう。 疑惑を晴らすためにMI6支部から脱出してたボンドは、中国公安部員から、ザオがキューバに潜入しているという情報を入手する。 キューバ、ハバナ。 島を対岸から偵察したボンドは、ジアシンタ”ジンクス”ジョンソン(ハル・ベリー)と出会い、一夜を共にする。 翌朝、ジンクスが島に向かうことを知ったボンドは、怪我人の付き添いを装いロス・オルガノス島に向かう。 ボンドはザオを見つけるものの、抵抗に遭い取り逃がしてしまい、ジンクスと共に彼を追う。 しかし、ザオはヘリコプターで飛び去り、 警備隊に銃を向けられたジンクスは海に飛び込み、待機していたボートで逃亡する。 ボンドがザオから奪ったペンダントには、イギリスの大富豪で企業家の、グスタフ・グレーブス(トビー・スティーブンス)のダイヤが隠されていた。 ロンドンに戻り、フェンシング・クラブに向かったボンドは、インストラクターのベリティ(マドンナ)に、その場にいた会員のグレーブスを紹介される。 ボンドは、ザオのダイヤを賭けてグレーブスと対戦することになり、殺し合う寸前で、グレーブスのフェンシング・アシスタントのミランダ・フロスト(ロザムンド・パイク)に制止される。 負けを認めたグレーブスは、アイスランドで開催される、彼所有の最新鋭のミラー衛星のデモンストレーションにボンドを招待する。 その後ボンドは、地下鉄駅跡地のMI6支部に呼ばれ、孫場にいたMにグレーブスの情報を伝える。 そしてボンドは、Mから”00”のライセンスの復活を言い渡され、グレーブスの捜査を始める。 Q(ジョン・クリーズ)から、アストンマーチン(V12ヴァンキッシュ)などを支給されたボンドは、アイスランドに向かう。 実はフロストはMが送り込んだ諜報員で、グレーブスとザオの関係を探るものの証拠を手に入れられないままでいた。 ボンドが信用できないフロストは、アイスランドのグレーブスの元に戻る。 現地に到着したボンドはフロストに迎えられ、会場に現れたジンクスと再会する。 ザオもその場に到着し、グレーブスの元に向かう。 グレーブスは、遺伝子治療を受けて生まれ変わったムーン大佐だったのだ。 そして、セレモニーに続きデモンストレーションが始まり、グレーブスは、”イカルス”と呼ばれるミラー衛星を披露する。 それは、ダイヤを利用して太陽エネルギーを集中させ、一年中作物の収穫を可能にする装置だった。 その後ボンドは、姿を消せるアストンマーチンで指令センターに侵入するものの、気づかれてしまう。 そこにフロストが現れ、2人は恋人を装いボンドの部屋で愛し合う。 その頃、ジンクスはセンターの司令室に侵入するのだが、グレーブスとザオに捕らえられてしまう。 その後、センターに侵入したボンドは、レーザー光線で焼き殺される寸前のジンクスを救う。 ボンドは、ジンクスがアメリカ国家安全保障局(NSA)の捜査官だということを知る。 ボンドはグレーブスがムーンだということに気づき、現れたフロストがグレーブス側の二重スパイだと知る。 ボンドは隙を見てその場を脱出し、イカルスのソーラー・ビームに追われながらも、氷原を逃走してセンターに戻る。 ジンクスも再び捕らえられ、ボンドは、姿を消したアストンマーチンをリモコンで呼び寄せるものの、ザオに見つかってしまう。 ザオはジャガー(XKR)でボンドを追い、ソーラー・ビームの攻撃を受けるセンターにボンドは突入する。 ボンドはザオを倒し、崩れ落ちたセンターで溺れかけているジンクスを救出する。 その間、グレーブスは輸送機で逃亡する。 韓国、非武装地帯、アメリカ軍司令部。 ボンドが北朝鮮に侵入することにり、 NSAのダミアン・ファルコ(マイケル・マドセン)はジンクスを同行させる。 軍事基地に到着したボンドとジンクスは、イカルス制御装置を搭載した輸送機に侵入する。 イカルスは、地雷原を突破して韓国や日本を侵略するための兵器だったのだ。 グレーブスは父親ムーン将軍と再会し、彼にイカルスの威力を見せる。 核の反撃を恐れたムーン将軍は銃を手にし、息子グレーブスに銃口を向ける。 グレーブスはムーン将軍を殺害し、そこに押し入ったボンドの銃撃で機体に穴が開き、機内の気圧が下がり機体は急降下する。 操縦席を占拠していたジンクスが機体を立て直すが、フロストが現れる。 イカルスのビームが38度線に近づき、ジンクスは自動操縦でビームに接近し、機体は損傷して制御不能になる。 ジンクスはフロストを倒し、ボンドはグレーブスと一騎打ちとなる。 ボンドを叩きのめしたグレーブスは、パラシュートで脱出しようとする。 しかし、ボンドがそれを阻止し、グレーブスはエンジンに吸い込まれてしまう。 ボンドとジンクスは、墜落寸前の輸送機から搭載されていたヘリコプターで脱出する。 ロンドン、MI6本部。 そして、安全地帯に避難したボンドとジンクスは、グレーブスのダイヤに埋もれながら愛し合う。
精密検査を受けたボンドの前に現れたM(ジュディ・デンチ)は、アメリカの諜報員が処刑されたことで、監禁中に彼が情報を漏らしたことを疑う。
...全てを見る(結末あり)
現地に到着したボンドは、ロス・オルガノス島の病院で、ザオが人間を生まれ変わらせる遺伝子治療を受けているという情報を入手する。
北朝鮮がイカルスの攻撃で地雷地帯を爆破し、韓国に侵攻する可能性が高まる。
ボンドが、自分と愛し合うシュミレーション装置を試していたMの秘書マニーペニー(サマンサ・ボンド)は、それをQに見つかってしまう。
*(簡略ストー リー)
北朝鮮で任務中に捕らえられていたイギリス諜報員ジェームズ・ボンドは、監禁と拷問を受け、14ヶ月後に、西側に捕らえられていた密売人の側近ザオと人質交換で解放される。
ボンドの上司Mは、アメリカの諜報員が処刑されたことで、彼が監禁中に情報を漏らしたことを疑う。
その責任をとらされたボンドは、”00”のライセンスを剥奪されてしまう。
疑惑を晴らすためにボンドは、自分と交換で解放されたザオが、キューバに潜入しているという情報を中国公安部員から入手する。
現地に到着したボンドは、人間を生まれ変わらせる遺伝子治療を受けているザオの所在を突き止める。
そしてボンドは、出会った謎の女性ジアシンタ”ジンクス”ジョンソンが、その場に向かったことを知り後を追うのだが・・・。
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シリーズ40周年、20作を記念したダブル・アニバーサリー作品であり、ピアース・ブロスナン最後の出演作品。
記念作品だけに、過去シリーズで登場したシーンなどが、オマージュとして随所に挿入されている。
しかし、韓国、日本、中国などがごっちゃ混ぜにされたイメージなど、かなり違和感がある。
人工衛星や派手な軍事兵器などが多く登場する荒唐無稽なアクション大作であるため、純粋なスパイ映画とは程遠い内容にやや不満はあるが、興行的には全世界4億ドルを突破し、シリーズ最大のヒットとなった。
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製作費 $142,000,000
北米興行収入 $160,854,140
世界 $431,971,120
*この記録は次回作「カジノ・ロワイヤル」(2006)で破られる。(約6億ドル)
主演のピアース・ブロスナンは、有終の美を飾るが如く大奮闘している。
前年「チョコレート」(2001)でアカデミー主演賞に輝き、演技派としての才能を開花させたハル・ベリーが、彼を上回る活躍と魅力を見せ付けてくれる。
ダイヤモンド王トビー・スティーブンスは、人工衛星を利用した画期的な発明で世界平和を脅かすという大物の割には、外見にあまりスケール感がない。
*彼はロバート・スティーブンスとマギー・スミスの息子である。
M役のジュディ・デンチは、本作では、非情にもボンドにライセンス剥奪を言い渡し、シリーズ4作目にしていよいよ貫禄と迫力の演技を見せてくれる。
デビュー作となったロザムンド・パイクは、主人公のボンドを相手に二重スパイを熱演している。
彼女は、オックスフォード大学を優秀な成績で卒業し、在学中に本作に出演したものの、結局はこの出演を後悔しているらしい。
前作の「ワールド・イズ・ノット・イナフ」(1999)でデスモンド・リュウェリンに紹介され”R”を演じたジョン・クリーズは、本作では”Q”を名乗り登場する。
ジュディ・デンチに次ぐ大物の起用で、益々シリーズが盛り上がる。
フェンシングのインストラクター役のマドンナは、主題歌となる”Die Another Day”の作詞、作曲も兼ねて、もちろんオープニングとエンディングで歌声を聞かせてくれる。
敵の殺し屋リック・ユーン、息子に裏切られるムーン将軍ケネス・ツァン、その息子である大佐ウィル・ユン・リー、NSA捜査官のマイケル・マドセン、そして、マニーペニーのサマンサ・ボンドなどが共演している。