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コピーキャット Copycat (1995)

殺人鬼の犯行を模倣する事件解決の協力を求められた犯罪心理分析学者に襲い掛かる恐怖を描く、監督ジョン・アミエル、主演シガニー・ウィーバーホリー・ハンターダーモット・マローニーハリー・コニックJr.ウィリアム・マクナマラウィル・パットン他共演の心理スリラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:ジョン・アミエル

製作
アーノン・ミルチャン
マーク・ターロフ
製作総指揮:ジョン・フィードラー
脚本
アン・ビダーマン
デヴィッド・マドセン
撮影:ラズロ・コヴァックス
編集
アラン・ハイム
ジム・クラーク
音楽:クリストファー・ヤング

出演
ヘレン・ハドソン:シガニー・ウィーバー
M.J.モナハン刑事:ホリー・ハンター
ルーベン・ゲッツ刑事:ダーモット・マローニー
ダリル・リー・カラム:ハリー・コニックJr.
ピーター・フォーリー:ウィリアム・マクナマラ
トーマス・クイン警部補:J・E・フリーマン
ニコレッティ刑事:ウィル・パットン
アンディ:ジョン・ロスマン
スーザン・シファー:シャノン・オハーリー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1995年製作 123分
公開
北米:1995年10月27日
日本:1996年3月16日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $32,051,920


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
サンフランシスコ
犯罪心理分析学者ヘレン・ハドソン(シガニー・ウィーバー)は、大学での講演を終え、警官に付き添われてトイレに向かう。

女性一人が使用中であることを確認した警官は、異常がないことをヘレンに伝えて外で待つ。

その女性に扮していた、かつてヘレンが担当した殺人鬼ダリル・リー・カラム(ハリー・コニックJr.)は、彼女に襲い掛かり首にワイヤーをかける。

異常に気づいた警官は中に入り、首を吊られて苦しむヘレンを確認するものの、ダリルに銃を奪われ首を切られて射殺される。
...全てを見る(結末あり)

13か月後。
命は助かるものの、その事件がトラウマとなり”広場恐怖症”となり家に閉じこもるヘレンは、友人であるアシスタントのアンディ(ジョン・ロスマン)に支えられながら、恐怖に怯える日々を送っていた。

サンフランシスコ市警の刑事M.J.モナハン(ホリー・ハンター)と同僚のルーベン・ゲッツ(ダーモット・マローニー)は、ある殺人現場に向かう。

上司のトーマス・クイン警部補(J・E・フリーマン)から後を任されたM.J.は、その場にいた警官のマイクに、家の中の物に触れていないことを確認する。

内部を見まわしながら浴室の死体を確認したM.J.は、首が絞められている痕を見て疑問に思う。

マイクにその件を追及したM.J.は、ストッキングが首に巻かれていたことを認めた彼から、クインが鑑識の前に来たことを知らされる。

署に戻り、その件についてクインに説明を求めたM.J.は、マスコミに情報が漏れるのを防ぐためにストッキングを隠したと言われる。

担当の自分に押収する権限があると言うM.J.は、証拠品のストッキングが必要だと伝えてその場を去ろうとする。

クインは、既にマスコミが騒ぎ始めている”連続殺人犯”は禁句だとM.J.に伝えて忠告する。

ドアの外の新聞に手が届かず、何とかそれを手にして部屋に戻ったヘレンは、3人目の女性の犠牲者が出たという新聞記事を確認する。

M.J.に惹かれているニコレッティ刑事(ウィル・パットン)は、彼女とルーベンの関係に嫉妬していた。

何度もかけてくる匿名の情報提供の電話を受けたM.J.は、逆探知をして、相手が”ヘレン・ハドソン”だということを知る。

ヘレンが担当したダリルの事件などを調べたM.J.は、今回の件は連続殺人だと考え、否定するクインに意見する。

M.J.とルーベンを迎えたアンディは、二人にヘレンを紹介する。

ダリルが刑務所から脱獄したのではないかと考えたヘレンは、M.J.と電話をした件などを話し、事件は連続殺人犯の犯行であり、また起きると伝える。

M.J.から協力を求められたヘレンはそれを断り、事件の写真などを見せられて取り乱し発作を起こす。

いつものパニック発作で広場恐怖症だとアンディから知らされたM.J.とルーベンは、謝罪して帰ろうとする。

アンディから、写真を見せたいのなら置いて行くようにと言われたM.J.とルーベンは、名刺も置いてその場を去る。

帰ろうとする二人とヘレンの家を監視している者がいた。

落ち着いたヘレンは取り乱したことを恥ずかしく思い、魅力的だったルーベンのことをアンディと話し、M.J.が置いて行った写真を見るようにと言われる。

その後ヘレンは、ベッドに紺の服を置いてシャワーを浴びる。

浴室を出たヘレンは、ダリルに襲われた際に着ていた赤い服がベッドに置かれていることに気づき、自分がそれを置いたのか思い出すことができない。

署に残っていたM.J.を食事に誘ったニコレッティだったが、彼女は返事をしない。

食べ物を買って戻ったルーベンから一緒に食べないかと言われたニコレッティは、それを断りその場を去る。

ルーベンから日本食を勧められたM.J.は、チーズバーガーでないことで苛立ち、ヘレンから必ず電話があると言って彼と賭けをする。

それに乗ったルーベンは、ポケットからチーズバーガーを出しM.J.に渡す。

M.J.に電話をかけて彼女とルーベンを呼んだヘレンは、置いていった写真で自分を試したことを確認し、各事件の犯人の分析を始める。

直前の事件の被害者が、ストッキングで首を絞められていると指摘したヘレンは、過去にボストンで起きた事件を真似していると二人に伝える。

外部からの協力を受け入れニコレッティを使うようにとクインから指示されたM.J.は、それを断るものの、聞き入れてもらえなかった。

チャットやゲームなどだけで外部と接する生活を送るヘレンは、あるメールを受ける。

それは、次の犠牲者を知らせる犯人からの犯行の予告だった。

M.J.とルーベンにそのことを知らせたヘレンは、犯人が警察の動きを監視して喜んでいると伝える。

メールの映像などをコピーしようとしたルーベンは、データが消えてしまったために焦り、ヘレンは、被害者はどこにでもいる普通の若い女性だったと話す。

苛立つヘレンはパソコンの電源を切り、ネット回線も外して侵入ルートを断とうとする。

警備をつけると言われても納得しないヘレンを落ち着かせたルーベンは、自分が残るのでパソコンの電源を入れてほしいと彼女に伝えて納得させる。

その後、ヘレンからM.J.との関係を訊かれたルーベンは、どうりょうだと言いながら彼女の好意を感じる。

妻と暮らす犯人のピーター・フォーリー(ウィリアム・マクナマラ)は、地下の秘密の部屋に捕らえていた女性を殺す。

翌日、殺害された女性の死体は発見され、M.J.は現場を調べる。

現れたルーベンにM.J.のことで牽制したニコレッティは、自分は彼女に捨てられたと言われる。

死体の状況から違う犯人だと考えたルーベンは、ニコレッティに挑発されて揉み合いになり、二人はM.J.に制止される。

ヘレンの元に向かったM.J.は、事件のことを知っていた彼女に今回は手口が違うと伝えるものの、死体発見現場と酷似している、以前に起きた事件の写真を見せられる。

真似する殺人者を犯人が変えたと言うヘレンは、これは”始まり”の合図だとM.J.に伝える。

その後ピーターは、ある女性に道を聞くふりをして殺害する。

M.J.とその現場を調べていたルーベンは、ヘレンからの電話で殺害状況を訊かれ、”パートリッジ・ファミリー”の曲がカセットテープで流れていたはずだと言われる。

曲を確認したヘレンは、現場はガソリンスタンドの近くで、電話ボックスにメモがあるはずだとルーベンに伝える。

メモを取りに行ったルーベンから電話を渡されたM.J.は、今回も連続殺人犯”デビッド・バーコウィッツ”真似をしていることを知り、ヘレンから、彼は常に現場にいたと言われたために周囲を見渡す。

”また会おう、待ってろ”というメモだったことを知らされたヘレンは、M.J.から、ルーベンが向かったと言われる。

車のアラームが鳴り響き、それに気づいたヘレンの家を警備する警官バートは、その場に向かう。

署に連絡したM.J.はヘレンの家に警官を向かわせて、バートに警告するようにと伝える。

バートはアラーム音で無線に気づかず、その隙に何者かがヘレンの家に侵入する。

侵入者に気づいたヘレンは家の外に出るが、発作が起きそうになり戻る。

ヘレンはナイフを手にして侵入者を威嚇し、到着したルーベンは男が走り去るのを目撃する。

M.J.も駆け付け、物取りの可能性があると言うルーベンに興奮しながら反論するヘレンは、警備がいたにも拘わらず自由に出入りできる状況だったことを非難する。

駆け付けたのは偶然過ぎると言うヘレンは、現場に自分宛ての手紙があったことを知る。

”自由に出入りした”という言葉が気になるM.J.は、講演会で着たスーツに触れられた事があると言われる。

知らせるべきだと言われたヘレンは、自分で置いたのかと思ったと話ながら、今回は泥棒ではないと断言する。

それを認めたM.J.は、犯人の狙いはあなたであり、逃げないでほしいと言って、鍵を付け替えて警備を厳重にするとヘレンに伝える。

捜査の進展がないために総監が署に現れ、クインは、ヘレンを外すことを指示されたとM.J.に伝える。

著書の宣伝が目的かもしれないと言うクインは総監の意見に賛成し、M.J.にはヘレンとの接触を禁ずる。

それを無視したM.J.はヘレンに手紙を見せて、犯人像を推理してもらう。

M.J.は犯人が逮捕してほしいのではないかと考える。

ヘレンから売名行為だと思うのかと訊かれたM.J.は、また本が書けると答える。

その夜、眠ろうとしたヘレンは、ベッドにアリがいることに気づき、マットレスの下の本に挟まった切断された指を発見する。

そのダリルの著書には、ヘレンに宛てた言葉がサインと共にメモしてあった。

刑務所とネットでつなぎダリルと話すことになったヘレンは、M.J.に代理を頼む。

自分としか話さないと言うダリルに誰が本を届けたのか尋ねたヘレンは、”ペーター・キュルテン”だと答える彼に、1930年代のドイツ人の殺人者だと伝える。

ファンレターが何度も届いたので侵入するようにと言ったことを認めたダリルは、2日前に出所した男に精液を入れた袋を預けて、”キュルテン”に渡すよう指示したことを話す。

時間と場所を教えるようにと言われたダリルは、ヘレンの下着を渡すことを条件にする。

それを了解したヘレンに、ダリルは、今夜10時にダンバー精肉店で二人は会うはずだと伝える。

ルーベンに電話をしたM.J.は、現場に向かう。

署でチャイナタウンで起きた事件を処理するニコレッティは、拳銃を入れた引き出しの鍵をし忘れて騒ぎを鎮めようとする。

その場にいた手錠をかけられていた男は、引き出しから拳銃を奪う。

ゲイのアンディは、ヘレンを残して男友達と出かける。

ルーベンに手錠を外された男は、彼に銃を突きつける。

ニコレッティらは落ち着かせようとするが、男はルーベンを連れて部屋を出る。

署に戻ったM.J.はそれに気づき、男を銃撃してルーベンを助ける。

しかし、油断したルーベンは男に射殺されてしまう。

鍵をかけ忘れたことを後悔するニコレッティは、M.J.と仲が良かったルーベンを憎んでいたが、今となっては自分が身代わりになりたいと彼女に伝える。

ニコレッティが停職で済むように総監を説得したことをクインから知らされたM.J.は、自分の責任だと言ってバッジを渡す。

判断ミスではなく結果が違っただけだと言うクインは、バッジをM.J.に返し、今夜は互いに酔おうと伝える。

ヘレンの元に向かいルーベンが死んだことを知らせたM.J.は、二人の気持ちに気づいていたことを伝えるものの、何もなかったと言われる。

M.J.を気遣うヘレンは彼女と話をしようとするが、そこに電話があり、講演の際の自分のスピーチがメッセージに残される。

電話に出たヘレンは、相手が”キュルテン”だと思うものの切れてしまう。

あるクラブで受話器を置いたピーターは、薬を入れたカクテルをアンディに渡す。

通話記録を調べさせたM.J.は、ヘレンの講演で名前をあげた”ジェフリー・ダーマー”の犯行を次に犯人が真似をすると考える。

犯人が電話をしたクラブが分かったM.J.は、ヘレンから、ジェフリー・ダーマーは男を殺したと言われて現場に向かう。

路地でアンディを殺害したピーターは、頭部を切断する。

翌日、港でアンディの死体が発見される。

それをM.J.から知らされたヘレンは悲しみ、次に名前をあげた”テッド・バンディ”の犯行内容を彼女に話す。

その情報を基に捜査を始めたM.J.は、クラブにいた客の中から”ピーター・フォーリー”という男を特定する。

キュルテンの妻の写真に自分の顔を合成したヘレンは、待っているという言葉と共に犯人にメールを送り挑発する。

クインは、SWATの出動の準備をする。

防弾チョッキ着たM.J.は、署を去るニコレッティから気をつけるようにと言われる。

ニコレッティから愛していると言われたM.J.は、分かっていると伝える。

ピーターの家を包囲したSWATは、地下室の出火と共に突入し、妻が殺害されているのを確認する。

家全体から出火して爆発も起きる。

インタアビューを受けたクインは”コピーキャット(模倣)事件”の犯人ピーター・フォーリーが、自ら火を放ったようだと伝える。

二人の警備の警官がトイレを借りに来たと思ったヘレンは、ドアを開ける。

警官に扮していたピーターは一人の首を切って殺害し、ヘレンを殴り倒し、招待されたので来たと伝える。

そこにM.J.からの電話が入り、これから向かうというメッセージを残す。

思い通りになったと言うピーターは、ヘレンに注射を打ち眠らせる。

その場に着いたM.J.は、警官の死体を確認して署に連絡する。

部屋に入ったM.J.は、メモの指示に従いビデオを再生させる。

眠らさたヘレンに講演時の赤い服を着せたピーターは、場所は分かるはずだとM.J.に伝える。

講演が行われた場所のトイレでヘレンの首にワイヤーをかけたピーターは、ダリルの犯行と同じ状況を再現する。

クインに建物に向かうなと言われるものの、それを無視したM.J.は現場に急行する。

メスでヘレンの下着を切り裂くピーターは、彼女に侮辱されて苛立つものの気持ちを抑える。

探知機が反応したためにM.J.が来たことに気づいたピーターは、彼女を待つ。

署に連絡を入れたM.J.は、クインに謝罪するメッセージを残す。

トイレに入ったM.J.は倒れている警官を確認し、ピーターを捜す。

殺された警官に扮していたピーターは、M.J.に襲い掛かるものの抵抗される。

M.J.を銃撃したピーターは、彼女の首を切ろうとするが、ヘレンが便器から足を外してしまう。

ヘレンに死なれては困るピーターは、銃撃してワイヤーを切る。

鏡の破片を拾ったヘレンはピーターの太腿に突き刺し、顔にスプレーを浴びせる。

その場から逃れたヘレンは屋上に逃げるが、発作が起きそうになる。

追ってきたピーターの前で笑い始めたヘレンは、殺せばいいと言って彼を挑発する。

その時、肩を撃たれたピーターは振り向き、無事だったM.J.は彼を射殺する。

その後、別の殺人鬼に手紙を書くダリルは、ピーターのような失敗はするなと忠告する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
サンフランシスコ

犯罪心理分析学者ヘレン・ハドソンは、かつて担当した殺人鬼ダリルに襲われたことがトラウマとなり”広場恐怖症”で家に閉じこもる日々を送っていた。
同じ頃、連続殺人事件が起き、情報提供者のヘレンに会った刑事M.J.とルーベンは彼女に協力を求める。
講演で自分が名をあげた有名な殺人鬼の犯行に似ていることに気づいたヘレンは、犯人はそれを模倣する”コピーキャット”であると考える。
収監中のダリルがそれに関係していることも考えながら、ヘレンはM.J.とルーベンと共に犯人を追うのだが・・・。
__________

殺人鬼に襲われたことで”広場恐怖症”となった犯罪心理分析学者が警察から協力を求められ、恐怖に怯えながら連続殺人事件を解決するまでを描く心理スリラー。

ジャック・サマースビー」(1993)などで知られるイギリス人監督ジョン・アミエルが、実力派スター競演で描いた話題作。

猟奇殺人事件を扱う内容としては平凡なのだが、犯人が、実在した殺人鬼の犯行手口を模倣する展開は興味深く、それを陰で操るような知能犯の殺人鬼も、インパクトのある存在として大きな役割を果たしていることにも注目したい。

また、インターネット黎明期である当時の技術が、捜査に役立つ描写なども、今見るとかえって新鮮でなかなか面白い。

主演のシガニー・ウィーバー、襲われたことがトラウマとなり”広場恐怖症”に苦しむ犯罪心理分析学者を熱演し、連続殺人事件の捜査を担当し、主人公の協力を得て事件を解決する刑事役ホリー・ハンターの好演が光る。

命を落とすM.J.(ホリー・ハンター)の同僚ダーモット・マローニー、主人公と関係する殺人鬼を怪演するハリー・コニックJr.、かつての殺人鬼の犯行を模倣する犯人のウィリアム・マクナマラ、事件の捜査責任者である警部補のJ・E・フリーマン、その部下でM.J.に惹かれる刑事のウィル・パットン、主人公の助手であり友人のジョン・ロスマン、テレビ・レポーターのシャノン・オハーリーなどが共演している。


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