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コクーン Cocoon (1985)

太古の昔に地球に取り残された仲間を救うために現れた異星人と老人達の触れ合いを描く、監督ロン・ハワードドン・アメチーウィルフォード・ブリムリーヒューム・クローニンブライアン・デネヒースティーヴ・グッテンバーグモーリン・ステイプルトンジェシカ・タンディ他共演のSFファンタジー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト ■
監督:ロン・ハワード

製作
リチャード・D・ザナック

デイヴィッド・ブラウン
リリー・フィニー・ザナック
原作:デヴィッド・サパースタイン
脚本:トム・ベネデク

撮影:ドナルド・ピーターマン
編集
ダニエル・P・ハンレイ

マイク・ヒル
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演
アート・セルウィン:ドン・アメチー

ベンジャミン・ラケット:ウィルフォード・ブリムリー
ジョー・フィンレイ:ヒューム・クローニン
ウォルター:ブライアン・デネヒー
バーニー・レフコビッツ:ジャック・ギルフォード
ジャック・ボナー:スティーヴ・グッテンバーグ
マリリン・ラケット:モーリン・ステイプルトン
アルマ・フィンレイ:ジェシカ・タンディ
ベス・マッカーシー:グエン・ヴァードン
ロージー・レフコビッツ:ヘルタ・ウェア
キティ:ターニー・ウェルチ
デヴィッド:バレット・オリヴァー
スーザン:リンダ・ハリソン
ジョン・デクスター:クリント・ハワード
ピルスバリー:タイロン・パワーJr.
スパーク警部補:ランス・ハワード

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1985年製作 117分
公開
北米:1985年6月21日
日本:1985年12月14日
製作費 $17,500,000
北米興行収入 $76,100,000
世界 $85,313,120


アカデミー賞 ■
第58回アカデミー賞

・受賞
助演男優(ドン・アメチー
視覚効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
フロリダ州、セント・ピータースバーグ
”サニー・ショア高齢者コミニティー”では、リタイアした老人達が気ままな毎日を送っていた。

施設で暮らすアート・セルウィン(ドン・アメチー)、ベンジャミン・ラケット(ウィルフォード・ブリムリー)、ジョー・フィンレイ(ヒューム・クローニン)は、隣接する空き家の屋敷のプールで泳ぐのが楽しみだった。

貸しボートの船長ジャック・ボナー(スティーヴ・グッテンバーグ)は、身なりのよい男性ウォルター(ブライアン・デネヒー)から船を借りたいと言われ、喜んでそれを受け入れる。
...全てを見る(結末あり)

その後ウォルターは、アートらが忍び込んでいた屋敷も借りる契約も済ませる。

それを知ったアートらは仕方なく施設に戻り、プールで泳げなくなってしまったことを残念に思う。

ジャックは、海底の遺跡付近から大きな物体を引き上げるウォルターらの案内役として同行する。

その様子を監視していたアートらは、岸に着いたウォルターらが麻薬の密売屋ではないかと考える。

アートらは、そうだとしたら、プールに入るくらい咎められないだろうと考え屋敷に向かう。

アート、ベンジャミン、ジョーの三人は、ウォルターらが運んできた物体を気にしながらも、プールに飛び込んでしまう。

すると、三人は突然はしゃぎ始め、漲るパワーを感じながら大いに楽しむ。

その夜、ジョーは妻アルマ(ジェシカ・タンディ)をベッドに誘い、アートはベス・マッカーシー(グエン・ヴァードン)の部屋を訪ね、ベンジャミンも妻マリリン(モーリン・ステイプルトン)とシャワーを共にする。

そして、三人は翌日も張り切って屋敷のプールに向かう。

ジャックは、ウォルターらが引き上げる物体が気になり、同僚のキティ(ターニー・ウェルチ)から、その物体の正体を聞き出そうとする。

キティは、学術的に貴重な巨大カタツムリの殻だとジャックに伝える。

足に物を落とした、ジャックの痛みを消し去ったキティは、彼に誘われるものの、自分が普通の女性とは違うと伝え、それを断る。

数日後、病院に検査に行ったジョーは、癌が完治してしまったことを医師から知らされ、妻アルマと共に喜び合う。

アート、ベンジャミン、ジョーはダンスパーティーでも大いに女性達を楽しませる。

その頃、キティの着替える様子を覗き見してしまったジャックは、彼女が、人間の姿を装った異星人であることを知ってしまう。

ウォルターは取り乱すジャックに、自分達が”アンタレア星人”だと伝える。

1万年前の、地殻変動前の”アトランティス”を基地にしていたウォルターらは、地球に取り残された仲間達を迎えに来たとジャックに語る。

ジャックは、ウォルターらが友好的な異星人だと知り、今後も彼らに協力することになる。

老人三人組は、友人のバーニー・レフコビッツ(ジャック・ギルフォード)もプールに連れて行くが、そこにウォルターらが戻ってきてしまう。

四人は隠れるのだが、ウォルターらが異星人だと知り驚いてしまい、彼らに見つかり、その場から逃げ去ってしまう。

施設の職員ジョン・デクスター(クリント・ハワード)らは、老人達が遭遇した異星人の話を信じようともしない。

一応、警察が屋敷に出向くが、ウォルターは老人達を訴えようとはしなかった。

その後、元の生活に戻った三人だったが、ジョーの様子が一変してしまう。

心配したベンジャミンは、ウォルターと話をつけるために屋敷を訪れ、プールを使わせてほしいということを伝える。

ウォルターは、”繭/コクーン”に触らないことを条件にプールに入ることを許可する。

バーニーはウォルターらを警戒し、運命は自然に任せると言ってアートらの行動に賛同せず、妻のロージー(ヘルタ・ウェア)と
プールに行くことを拒んでしまう。

そして、妻達を連れた老人三人組はプールに向かい、異星人達との親交を深めながら楽しい時を過ごす。

視力が回復し、免許の停止も解除されたベンジャミンの車で、老人達は若者の集まるディスコに向かうなど、エネルギッシュな毎日を送る。

同じ頃、ジャックとキティは親密な関係になり、異星人の方法で愛し合う。

度を越した振る舞いに呆れ、かつてと同じように浮気を始めた夫ジョーに愛想を尽かしたアルマは、彼の元を去ってしまう。

その後、施設の老人達は、ジョーとバーニーの争いを見て、隣の屋敷のプールに、不老の秘密があることに気づく。

そして、老人達は大挙してプールに入り、コクーンに触ってしまい、それを見たウォルターは激怒して、彼らを追い払ってしまう。

プールから出されてしまったコクーンの中の異星人は、息絶えてしまう。

その夜、体調を崩していたロージーは、バーニーと暮らして幸せだったことを伝えて息を引き取る。

バーニーはロージーをプールに運ぶが、彼女を助けることができないことをウォルターは伝える。

ベンジャミンはウォルターに謝罪し、連れて行くことができなくなったコクーンの中の仲間達を、海に戻す手伝いをすることを申し出る。

コクーンを無事に海に戻したウォルターは、アートらに宇宙船で旅立つことを提案をする。

”永遠”という定義もない世界への旅を決意したベンジャミンは、孫のデヴィッド(バレット・オリヴァー)に、宇宙の別世界に向かうことを知らせ別れを告げる。

アートは預金を全額降ろして、街頭を歩く人々に配ってしまい、ジョーはアルマに謝罪して彼女も夫を許す。

そして、アートとベスは、二人だけの結婚式を挙げ、誘われた老人達は施設を抜け出す。

デヴィッドの様子がおかしいことに気づいた母スーザン(リンダ・ハリソン)は、両親の元に向かう。

バーニーが旅立つ仲間達に別れを告げていた頃、施設に向かったスーザンと職員デクスターが、老人達がいないことに気づく。

施設には、スパーク警部補(ランス・ハワード)も現れ騒動となるが、その頃、ジャックはボートのエンジンがかからず焦ってしまう。

デヴィッドが、老人達の乗っているそのボートに気づき、出発寸前でそれに飛び乗ってしまう。

ボートは海上と空からの追跡を受けるが、デヴィッドが祖父母らを助けるために海に飛び込む。

警察がデヴィッドに気を取られている間に、ボートは全速力で走り去り、ウォルターが呼んだ宇宙船が現る。

ジャックは、ウォルターに感謝されて大金を受け取り、キティに別れを告げて海に飛び込む。

そして、ボートは宇宙船に引き込まれ、宇宙の彼方に飛び立って行く。

その後、老人達は亡くなったこととなり、追悼式典が執り行われるのだが、祖父母達が生きていることを知るデヴィッドだけは、笑顔で空の彼方を見つめる。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「コクーン」(1985)
・「コクーン2」(1988)

*(簡略ストー リー)
高齢者施設で暮らすリタイアした老人三人組アート、ベンジャミン、ジョーは、隣接する空き家のプールで泳ぐことを楽しみにしていた。
ある日、身なりのよい男性ウォルターらが青年ジャックのボートと屋敷を借りることになる。
老人三人組は、プールで泳げなくなることにショックを受けるが、開き直り再びプールに入ってしまう。
ウォルターらは、海底からある物体を引き上げプールに保存していたのだが、老人達はそれを気にしながらそこで泳いでしまう。
すると、突然、老人達は若返ったような気分となり意気揚々と施設に引き上げる。
妻や恋人を誘惑し、漲るパワーを感じ始めて、ジョーの癌も完治してしまう。
同じ頃、ジャックはウォルターらが異星人だと知ってしまうが、彼らが友好的だと知り協力することにする。
その後、老人達はプールでウォルターらに見つかってしまう。
再び病気が悪化し始めたジョーを見たベンジャミンは、ウォルターを訪ねてプールの使用を許可してもらうのだが・・・。
__________

前年の「スプラッシュ」(1985)に続き、ロン・ハワードが確実に才能を開花させて、実力を見せ付けた彼の前期の代表作でもある。

同じSFファンタジー「E.T.」(1982)を意識したような異星人を友好的に描いた作品で、ロン・ハワードの演出は切れはあるが、やや盛り上がりに欠ける内容は物足りなさを感じる。

しかし、老人の死を悲観的に捉えない描き方、新たな生き方にチャレンジする者と、それが幸せかを考えつつ自然に任せることを選ぶ者の両者を描き、観客にそれを選択させる手法などは面白い。

アカデミー賞を受賞したSFXや、往年のスターの競演も大いに話題を呼んだ作品でもある。

北米興行収入は約7600万ドル、全世界では約8500万ドルを記録した。

第58回アカデミー賞では、助演男優(ドン・アメチー)と視覚効果賞を受賞した。

ジェームズ・ホーナーの、美しい音楽も印象に残る。

その仕草や、独特の低音の声が実に魅力的なドン・アメチー、実は撮影当時まだ50歳になったばかりだった、リーダー的な存在のウィルフォード・ブリムリー、その妻モーリン・ステイプルトン、癌が完治するどころか浮気癖も再発してしまうヒューム・クローニン、その妻役で、実生活でも夫婦のジェシカ・タンディ、厳つい風貌ながら友好的な異星人役のブライアン・デネヒー、運命を自然に任せるジャック・ギルフォード、その妻役ヘルタ・ウェア、貸しボートを異星人に提供する青年のスティーヴ・グッテンバーグ、アート(D・アメチー)と旅立つ直前に結婚する、往年のブロードウェイの大スターで、ボブ・フォッシー夫人のグエン・ヴァードン、異星人役で、ラクウェル・ウェルチの娘のターニー・ウェルチタイロン・パワーの息子であるタイロン・パワーJr.、ベンジャミン(W・ブリムリー)の孫バレット・オリヴァー、その母で、「猿の惑星」(1968)のノーヴァ役が有名なリンダ・ハリソンロン・ハワードの弟、施設職員クリント・ハワード、そして、二人の父親である刑事役のランス・ハワードなどが共演している。


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